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カンファレンスチャンピオンへの道【その1】

カンファレンスチャンピオンへの道【その1】

各カンファレンスチャンピオンゲームが予定されているのが12月18日及び19日。つまり残された週末は今週末と来週末のみということになります。新型コロナウイルスのせいで欠くカンファレンス間で試合の総数が異なっている上に各地でゲームがキャンセルになったりしているため、正直誰が本当に強くて誰が大したことがないのか、そもそもここまでしてシーズンを送ってきた意味とは何なのかと思わずに入られません。

特に開幕するかもわからないままトレーニングを続け、授業は全てリモートになりながらも毎日ウイルスの検査を受けさせられながら他人とのコンタクトを極力避けるように指示され、ようやく開幕したと思ったら負け続け、さらに試合が中止になり残ったものは虚無感ばかり・・・と感じている選手も居ないとは限りません。

とはいえその多くはただ単にフットボールが大好きだからプレーしたいと今もチームで汗を流しているわけです。そのゴールと言えばCFP(カレッジフットボールプレーオフ)出場を果たして夢のナショナルチャンピオントロフィーを手にすることですが、130チーム近くが所属するFBS(フットボールボウルサブディビジョン)の中でCFPに出場できるチャンスを得られるチームはほんの僅か。しかもそれらのチームは決まって「パワー5」カンファレンス群のエリートチームばかり。今季シンシナティ大がその壁をぶち破ろうとしては居ますが、「グループオブ5」のチーム達はCFPに関しては門前払いを食らっているのが現状です。

つまりCFPを夢見ることができるのはごく限られたチームだけというわけですが、だからといって他のチームたちが見る夢がないわけではありません。それが所属するカンファレンスでの優勝という栄冠なわけです。その殆どのチームにとってCFP出場よりもカンファレンスタイトルを獲得するほうがよっぽど現実的でかつ価値のある目標であり、それは「パワー5」カンファレンスですら言えるロジックです。

今年は特に前述の通り試合数が各カンファレンスにおいて隔たりがあるため、自分が所属し条件が公平なチーム同士で争われるカンファレンスタイトルに重みがあるように思えます。そんなタイトルレースもあと僅か。今回はあと2週間残された行程の中で誰がそのカンファレンス優勝決定戦に進むことになるのか、そしてそのシナリオも合わせて検証していきたいと思います。

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アトランティックコーストカンファレンス

今季は通常の二地区制度を廃止して一地区制度を強いているアトランティックコーストカンファレンス(ACC)。つまりレギュラーシーズンを終えた時点での上位2チームがタイトルゲームに進出して王座を争います。

ACCも相当数の試合がコロナウイルスの影響を受けましたが、その埋め合わせにACCは奔走。そして彼らが修正したスケジュールによると現在首位のノートルダム大は最終戦とされていたウェイクフォレスト大との試合が中止となったため今週末のシラキュース大戦の結果に関わらず彼らが決勝戦進出を決めました。

そしてもう一つの椅子はクレムソン大がほぼ手中に入れています。クレムソン大はフロリダ州立大との試合が延期となっていましたが、ACCはこの試合を白紙としたため今週末のバージニア工科大戦がクレムソン大のレギュラーシーズン最終戦となります。そしてもしクレムソン大がこの試合に勝てば彼らがノートルダム大とタイトルを争うことになります。

バージニア工科大は現在4勝5敗ですのでクレムソン大が圧倒的有利とされていますが、万が一にもクレムソン大が負けるとマイアミ大にチャンスが訪れます。ただマイアミ大はクレムソン大の一騎打ちに敗れているため今週末のデューク大戦ならびに翌週のノースカロライナ大戦に連勝する必要があります。もしどちらかの試合に敗れて8勝2敗となるとクレムソン大と同率で並びますが、タイブレーカーでクレムソン大に軍配が上がってしまうからです。


Big 12カンファレンス

Big 12カンファレンスは元来地区制度を敷いていないため、レギュラーシーズン終了時の上位2チームがタイトルゲームに進出するスタイルを取ってきました。現在首位はアイオワ州立大。彼らは今週末のウエストバージニア大に敗れても最低でも首位タイを獲得することが決定しており、カンファレンス優勝決定戦進出を既に決めています。

現在2位につけているのがオクラホマ大。開幕3試合で2敗した彼らはその時点で既に今季は終わったものだと誰しも思いましたが、そこから5連勝を飾り更にオクラホマ州立大やテキサス大らが黒星を重ねたため現在2位。今週末のベイラー大戦と次週のウエストバージニア大戦に勝てば彼らのタイトルゲーム進出が決まります。

一方開幕序盤に快進撃を見せて最高で全米6位まで上昇していたオクラホマ州立大はテキサス大とオクラホマ大に敗れてしまったため現在3番手に。2位のオクラホマ大に直接対決で土をつけられてしまったため、彼らがアイオワ州立大との再戦を果たすにはオクラホマ大がベイラー大かウエストバージニア大に敗れ自身がテキサスクリスチャン大とベイラー大に連勝すれば逆転で最後の椅子に滑り込むことが可能です。

簡単に言えばオクラホマ大は自力で決勝進出を果たす可能性があり、オクラホマ州立大にはそれが無いということです。

Big Tenカンファレンス

Big Tenカンファレンスは通常通り二地区制度を敷いています。

西地区は現在ノースウエスタン大が5勝1敗で首位、それに続くのは4勝2敗のアイオワ大です。ただノースウエスタン大は既にアイオワ大を直接対決で倒しており、さらに今週のミネソタ大戦がコロナの影響でキャンセルになってしまったせいで残された試合は後1試合(イリノイ大)。よってイリノイ大との試合結果に関係なくノースウエスタン大が西地区代表の座を確保しました。

東地区は現在オハイオ州立大が唯一の無敗チームとして首位を走っていますが、既に2試合がコロナ関連でキャンセルになっており、もし残りの2試合のうちどちらか1つでもキャンセルになってしまうと、Big Tenが定めたタイトルゲーム進出の最低条件である6試合開催という条件を満たせなくなり、オハイオ州立大はそのせいでタイトルゲームに進出できなくなるというシナリオが生まれます。

先週自身のチームで起きた感染のせいでイリノイ大戦がキャンセルになり、その影響は現在も尾を引いているようです。何とか試合にこぎつけたとしてもかなりの数の選手が出場できない状態になると考えられており、しかもライアン・デイ(Ryan Day)監督自身もコロナに感染したせいで今週末も陣頭指揮を取れないという状況。また仮に今週末のミシガン州立大戦を開催できたとしても最終戦の相手であるライバル・ミシガン大も現在コロナのせいでチーム活動が休止中とあり、東地区代表がオハイオ州立大となるのかそうでないのかはタイトルゲーム出場問題だけでなく彼らのCFP出場にも影響を与えるということでかなりの注目を浴びています。

もしオハイオ州立大が出場できなくなるようなことがあれば、東地区の栄冠は現在5勝1敗のインディアナ大に与えられることになります。彼らがもしタイトルを獲ることがあれば1967年以来の快挙となりますが、攻撃陣の大黒柱であるマイケル・ペニックス(Michael Penix Jr.)が膝を負傷して今季中の復帰はなくなってしまいました。これは大打撃です。

Pac-12カンファレンス

11月に入って開幕したPac-12カンファレンスは多いチームでまだ4試合しか消化していません。しかも14チーム中それを成し遂げられたチームはたったの3チーム(オレゴン大、オレゴン州立大、UCLA)。後発なうえにコロナの影響を受けてしまった彼らはまともなシーズンを遅れているとは到底思えません。アリゾナ州立大に至ってはいまだ1試合しか開催されていないのです。

そんな中タイトルゲームまで残り2週間となった訳ですが、地区優勝争いはどのカンファレンスよりも熾烈を極めています。

北地区は3勝0敗のワシントン大と3勝1敗のオレゴン大のレース。無敗のワシントン大は2連勝すれば自力で地区優勝を果たすことが出来ます。2番手のオレゴン大は既に1敗していますが最終戦でワシントン大と対戦するため、この試合に勝てばタイブレーカーでオレゴン大が北地区2連覇となります。

南地区はサザンカリフォルニア大(3勝0敗)とコロラド大(2勝0敗)の戦い。残念なことに直接対決のマッチアップはサザンカリフォルニア大でのコロナ感染の影響でキャンセルに。更にコロラド大はアリゾナ州立大との試合もキャンセルとなっているため1試合分サザンカリフォルニア大より少ない状況。このままどちらも負けなければ5勝0敗となるサザンカリフォルニア大が地区優勝を果たします。

ただもしサザンカリフォルニア大の最終戦となるUCLA戦がキャンセルになると4勝0敗でコロラド大と並ぶ可能性が出てきます。そうなると状況は一転して複雑になってきます。

両チームが4勝0敗で並んだ場合のタイブレーカーは、南地区3位のチームとの対戦戦績が良いほうが選ばれるということになっています。現在のところ3位の可能性があるのは2勝2敗のUCLAと驚くなかれ0勝1敗のアリゾナ州立大です。このシナリオの条件はサザンカリフォルニア大とUCLAの試合がキャンセルになって両チームが4勝0敗で並ぶという場合ですが、もしUCLAが勝率で南地区3位となるとこのUCLAと対戦して勝利しているコロラド大にタイブレーカーで軍配が上がります。サザンカリフォルニア大はUCLAとの直接対決がキャンセルになっているからです。

しかしもしUCLAが今週末のアリゾナ州立大に負けその翌週にアリゾナ州立大がアリゾナ大に勝つとアリゾナ州立大が勝率で南地区3位となります。このシナリオの場合はアリゾナ州立大との試合がキャンセルになったコロラド大ではなく開幕戦で彼らを倒したサザンカリフォルニア大が地区優勝を果たします。

簡単に言えばこのシナリオの場合今週末のUCLAvsアリゾナ州立大戦でUCLAが勝てばコロラド大、アリゾナ州立大が勝てばサザンカリフォルニア大が地区優勝を果たすということになります(UCLAvsサザンカリフォルニア大戦がキャンセルになるという条件を忘れてはいけませんが)。

しかしPac-12に関してはまだここで終わりません。実は多くの人にあまり知られていないシナリオが残っています。

というのも南地区のサザンカリフォルニア大とコロラド大がPac-12カンファレンスタイトルゲームを争うというシナリオです。つまり北地区代表をすっ飛ばすという驚くべきシナリオ。

一体どういうこと?と思われるでしょう。これはパンデミック下の特別ルールがあるからこそ起き得るシナリオです。どういうことかというと、コロナの影響でカンファレンス内で試合がキャンセルとなることは想定の範囲内でしたので、その場合におけるルールが実はあるのです。

このルールによるともしカンファレンス内での平均試合開催数が4試合を下回った場合、地区に関係なくカンファレンス内で最も勝率の高い上位2チームが優勝決定戦に出場するというのです。コロナのせいで想像以上の試合がキャンセルとなった場合の策だと思いますが、今週末を入れて残り12試合中5試合が開催不可能となると1チームの平均開催試合数が4を割ります。そしてもしその際にサザンカリフォルニア大とコロラド大が無敗を守り、現在無敗のワシントン大に土が付けば南地区の2チーム同士の優勝決定戦が執り行われることになるのです。

当然今週末と来週末で5試合ものゲームがキャンセルになる可能性は高くはありませんが、こと新型コロナウイルスに関しては何が起こるかわからないため全く可能性がないとは言えないシナリオです。ここまでくると何がなんだか分かりませんが(笑)、そんなシナリオを見てみたいと思うのは私だけではないはずです。

サウスイースタンカンファレンス(SEC)

東地区ではフロリダ大が今週のテネシー大戦に勝てば地区優勝が決定。また負けても2位のジョージア大もヴァンダービルト大に負ければフロリダ大に栄冠が授けられます。直接対決で敗れているジョージア大が大逆転するにはフロリダ大がテネシー大戦とルイジアナ州立大戦を共に落とし、ジョージア大がヴァンダービルト大に勝つ必要があります。

西地区は全米1位のアラバマ大が優勝候補。今週末のルイジアナ州立大に勝てば彼らの優勝が決まります。1敗で追うテキサスA&M大はアラバマ大との直接対決で敗れていますから、彼らにとってはアラバマ大がルイジアナ州立大と最終戦のアーカンソー大戦に敗れる必要があります。現在のアラバマ大の強さを見るとかなり高いハードルですが。

アメリカンアスレティックカンファレンス

アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)は現在1位が6勝0敗のシンシナティ大と5勝0敗のタルサ大のデッドヒート。この2チームは最終戦での対戦を控えていますがこの試合がどの様な結果になったとしてもその翌週となるAACタイトルゲームでこの2チームが顔を合わせることになるでしょう。

カンファレンスUSA

カンファレンスUSA東地区ではこのカンファレンス唯一の無敗チームであるマーシャル大がリード。今週末のライス大戦を収めれば彼らのタイトルゲーム進出が決まります。2位で4勝1敗のフロリダアトランティック大が逆転するにはマーシャル大が2連敗し彼ら自身もサザンミシシッピ大戦に勝利する必要があります。

一方の西地区はテキサス大サンアントニオ校(UTSA)とルイジアナ工科大のレースですが、直接対決を制しているUTSAは既にすべての工程を終えておりこのまま行けばUTSAが西地区チャンピオンとなります。

ミッドアメリカンカンファレンス

ミッドアメリカンカンファレンス(MAC)は合計6試合のスケジュール。始まったらあっという間に終わってしまうという短い行程ですが、東地区はバッファローが今週オハイオ大に勝てば彼らが優勝。西地区はウエスタンミシガン大がイースタンミシガン大に勝ちさらにボール州立大がセントラルミシガン大に敗れるとウエスタンミシガン大が地区優勝を果たします。

マウンテンウエストカンファレンス

マウンテンウエストカンファレンス(MWC)は数字の上ではサンノゼ州立大ボイジー州立大ネバダ大フレズノ州立大ワイオミング大の5チームにチャンスが残っています。有利なのは未だ無敗のサンノゼ州立大とボイジー州立大ですが、アップセットが重なれば2勝2敗のワイオミング大にすらチャンスが回ってきます。

全てのシナリオを紹介するときりがないので、MWCの動向は今週末の結果を踏まえて来週に詳しく説明できるかと思います。

サンベルトカンファレンス

サンベルトカンファレンスは最も単純。既にコースタルカロライナ大ルイジアナ大ラフィエット校がそれぞれ地区を制してタイトルゲームで顔を合わせることが決定しています。

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