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オクラホマ大(8位)vs ベイラー大(13位)
Big 12カンファレンスの優勝争いにおいてだけでなくカレッジフットボールプレーオフ(CFP)レースにおいても重要な意味を持つこの試合。
オクラホマ大は最新のCFPランキングで8位。ここまで9勝0敗という無敗レコードを保持しながら8位というのは幾分評価が低すぎるという声も聞かれますが、一方で彼らにとってみれば無敗のままBig 12カンファレンスのタイトルを獲りさえすれば自ずとCFP出場への切符は手に入るとも言われています。つまり8位でも勝ち続けさえすれば問題は無いというのが大方の見解です。
彼らはテキサス大戦にてQBをケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)に代えてから攻撃面で上向きな気運が見られていますが、一方で全体的に言うと全米を唸らせるような試合をまだ披露できていません。そういった意味では今回対戦する全米13位のベイラー大をアウェーで倒すことができればかなりのアピール材料になると思われます。
一方のベイラー大は今季で2シーズン目となるデイヴ・アランダ(Dave Aranda)監督が率いるチーム。アランダ監督は2年前に全米チャンプとなったルイジアナ州立大でディフェンシブコーディネーターを務めていた人物ですが、自身初となる監督業においてすでに2年目で好成績を残しており今後自身の株が急上昇しそうなコーチです。
そのアランダ監督指揮下のベイラー大は先週テキサスクリスチャン大に惜敗するまで7勝1敗で周囲を驚かせてきました。先週12位だった彼らは第2回目のCFPランキングで13位ということで2敗目を喫するも順位は1つしか落とさなかったことからも、少なくともCFP選考委員会はベイラー大を高く評価していることが分かると思います。
アランダ監督はルイジアナ州立大のDCとして2019年に、そして昨年はベイラー大の1年目監督として過去2年間オクラホマ大と対決してきましたが、さすがディフェンス畑出身ということでこの2試合ともオクラホマ大オフェンスをトータル300ヤード以下に抑えることに成功。今回も同様にオクラホマ大を苦しめることが予想されており、ひょっとしたらアップセット(番狂わせ)があるかも知れません。
ミシガン大(6位)vs ペンシルバニア州立大
全米6位のミシガン大は悲願のBig Tenタイトル、そしてその後に続くCFP出場に向けて好位置につけていますが、今週末はアウェーで強豪ペンシルバニア州立大との大一番を控えます。
ミシガン大は2週間前にライバル・ミシガン州立大に敗れ1敗目を喫してしまいましたが、先週はインディアナ大を難なく撃破して今週末に備えます。ランを主体にした彼らのオフェンスはランヤードで全米6位とし、1試合平均234.1ヤードを足で稼ぐというここ最近のミシガン大としては異質のオフェンスを操ります。飛び道具であるパスオフェンスが栄華を極める中、逆に古豪であるミシガン大がラン主体オフェンスで全米上位に食い込んでいるのは新鮮に映ります。
またQBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)はここまで9TDと決して得点力は多くありませんが、一方で犯したパスINTはたったの2つとミスが少ないQB。ランを活かすのに十分な球さばき、そしてここぞという時のプレーアクションパスで快調なミシガン大オフェンスの司令塔を務めます。
一方のペンシルバニア州立大ですが、彼らは今季すでにアイオワ大、イリノイ大、オハイオ州立大に敗れ3敗を喫しBig Ten東地区優勝戦線から脱落。この3連敗中に言えたことは彼らのエースQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)が怪我で完調ではなかったということ。そのクリフォードは先週のメリーランド大戦で363ヤードに3TDとようやく怪我から完全復帰した姿を見せており、今週のミシガン大戦を控えるにあたりこれはチームにとって朗報です。
ただクリフォードのパスゲームの勘が戻ってきたとはいえ、怪我の再発を恐れてかQBランはまだまだ多用されていません。もともとポケットパサーと言うよりはスクランブルしたあとにプレーを成功させることの出来る能力の持ち主であり、それは彼自身がチーム史上3番手となる856ランヤードをここまで記録していることからも分かります。クリフォードは怪我は完璧に治ったと言っては居ますが、ミシガン大ディフェンスとすれば何とかクリフォードにプレッシャーを掛けてミスを誘いたいところ。
ジョージア大(1位)vs テネシー大
不動の1位であるジョージア大はテネシー大でのアウェーゲームに臨みます。ジョージア大にとってはこの試合の後に控えるのがチャールストンサザン大(FCS/フットボールチャンピオンシップサブディビジョン所属)にジョージア工科大の2試合ということで、それらの対戦相手からは容易に白星を手に入れられると考えられますから、今回のテネシー大戦はSEC優勝決定戦を前にして彼らにとって最後のチャレンジということになります。
当サイトでも散々ご紹介してきましたが、今年のジョージア大ディフェンスは史上稀に見る強固なユニット。スコアリングディフェンス(失点数)は1試合平均7点以下というとんでもない数字で当然これは全米ダントツ1位です。そこに安定したランオフェンスとパスオフェンスが加わり、派手さはなくても安定感は抜群。付け入る隙きがないというのは彼らのようなチームのことを指すために作られた言葉だと言えるくらいです。
ジョージア大に勝つには何としてもこの強固なディフェンスからスコアを上げる必要がありますが、現在5勝4敗と数字的にはパッとしないものの最近のテネシー大の攻撃力には眼を見張るものがあります。その中心人物はQBヘンドン・フッカー(Hendon Hooker)。今季ここまで21TD(全米14位)にQBレーティングは78.1ポイント(全米11位)と中々の数字を誇っていますが、パスINT数がたったの2つ(全米4位)というのも特筆すべき点。特にAPランキングトップ25チームとの対戦では合計10TDに1INTと大舞台で強いことを示しています。
今季からテネシー大を指揮するジョシュ・ハイペル(Josh Heupel)監督の高速オフェンスはジョージア大がここまでまだ対峙してきたことのないオフェンススタイルであり、このハイテンポアタックがジョージア大ディフェンスにどこまで通じるのかに注目です。地力の差からすればジョージア大が有利でしょうが、思ったよりもいい試合になるかも知れません。
パデュー大(19位)vs オハイオ州立大(4位)
個人的にはこの試合を「The Game of the Week」に設定したかったんです。この試合がどの試合よりも気になる試合なんですが、蓋を開けてみたら・・・みたいな展開になるのが怖かったんでやめました(笑)。
なぜ気になるかと言うと、それはパデュー大が何かどでかいことをやらかすんではないかとワクワクさせてくれるからなんです。というのも彼らは今季ここまで対戦当時2位だったアイオワ大、そして先週は3位だったミシガン州立大を倒しており、チームとしてもここまで歴代合計17回もトップ5チームから白星を奪っている「上位校キラー」だからなのです。
ただこの17回という記録はパデュー大自身がランクされていない場合の完全アンダードッグ時のことであり、先週ミシガン州立大を倒したことで彼らは今週19位にランクされてしまったのでこのミラクルも起きないのかな・・・と。しかも会場がアウェーのオハイオスタジアムですし。
とはいってもオハイオ州立大もここ2試合はハイスコアオフェンスが鳴りを潜めています。特に先週のネブラスカ大戦はQB C.J.ストラウド(C.J. Stroud)が405ヤードもパスで稼いだのにも関わらず26得点に留まりました。ネブラスカ大のスペシャルチームがもっとシャキッとしていたらひょっとしたら結果も違うものになっていたかも知れません。
パデュー大の特徴はパスに特化した空中戦。ミシガン州立大戦では敢えてランアタックを捨ててパスでゴリ押しし、QBエイダン・オコネル(Aidan O’Connell)は536ヤードに3TD、しかもINTパスがゼロでパス成功率も74.1%と冴えまくり全米3位チームから白星を奪う原動力になりました。
また彼のメインターゲットであるデヴィッド・ベル(David Bell)がそのうち217ヤードを受け取りミシガン州立大バックフィールドを粉砕。彼はアイオワ大戦でも200ヤード超えのレシーブを記録しており、オハイオ州立大をアップセットするには彼が同じような働きを見せなければならないでしょう。ただ当然オハイオ州立大ディフェンスも重々それをわかっていることでしょうから、ベルを野放しにするとは到底思えずここはパデュー大のジェフ・ブローム(Jeff Brohm)監督の腕の見せ所と言えそうです。
テキサスA&M大(11位)vs ミシシッピ大(15位)
テキサスA&M大ならびにミシシッピ大ともすでに2敗を喫してしまったためCFP進出への望みは事実上立たれてしまいました。しかし双方が所属するSEC(サウスイースタンカンファレンス)西地区レースに於いて計算上はどちらのチームも首位であるアラバマ大を追い抜けるポジションにあり、この試合で負けたほうがそのレースから脱落することを考えればどちらも負けられない試合であることに変わりはありません。
特にテキサスA&M大はアラバマ大との直接対決にて白星を飾っているため、もしアラバマ大がこの先アーカンソー大もしくはアーバン大に敗れることがあればテキサスA&M大が西地区チャンピオンとしてジョージア大と対戦することになります。ミシシッピ大はアラバマ大がアーカンソー大とアーバン大に2連敗し、さらに直接対決で敗れているアーバン大に土が付けば彼らの大逆転が決まります。可能性は限りなく低いですがゼロではありません。
チーム力で言えば強力なディフェンスを持つテキサスA&M大が有利か。トータルディフェンスでは全米16位となる1試合平均317.8被ヤード、更にはスコアリングディフェンスでは上に挙げたジョージア大に次ぐ全米2位の1試合平均14.67失点。またオフェンスはRBアイゼア・スピラー(Isaiah Spiller)とデヴォン・エイチェン(Devon Achane)のツートップで合計1573ヤードに10TDを叩き出すパワーを持ち合わせています。
これに対するミシシッピ大はハイズマントロフィー候補QBマット・コラル(Matt Corral)と彼を操るレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督からなるハイスコアオフェンス。ここまで1試合平均得点は37.8点と全米16位。コラルは今シーズン2527パスヤードに16TD、2INTと好記録を量産しており、現在最有力候補不在と言われるハイズマントロフィーレースにおいてもこのテキサスA&M大戦でいいところを見せてぜひとも自身をアピールしたいところです。
テキサスクリスチャン大 vs オクラホマ州立大(10位)
Big 12カンファレンスは現在オクラホマ大が無敗でトップを走っていますが、それを追随するのが1敗のオクラホマ州立大。現在CFPランキングでも10位の彼らはこのまま勝ち続け最終戦でオクラホマ大に勝ち、さらにカンファレンス優勝決定戦(おそらくオクラホマ大との再戦)でも勝つことができればひょっとしたら大外からCFP出場を果たすかもしれなダークホース的存在です。もちろんそのためには他のチームたちが相次いで転げ落ちるようなカオスが必要不可欠ですが。
そのオクラホマ州立大に今週末立ちはだかるのがテキサスクリスチャン大ですが、彼らはここまで4勝5敗と負けが先行しているチーム。しかも先週には長年チームを率いてきたゲリー・パターソン(Gary Patterson)監督がシーズン途中ながら解雇されるなど空中分解してもおかしくない状態でした。
先週と違い今週はランカー同士の対戦が4つも組まれ、しかもそのうちオクラホマ大vsベイラー大、パデュー大vsオハイオ州立大の結果次第ではプレーオフレースに大きな影響を及ぼす可能性も。シーズン終盤にきて何かが起きそうな予感が漂っています。
— Any Given Saturday (@ags_football1) November 12, 2021
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