And The Trophy Goes To…

カレッジフットボール界で最も栄誉ある個人賞、ハイズマントロフィー。これを手にすることはカレッジフットボール史に永遠にその名を残すことができるということで、これ以上ない最高の勲章であります。毎年その年の最高選手に贈られるこのトロフィー、最終候補に選ばれたのはオクラホマ大のQBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)、スタンフォード大RBブライス・ラブ(Bryce Love)、そして昨年の受賞者ラマー・ジャクソン(Lamar Jackson)の3人でした。ここにたどり着くだけでも凄いことですが、その頂点にたどり着いたのは・・・。

大方の予想通り今年の栄えある受賞者となったのはオクラホマ大のメイフィールドでした。

今季トータル41TDに4340パスヤードを記録し、パス成功率は驚異の71パーセント。犯したインターセプションはたったの5つでQBレートは203.8ポイントでどれもハイズマントロフィーの名に恥じない数字ばかり。今季チームは12勝1敗でカンファレンスタイトルを獲得し、先日発表されたファイナルCFPランキングでチームは2位にランクイン。プレーオフに進出することが確定しています。そのチームのリーダーであるメイフィールドがこの賞を獲得したのは誰の目から見ても文句のつけようがない結果でした。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ハイズマントロフィーレースはシーズン序盤はペンシルバニア州立大のRBセイクワン・バークリー(Saquon Barkley)の独走態勢となっていましたが、後半に入り彼の勢いが衰えると序盤から安定したパフォーマンスを繰り広げ続けていたメイフィールドが最有力候補に踊り出ます。しかし彼もここにたどり着くまで決して平坦な道だったわけではありません。

カレッジフットボールでは最初にテキサスクリスチャン大に進学するはずでしたが、スカラシップ(スポーツ奨学金)を授与されないことなり、進学先をテキサス工科大に変更。ウォークオン(非スポーツ奨学金選手)としてフットボール部に入部します。しかしここでも出場のチャンスを与えられずオクラホマ大へ転校したという経歴の持ち主。ここでメキメキと頭角を表し昨年もハイズマントロフィーの最優秀候補に選ばれました。

ただ明るいスポットライトを浴び続けていたわけではありません。去年ハイズマントロフィーのファイナリストに選ばれたことから今季はシーズン前からすでにメイフィールドはトロフィーレースのトップ候補に挙げられていました。しかしプレシーズンに公共の面前での飲酒で職質されてそこから逃亡を測ろうとして逮捕されてしまうという事件を犯してしまいます。これは選手の資質にも重きを置かれるハイズマントロフィー受賞という面でメイフィールドにとっては痛い失態となってしまいました。

シーズンが始まっても第2戦目のオハイオ州立大戦でチームが勝利を挙げるとメイフィールドはオクラホマ大の旗をオハイオ州立大のフィールド上にあるロゴに突き刺すという行為を犯して大きな批判を受けてしまいます。さらに11戦目のカンザス大戦では試合前に相手選手に友好の握手を拒否されると激昂してサイドラインで悪態をつくという「奇行」をおかし、株を落としてしまいます。

そうしてフットボール選手としての能力は一品である一方色々問題を起こしてきたメイフィールドがハイズマントロフィーを獲得するに値する人物なのかという議論も湧きましたが、結果的にフットボール選手としての疑い無い才能がトロフィー獲得に繋がったのです。

投票の結果は732票の1位票を含む2398ポイントを獲得。この得票パーセントは86パーセントということで1950年以来3番目に高い獲得率となりました。また4年生としてこの賞を受賞したのは2006年にオハイオ州立大トロイ・スミス(Troy Smith)以来のこと。彼がオクラホマ大のQBになった2015年以来、チームは得点数、オフェンスのTD数、1試合の平均獲得ヤードの全てのカテゴリーでFBS最多記録を3年連続刻み、当然その主格となったのがこのメイフィールドであるわけです。

2015年から3年連続でハイズマントロフィーのファイナリストに選ばれ、3度目の正直でこの栄冠を手に入れたメイフィールドですが、これまで3度とも最終投票結果でトップ4以内に入ってきました。これはハイズマントロフィー史上で5人目の快挙でもあります。オクラホマ大出身選手としては6人目のトロフィー受賞者となったメイフィールドは名実ともにオクラホマ大そしてカレッジフットボール界に永遠にその名を刻むことになるのです。

彼が率いるオクラホマ大はプレーオフ準決勝戦のローズボウルジョージア大と対決。そしてそれを乗り越えれば夢のナショナルタイトルを目指して全米優勝決定戦へコマを進めることになります。カレッジキャリア最後の年、ハイズマントロフィーも獲得したメイフィールドが唯一やり残した、全米の頂きにたどり着くという大きな夢に向かって彼は最後の舞台に立ち向かっていきます。

最終投票結果

  1. Baker Mayfield, Oklahoma (2,398)
  2. Bryce Love, Stanford (1,300)
  3. Lamar Jackson, Louisville (793)
  4. Saquon Barkley, Penn State (304)
  5. Rashaad Penny, San Diego State (175)
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