今季第8週目は3週連続となる上位5チーム以内のチーム同士の戦いが行われたり、著名なライバリーゲームが行われたり、とにかく各地で盛り沢山なウィークエンドでした。そんな終末を簡単に振り返ります。
目次
#5 ジョージア大 30、#1 テキサス大 15
今シーズン3週連続で上位5チーム以内同士のメガマッチが行われてきましたが、その3週目のカードとなったのが全米1位のテキサス大が5位のジョージア大をホームに向かえた一戦。テキサス大がSEC(サウスイースタンカンファレンス)に今年から加入したことでこの試合はSECのタイトルレースでも大きな意味を持っていましたが、当然そのランクの高さからカレッジフットボールプレーオフ(CFP)出場レースにおいても重要な試合となりました。
すでにアラバマ大に敗れ1敗を喫しているジョージア大。そしてここまで無敗で躍進するも実際には手強い相手との対戦がなかったテキサス大。両者の立ち位置を知るうえで非常に見応え十分なゲームになると思われましたが・・・。
立ち上がりはジョージア大QBカーソン・ベック(Carson Beck)が第1Qだけで2つのパスINTを犯しリズムを作れず、テキサス大ディフェンスがホームの歓声に後押しされて躍進していました。
CARSON BECK THROWS AN INTERCEPTION EARLY AGAINST TEXAS 😳 pic.twitter.com/gpmoWYXSKT
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ただジョージア大のディフェンスはさらにその上を行く力を発揮。特にスクリメージでのトレンチのバトルでは将来のNFL候補を抱えるテキサス大OL陣を圧倒。テキサス大QBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)に圧をかけまくりQBサックからのファンブルリカバリーを決めるなど、ユワーズの調子を大いに狂わせていました。
Quinn Ewers in the first half after getting decapitated
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•1/4 for 0 yards, 1 INT, 2 Sacks
He needed a mental reset pic.twitter.com/bZch5E84u9
そんな中先制したのはジョージア大。第1Q終了間際にRBトレヴァー・エティエン(Trevor Etienne)のショートヤードTDランでジョージア大が先手を打ちます。対するテキサス大オフェンスは第2Qに入ってもジョージア大のプレッシャーに手こずり、ユワーズがINTを犯すなどしてジョージア大ディフェンスが試合の流れを引っ張るような展開になります。そしてその間エティエンがこの日2つ目のランTDを奪ってスコアは17対0に。
Etienne finds the end zone for his second TD.
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📺 ABC#GoDawgs | @Trevor_Etienne pic.twitter.com/KTwhNQYmAo
ジョージア大はさらにFGを決めて20対0とし、全米1位のテキサス大に焦りの色が走ります。そこでスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督はユワーズが怪我で欠場していた間活躍したアーチ・マニング(Arch Manning)を第2Q終了間際に投入。しかしマニングでもジョージア大のディフェンスを前に何もできず、テキサス大は無得点のまま後半へ突入。
ただ後半に入るとテキサス大にようやくスコアリングドライブが訪れます。途中4thダウントライを成功させるなどし決死のアタックを続けた彼らは第3Q残り時間11分を切ったところでユワーズからアイゼア・ボンド(Isaiah Bond)へのTDパスが決まりようやくテキサス大に得点が入ります。
The TD ➡️ The 2-point@QuinnEwers @isaiahbond_ pic.twitter.com/xfDqD0BFcN
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更に第3Q終盤にはジョージア大QBベックがこの日3つ目のパスINTを犯してしまい、これをテキサス大がジョージア大陣内9ヤード地点までリターン。テキサス大に絶好のチャンスが訪れた・・・かに見えました。しかしこの際ジャダー・バロン(Jahdae Barron)にディフェンシブホールディングの反則が取られ、このリターンが白紙に。これに怒ったテキサス大ファンがフィールドにものを投げ込むという愚行に走り試合は一時中断に。これをなだめるためにサーキジアン監督がファンをなだめるといったシーンも。
Texas fans threw debris onto the field after an interception was called back due to pass interference.
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The refs reversed the call after further discussion. pic.twitter.com/3PAgLcD1hQ
ただこの間審判団がそのプレーを再考することになり、結局このホールディングの反則は帳消しに。間接的にテキサス大ファンが物を投入したことで審判団に一考する猶予を与えたことで反則が取り消されるという奇妙な状況に。
(ちなみに後日テキサス大はこの行為のため25万ドル《1ドル100円計算で約2500万円》の罰金を支払うことになり、また物を投げた人物をビデオで追跡しその人物等は今年の残りの試合が出禁になるとか)
結局テキサス大はこの機を活かしてTDまでこぎつけスコアは23対15とワンポゼ差にまで縮まります。ただ怒りが収まらないのはジョージア大のカービー・スマート(Kirby Smart)監督。アウェーという環境で審判団からも不利な状況に陥れられた彼らは黙ってはいません。第4Qに入りゴリゴリのランで押していったジョージア大は4thダウン&ゴールという状況でスコアを狙いに行き、最後はRBエティエンのこの日3つ目のランTDが決まりジョージア大が30対15と再び点差を広げます。
結局テキサス大はこのあとジョージア大の強固なディフェンスに阻まれ追加点を奪えず試合終了。ホームで今季初黒星を喫してしまいました。
この日のジョージア大は前述の通りベックが3つのパスINTを犯し、パスTDもゼロという中でチームを引っ張ったのがディフェンス。スマート監督指揮下でジョージア大が全米上位10以内の対戦相手を15点以下に抑えたのはこれで11度目。全米2連覇したときのジョージア大のあのナスティーディフェンスが戻ってきた感じです。
ジョージア大のフロントセブン、特にDLジェイロン・ウォーカー(Jalon Walker)の活躍はモンスター級で、QBサックが3つ、TFLが3つ、8つのトータルタックル数を記録。しかもその殆どが前半で叩きさ出された数字だというのですから驚きです。またディフェンスのスキームもほぼ完璧で、相手QBユワーズの弱点や動きの癖などを完全に熟知したような守備を見せて付け入る隙がありませんでした。
これで2021年度以来彼らが負けてしまったチームはアラバマ大のみ。その他のチームにはすべて勝つという凄みを見せています。それだけにアラバマ大に対する畏怖のようなものがあるのかと考えると不思議です。
一方のテキサス大は1位ながらジョージア大という強豪校にある意味メッキを剥がされたともいえます。ここまでは苦労して勝利したような厳しい展開を制するような試合がありませんでしたが、常勝チームであるジョージア大を前にしてやられました。SECの洗礼を受けたとでも言えましょうか・・・。
#11 テネシー大 24、#7 アラバマ大 17
毎年第3週目の土曜日に開催されることから「The Third Saturday in October」というあだ名で呼ばれるこの屈指のライバリー。アラバマ大もテネシー大もSECタイトルレース、そしてCFPレースで生き残るために負けられない試合となりました。
試合は前半から双方のディフェンスが冴える展開・・・というか双方のオフェンスがしょっぱい展開になり、前半はアラバマ大QBジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)からスーパールーキーWRライアン・ウィリアムス(Ryan Williams)へのパスTD1つのみで7対0で後半へ突入します。
Ryan Williams is so good pic.twitter.com/w5dCX4KyiQ
— Unnecessary Roughness (@UnnecRoughness) October 19, 2024
後半に入ると苦戦していたテネシー大のQBニコ・イアマレイヴァ(Nico Iamaleava)のパスが少しずつ通るようになります。それを起点にRBディラン・サンプソン(Dylan Sampson)のランが効果的に出るようになり、第3Qにサンプソンが2つのランTDを決めてテネシー大が3点差のリードを奪ったまま第4Qに突入。
しかしアラバマ大は第4Q開始直後にRBジャスティス・ヘインズ(Justice Haynes)の7ヤードランTDを決めて再び逆転。ディフェンスのちから比べとなったこの試合、試合は僅差にもつれ込むと思われていましたが、まさにその通りの展開に。
ただホームのテネシー大もただでは転びません。試合残り時間6分を切った時点でこの日イアマレイヴァの唯一のTDとなった、クリス・ブラゼル・II(Chris Brazzell II)への辺土ゾーンコーナー付近への絶妙なパスが決まり、値千金の逆転TDを演出します。
right. on. the money.
— Tennessee Football (@Vol_Football) October 19, 2024
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あとのないアラバマ大は最後4つのドライブで1つもファーストダウンを奪えないという体たらくぶりを露呈。試合残り時間2分を切ったところで巡ってきた最後のチャンスでもQBミルローのパスはあえなくインターセプトされ万事休す。テネシー大が2022年度に続きホームでアラバマ大をなぎ倒す金星を手に入れたのでした。
TENNESSEE HANDS ALABAMA ITS SECOND LOSS OF THE SEASON 😳 pic.twitter.com/6Iu9VNG2AL
— SportsCenter (@SportsCenter) October 19, 2024
2022年にテネシー大がアラバマ大を倒したときはファンがゴールポストをへし折ってテネシー川に放り込んだ、なんてことがありましたが、この日もファンがフィールドにストームし、同様にゴールポストをなぎ倒していました。あいにく折れ方のせいでゴールポストがスタジアムの外に出ることはなかったようですが・・・。
got a little jingle. pic.twitter.com/fs9rsv7WK7
— Tennessee Football (@Vol_Football) October 20, 2024
この日のテネシー大はディフェンス陣が奮闘。アラバマ大のトータルランヤードを75ヤードに抑え、ミルローから2つのパスINTを引き出すことに成功。またサックも3つ御見舞するなどアラバマ大のオフェンスをチェックし続けていました。
一方のアラバマ大はジョージア大戦の後半以降オフェンスがピリッとせず、得点力で定評があったケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)新監督の戦術がハマっていません。またこの日はペナルティーが15回で115ヤードの罰退というのも痛手でした。自滅することを良しとしなかった(もちろん皆そうですが)ニック・セイバン(Nick Saban)前監督指揮下であればこれだけのペナルティーを犯せば彼の鉄槌が下っていたことでしょう。
どちらにしてもテネシー大が1敗を守り、アラバマ大はヴァンダービルト大戦に続き痛い2敗目を喫したことになります。当然テネシー大はSECタイトルレースで生き残り、アラバマ大はカンファレンス戦2敗目でタイトルレースはおろかプレーオフにも出場できない、という可能性が濃厚になりつつあります。ちなみに彼らが11月前に2敗を記録するのはセイバン前監督が就任した初年度の2007年以来のこと。アラバマ大=常勝チームという図式が怪しくなっていくのか・・・。
#2 オレゴン大 35、パデュー大
第7週目のオハイオ州立大との激戦に勝利したオレゴン大は金曜日の夜にパデュー大と対決。アウェーながら前戦での勝利に浮き足立つことなくパデュー大に完封勝利。連勝記録を7つに伸ばしました。
この日光っていたのはオレゴン大のディフェンス。特に現フロリダ州立大QBのD.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)の弟であるDLのマテイヨ・ウイアンガラレイ(Matayo Uiagalelei)は3つのソロタックル、1つのサック、2つのTFLとフロントセブンの中心選手として活躍。将来性は兄よりもありそうで今後が楽しみなプレーヤーです。
#6 マイアミ大 52、ルイビル大 45
ACC(アトランティックコーストカンファレンス)で首位をゆくマイアミ大はランク外ながら手強い相手のルイビル大と対決。試合は予想通りルイビル大がマイアミ大との撃ち合いに持ち込むハイスコアな展開になりました。
そんな中光ったのがマイアミ大QBキャム・ワード(Cam Ward)。32回中21回のパス成功で319ヤードに4TDと活躍。強固なオフェンシブラインのプロテクションも幸いしてパスを投げまくっていました。これでワードは7試合連続300ヤード越えのパスヤードを記録。これはマイアミ大のスクールレコードです。
ただルイビル大も健闘。オレゴン大、テキサス工科大を渡り歩いてきたベテランQBタイラー・シャック(Tyler Shough)もワードに負けじと4つのTDを記録。マイアミ大に迫りましたが、相手ディフェンスに阻まれあと少しというところで大金星を逃したのでした。
#9 アイオワ州立大 38、セントラルフロリダ大 35
ここまで未だ負けなしの全米9位アイオワ州立大は思いもよらずセントラルフロリダ大に苦戦。しかしながら逆転勝利でアップセットを逃れました。
アイオワ州立大のQBロコ・ベック(Rocco Becht)はこの日今季最低となる43%のパス成功率にとどまり、しかも2つのパスINTを計上してしまうなど手こずります。ただその穴を埋め合わせるかの如く20回のキャリーで97ヤードを稼ぎましたが、この彼の脚が試合の決め手となりました。
途中から常に追う立場に置かれたアイオワ州立大は第3Q中盤にベックの1ヤードランTDでスコアを28対21のワンポゼ差に縮めると、同じく第3Q終了間際にはベックからジェイデン・ヒギンズ(Jayden Higgins)への12ヤードTDが成功。PATがブロックされてしまったため、スコアは28対27にまで肉薄します。
ただ第4QにはベックのパスがUCFのブレイデン・マーシャル(Braeden Marshall)にピックされ、マーシャルはこれを70ヤード激走してピック6に・・・と思われましたが、マーシャルはゴールラインを越す寸前にボールを落としていたことがビデオ判定で明らかになり、ピック6が幻となる珍事。
(現役選手の皆さん、くれぐれもボールはゴールラインを越えるまで手放さないようにしましょう笑)
OH MY 😱😅
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UCF NEARLY HAD A SECOND PICK 6 TONIGHT BUT THE BALL WAS DROPPED AT THE 1 YARD LINE pic.twitter.com/r1A0wiuRIE
ただこのボールは誰にもリカバーされなかったため、1ヤードラインからUCFのボールで攻撃開始。結局UCFがTDを奪い、スコアは35対27とUCFがリードを広げます。返しのドライブでアイオワ州立大はFGを奪って35対30とするとそこから少しの間こう着状態が続きます。
そして迎えた試合時間残り2分弱。アイオワ州立大の最後のドライブ、TDを奪わなければ敗戦という場面でここまで調子が上がらなかったベックのパスがここぞという場面で決まりだし、また相手のパスインターフェアレンスの反則にも助けられ残り1分弱で相手陣内4ヤード地点まで攻め込むことに成功。そして最後は残り時間30秒というところでベックのQBスニークが決まって土壇場でアイオワ州立大が逆転に漕ぎ着けます。
ROCCO BECHT SCORES THE TD AND IOWA STATE TAKES THE LEAD!!!!! 😱🙌 @CycloneFB pic.twitter.com/K4ZbrE7JPP
— FOX College Football (@CFBONFOX) October 20, 2024
結局これが決勝点となり後半常にリードを奪われる立場にあったアイオワ州立大が逆転勝利で無配を守り、1938年以来の開幕7連勝目を飾りました。またカンファレンス戦で4連勝となるのは創部以来初のことです。
一方UCFはランで354ヤードを奪い、試合では大方リードを奪う展開を見せていましたが、最後の最後で逆転を許す歯痒い展開。彼らは開幕3連勝の後の4連敗と厳しい状況に置かれてしまいました。
#22 イリノイ大 21、#24 ミシガン大 7
Big Tenカンファレンスのランカーチーム同士の対決となったこの試合、ホームのイリノイ大が昨年度全米覇者であるミシガン大を21対7で下し、ミシガン大に3敗目を喰らわせました。また対ミシガン大戦での勝利は2009年以来となりました。
イリノイ大のオフェンスはお世辞にも冴えていたとは言えず、QBルーク・アルトマイヤー(Luke Altmyer)は50%のパス成功率でヤードはたったの80ヤード。ただこの日イリノイ大が捻出した2つのTDに絡み勝利には貢献していました。
そんなイリノイ大の強みはディフェンス。ミシガン大オフェンスがチグハグだったとはいえ、3rdダウンコンバージョンを14回中のトライ中5回しか成功を許さなかったり、相手から3つのターンオーバーを奪ったりと、試合の流れを引き寄せるのに大きな役割を果たしていました。
一方ミシガン大は相変わらずオフェンス力のなさが目立ち、第3のQBであるジャック・タトル(Jack Tuttle)は0TDに1INT。ランもチームトータルで100ヤードそこそこと昨年全米優勝果たしたチームとは思えないオフェンス陣に目を塞ぎたくなるほどでした。ディフェンスは相変わらず強固なものを持っているため、オフェンスの頼りなさが際立ってしまっています。
ちなみにこの試合でイリノイ大は本拠地であるメモリアルスタジアムの開場100周年を記念して、かつてのヴィンテージユニフォームを模したスローバックユニフォームでこの試合に参戦。驚きだったのは彼らのヘルメット。当時のレザーヘルメットを完全にペイントで再現しましたが、何とこれは一つ一つ丁寧にペイントされたとのこと。出来上がりの評判もすこぶるよく、このミシガン大戦の勝利に華を添えていました。
Illinois throwback uniforms. 👍👎? pic.twitter.com/K0JL3gXB9q
— FB_Helmet_Guy (@FB_Helmet_Guy) October 19, 2024
イリノイ大がホームでランクされた状態でランクチームと対戦し勝利を収めたというのは1991年のオハイオ州立大戦以来のこと。今季これで彼らは6勝1敗。「イライナイ・トレイン」はどこまで走り続けるか?
その他の試合
#10 クレムソン大48、バージニア大 31
全米10位のクレムソン大はバージニア大に31失点するもそれをさらに上回る48得点を上げて勝利。貴重な1敗を守りました。スロースタートだったものの、QBケイド・クルブニック(Cade Klubnik)は308ヤードのパスに3TD(1INT)と活躍。チームは開幕戦でのジョージア大戦での敗戦から破竹の6連勝。同じくACC所属ながらレギュラーシーズン中に直接対決がないマイアミ大とのタイトルマッチでの対戦が現実味を帯びてきています。
#13 ブリガムヤング大 38、オクラホマ州立大 35
点の取り合いとなったこのマッチアップ、試合残り時間1分13秒というところでオクラホマ州立大が逆転のTDを決めて勝負あったかと思われましたが、ブリガムヤング大(BYU)がたったの1分間で75ヤードを8プレーかけて急襲。最後は残り時間10秒でQBジェイク・レツラフ(Jake Retzlaff)からダリウス・ラシター(Darius Lassiter)への35ヤードのミラクルパスTDが決まって土壇場で逆転。BYUが辛くも無敗を守りました。
“ARE YOU KIDDING ME?”
— Awful Announcing (@awfulannouncing) October 19, 2024
“40 years ago this program won its first and only national championship…I’m just saying, things are lining up for BYU.”
Anish Shroff and Andre Ware on the call as BYU’s Jake Retzlaff and Darius Lassiter connect on a 35-yard game-winning TD. pic.twitter.com/NDm6iuqmbV
#16 インディアナ大 56、ネブラスカ大 7
今季ここまで負けなしのインディアナ大が古豪ネブラスカ大をホストしたこの試合、開幕前から期待度が高くここまで5勝1敗だったネブラスカ大をインディアナ大がなんと49点差をつけて一蹴。インディアナ大はこれで7勝無敗です。
今年から指揮を取るカート・シグネッティ(Curt Cignetti)監督の下インディアナ大は驚異的な快進撃を続けており、このネブラスカ大戦での勝利で7勝目。今季彼らは未だ相手にリードを許したことがなく、逆にスコアリングオフェンスではなんと全米1位となる1試合平均48.7得点。今までのインディアナ大を知る人からすれば信じられない数字です。
このネブラスカ大戦では先発QBカーティス・ローク(Kurtis Rourke)が利き腕の方の指を怪我してベンチに下がるという不運に見舞われますが、バックアップのテイヴェン・ジャクソン(Tayven Jackson)が8回中7回のパス成功で91ヤードに2TDとエース不在を感じさせないパフォーマンスでチームの7連勝目に貢献。インディアナ大は今季のカレッジフットボール界で最大級のシンデレラチームといえます。
#19 ミズーリ大 21、アーバン大 17
今季最高で全米6位にまで上昇していたミズーリ大ですが、5戦目のテキサスA&M大戦で敗れてランクを大きく落としてしまい、また不甲斐ない試合内容も重なって軽く忘れられそうになっているチームとなってしまいました。そんな彼らが対戦したのがアーバン大でしたが、第3Q終盤まで大きくリードされる展開に。ただ終盤奇跡的な挽回を見せて土壇場で逆転。なんとか1敗を守りました。
この試合では試合開始後の最初のミズーリ大のドライブで先発QBブレディ・クック(Brady Cook)が足首を負傷。MRI(磁気共鳴画像法)による診断を受けるために病院送りに。ミズーリ大は出だしからエースQBを失うというハンディを受けていたのでした。
For those wondering about the Brady Cook injury, here's a closer look at how we got here. https://t.co/wScDLp6Moy pic.twitter.com/CegQL6Jhzv
— Mark Kim (@MarkJKim_) October 19, 2024
そして第3Q終了間際、なんと病院送りになっていたクックがフィールドに戻ってきたのです。そして復帰後最初のドライブでTDランをお膳立てすると、足首を痛めていたにも関わらず2ポイントコンバージョンではそのクックがランTDを成功させてスコアを17対14と3点差に詰め寄ります。エースが怪我を押して復活し、その復活直後のドライブがTDにつながったことでスタジアムのボルテージは急上昇します。
その後残り時間約4分半というところでミズーリ大は3点を追ったまま最後のドライブを決行。そしてこのドライブは95ヤードを17回かけて進撃。相手のパスインターフェレンスの反則にも助けられ一気にレッドゾーンへ突入すると最後はジャマール・ロバーツ(Jamal Roberts)のランTDが残り時間46秒で決まって見事逆転。それもこれも足首の怪我を押して復活してきたクックの影響が大きかったことでしょう。
#23 陸軍士官学校 45、イーストカロライナ大 28
陸軍士官学校のQBブライソン・デイリー(Bryson Daily)が自身最多となる5つのランTDを獲得し、またヤードも171ヤードを足で稼ぐなど大暴れ。チームトータルでもランヤードが295ヤードと得意のグラウンドアタックでイーストカロライナ大を粉砕。FBS(フットボールボウルサブディビジョン)の現在の最多連勝記録である11連勝目を飾り無敗を守りました。
#25 海軍士官学校 51、シャーロット 17
陸軍士官学校と並び士官学校ならが未だ無敗の海軍士官学校はシャーロットに34点差をつけて快勝。こちらも無傷の6連勝です。海士のCBダショーン・ピール(Dashaun Peele)はこの日2つのピックシックスを記録して大活躍。彼らが開幕後6連勝となるのは1979年以来のこと。そして6勝目を上げたことでボウルゲーム出場権を獲得。陸士と海士の直接対決は12月14日まで待たなければなりませんが、今から待ち遠しいですね。
デューク大 23、フロリダ州立大 16
昨年度のACC覇者・フロリダ州立大はデューク大に敗れこれで1勝6敗。デューク大は対フロリダ州立大戦の連敗記録を22でストップしましたが、とにかくフロリダ州立大の凋落度合いがハンパなく、同情してしまいたくなるほど。オフェンスでは新QBブロック・グレン(Brock Glenn)が前半だけで3つのターンオーバーを犯すなどいいところが全くなし。どこまで堕ちるのか・・・。
サウスカロライナ大 35、オクラホマ大 9
この試合ではサウスカロライナ大のディフェンスがオクラホマ大オフェンスを圧倒。実に9つのQBサックに13つのTFLをお見舞いしてオクラホマ大を9得点に抑え、またそのディフェンスがオクラホマ大オフェンスから2つのターンオーバー→TDを奪って快勝。オクラホマ大はSEC初年度ではありますが、早くもSECの洗礼を受け続けている感じです。
メリーランド大 29、サザンカリフォルニア大 28
上記のオクラホマ大のように、カンファレンスを鞍替えしたのにもかかわらず移籍先で苦戦をしているのはPac-12からBig Tenに移ったサザンカリフォルニア大。このメリーランド大戦では14点差で勝っていたところ相手に逆転を許して敗戦。これで3勝4敗と黒星が先行し、カンファレンス戦績は1勝4敗と撃沈中。だれがこのような展開になると想像したでしょうか・・・。
コロラド大 34、アリゾナ大 7
QBノア・フィフィタ(Noah Fifita)とWRテタイロア・マクミラン(Tetairo McMillan)といった飛び道具を持つアリゾナ大でしたが、この日はコロラド大のディフェンスを前に沈黙。コロラド大もQBシェドゥア・サンダース(Shedeur Sanders)が2つのTDを奪うもINTも2つ記録するなどピリッとはしませんでしたが、ここまで弱みとされてきたディフェンスがステップアップしたのは大きな収穫。ただ二刀流のスター、トラヴィス・ハンター(Travis Hunter)がこの試合で負傷。彼の怪我の具合が気になるところです。
ヴァンダービルト大 24、ボール州立大 14
ノンカンファレンス戦ではありましたが、ヴァンダービルト大はボール州立大に24対14と競り勝ってこれでアラバマ大、ケンタッキー大に続き3連勝目。次の試合はテキサス大ということで、アラバマ大に続きテキサス大も倒すとなればカレッジフットボールの歴史に残るシーズンとなりそうですが、果たして・・・。
(更新終わり)