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2022年度第3週目レビュー

2022年度第3週目レビュー

今季第3週目のカレッジフットボールの見どころは最初の2週間に比べて少し劣るかと思われていましたが、蓋を開けてみれば面白い試合がてんこ盛り。今回もそんな試合を駆け足で振り返ってみます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#1ジョージア大48、サウスカロライナ大7

SEC(サウスイースタンカンファレンス)東地区チーム同士の激突。サウスカロライナ大は全米1位のジョージア大を返り討ちにせんと意気込みましたが、結果は48対7でジョージア大が格の違いを見せました。

この日のジョージア大はTEブロック・ボワーズ(Brock Bowers)が大活躍。1人で121ヤードに2TDを荒稼ぎし勝利に貢献(ランでも1TD)。またQBステソン・ベネット(Stetson Bennett IV)は284ヤードのパスを記録しましたが、その数字以上の貢献度を大いに世に知らしめ、今となっては昨年までのシンデレラボーイという型を破る、立派な司令塔に生まれ変わったのでした。

一方のサウスカロライナ大はジョージア大の強力なディフェンスを前に何もさせてもらえず、試合終了残り1分を切ったところでようやくTDを返すのが精一杯。先発QBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)は118ヤードに2INTと全くいいところがなく、オクラホマ大からセカンドチャンスを活かすためにサウスカロライナ大にやってきたものの、逆に泥沼にハマっているというのが現状です。


#2アラバマ大63、ルイジアナ大モンロー校7

先週1位の座をジョージア大に譲ったアラバマ大は格下ルイジアナ大モンロー校と対戦。これを難なくいなして今季3勝目を挙げました。

チームラントータルで273ヤードと圧倒しましたが、QBブライス・ヤング(Bryce Young)は236ヤードに3TDを奪うも2つのパスINTを犯すなど少しらしくないパフォーマンス。相変わらずレシーバー陣に人手不足が感じられ、今後首位奪還を狙うにはパワー不足は否めません。

ただディフェンスは相手オフェンスをトータル169ヤードに抑える見事な出来。今季目玉のディフェンダーであるLBウィル・アンダーソン・Jr(Will Anderson Jr)は相手QBの弾かればパスをキャッチしてリターンTDを奪うなどして活躍。格下に隙を見せない戦いぶりを披露してくれました。

#3オハイオ州立大77、トレド大21

全米3位のオハイオ州立大はホームに「グループオブ5」勢の一員であるトレド大を迎えてこれを77対21という大差で撃破。

QB C.J. ストラウド(C.J. Stround)は27投中22投のパスを成功させて367ヤードに5TD。その彼の的となったWR陣ではエメカ・イブカ(Emeka Egbuka)が116ヤード(1TD)を記録したのを筆頭に合計3選手が100ヤード超えのレシーブヤード。ランでは控えのダラン・ヘイデン(Dallan Hayden)が108ヤードを走るなどして格の違いを見せつけました。

#4ミシガン大59、コネチカット大0

全米4位のミシガン大コネチカット大と対決。この日も再び先発出場したQB J.J.マッカーシー(J.J. McCarthy)は18投中15投成功という効率のいいパフォーマンスでチームのパスオフェンスを牽引。しかしこの日のヒーローはRBブレイク・カーラム(Blake Corum)でした。

ヤード数は71ヤードと控えめですが、奪ったTD数が5個ということで与えられた仕事をきちっとこなす印象。小型のRBですが重心の低さとスピードでタックルをかわすランは見ていて爽快です。

今後の対戦相手のことを考えると6連勝はまず固そうです。彼らの真価が問われるのは10月15日のペンシルバニア州立大戦となるでしょう。

#5クレムソン大48、ルイジアナ工科大20

今週5位のクレムソン大ルイジアナ工科大と対戦。前半を終えた時点で13対6と非常にスローなスタートとなりましたが、後半ようやくオフェンスが目を覚まして終わってみればダブルスコアでルイジアナ工科大を下しました。

クレムソン大はRBウィル・シプリー(Will Shipley)が139ヤードに2TDと活躍しましたが、QB D.J. ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)がやっぱりピリッとしません。パス成功率は58パーセントと相変わらずターゲットを外すシーンが多く、大器と言われた彼の才能が花咲きません。

ただこれはひとえにウイアンガラレイ本人だけのせいではなく、今年から初めて攻撃コーディネーターを務めるブランドン・ストリーター(Brandon Streeter)氏のスキームのせいも言われていますが・・・。プレーオフ進出を目指すにはもうひとこえ欲しいと思ってしまいます

#6オクラホマ大48、ネブラスカ大14

Big 8カンファレンスならびにBig 12カンファレンス時代の名ライバリーの復活として注目されたこのマッチアップでしたが、結果はご覧の通りオクラホマ大のワンサイドゲームとなってしまいました。

オクラホマ大は攻守に渡り安定した隙きのないパフォーマンス。投げてはQBディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)が230ヤードに2TD。走ってはエリック・グレイ(Eric Gray)の113ヤード(2TD)を筆頭にチーム全体で312ヤードを荒稼ぎ。また守備でもネブラスカ大を寄せ付けず、オクラホマ大にとっては楽勝といった感じがひしひしと伝わってきました。

ネブラスカ大は先週末にスコット・フロスト(Scott Frost)監督を成績不振のためにシーズン途中ながら解雇。臨時監督にネブラスカ大OBのミッキー・ジョセフ(Mickey Joseph)氏を立ててこの試合に挑みましたが、相変わらずディフェンスのタックルミスやアサインメントミスが目立ち、オフェンスも先制点を挙げこそするもその後は全くいいところがありませんでした。

チーム不振でフロスト監督が解雇されたわけですが、今後のネブラスカ大の行く末は厳しそうです。

#7サザンカリフォルニア大45、フレズノ州立大17

今週7位と波に乗るサザンカリフォルニア大は名将ジェフ・テッドフォード(Jeff Tedford)監督率いるフレズノ州立大と対決。点の取り合いとなるかと思われましたが、大量スコアを達成したのはサザンカリフォルニア大だけでした。

この日もハイズマントロフィー候補QBケイレブ・ウィリアムス(Calab Willimas)が活躍。284ヤードに2TDとこれまでと比べると少々ヤード数は少ないですが、ミスのない安定したパフォーマンスでオフェンスを牽引。またこの日はトラヴィス・ダイ(Travis Dye)とオースティン・ジョーンズ(Austin Jones)のRB二枚看板がどちらも100ヤード超えのランを叩き出して攻撃に厚みを生み出していました。

フレズノ州立大は前半を終えて21対10と踏ん張っていましたが、オフェンスの要となるQBジェイク・ヘイナー(Jake Haener)が途中怪我で退場を余儀なくされたのが大きく響き、点取り合戦に持ち込むことができませんでした。

#10アーカンソー大38、ミズーリ州立大27

全米10位のアーカンソー大FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)のミズーリ州立大と対戦。ハーフタイムを17対14とリードされて折り返すという肝を冷やした展開を見せましたが、第4Qに21点を叩き出して逆転勝利。最近流行りの(笑)アップセットを逃れました。

オフェンス的にはQB K.J.ジェファーソン(K.J. Jefferson)が385ヤードに2TD(1INT)と距離を出しはしましたが、これは長いパスが2本決まった事による恩恵を受けた数字で、冴えたパフォーマンスを見せたとは言えませんでした。ただRBラヒーム・サンダース(Raheim Sanders)の167ヤードのランアタックは圧巻でした。

ちなみにミズーリ州立大を現在率いているのはボビー・ペトリノ(Bobby Petrino)監督ですが、彼は2008年から2011年までアーカンソー大を率いていた人物。チームを強豪校に育て上げるも、チーム内女性スタッフとの不倫がバレて解雇になっていました。その彼が10年ぶりに古巣に帰ってきたという試合でもありました。

ワシントン大39、#11ミシガン州立大28

全米11位のミシガン州立大は開幕2連勝を飾ってこの第3週目を迎えていましたが、一方でその2試合とも格下相手の試合だったため、実際の彼らの実力はどの程度なのかいまいち図り切れていませんでした。そして彼らの真価が問われることになった今回のワシントン大戦でしたが、結果的にいうとミシガン州立大の化けの皮が剥がれることになったのでした。

試合は出だしからワシントン大ペース。インディアナ大からの転校生QBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)がインディアナ大時代とは見違えるほどのQBに覚醒しており、この日は397ヤードに4TD、0INTと大爆発。ポケットの中からはもちろん、スクランブル時でもパスの精度が非常に高く、多くのファンたちの目を奪いました。

(また紫のユニフォームが似合ってました!)

ミシガン州立大はQBペイトン・ソーン(Payton Thorne)が300ヤード超のパスを投げますが、頼りのランオフェンスが沈黙。チーム合計で42ヤードと完全にワシントン大ディフェンスに抑え込まれリズムを崩されました。

これでワシントン大は開幕後3連勝。にわかに復活の兆しを見せています。

#25オレゴン大41、#12ブリガムヤング大20

今季ここまで2連勝で全米12位まで急上昇した絶好調のブリガムヤング大が全米25位のオレゴン大の本拠地に乗り込んで行われたこの試合。特にブリガムヤング大は前週に全米9位だったベイラー大を倒しており、自信満々でこの試合に臨んだことでしょう。・・・しかし。

待っていたのは「ボ・マジック」。昨年までアーバン大に所属し今季からオレゴン大に転校してきたQBボ・ニックス(Bo Nix)がこの日人が変わったかのような大活躍。投げては222ヤードに2TD、走っても3TDで1人で35点に絡む神がかったパフォーマンスでチームを牽引。ブリガムヤング大無敗シーズンの夢を砕きました。

ブリガムヤング大はQBジェイレン・ホール(Jaren Hall)が300ヤード以上を投げるなどボールを動かすことはできましたが、それをスコアに繋げることができませんでした。内容的にはおせおせのオレゴン大に完敗。この日に関して言えば全米12位のチームとは程遠い出来でした。

オレゴン大は開幕戦でジョージア大に49対3と完膚なきまでに叩きのめされてしまいましたが、このブリガムヤング大戦での勝利は彼らに再び自信を取り戻させるには十分な白星となるでしょう。

#24テキサスA&M大17、#13マイアミ大9

対戦相手のカードだけで見たら今週最大級のマッチアップ。ただ前週に6位だったテキサスA&M大がアパラチアン州立大にホームでまさかの敗戦を喫してしまったため、彼らがランクを24位まで落としてしまいこのマッチアップの興奮度が下がってしまいました。

そのテキサスA&M大はこの試合でここまで先発QBを担っていたハインズ・キング(Haynes King)に代わってルイジアナ州立大からの転校生であるマックス・ジョンソン(Max Johnson)を投入。アパラチアン州立大戦でのスコアリング力の無さをなんとか改善したいところでしたが・・・。

正直ジョンソン率いるオフェンスはキングのものと比べるとほんの少しだけ良かった程度でこの試合でもなかなか得点を奪うことができませんでした。当然相手のディフェンスに苦しめられたという点もありますが、オフェンスをコールしているジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督のコーリングに目新しいものは見当たらず・・・。

マイアミ大は期待のQBタイラー・ヴァン・ダイク(Tyler Van Dyke)がポケット内で絶妙な存在感を醸し出しますが、とにかくレシーバー陣のドロップパスが目立ち、いわゆる「Go-To」な選手が不在なのが顕著に。おかげでヴァン・ダイクのパス成功率は5割に毛が生えた程度。ランで距離を稼ぐことができましたが、結局この日マイアミ大が得点できたのは3つのFGのみ。これでは勝つことはできません。

そんなマイアミ大のオフェンスに助けられたテキサスA&M大は少ないチャンスをものにしてなんとかホームで逃げ切って勝利。マイアミ大が本当に全米13位の実力を持っていたチームだったのかはさておき、テキサスA&M大はアパラチアン州立大に敗れてしまった汚点を多少は挽回出来たと言えるのかもしれません。

#18フロリダ大31、サウスフロリダ大28

全米18位のフロリダ大はホームにサウスフロリダ大を迎えますが、意図せず彼らはサウスフロリダ大に苦しめられてしまいます。

前半を終えた時点でフロリダ大は24対10と2TD差をつけて後半へ突入。しかしここからサウスフロリダ大の反撃を許し第4Qに入るとついに28対24で逆転されてしまいます。追う立場となったフロリダ大は相手陣内へ攻め込みますが、残り8分弱というところでQBアンソニー・リチャードソン(Anthony Richardson)のパスがエンドゾーンで相手にインターセプトされてしまいます。

ホームに不穏な雰囲気が漂う中、サウスフロリダ大は再びフロリダ大エンドゾーンを目指しますが、ここでCBトレヴェズ・ジョンソン(Tre’Vez Johnson)がゲリー・ボハノン(Gerry Bohanon、元ベイラー大)のパスを起死回生のインターセプション。それを起点としてRBトレヴァー・エティエン(Trevor Etienne、元クレムソン大のトラヴィス・エティエンの弟)が土壇場で逆転となるTDランを決めます。

追いすがるサウスフロリダ大は試合終了間際に49ヤードのロングFGトライを試みますが、これが無情にも外れ同点のチャンスを逃し、フロリダ大が辛くもホームで勝ち星を拾いました。

開幕戦でのユタ大との試合では神がかったプレーでハイズマントロフィー候補に急上昇してきたQBリチャードソンでしたが、前試合に続きこの試合でもその時の面影は全く無く、112パスヤードに2INTと撃沈。フロリダ大ファンは今後リチャードソンの出来に一喜一憂させられる事になりそうです。

#20ミシシッピ大42、ジョージア工科大0

全米20位のミシシッピ大はオフェンスの鬼才とも言われるレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督に率いられるチーム。元来キフィン監督はフィールドを目一杯使いパスを散らすのが得意なコーチですが、このジョージア工科大戦ではあえてそれを封印し、グラウンドアタックで勝負を挑み結果はスコアが示す通り42対0で完封勝利を収めることに成功しました。

この日ランアタックだけで316ヤードに6TDを奪ったミシシッピ大。先発QBを今の所任されているサザンカリフォルニア大からの転校生ジャクソン・ダート(Jaxon Dart)は207ヤードに1INTとイマイチでしたが、ランゲームとディフェンス力でそれを補いました。守備陣は相手を214ヤードに抑えQBジェフ・シムス(Jeff Sims)に7つのQBサックをお見舞いするなどし、その結果ジョージア工科大は完敗。ジェフ・コリンズ(Jeff Collins)監督の監督の座もいよいよ危うくなってきました。

#21テキサス大41、テキサス大サンアントニオ校20

前週のアラバマ大戦では惜しくも敗れる大健闘を演じてみせたテキサス大は第3週目にその健闘が認められてついにトップ25ランキング入り。それを引っさげて先週末はテキサス大サンアントニオ校(UTSA)をホームに迎えましたが、ここで思わぬ苦戦を強いられます。

なかなか相手を突き放せないテキサス大は前半を終えて17対17のタイスコアで後半に差し掛かります。するとスターRBビジャン・ロビンソン(Bijian Robinson)が2つのランTDを奪ってUTSAを置き去りにして終わってみれば41対20とダブルスコアで面目を保つことが出来ました。

QBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)がアラバマ大戦で肩に大怪我を折って長期離脱を余儀なくされる中、テキサス大はその舵取りをロビンソンに託しますが、この試合ではその期待にロビンソンが応えて183ヤードに3TDの力走を見せます。彼だけの力でどこまで行けるのかは未知数ですが、少なくとも全米指折りのラッシャーがいるのは今のテキサス大にとっては大きなプラス材料です。

#22ペンシルバニア州立大41、アーバン大12

Big Tenカンファレンス勢とSEC勢という珍しいマッチアップとなったこの試合。ここまで無敗で全米22位に飛び込んできたペンシルバニア州立大アーバン大へと乗り込みました。

ここまで主にQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)のパスに頼りがちなオフェンスが続いていたペンシルバニア州立大でしたが、この日はRB勢が活躍。1年生のニック・シングルトン(Nick Singleton)が124ヤードにに2TDを奪えば、同じく1年生のケイトロン・アレン(Kaytron Allen)も52ヤードに2TDと活躍。ルーキーらによるグランドアタックでチームトータル245ヤードのランヤードを稼げたのはここ最近のペンシルバニア州立大では非常に珍しいスタッツとなりました。

またクリフォードはパスで178ヤードと距離は稼ぎませんでしたが、シングルトンとアレンの活躍によりプレーアクションの効力が増してムラのない、彼にとっては珍しい(笑)パフォーマンスの披露を実現。またOL陣も強力なアーバン大DL陣とのバトルに勝ち続けアウェーというハードな環境で貴重な白星をゲットするのに一役買いました。

一方アーバン大は開幕2連勝したものの弱小チーム相手だったためにここまで彼らの実力を測りかねていましたが、特にこの日はランが出ずフィジカルの面でペンシルバニア州立大に完敗。今年でまだ2年目のブライアン・ハーシン(Bryan Hersin)監督はアーバン大で早くも黄色信号が点っているとも言われています。

(終わり)

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