2022年度シーズンは今週末第3週目を迎えます。先週末の第2週目は各地で多くの「アップセット」が起こったり、オーバータイムにもつれ込む試合が起きたりとドラマチックなウィークエンドとなりましたが、第3週目はどんな週末となるでしょうか?
そこで今回もこの週末に行われる多数の試合の中から個人的に面白そうなマッチアップを紹介していきたいと思います。
目次
#1 ジョージア大 vs サウスカロライナ大
最新の全米ランキングでアラバマ大から首位を奪ったのが昨年の全米覇者・ジョージア大です。
昨年のチームからは多くの選手達がNFLドラフト入りして戦力低下が予想されていましたが、今の所そんな下馬評はなんのその、高いディフェンス力とQBステソン・ベネット(Stetson Bennett)の卒のないQBプレーで安定した力を保っています。
それは開幕以来2試合合わせて82得点3失点という凄まじい数字からも如実に現れており、今後もカレッジフットボール界を牽引していくチームだと言えます。
一方のサウスカロライナ大はここまで1勝1敗。注目なのはオクラホマ大からの転校生であるQBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)ですが、先週の負け試合であるアーカンソー州立大では376ヤードを投げ数字の上では上々ですが、球離れの悪さが目立ちOL陣の崩壊もあってかQBサックを6つも食らってしまっています。
ジョージア大という全米屈指のディフェンスを相手にどこまで相手に攻め込むことができるのか・・・。ハードルはかなり高そうです。
#6オクラホマ大 vs ネブラスカ大
オクラホマ大とネブラスカ大のこのマッチアップは古き良きBig 12カンファレンス、さらに言えばその前のBig 8カンファレンス時代からの名ライバリー対決の再現となります。
かつてお互いが同じカンファレンスに所属していた頃から激しい火花をちらしてきた両校ですが、特に70年代に入ってお互いがナショナルタイトルを狙えるチーム同士になったころは全米屈指の好カードと言われてカレッジフットボールファンを沸かしてきました。
ただ、ネブラスカ大が2011年にBig 12カンファレンスを脱退してBig Tenカンファレンス入りして以来良好の対決は極端に減ってしまっていました。が、昨年この対決が復活し、今年はネブラスカ大での試合となります。
オクラホマ大は前HCリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督がサザンカリフォルニア大に電撃移籍したことを受けてかつてチームでディフェンシブコーディネーターを務めたこともある、元クレムソン大DCブレント・ヴェナブルズ(Brent Venables)氏をを招聘。自身初めての監督職となるヴェナブルズ氏はここまで危なげなく開幕2連勝を飾ってきました。
ライリー体制で先発だったラトラー(前出・現サウスカロライナ大)ならびにそのラトラーから先発を奪ったケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams、現サザンカリフォルニア大)が相次いで転校してしまいましたが、今年は昨年までセントラルフロリダ大で先発QBだったディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)を迎えて弱小チーム相手とはいえ開幕2連勝を飾って現在全米6位という好位置を保っています。
一方ネブラスカ大はオクラホマ大とは対象的に近年その鳴りを潜めてしまった古豪。その再建を託されてチームに凱旋してきたOBのスコット・フロスト(Scott Frost)監督は期待を大きく裏切る形で黒星を重ね続け、先週ジョージアサザン大にまさかの敗戦を喫してその翌日にとうとう解雇されてしまいました。
今後あと最低10試合は臨時監督に指名されたミッキー・ジョセフ(Mickey Joseph)氏によってチームは率いられていきますが、この監督解雇劇がチームにとってカンフル剤となるか・・・。ちなみに長い歴史をもつネブラスカ大ですが、今回臨時監督とはいえジョセフ氏は同大学で初めての黒人監督となります。
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フレズノ州立大 vs #7サザンカリフォルニア大
上記の通りオクラホマ大からやってきたライリー監督に率いられるサザンカリフォルニア大。オフに多くの転校生をトランスファーポータル経由で獲得した彼らには王朝復活の期待がかかっていますが、開幕前には識者たちの予想は今年ではないのではないか、という声が多かったですが今の所開幕2連勝で全米7位まで登ってきました。
ライリー監督のオフェンス戦術に加え、期待のQBウィリアムス、そしてピッツバーグ大からの転校生WRで昨年の最優秀WR賞であるブレントニコフ賞を獲得したジョーダン・アディソン(Jordan Addison)らスキルプレーヤーたちが充実。ここまで2試合で合計107得点を叩き出しています。
このフレズノ州立大戦でもさらなるハイスコアが期待されており、オフェンス面では2000年代の全盛期だったサザンカリフォルニア大を彷彿とさせています。これでディフェンスの足並みが揃ってくればライリー監督初年度から彼らの台頭は決してないことはないと思いますが・・・。
#11ミシガン州立大 vs ワシントン大
昨年RBケネス・ウォーカー・III(Kenneth Walker III、現シアトルシーホークス)を擁して快進撃を演じたミシガン州立大ですが、今季は開幕以来ランクされていたとはいえ鳴りを潜めていました。が、第3週目にしてようやく彼らの今季の力試しとなるワシントン大との試合を通して彼らの今季のチーム力を見ることができそうです。
今年も攻撃の軸はランアタック。今季はジェイレン・バーガー(Jalen Berger)とジャレク・ブロサード(Jarek Broussard)の二枚看板。そして、前出のウォーカーがウェイクフォレスト大からの転校生だったのと同じように、バーガーは元ウィスコンシン大、ブロサードは元コロラド大と相変わらずメル・タッカー(Mel Tucker)監督は超積極的にトランスファーポータル経由で戦力を固めていることが見て取れます。
一方のワシントン大は今季からケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)が監督に就任。2016年にカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に進出しますが、クリス・ピーターセン(Chris Petersen)監督が現場を退いて以来鳴りを潜めています。
そのデボアー新監督体制となった今年のワシントン大はここまで格下チーム相手とはいえ2連勝中。そして今週末手強いミシガン州立大をホームに迎えるわけですが、彼らにとってはまたとない腕試しの相手と言えそうです。果たして返り討ちにすることができるでしょうか?
#12ブリガムヤング大 vs #25オレゴン大
今週2試合ある、ランカー同士の対決の一つ。全米25位のオレゴン大がホームにて全米12位のブリガムヤング大を迎え撃ちます。
ブリガムヤング大は直近2年間で絶好調。2年前はQBに現ニューヨークジェッツのザック・ウィルソン(Zach Wilson)を擁して連勝を重ねましたが、ウィルソンがいなくなった昨年も10勝3敗と見事に二桁勝利を獲得し、カラニ・シタケ(Kalani Sitake)監督の株は上昇中です。
彼らは先週全米9位だったベイラー大をオーバータイムの末に破る金星を獲得しており、現在最も波に乗るチームと言われています。注目したいのはQBジェイレン・ホール(Jaren Hall)。ここまでパス成功率が67.6%と高く、チームの快進撃の立役者の一人と言われています。
一方のオレゴン大は開幕戦でジョージア大と対戦し49対3と完敗。ダン・レニング(Dan Lenning)新監督の船ではほろ苦いものとなってしまいましたが、そのリハビリも兼ねた先週のイースタンワシントン大戦では70対14とそのうっぷんを晴らしました。
ジョージア大の力が群を抜いていたともいえそうですが、オレゴン大にとってみれば今週末のブリガムヤング大戦をものにすることができればジョージア大戦での敗戦をさらに取り返すことができそうです。好マッチとなる可能性大ですね。
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#13マイアミ大 vs #24テキサスA&M大
こちらのマッチアップもランカー同士の戦いとなります。
今季から新HCにマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督を迎えて新たな船出を切ったマイアミ大は開幕時には16位発進でしたが、徐々にランクを上げて現在全米13位。ここでようやくテキサスA&M大という名門との対決を迎え、全米中にその力をアピールする絶好のチャンスが訪れます。
先週までテキサスA&M大は6位だったため、このマッチアップは非常に注目を浴びる・・・はずだったのですが、先週テキサスA&M大がホームでアパラチアン州立大にまさかの敗戦を喫してしまったため、最新ランキングで24位まで順位を落としてこのマッチアップに水を差してしまいました。しかしそれでも注目したいマッチアップであることには変わりありません。
マイアミ大は今季NFLスカウトも注目するQBタイラー・ヴァン・ダイク(Tyler Van Dyke)が健在。大型で強肩のヴァン・ダイクは既に超大学級の逸材と言われており、ハイズマントロフィーレースで名をあげるにはこのテキサスA&M大戦は格好の機会です。
一方のテキサスA&M大はオフェンスコーチであるジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督がいるにも関わらず先週はオフェンスが全く機能せずトータルヤードがたったの180ヤード。QBヘインズ・キング(Haynes King)の不調が目立っており、バックアップでルイジアナ州立大からの転校生マックス・ジョンソン(Max Johnson、元TBのブラッド・ジョンソンの息子)に出番が回ってくるのかどうかが気になるところです。
#22ペンシルバニア州立大 vs アーバン大
今週ようやくトップ25入りを果たしたペンシルバニア州立大は今週末遠く離れた深南部のアーバン大に乗り込みます。
ペンシルバニア州立大は今季もベテランQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)に率いられます。開幕戦でのパデュー大戦では4TDを奪いますが、立ち上がりからピリッとせずファンたちの不安を煽りました。現在ファンの間で最も期待されているのは彼のバックアップであるドリュー・アラー(Drew Allar)。若干1年生のQBではあるものの、限られた時間での出場シーンでその大器の片鱗を見せています。
注目はRBニコラス・シングルトン(Nicholas Singleton)がタフなアーバン大ディフェンス相手にどこまで走れるのかという点。彼のランゲームがある程度確立すれば、クリフォードのパスアタックの大いなる後方射撃となるはず。アーバン大での試合ということで出だしからペースを掴まないとファンの大歓声に押されてしまいそうです。
その他の気になる試合
フロリダ州立大 vs ルイビル大(金曜日)
ACC対決。ルイビル大QBマリク・カニングハム(Malik Cunningham)に注目。
パデュー大 vs シラキュース大
シラキュース大は2018年以来の開幕後3連勝を狙います。
カリフォルニア大 vs ノートルダム大
開幕からまさかの2連敗を喫したノートルダム大にとって勝って今季初白星を取りたいところ。
トロイ大 vs アパラチアン州立大
先週テキサスA&M大をなぎ倒したアパラチアン州立大に「College Gameday」がやってくる!
カンザス大 vs ヒューストン大
現在2011年以来の開幕2連勝中のカンザス大。現在平均得点数は52.5点で全米4位!
ミシシッピ州立大 vs ルイジアナ州立大
SEC西地区の好マッチアップ。LSUが勝てばケリー新監督体制で意義のある白星に。
など
第3週目のカレッジフットボールも大いに楽しみましょう!!