ペンシルバニア州立大(4位)@ アイオワ大(3位)
今週末屈指の好カード。Big Ten西地区のアイオワ大が東地区のペンシルバニア州立大をホームに迎える、5勝無敗同士の戦いとなります。
両者とも強固なディフェンスを持つチーム。アイオワ大は先週のメリーランド大戦で実に5つものパスINTを奪う快挙。フロントセブンも非常に安定した力を発揮し続け、ランディフェンスで全米11位(平均88.4ヤード)、失点数は全米2位(平均11.6点)とトップクラス。
一方のペンシルバニア州立大もアイオワ大に負けじと劣らない鉄壁のディフェンスの持ち主。彼らは失点数で全米3位(平均12点)とまさにトップ級のディフェンス陣が相まみえるわけで、自ずとロースコアゲームが予想されますが・・・。
攻撃陣の面で言うとタレント的にはペンステートが紙一重で上回っているかも知れません。昨年までパスINTを量産して非難を浴びていたQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)は今年ここまで11TDに3INTと大きく進歩しています。またWRジョハン・ドットソン(Jahan Dotson)は今季指折りのWRとして高評価を得ています。
Big Ten所属チームでトップ5同士の戦いとなるこの試合ですが、実は今までオハイオ州立大もしくはミシガン大以外のチーム同士がこのような条件下で相対することは無かったのだとか。それだけこのマッチアップがレアなものであることがわかると思います。
果たしてどちらのチームが相手のディフェンスを攻略できるのか?
オクラホマ大(6位)vs テキサス大(21位)
同じく注目のカードは「レッド・リバーの戦い」(Red River Shootout)とも呼ばれるオクラホマ大とテキサス大のライバリーです。
テキサス州ダラスにあるコットンボウルで毎年行われるこの試合、スタジアムがオレンジ色(テキサス大)と真紅(オクラホマ大)と真っ二つに割れる名物カードなのです。
オクラホマ大はここまで無傷の5連勝中ですが、オフェンシブラインの不調からかQBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)の調子がいまいち上がってきません。先週のカンザス州立大戦でようやく彼の良さが花咲いたようにも見えますが、他のトップチームのように相手を圧倒するような勝ち方がなかなか出来ずにいます。
一方のテキサス大はここまで4勝1敗。唯一の敗戦は現在13位のアーカンソー大に浴びたものですが、QBをケーシー・トンプソン(Casey Thompson)に固定してから攻撃力が安定。全米ナンバーワンRBの呼び声高いビジャン・ロビンソン(Bijan Robinson)も健在。モメンタムだけで言えばテキサス大のほうが上向きのような気がします。
オクラホマ大はリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督、テキサス大はスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督という知将同士の戦い。Big 12カンファレンスタイトルレース、そしてCFP(カレッジフットボールプレーオフ)レースで生き残るためにどちらにとっても負けられない試合となりそうです。
ジョージア大(2位)@ アーバン(18位)
「深南部最古のライバリー」(Deep South’s Oldest Rivalry)と呼ばれるこのカード。この両校が初めて対戦したのが1892年であることからこんな風に言われるようになりましたが、これまで過去何度も激闘を繰り返してきたカレッジフットボール屈指の組み合わせです。
ジョージア大は今季全米ナンバーワンの呼び声高いディフェンスが持ち味。特にDLジョーダン・デーヴィス(Jordan Davis)は6フィート6インチ(約198センチ)に340パウンド(約154キロ)という巨漢ながらパワー、スピード、アジリティーどれをとってもNFL級で相手OLならびにQBを幾度となく苦しめてきました。
彼を中心とするディフェンスは現在失点数で堂々1位(平均4.6点)。今の所2試合連続で完封勝利を収めており、まさに鉄壁とは彼らのために用意されている言葉のようなもの。さすがディフェンス畑で鳴らしたカービー・スマート(Kirby Smart)監督が率いるチームです。
アーバン大はここまで4勝1敗。今季から指揮を執るブライアン・ハーシン(Bryan Harsin)監督としてはまずまずの船出と言えるのかも知れませんが、流石にジョージア大ディフェンス相手ではいかにベテランQBボ・ニックス(Bo Nix)が健在だとはいえ荷が重すぎるか・・・。
アーカンソー大(13位)@ ミシシッピ大(17位)
先週アーカンソー大は2位のジョージア大、ミシシッピ大は1位のアラバマ大とそれぞれ対戦し見事に撃墜されてしまいました。そんなチーム同士が対戦するこの試合、どちらのチームが先週の敗戦を引きずらずに本来の力を発揮できるかに勝利の鍵があるような気がします。
アーカンソー大は今季カレッジフットボール界を驚かせてきたチームの一つ。過去2年間で3勝しか出来なかったチームが今年は開幕から破竹の4連勝。ジョージア大には完封負けを喫しましたが(37対0)、ジョージア大の強さを考えればアーカンソー大のこれまでの快進撃を否定するような材料とは言えません。
攻守ともにタフネスを身に着けた選手たちはサム・ピットマン(Sam Pittman)監督のフィロソフィーを十二分に理解しており、チームとしてのまとまり感はピカイチ。そんな中でも大柄で機動力もあるQB K.J.ジェファーソン(K.J. Jefferson)がいかにオフェンスを操るかに注目です。
一方のミシシッピ大は全米5位のスコアリングオフェンス(1試合平均44.8得点)というオフェンスマインドのチームですが、昨年と違うのはディフェンス力が向上してきていること。ただ4戦目のアラバマ大戦まで格下ばかりと対戦してきたという事実もあり、どこまでやれるチームなのかというのはこのアーカンソー大戦で明らかになるかも知れません。
先週の敗戦の影響でこれまでハイズマントロフィーレースでトップ争いを繰り広げてきたQBマット・コラル(Matt Corral)の株は多少下がってしまいましたが、それでも彼の能力は特筆するものがあり、その彼を操るレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督の戦略ともども見逃せません。
アラバマ大(1位) @ テキサスA&M大
開幕前、今季は本格的にCFP進出を狙えると言われていたテキサスA&M大。その影響でこのアラバマ大との対戦は放映するCBSがわざわざプライムタイム枠である8時キックオフに設定し、チケットも高額で取引されるような大一番と目されていましたが・・・。
予想通りの快進撃を続けるアラバマ大とは反対にテキサスA&M大はここまですでに2敗を喫しており、ランキングでもトップ25から脱落してしまいました。QBヘインズ・キング(Haynes King)が怪我で戦線離脱しているとはいえ、オフェンスの得点力不足は目を覆うものがあり、今年開幕前に破格の10年間の契約更新で約9000万ドル(1ドル100円計算で約90億円)という契約を結んだ大学側とジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督には早くも非難轟々です。
テキサスA&M大のディフェンスはいいユニットを誇っており、ここまで平均被獲得ヤードが平均318ヤードとなっていますが、対するアラバマ大の平均獲得ヤードは平均462ヤードとなっており、しかもスコアリングオフェンスは全米3位となる平均45.6得点ということでプライムタイムゲームとはいえ点差が大いについてしまう一方的な試合展開になってしまうかも。
ミシガン大(9位)@ ネブラスカ大
ここまで無傷の5連勝を飾ってきた名門ミシガン大。ここまで数年間表舞台に登場してこなかった彼らですが、今年就任7年目のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督にとってようやくまっとうに戦えるチームが仕上がってきました。
特にフィジカリティーの面で今季のミシガン大はこれまでとはひと味もふた味も違ったタフネスさを見せてきています。特にランオフェンスそしてディフェンスの面で古き良きBig Tenフットボールを彷彿とさせ、「今年は何かやってくれるかも・・・」とファンはこれまで以上にこのチームに期待を寄せています。
その彼らをホームに迎える古豪ネブラスカ大。今年4年目となるスコット・フロスト(Scott Frost)監督にとって今シーズンいい結果を残さなければ監督の座は危ういと言われています。そんなネブラスカ大は開幕からピリッとしない試合が続きいよいよフロスト監督の去就に黄色信号が灯ったかと思われましたが、ここ3試合をみると1勝2敗とはいえ徐々にチームが戦える集団に変わってきているように思えます。
その理由の一つにはQBエイドリアン・マルチネス(Adrian Martinez)の復調が挙げられます。鳴り物入りで入部してきたマルチネスは今年で4年生。1年生時にはセンセーショナルな活躍でネブラスカ大ファンを大いに沸かせましたが、過去2年間は期待に応えるような結果を残せずにいました。その彼がここ最近冴えており、特に先週のノースウェスタン大戦では投げては202ヤードに1TD、走っては50ヤードに3TDと彼の良さが全面に出ており、これもスコット監督のアジャストが功を奏しているのだと思います。
ミシガン大にとっては夢のBig TenカンファレンスタイトルおよびCFP出場のために、そしてネブラスカ大としてはフロスト監督の去就のためにどちらも負けられないゲーム。大変気になる試合です。
ルイジアナ州立大 @ ケンタッキー大(16位)
ここまで未だ負け無しのケンタッキー大が3勝2敗と波に乗れないルイジアナ州立大をホームに迎えます。
ケンタッキー大は先週当時10位のフロリダ大を倒して開幕後5連勝目を飾り波に乗るチーム。その原動力はディフェンス力にあり、失点数平均約16点、ランディフェンスで平均約102ヤード、パスディフェンスで平均約180ヤードと非常にいいユニットを形成しています。
オフェンス的には目からウロコが出る選手たちがいるわけではありませんが、チーム全体のまとまり感を見るとあまり隙きがないという印象が強いです。
対するルイジアナ州立大は今季すでに2敗を喫しており、シーズン序盤でランク外へ転落してからその存在感を薄めています。2年前に史上最強といわれたチームを擁して全米タイトルを獲ったチームとは思えない転落ぶりです。スターDBデレク・スティングリー・Jr(Derek Stingley Jr.)が怪我のせいで復帰未定となってしまったのもさらにバッドニュース。
2019年の快進撃でカリスマ的存在までになったエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督ですが、このままだと全米制覇2年後に首を切られてしまうという事態にも陥りかねません。
今週末は3位のアイオワ大と4位のペンステートの戦い以外にも、「レッド・リバーの戦い」テキサス大vsオクラホマ大、「深南部最古のライバリー」ジョージア大vsアーバン大といったカードが控えており、ランキング変動不可避な週末が待っています。
— Any Given Saturday (@ags_football1) October 8, 2021
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