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2023年度第5週目の見どころ

2023年度第5週目の見どころ

今季のカレッジフットボールも早いもので9月最後の週末を迎えます。

開幕時のプレシーズンランキングと最新の(第5週目)ランキングを見比べてみると・・・

プレシーズン第5週目
1ジョージア大ジョージア大
2ミシガン大ミシガン大
3オハイオ州立大テキサス大
4アラバマ大オハイオ州立大
5ルイジアナ州立大フロリダ州立大
6サザンカリフォルニア大ペンシルバニア州立大
7ペンシルバニア州立大ワシントン大
8フロリダ州立大サザンカリフォルニア大
9クレムソン大オレゴン大
10ワシントン大ユタ大

こんな感じで微妙に顔ぶれや順位が変わっていますよね。特にアラバマ大、ルイジアナ州立大、クレムソン大がトップ10から脱落したのは(クレムソン大に至ってはランクすらされていません)開幕前を考えると意外と言えるでしょう。

無敗チームはすでに27チームにまで減り、また今週末にはテキサス大とカンザス大の無敗同士の対決も組まれていますので、この数はさらに減っていくことでしょう。ここから各々が所属するカンファレンスのリーグ戦が続くことになり、1敗が命取りとなるゲームが増えていきます。果たして第5週目を生き残るのはどのチームなのか・・・。

そんなウィークエンドに注目したい試合を数試合ご紹介します。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#10 ユタ大 @ #19 オレゴン州立大

今季のカレッジフットボール界でも随一のディフェンス力を誇るのがユタ大。ここまで総合失点数が38ポイントのユタ大は、先週対戦したUCLAを7失点に抑えました。UCLAのユタ大戦以前までの平均獲得点数が約40点だったことを考えれば、7失点は驚異的だと言えます。

そのユタ大が金曜日(9月29日)に対戦するオレゴン州立大の平均獲得点数は約39点とUCLAと似たり寄ったり。とはいえ、ユタ大ディフェンスはオレゴン州立大がこれまで対戦してきたどのチームのそれよりもタフなユニットであることは言うまでもありません。

オレゴン州立大がホームでユタ大をアップセットするにはどうあってもこの強固なユタ大ディフェンスを崩す必要がありますが、その鍵を握っているのはQB D.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalalei)。ユタ大Dの激しいプレッシャーに慄くことなくミスのないプレーをする必要があります。

ユタ大のオフェンスはエースQBキャメロン・ライジング(Cameron Rising)を膝の怪我で欠くシーズンが続いていますが、報道によると今週彼はここまで先発を任されてきたネイト・ジョンソン(Nate Johnson)と練習にてスナップを分け合っているとのこと。ひょっとしたらこのオレゴン州立大戦でついにお目見えとなるか?


#11 ノートルダム大 @ #17 デューク大

先週オハイオ州立大との激戦で惜敗したノートルダム大と、ここまで全勝街道まっしぐらのデューク大との対戦。この試合はデューク大のホームゲームであり、ESPNの著名なプリゲームショウ「カレッジゲームデー(College Gameday)」が史上初めて彼らのキャンパスに訪れるということからもこの試合の注目度が伺えます。

ノートルダム大はQBサム・ハートマン(Sam Hartman)のいぶし銀のパスアタックとオードリック・エスティム(Audric Estime)のランアタック、それを可能にする堅固なOL陣という重厚なオフェンスに、タレント揃いのオハイオ州立大オフェンスを苦しめたディフェンス陣を擁するチーム。オハイオ州立大に負けたものの、チーム力的には未だ上位レベルだといっても過言ではありません。

唯一の不安点を指摘するならばマーカス・フリーマン(Marcus Freeman)監督の若さ。試合の分岐点となるポイントでの判断力が試される場面で、首を傾げるような決断をしがちなところが運命の分かれ道・・・かも。

一方のデューク大は、元来男子バスケの強豪校として知られる大学ですが、今年2年目のマイク・エルコ(Mike Elko)監督の指揮下で急成長を遂げ、昨年は9勝、そして今年は未だ無敗です。

注目はNFLのスカウト陣も注目するQBライリー・レナード(Riley Leonard)。6フィート4インチ(約193センチ)という恵まれた体型で投げて走れるスタイルは、元ワイオミング大QBで現在バッファロービルズに所属するジョシュ・アレン(Josh Allen)を彷彿とさせます。

チーム力では未だノートルダム大が上、しかしモメンタム的にはデュークにも機あり・・・と見ます。

#24 カンザス大 @ #3 テキサス大

Big 12カンファレンス所属チーム同士の対決で、今週唯一の無敗チーム同士のマッチアップがこれ。

前回この2チームが対戦した2021年度には、テキサス大のホームでカンザス大が57対56という第アップセットを起こしています。その再現となるかと言うことになりますが・・・。

カンザス大の先発QBジェイロン・ダニエルズ(Jalon Daniels)は昨年ブレークしたその勢いを今季もそのまま持続させ、ここまでパス成功率は74.7パーセントに1回のパスの平均ヤード数も9.4ヤードと素晴らしい数字を残しており、そのせいもあってカンザス大オフェンスはここまで全米26位となる1試合平均得点37.8点を記録しています。

ただ彼らが今回対戦するテキサス大は2年前のテキサス大とは別人です。まずオフェンスはスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督仕込みのスキームがついに馴染み始め、有能QBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)やゼヴィアー・ウォーシー(Xavier Worthy)といった駒がうまく回り始めています。

またディフェンス力も安定し、直近3試合では26失点(1試合平均約8.5失点)と元々あるロースターのポテンシャルがいよいよ発揮されています。

テキサス大のホームということもあり、万が一にも・・・ということはないと思いますが、もしカンザス大が一世一代のアップセットを再び起こすためには、テキサス大のオフェンスとの撃ち合いを制するような展開が必要になってくるでしょう。そのためにはダニエルズのここ一番のパフォーマンスが必須です。

その他の試合

#7 ワシントン大 @ アリゾナ大

ワシントン大QBでハイズマントロフィー候補でもあるマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)はここまで4試合で74.6パーセントのパス成功率(全米9位)、1636パスヤード(全米1位)、16パスTD(全米1位)、パスエフィシエンシー209.58(全米2位)という素晴らしい数字を残しています。

当然彼がどれくらいの数字をこのアリゾナ大戦で稼ぐのか実物なのですが、残念なことにこの試合はPac-12ネットワーク限定配信で全国放送がありません。

しかしながら、ここまで1試合平均400ヤード超えのパスヤードを記録しているペニックス・Jrがスタッツを伸ばすことが予想されてはいますが、一方でワシントン大にとってアリゾナ大ディフェンスはこれまで彼らが対戦してきたチームと比べると多少手強いはず。特に彼らはこれまで未だ300ヤード以上のパスを相手に投げさせていません。

ペニックス・Jrがハイズマントロフィー獲りを目指すにはアリゾナ大に手こずっている暇はありませんが、果たして・・・。

#8 サザンカリフォルニア大 @ コロラド大

開幕後3連勝で最高18位まで上り詰めたコロラド大でしたが、先週オレゴン大からの手痛い洗礼を受け、42対6という大敗を喫してしまいました。その翌週の相手がオレゴン大よりもさらに上位にランクされているサザンカリフォルニア大というのですから、正直不安でしかありません。

サザンカリフォルニア大には昨年のハイズマントロフィー受賞QBであるケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)が在籍。相手ディフェンスコーディネーター泣かせの神技ともいえる機動力で追い詰められた状態からTDを狙えるという逸材。コロラド大のディフェンスは穴だらけであることを考えると・・・。

一方のコロラド大のQBシェドゥア・サンダース(Shedeur Sanders)も数字的にはエリート級(1410パスヤード、11TD、1INT)ですが、オレゴン大ディフェンスの猛攻を掻い潜ることはできませんでした。唯一の光明はサザンカリフォルニア大のディフェンスはオレゴン大ほどではないということ。またホームということもあり地の利もありますが・・・。

#1 ジョージア大 vs アーバン大

The Deep South’s Oldest Rivalry(深南部最古のライバリー)」と呼ばれるこのマッチアップ。初顔合わせが1892年で今回が128回目の対戦となりますが、ここまでの戦績は63勝56敗8分けでジョージア大が辛うじて勝ち越しています。

アーバン大のジョーダンヘアスタジアムは8万7千人以上収容のスタジアムで、この大一番にスタジアムはアーバン大ファンで満員になることが予想され、ジョージア大にしてみれば今季初の完全なるアウェーゲームという環境になりそうです。

ジョージア大ディフェンスは近年超鉄壁で知られていますが、今季は今の所飛び抜けてすごいという印象はありません(当然トップ10ディフェンスであることに変わりはありませんが)。ただ「超」飛び抜けた選手がいるわけではないものの、普通より飛び抜けた選手の数が多いため全体的なチーム力は安定しています。

アーバン大は今年からヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)監督によって率いられています。フリーズ監督はかつてミシシッピ大を率いていた時に同校を戦える集団に育て上げたことで知られています。その時の手腕をアーバン大で披露してほしいと願っているファンは多いと思います。

もしアーバン大ファンの大声援に背中を押されてジョージア大を打ち負かすことができれば、かつてアラバマ大を2年連続破ったのと同じくらいフリーズ監督にとってキャリア最高の金星となるでしょう。ジョージア大が足元を掬われるところはここ最近見ていませんが・・・。

#22 フロリダ大 @ ケンタッキー大

今季初戦でユタ大に敗れるも第3戦目に当時11位のテネシー大を倒してランク入りを果たしたフロリダ大。一方ランクは未だされていないものの、ここまで4戦無敗のケンタッキー大というSEC(サウスイースタンカンファレンス)東地区対決。

フロリダ大はテネシー大に勝利はしたものの、先週の格下シャーロット戦では22点しか奪えず未だにムラがあるのが気がかり。

一方のケンタッキー大は3年連続で開幕後4連勝を飾っています。長いこと弱小チームとして知られていたケンタッキー大は対フロリダ大戦で1987年から2017年までの間31連敗を喫していましたが、直近2年間では2連勝中でもあります。

ケンタッキー大のホームゲーム、そして彼らが4戦無敗と波に乗っていること、さらにフロリダ大が絶対的な強さを誇っていないことを考えると、ケンタッキー大が勝って次週にランクインというシナリオは十分に考えられます。

クレムソン大 @ シラキュース大

ここまで2勝2敗で所属するACC(アトランティックコーストカンファレンス)戦績では0勝2敗のクレムソン大。もしこのシラキュース大戦にも敗れて0勝3敗となれば、1998年以来の失態ということになってしまいます。

そのシラキュース大はここまで無傷の4連勝中。波に乗ってはいますが、タレントのレベルを比べればクレムソン大の方がまだ上であることは変わりありません。しかしモメンタムとホームフィールドアドバンテージは軽視できるものでもありません。

クレムソン大のディフェンスはここまで平均約22失点となっていますが、実力的にはこの数字よりも優れていると見ます。ただオフェンス力にイマイチパンチ力がなく、スタッツ的に見ると中堅レベルという数字しか残せていません。

ここまで12年連続二桁勝利シーズンを送ってきているクレムソン大ですが、もしこのシラキュース大戦を落とすとその連続記録に黄色信号が点ってしまいます。そうなれば誰も手出しできなかったダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督の進退問題が話題に上がってくるなんてことも考えられるかもしれません・・・。

ミシガン州立大 @ アイオワ大

つい先日、チーム内の内部告発による、セクハラ疑惑でHCであるメル・タッカー(Mel Tucker)氏が解雇されてしまったミシガン州立大。過去2試合はタッカー氏が謹慎処分で宙ぶらりんのまま試合をこなさなければならなかったミシガン州立大は2連敗となり、選手たちが気の毒でなりませんでした。

しかしようやくタッカー氏が解雇という結論に達したことで、一つの区切りをつけることができたミシガン州立大。タッカー氏は不当解雇だと大学側を訴える準備をしているようですが、もし不当解雇であるとすれば内部の状況を知っている選手はタッカー氏のために戦うと士気が高まっているかもしれませんし、そうでなければそれはそれで選手たちにとっては雑音を振り切って仕切り直しをできるきっかけになるかもしれません。

一方アイオワ大といえばオフェンシブコーディネーターのブライアン・フェレンツ(Brian Ferentz)氏。今季チームの平均得点数が25点に満たなければ契約更新は無しという、進退のかかったシーズン。そんな中先週ペンシルバニア州立大戦では見事に完封されてしまい、平均得点数はここまでの時点で21点に。

フェレンツ監督にとってはノルマを達成するためにも30点以上は取りたいところですが、そもそも自分の進退のために得点を重ねなければならないという、このいびつな契約をしたアイオワ大側の姿勢にも疑問を感じずにはいられません・・・。

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