今季7週目となる今週の注目の試合の見どころをご紹介。
・・・ただ時間がなくてまともなプレビューが書けたのは数試合(泣)。とりあえずどんな試合を注目していただきたいかだけはご紹介できるかと思います(苦笑)。
#3 アラバマ大 @ #6 テネシー大
毎年決まって10月の第3土曜日に行われることから「The Third Saturday in October」という愛称がついているこの試合は長らく続く南部を代表するライバリーゲームです。
ここまで過去アラバマ大が15連勝中。しかし今年のテネシー大は一味も二味も違い、いよいよこの悪き連敗記録に終止符が打たれると言われています。
アラバマ大は先週ジョージア大から首位を奪還しましたが、テキサスA&M大に大苦戦しあわや敗戦かというところまで追い詰められ、その結果3位に後退。昨年のハイズマントロフィー受賞QBでこのチームの戦術的・精神的柱であるブライス・ヤング(Bryce Young)が肩の怪我で欠場したのが大きく響きました。彼はこのテネシー大戦で復活してくると言われていますが、彼がいなければおそらくアラバマ大にチャンスはないと見てもいいでしょう。
テネシー大は今季2シーズン目のジョシュ・ハイペル(Josh Haupel)監督指揮下で大躍進。アップテンポのダイナミックなオフェンスはここまでトータルオフェンスで全米1位(1試合平均547.8ヤード)という数字からも出ているようにここまでほぼ誰も彼らを止めることはできませんでした。
その中心人物はヘンドン・フッカー(Hendon Hooker)。走れて投げられる彼はパスで10TDに0INT、走って3TD。QBレーティングが全米3位とまさにハイズマン級のパフォーマンスを見せ続ける選手。また彼を取り巻くスキルポジョションでもRBジェイレン・ライト(Jaylen Wright)とジャバリ・スモール(Jabari Small)の双頭龍、そしてブルー・マッコイ(Bru McCoy)、ジェイリン・ハイアット(Jalin Hyatt)、そして怪我で戦列を離れるもこの試合での復帰が期待されるセドリック・ティルマン(Cedric Tillman)を擁し超充実しています。
またディフェンスでも特にランに対する守備力に長けており、これまで相手にランで許したヤードは1試合平均89.2ヤードで全米11位。アラバマ大のランオフェンスは全米3位(1試合平均257.2ヤード)ではありますが、このヤードの多くはRBジャミアー・ギブス(Jahmyr Gibbs)のロングランによるものが多く、テネシー大のランディフェンスの前に彼らの実力が試されます。
アラバマ大ディフェンスはランに対しては全米8位とテネシー大よりも上。これは若くとも力のあるフロントセブン、その中でも注目のLBウィル・アンダーソン・Jr(Will Anderson Jr)に寄る所が大きいと思いますが、穴はパスディフェンスだと言われています。数字的には12位と上位レベルですが、これまでテネシー大と対峙してきた多くのチームが苦労したように、アラバマ大のバックフィールドも一筋縄ではいかない勝負を強いられると思われます。
勝負はアラバマ大のバックフィールドとQBフッカー並びに彼のエリートターゲットたちとのマッチアップ、そしてQBヤングの肩の具合にかかっていると見ます。
どちらにしても15年間苦渋を舐めさせられてきたテネシー大とそのファンたちにとってはここ最近ではこれ以上ないというほどの盛り上がりを見せており、スタジアムの雰囲気はとんでもないくらいの熱量で溢れかえることでしょう。アラバマ大にしてみれば今季最大の試練となります。果たして最後に笑うのはどちらか・・・。
#10 ペンシルバニア州立大 @ #5 ミシガン大
Big Tenカンファレンス東地区は現在全米2位のオハイオ州立大、5位のミシガン大、そして10位のペンシルバニア州立大がそれぞれ6勝無敗となっており、実質的に言えばこの三つ巴の勝者が東地区を制すると見られています。その三つ巴戦の初戦となるのがこのミシガン大とペンシルバニア州立大の大一番です。
昨年自身初となるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に出場したミシガン大は強力なディフェンスとランを中心としたグラウンドアタックにプレーアクションパスを絡めるというバランスのいいチームで躍進しました。そのチームからはDLエイダン・ハッチンソン(Aidan Hutchinson、現デトロイトライオンズ)やRBハッサン・ハスキンズ(Hassan Haskins、現テネシータイタンズ)が抜けてしまいましたが、今年は数字的にいうと去年のチームよりも上回っています。
QBはケイド・マクナマラ(Cade McNamara)との激しい先発争いを勝ち抜いたJ.J.マッカーシー(J.J. McCarthy)。彼の特徴は機動力があるということですが、今の所ミシガン大オフェンスにおいて彼はプレーメーカーというよりもゲームマネージャーという役割に徹しているように見えます。
そのミシガン大の主軸となっているのはRBブレイク・カーラム(Blake Corum)。今のところランヤードは735ヤードで全米4位、ランTDは11個で全米2位と今季のRB勢で突出した記録を残しています。彼のランがあるからこそマッカーシーのプレーアクションパスが活きるわけですね。
ペンシルバニア州立大はベテランQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)が司令塔としてオフェンスを率いますが、頼みの綱は彼らもランゲーム。ニック・シングルトン(Nick Singleton)とケイトロン・アレン(Kaytron Allen)のツインタワーでここまで合わせて766ヤードに8TDを足で稼いでいます。そこにクロフォードの4TDを加え今季のペンステートのTD数はランの方がパス(11)より優っているわけです。
両チームはディフェンス力、特にランディフェンスに定評があります。今季ここまで相手に許した1試合平均ランヤードはペンステートが79.6ヤードで全米5位。一方のミシガン大は81.7ヤードで全米7位と力は肉薄。どちらもランのオフェンス・ディフェンスが長所であることを考えればまさにガチンコ勝負となること間違いありません。
となればどちらがこの地上戦を制することができるかに勝負の分かれ目があるとも言えますが、拮抗した場合若く才能溢れるマッカーシー、またはベテランのクリフォード、どちらのQBが要所要所で流れを変えるようなプレーを見せられるかにも注目したいところです。
勝ってオハイオ州立大に挑むのはどちらか・・・?
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その他の気になる試合
#4クレムソン大 @ フロリダ州立大
先週5位から4位に上昇しプレーオフ進出圏内に入ってきたクレムソン大。シーズンを通してチーム力は安定し、特にQB D.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)の成長は著しいです。またクレムソン大のランディフェンスは全米2位。この強力な守備を相手にフロリダ州立大がランを稼げるのかが見もの。できなければパス一辺倒になりそうなればクレムソン大ディフェンスの思う壺です・・・。
#7 サザンカリフォルニア大 @ #20 ユタ大
Pac-12カンファレンスでの優勝レースを占う上で非常に重要な試合。サザンカリフォルニア大はここまでポテンシャルの高いオフェンス力で勝ち上がってきましたが、ユタ大のような堅実なディフェンスとは未だ対峙しておらず、この試合で彼らの力が試されそうです。またサザンカリフォルニア大のディフェンスにはまだまだ穴があると言われており、ユタ大QBキャメロン・ライジング(Cameron Rising)の出来に期待。サザンカリフォルニア大のQBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)にしてみればこの試合で大いにアピールしてハイズマン賞レースでアピールしたいところ。
#8 オクラホマ州立大 vs #13 テキサスクリスチャン大
こちらもここまで無敗チーム同士の対決で、どちらも今季を代表するオフェンス力を要するチーム同士の戦いとなります。特にテキサスクリスチャン大はテネシー大、オハイオ州立大に次ぐトータルオフェンス並びにスコアリングオフェンス(全米3位)を持つチーム。攻撃力は誰にも負けません。おそらくどちらもノーガードで撃ち合いとなるハイスコアゲームになることが予想されますが、果たしてどちらが相手よりもより多く点を稼ぐことができるでしょうか?
#15 ノースカロライナ州立大 vs #18 シラキュース大
こちらはACC(アトランティックコーストカンファレンス)のランカー同士の戦い。見どころはここまで無敗街道をひた走るシンデレラチーム・シラキュース大が実力を備えるノースカロライナ州立大にどこまでやれるのかという一点です。果たして彼らはまぐれでここまで無敗なのかどうか、もしラッキーでここまできたのならばおそらくスコアは大きく離されるでしょうが、そうでないところをぜひ見てみたいです。
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#16 ミシシッピ州立大 vs #22 ケンタッキー大
こちらもランカー同士の戦い。見どころはミシシッピ州立大のQBウィル・ロジャース(Will Rogers)とケンタッキー大のQBウィル・レヴィス(Will Levis)の投げ合い。どちらも将来NFL候補と言われる逸材。開幕前から注目されていたレヴィスとマイク・リーチ(Mike Leach)監督の操る「エアーレイド」オフェンスでガンガン数字を重ね続けるロジャースの直接対決は見ものですが、レヴィスは先週足の怪我で欠場しており、彼が出てくるかどうかにも注目が集まりそうです。
#19 カンザス大 vs オクラホマ大
今季周囲を驚かす快進撃を続けるカンザス大は先週テキサスクリスチャン大に敗れて5勝1敗となりましたが、その試合での健闘の姿からも彼らが本物であることは間違いありません。一方最高で6位にランクされながらあれよあれよという間に3連敗で奈落の底に落ちてしまった名門オクラホマ大。ホームでありながらカンザス大に敗れ4連敗ともなれば、いかに初年度のブレント・ヴェナブルズ(Brent Venables)監督が率いているとはいえ、黄色信号が灯ってしまうでしょう。
アイオワ州立大 vs #21 テキサス大
先週怪我で戦線を離脱していたQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)が復帰して宿敵オクラホマ大を49対0で撃破したテキサス大。この試合でのユワーズは噂通りのパフォーマンスを見せましたが、アイオワ州立大は強固なパスディフェンスを擁することで知られています。オクラホマ大戦で見せたような試合内容がアイオワ州立大戦でも見せることができれば、いよいよテキサス大が本格的に復活した、と胸を張って言えるでしょう。
ミネソタ大 vs #24 イリノイ大
イリノイ大はここまで5勝1敗で2011年度シーズンぶりのランキング入りを果たしましたが、それに浮かれているとミネソタ大に足元をすくわれてしまいます。ミネソタ大はここまで4勝1敗ですが、実力的にはBig Tenカンファレンス西地区を制することができると言われるチーム。イリノイ大は24位にランクされたことで満足せず、さらに上を目指すために気を引き締めないと黒星を食らってあっという間にランク外に蹴落とされてしまいます。
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#25 ジェームスマディソン大 vs ジョージアサザン大
今季からFBSに加入したばかりだというのにランク入りを果たしたセンセーショナルなジェームスマディソン大。来週はマーシャル大、再来週はルイビル大といった強豪校が待ち構えていますが、まずはこのジョージアサザン大をしっかりと料理して6勝目を飾って、実力校との対戦を控えてほしいと思います。
カリフォルニア大 vs コロラド大
今季まだ未だに勝ち星に恵まれていないコロラド大(0勝5敗)。カリフォルニア大から白星を奪って今季初勝利を飾れるでしょうか?
ウィスコンシン大 vs ミシガン州立大
ウィスコンシン大はポール・クリスト(Paul Chryst)監督が解雇されながら先週はノースウエスタン大に大勝し少しだけモメンタムを盛り返しましたが、ミシガン州立大は今の所いい所が全くなし。どちらも今シーズンをサルベージするためにも是非とも勝っておきたい試合。
ルイジアナ州立大 vs フロリダ大
SECの大御所対決ながら両チームともここまで4勝2敗で残念ながら注目を浴びていない試合ですが無視はできない一戦。どちらも今年初年度の監督(LSUはブライアン・ケリー、フロリダ大はビリー・ネイピアー)ということで、今後のリクルーティングのためにもいいところを見せておきたいはず。
スタンフォード大 vs ノートルダム大
カレッジフットボール界でも著名なライバリーですが、スタンフォード大はここまで未だ1勝のみ。一方のノートルダム大は2連敗の後の3連勝中。スタンフォード大が負ければいよいよデヴィッド・ショウ(David Shaw)監督の去就問題にも発展するか?
ネブラスカ大 vs パデュー大
現在Big Tenカンファレンス西地区レースで首位を走るパデュー大。ネブラスカ大は監督の解雇を経てなんとか勝率5割に持ち直してきました。パデュー大にとっては落とし穴となりかねない試合。しっかり手中に収めて地区レースでの優位を保ちたいところ。
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楽しみなマッチアップが満載の第7週目のカレッジフットボールも大いに楽しみましょう!!