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第2週目プレビュー【2020年度シーズン】

第2週目プレビュー【2020年度シーズン】

今季第2週目となる今週末、いよいよ本格的に「大御所」チームが開幕戦を迎えます。10あるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)カンファレンス群のうち4つ(Big Ten、Pac-12、MAC、MWC)が参戦していないため絶対的な試合数は少ないですが、それでもメジャーチームたちの戦う姿を見れるとなればコロナ禍で燻っていたファン魂も蘇ってくるというものです。

そこでここでは今週末の見どころを簡単に紹介したいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

真打ち登場!

今週末に登場するのはアトランティックコーストカンファレンス(ACC)とBig 12カンファレンスの「パワー5」カンファレンス群チームたち。この中には全米1位のクレムソン大、5位のオクラホマ大、10位のノートルダム大などが登場。対戦カード的にファンの興味心をそそるものは正直ありませんが、それでも彼らの登場はコロナ禍で開幕が危ぶまれた今シーズンが実際に開催されているんだと信じさせてくれるには十分です。

参考ページ2020年度シーズン予定・結果【第2週目】

またチームだけでなくプレシーズンから前評判の高い選手たちが登場するのも見どころの一つ。

例えば今季ハイズマントロフィー最有力候補とされるクレムソン大のQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)、それに対抗する十分な力を持つオクラホマ州立大のRBチュバ・ハバード(Chuba Hubbard)、ノートルダム大のQBイアン・ブック(Ian Book)、ノースカロライナ大のQBサム・ハウウェル(Sam Howell)などが今週末に参上。彼らが評判通りの選手なのかどうかを下見することができるでしょう。

ランキングだけで見れば上位に名を連ねるチームたちが勝利を収めることは予想されるますが、そうでないチームたちが本当に25位以内に入るに足るチームなのかを見定めることもできるかもしれません。


注目のチーム

個人的にはプレシーズンランキングで18位にランクインしたノースカロライナ大に注目したいです。彼らは昨年かつてテキサス大にナショナルタイトルをもたらしたマック・ブラウン(Mack Brown)監督を招聘しましたが初年度の結果は7勝6敗とボチボチ。しかしオフシーズンにリクルーティングで台頭するとそれが評価されたのか18位に入る評価を得たのです。

果たして彼らは18位にふさわしい実力を持っているのか?そしてブラウン監督マジックは発動するのか?興味津々です。

また名門ノートルダム大は今季限定ながらACC所属チームとして降臨します。長いカレッジフットボールの歴史の中で一貫して無所属(独立校)を貫いてきた彼らが特例とはいえACC付きのチームとなることは歴史的な出来事であり、怪我の功名と言ったところでしょうか。そのノートルダム大は今週デューク大をホームに迎えます。

コロナの影響

一方でコロナウイルスの影響を受けたチームもやっぱり存在します。

金曜日に予定されていたテキサスクリスチャン大サザンメソディスト大との試合はテキサスクリスチャン大チーム内で複数の感染者を出したために後日に開催が延期となりましたし、今週末試合がなく開幕が10月と遅めのライス大でも今週チーム内でクラスター感染が起きてチーム活動が一時中断に追い込まれるという事態が起きています。

また9月26日に開催が予定されていたテンプル大海軍士官学校との試合は10月10日に延期。これはコロナによる影響でテンプル大が満足に練習することができず、9月26日までにチームが仕上がらないからだということです。NCAAは6週間の活動再開モデルを提唱していますから、トレーニングを始められる時期が遅れれば開幕日にも影響が及ぶというわけです。

さらにルイジアナ工科大ベイラー大の試合も延期となりましたが、これは先日アメリカ南部を襲ったハリケーン「ローラ」に襲われたルイジアナ工科大で災害後に約40人の選手がコロナ検査で陽性反応を示したからだそうです。

その他にもマーシャル大vsイーストカロライナ大セントラフルロリダ大vsフロリダインターナショナル大も似たような理由で試合が延期となっています。

そして今日になって判明したのはメンフィス大でも複数の部関係者がコロナ検査で黒となり、この結果チームは部活動を一時休止する決定を下したことです。メンフィス大は今週末試合はありませんが来週にヒューストン大と対戦予定。しかしこのまま行くとひょっとしたらこの試合も延期となる可能性が高くなってきました。

シーズンが開幕したと言ってもやはりコロナの脅威と戦いながらの毎日は続いていくわけで、これは以前から分かっていたシナリオとはいっても選手や関係者にとって見れば大変なストレスとなることでしょう。

Competitive Advantage

選手の安全を第一に考えながらその範疇の中で今季のカレッジフットボールを厳かに行っていく・・・。これがどの大学チームも掲げる今季のマニフェストですが、同時にこのスポーツが勝ち負けを決めるためのイベントであることも否定できません。

そのためなら何でもやる・・・というのは行き過ぎた表現でも何でもありませんが、現在のコロナ禍であるいみ恐れていたことが現実のものになりつつあります。

これまで多くの大学が自身の施設やチーム内で感染が起きた場合にはそれを公表してきました。CDC(疾病予防管理センター)のガイドラインでは感染者並びに接触者は10日から14日の自主隔離に置くべきだということになっており、これは往々にしてどこでも守られているルールです。

しかしそうなるともしチーム内で感染者が起きてしまうとその感染者ならびに感染者に接触した複数の人物はかなりの時間戦線離脱を余儀なくされます。となれば戦力低下は避けられませんから、何らかの方法でこの事実を隠すものが現れるのではないかという危惧はありました。

そして今週オクラホマ大は今後チーム内におけるコロナ感染の情報を一切公表しないと断言。リンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督によればこれは敵に弱みを握らせないため、だそうです。つまりCompetitive Advantage(勝負の上での優位性)を確保するためだということです。

これは決して感染者を内部で報告させないとか事実を捻じ曲げるというわけではなく、あくまでそれらを内部で処理し外部に公表しないということです。

言っていることは分かりますが、ことコロナウイルスに関して言えばまだまだわからないことがたくさんあり、どこでどのような経緯でどれだけの患者が感染したかという情報は今後の予防対策の上でも必要不可欠な情報だと思うのです。

それを相手に弱みを握られないために開示しないというのはいかがなものかと正直思ってしまいます。もちろん個人情報を公表するのは間違っていますが、医学的にも価値のある情報を勝負のために秘匿するというのは果たして倫理的に正しいことなのか・・・。

今後もおおっぴらにこのようなことを行うチームが増えてくると予想されますが、正直こんなことをしなくてもオクラホマ大には正々堂々と戦って勝ち進めるぐらいの力を持っているはずですから、今回のこのライリー監督の発言には興ざめしてしまいました。

スポットライト

前述の通りFBSカンファレンスはその4割のチームが現在開幕を見合わせており、当然ながらその結果として全試合数は減ることになります。さらにそれぞれのカンファレンスが変則の短縮スケジュールを予定しており、週毎の試合数も通常と比べればかなり少なくなっています。

Big TenやPac-12の強豪チームの試合が見れないことは確かに残念ですし盛り上がりにかけることは否めません。しかしこの状況はこれまでスポットライトが上がりにくかった中堅カンファレンスチームに希望の光を照らす結果になることでしょう。

例えば先週末の第1週目ですが行われた試合は全て「グループオブ5」チーム同士か彼らと格下の「FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)」チームとの試合という、普段ならあまり見向きもされないカードばかりでした。

しかしそれによりカレッジフットボールの試合を観たいファンたちはこれらの試合にチャンネルを合わせてしまいますから、これは普段注目を浴びないチームにとって見れば「チャンス」な訳です。

今後も通年なら数多ある試合に埋もれてしまうようなチームたちにメディアの目も行きやすくなるでしょうから、そういった中堅以下のチームとしてはこの状況はある意味願ったり叶ったりと言えるのかもしれません。

ひょっとしたらそんなチームたちから今年の「シンデレラチーム」が現れるかもしれませんね。

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