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シーズン開幕!【2021年度第1週目レビュー】

シーズン開幕!【2021年度第1週目レビュー】

ご無沙汰しております。久しぶりの投稿となりますがちゃんと生きております(笑)。

今年は本業の方が多忙を極め更新どころかカレッジフットボール界の動向すら追えていない状況です。そんな中ついに2021年度シーズンが開幕してしまいました。

8月末の「第0週目」及びアメリカでのレイバーデーウィークエンドに行われた「第1週目」の試合からザッピングして観た試合の簡単な感想を残したいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

Usual Suspect

昨年の全米覇者、アラバマ大(1位)は去年のチームの中核をなしていたスター選手をごっそり失いましたがマイアミ大(15位)との開幕戦を44対13と難なく勝利で飾りました。QBマック・ジョーンズ(Mac Jones、現ニューイングランドペイトリオッツ)の後釜を担うブライス・ヤング(Bryce Young)は344ヤードに4TDというセンセーショナルなデビューを飾り、デビュー戦としてはチーム史上最多TD数記録を更新。さすがアラバマ大というところを見せつけました。


Super Defense

第1週目で最も注目されたマッチアップは全米3位のクレムソン大と全米5位のジョージア大との一線でした。この試合はお互いのディフェンスが冴えにさえ前半を終えて7対0のジョージア大リードという超ロースコアゲーム。後半もオフェンスがTDを奪うことができず結局10対3でジョージア大がこのビッグカードで貴重な1勝を手に入れました。

ジョージアのフロントセブンのパワーとスピードは今週見た中では全米随一。クレムソン大のディフェンスも凄かったですが特にジョージア大のDL陣は格別でした。クレムソン大の期待のQB D.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)はポケットでボールを持ち続ける時間が長すぎるのが目立ち期待を裏切る出来でした。一方ジョージア大のQB J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)もそこまで凄みを見せたわけではありませんでしたが、ミスが失点につながらなかったことに両者の差が出たと言えそうです。

Best Game of the Week

日曜日に行われた9位のノートルダム大フロリダ州立大の試合はエンターテイメント性で言えば最も面白かった試合ではなかったでしょうか。

試合はノートルダム大が第3Qに21点を奪ってフロリダ州立大を突き放す展開になりましたが、第4Qにフロリダ州立大が18得点の猛攻を見せオーバータイムへ突入。この間フロリダ州立大は2018年度シーズンにセントラルフロリダ大所属時に足に大怪我を負い選手生命絶望の縁にまで立たされたQBマッケンジー・ミルトン(McKenzie Milton)が登場するドラマ仕立て。おそらく視聴者の多くがミルトンの活躍を望んでいたことでしょうが、OTではフロリダ州立大がFGを外しノートルダム大が返しの攻撃でしっかりとFGを決めて41対38で敵地での貴重な白星を挙げました。

9位のノートルダム大は新QBに元ウィスコンシン大のジャック・コーン(Jack Coan)を据えて開幕を迎えました。彼らのオフェンスはこれまで派手さではなく質実剛健さが売りでしたが、経験豊富なコーンの中・長距離パスが予想以上に冴え今後も面白そうなチームな予感。一方フロリダ州立大はここ数年迷走を続けてきましたが、この試合だけを見ればかつての荒くれ者感、いわゆる「スワガー(Swagger)」感をビンビン感じることができ、またドークキャンベルスタジアムの盛り上がりもかつて一時代を築いたフロリダ州立大を彷彿とさせてくれました。

ちなみにその一時代を築きフロリダ州立大を現在のような有名校に育て、つい先月に亡くなったのがボビー・バウデン(Bobby Bowden)元監督ですが、その栄誉をたたえフロリダ州立大のフィールドには彼のトレードマークでもあった帽子をかたどったロゴがあしらわれていました。

Rusty Start

各地で行われた試合を見渡すと開幕で盛り上がる中、注目されたチームがピリッとしない試合も多く見られました。

全米2位のオクラホマ大は格下トゥレーン大に5点差に迫られるという失態。ハイズマントロフィー候補のひとりであるQBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)は2INTを犯すミス。それよりもトゥレーン大に35失点してしまったオクラホマ大ディフェンスに一抹の不安を感じます。

オハイオ州立大ミネソタ大に45対31と勝利。新QB C.J.ストラウド(C.J. Stround)は294ヤードに4TD(1INT)前評判通りの働きを見せましたが、ディフェンスはミネソタ大に31点も奪われてしまいまうした。最もこれはミネソタ大の健闘とすることもできそうですが。

また7位のアイオワ州立大FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)のノーザンアイオワ大に16対10と辛勝したり、11位のオレゴン大がランク外のフレズノ州立大に31対24の1TD差まで追い詰められたり・・・。開幕戦ということでまだまだ立て直す時間はありますが、それぞれのチームのファンとしては気が気でならないでしょうね。ちなみに来年のNFLドラフトで最有力株と言われるオレゴン大DEケイヴォン・ティボデウ(Kayvon Thibodeaux)は足首の怪我で後半欠場。何とも無いといいのですが。

12位のウィスコンシン大と19位のペンシルバニア州立大の試合も先に紹介したクレムソン大対ジョージア大戦のようにロースコアで試合が進みましたが、これはディフェンス陣が凄かったのではなく単に両チームともチャンスを活かせずにズルズルと試合が進んでいってしまった展開でした。16対10のペンステートリードで迎えた終盤、ウィスコンシン大は相手陣内25ヤード地点まで攻め込み逆転の機運が高まりましたが、この絶好の機会にQBグラハム・マーツ(Graham Mertz)がサックされ、最後の望みもマーツのパスがインターセプトされてしまい万事休す。超満員のキャンプランダルスタジアムが失意に包まれました。

ペンステートのジェームス・フランクリン(James Franklin)監督としては15位以上のランクチームとのアウェーゲームで初の白星。敵地で勝てないというジンクスを払拭しました。昨年は開幕後5連敗だったことを考えれば点差に関わらずこの試合は彼らにいい自信を植え付けたでしょうね。

Great Start

一方、最初の週末で最も光って見えたのはアイオワ大(18位)でした。彼らは昨年のシンデレラチームであるインディアナ大(17位)と対戦しましたが、インディアナ大に付け入る隙きを見せない堅実な試合運び。特にディフェンスが冴えインディア大QBマイケル・ペニックス・JR(Michael Penix Jr.)から3つのパスINTを奪う活躍。ウィスコンシン大が敗れたことでにわかにBig Ten西地区の覇権争いはアイオワ大主導で動いていきそうな感じです。

8位のシンシナティ大マイアミ大(OH)に49対14と快勝。昨年のメンバーを多く残す彼らは今年も「グループオブ5」界隈で頭1つ分抜きん出ているようです。

13位のフロリダ大フロリダアトランティック大を35対14で一蹴。期待のQBエモリー・ジョーンズ(Emory Jones)は113ヤードに1TD(2INT)とピリッとしませんでしたが、彼のバックアップであるアンソニー・リチャードソン(Anthony Richardson)が足で160ヤードを稼ぐ活躍。ダン・マレン(Dan Mullen)監督はジョーンズが不動の正QBと断言していますが、リチャードソンは今後も大いに起用されていきそうです。

そして今年から元アラバマ大OCのスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)新監督が指揮する21位のテキサス大は23位ルイジアナ大を38対18で撃破。この日は以外にもランアタックでリズムを作る展開で170ヤードを地上戦力にて獲得。古豪復活の目指すテキサス大としてはまずまずの出だしです。

Upset Upset Upset…

一方で開幕戦でいきなり黒星を喫する失態を犯してしまったチームもちらほら・・・。

今年10位発進で先発QBにハイズマントロフィー候補のサム・ハウウェル(Sam Howell)を据えるノースカロライナ大バージニア工科大に17対10で敗北。ハウウェルは208ヤードに1TD、3INTと冴えず。昨年の快進撃の軸となったスキルプレーヤーたちがチームを去り、いよいよオフェンスの要はハウウェルの腕にかかっていると言われていた中でのこの出来で彼の株は急降下です。

またFCSのモンタナ大に13対7と敗れてしまったのが20位のワシントン大。前監督のクリス・ピーターセン(Chris Petersen)氏が2年前に去りその後釜に座ったのがジミー・レイク(Jimmy Lake)監督ですが、ピーターセン氏時代と比べると明らかにリクルートの質が落ち、ディフェンス畑出身監督としての自負なのか相手をロースコアに抑えはしましたが、現代のフットボールでは相手をアウトスコア出来なければ生き残れないという言われる中でこのワシントン大のパンチ力の無さは致命傷です。

ランク外で見てもデューク大がシャーロット大に敗れたり、コロラド州立大がサウスダコタ州立大に敗れたり、コネチカット大がホーリークロスに敗れたり、イリノイ大がテキサス大サンアントニオ校に敗れたり、ジョージア工科大がノーザンイリノイ大に敗れたり、ヴァンダービルト大がイーストテネシー州立大に敗れたり、カリフォルニア大がネバダ大に敗れたり、ワシントン州立大がニューメキシコ州立大に敗れたり・・・。各地で多くの波乱が見られました。

ちなみに初戦のフレズノ州立大戦で45対0と惨敗し、FCSのホーリークロスにも負けてしまったコネチカット大のランディ・イーゼル(Randy Edsall)監督は2試合を終えた時点で早々に辞任を表明しています。

波乱と言えば16位のルイジアナ州立大UCLAに負けてしまった(38対27)ことも意外と言えば意外かもしれません。しかし試合を見る限り明らかにUCLAの方がルイジアナ州立大よりも勝っており、これは当然の結果だったと言えそうです。UCLAはQBドリアン・トンプソン・ロビンソン(Dorian Thompson-Robinson)がQBレーティングで70.8ポイントという高数字を残し、またミシガン大からの転校生RBザック・シャーボネット(Zach Charbonnet)が117ヤードに1TDと高パフォーマンス。今年のUCLAはPac-12カンファレンス内で嵐を巻き起こしそうです。

一方のルイジアナ州立大は2シーズン前に史上最高と言われたスクワッドを輩出したチームとは思えないほどのインパクトの無さで撃沈。エド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督のカリスマ性に少々の疑惑の念を抱かずにはいられません。とはいえまだ初戦ですから如何ようにも調整は聞くことでしょうが。

注目したいチーム

まだ1試合目を消化した時点では大局は見えてきませんが、それでも現時点で気になるチームも出てきています。

例えば今年から元アーバン大監督のガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督が率いるセントラルフロリダ大は「グループオブ5」勢の強豪・ボイジー州立大に36対31で競り勝ちました。アーバン大を半ば強引に追い出されてしまったマルザーン監督ですが、新天地での出だしは好調です。

そのアーバン大を現在率いるのが上に挙げたたボイジー州立大前監督のブライアン・ハーシン(Bryan harsin)監督ですが、彼らは初戦で格下であるアクロン大を60対10という大差で撃破。格下相手とは言え文句のないデビュー戦を飾ったハーシン監督。SECの大御所であるアーバン大で結果を残せるのかという不安の声がよく聞かれますが、まずは合格点の発進と言えそうです。

また昨年のBig Tenカンファレンス西地区チャンプであるノースウェスタン大を38対21で退けたミシガン州立大にも注目です。彼らを率いるのは今年2年目のメル・タッカー(Mel Tucker)監督。彼は前所属チームであるコロラド大で対した結果を残さずに1年余りでミシガン州立大にやってきたという経緯があり、今年のミシガン州立大のチーム作りには懐疑的な意見もありましたが、ノースウェスタン大を倒したことで「今年はひょっとしたら違うかも・・・」と思わせてくれるには十分でした。

この試合ではRBケネス・ウォーカー(Kenneth Walker III)が264ヤードに4TDというモンスター級の数字を残し、今季のミシガン州立大オフェンスのトーンを初戦からガッチリと世間に植え付けてくれました。「ブルーカラー」集団の彼らにしてみればドンピシャの試合運びだったと言えそうです。

他にもケント州立大を41対10で倒した全米6位のテキサスA&M大、ウエスタンミシガン大を47対14で倒したミシガン大、テンプル大を61対14で倒したラトガース大、イースタンイリノイ大を46対0で下したサウスカロライナ大などもいい出だしを切りましたが、やはりトリプルオプション好きとしては陸軍士官学校ジョージア州立大を43対10で下した試合は見逃せません。

投げたパスはたったの4回と徹底したグラウンドアタックぶりですが、ランで258ヤードに4TDを奪うパフォーマンスを見せトリプルオプションファンを喜ばせました(←自分)。しかも4回のパスのうち2投がTDとなる珍しい記録も生まれ文句のない開幕戦白星を挙げたのでした。

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