キックオフが無くなる可能性があるというニュースを先日お伝えしましたが、キックオフに関してFCSのアイビーリーグが試験的にルールを改正することになりました。
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キックオフならびにキックオフリターンが大怪我の温床であることが研究の結果明らかになり始めていますが、これを回避するには手っ取り早くキックオフを無くせばいい、という話をしだしたというのが前回のニュースでしたが、これが現実のものとなるにはまだ時間がかかります。そんな中、アイビーリーグはキックオフ地点を35ヤードラインからさらに40ヤードラインまで繰り上げようというルール改正をNCAAに提出し、今回それが試験的に許可されたのです。
キックオフ地点が繰り上がるほどタッチバックのチャンスが増え、逆にキックオフリターンのチャンスは減る訳で、それが結果怪我の防止に繋がると言うのがこのルール改正の背後にある訳ですが、30ヤード地点だったのが2012年に35ヤード地点となり、思惑通りタッチバックの数が増えリターンの回数は減りました。しかしアイビーリーグはさらに突っ込んだアイデアで40ヤードまでキックオフ地点を動かした訳です。
前述の通りこれは試験的に行われると言う事で、アイビーリーグは今シーズンデータを収集し、タッチバックとリターンの回数ならびに怪我の頻度を見極めると言う事です。怪我の最たるものは脳震とう。NFLでも脳震とうが長期的に体に及ぼす影響が懸念される中、カレッジレベルでもどうにかしてこの怪我を防止出来ないかと試行錯誤しています。今回の試験的運営で得られるデータが将来的にキックオフ廃止に繋がる可能性は十分ある訳です。
ちなみにちびっこリーグであるポップワーナーユースフットボールでは今年の5月に既にキックオフを廃止するルール改正を行いました。この流れからするとキックオフ廃止は時間の問題なのかもしれません。ルール改正の歴史は試合の安全性の需要と切っても切れない関係ですので、これは必然と言うべきでしょうか。