2021年度のカレッジフットボールもいよいよ12週目を迎え、レギュラーシーズンのスケジュールは今週末と来週末、そしてその翌週には各カンファレンスで優勝決定戦がおこなわれます。その後に発表されるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)ランキングにおいて上位4校に選ばれたチームたちが栄えあるCFPに駒を進めることが出来ます。
130校近くあるFBS(フットボールボウルサブディビジョン、旧NCAA1部A)の中でも現在この椅子を争うポジションにあるのは約10校に絞られてきました。これらのチームが残り3週間で用意された4つの椅子を確保するべくサバイバルレースを生き残らなければなりません。
その栄えある4校に選ばれるためにそれらのチームたちに今後どの様なシナリオが用意されているのか?それをここでは検証していきたいと思います。
目次
最新(第3回目)のCFPランキング
CFPに出場する事ができる4チームを決めるのがCFPランキング。13人の選考委員会によりリリースされるこのランキングで最終的に上位4チームに位置付けされた大学がCFPに駒を進めることができます。
そのファイナルランキングは12月5日(日曜日)に発表されることになっていますが、まずは今週火曜日に発表された最新(第3回目)のCFPランキングを見てみましょう
順位
チーム
戦績
先週
1
ジョージア大
10-0
1
2
アラバマ大
9-1
2
3
オレゴン大
9-1
3
4
オハイオ州立大
9-1
4
5
シンシナティ大
10-0
5
6
ミシガン大
9-1
6
7
ミシガン州立大
9-1
7
8
ノートルダム大
9-1
9
9
オクラホマ州立大
9-1
10
10
ウェイクフォレスト大
9-1
12
11
ベイラー大
8-2
13
12
ミシシッピ大
8-2
15
13
オクラホマ大
9-1
8
14
ブリガムヤング大
8-2
14
15
ウィスコンシン大
7-3
18
16
テキサスA&M大
7-3
11
17
アイオワ大
8-2
20
18
ピッツバーグ
8-2
21
19
サンディエゴ州立大
9-1
22
20
ノースカロライナ州立大
7-3
16
21
アーカンソー大
7-3
25
22
テキサス大サンアントニオ校
10-0
23
23
ユタ大
6-3
24
24
ヒューストン大
9-1
NR
25
ミシシッピ州立大
6-4
NR
トップ25の顔ぶれはこんな感じですが、この中でも最終ランキングで上位4位に食い込めるチャンスがあるチームは限られています。細かな確率までいうと正確ではないかもしれませんが、これまでの流れプラス肌感でいうと以下のチームにその可能性が残されていると思います。
2位:アラバマ大(SEC、9勝1敗)
3位:オレゴン大(Pac-12、9勝1敗)
4位:オハイオ州立大(Big Ten、9勝1敗)
5位:シンシナティ大(AAC、10勝0敗)
6位:ミシガン大(Big Ten、9勝1敗)
7位:ミシガン州立大(Big Ten、9勝1敗)
8位:ノートルダム大(ACC、10勝0敗)
9位:オクラホマ州立大(Big 12、9勝1敗)
10位:ウェイクフォレスト大(ACC、9勝1敗)
13位:オクラホマ大(Big 12、9勝1敗)
普通に考えれば最終戦で上位4チームがそれぞれ白星を挙げればそのチームらがCFPに進出を決めるのですが、今回面白いのは現在トップ4を占めるチームのうち1位のジョージア大と2位のアラバマ大が直接対決する可能性が高いということです。
仮にジョージア大がアラバマ大を倒し、オレゴン大とオハイオ州立大が1敗を守ってそれぞれのカンファレンスチャンピオンになった場合、2敗となるアラバマ大が上位4校から脱落することになるでしょう。今まで2敗チームがプレーオフに駒を進めたケースは無いからです。
またここまでの戦いぶりを見てみるととにかく今季のジョージア大は他チームを引き離す強さと安定感を誇っています。それを受けてもし彼らがSEC優勝決定戦でアラバマ大に負けたとしてもトップ4内に留まるという見方が大半であり、それはつまりジョージア大は何が起きてもプレーオフ進出はほぼ確定ということを意味しています。
となれば、現在5位以下のチームが上位に滑り込むにはジョージア大以外のどれか3チームにコケてもらう必要があるわけです。
残された各チームのスケジュール
ジョージア大
ジョージア大はすでにSEC東地区で優勝を決めており、SEC優勝決定戦出場権を手に入れています。今週末はFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン、旧NCAA1部AA)のチャールストンサザン大と、そして来週はライバル・ジョージア工科大との対戦を控えていますが、この2試合の1つでも落とすことは考えられず、またSEC優勝決定戦で負けてしまったとしても上位4校の1校に生き残ることが予想されており、彼らの4年ぶりのプレーオフ出場はほぼ確定しています。
アラバマ大
アラバマ大の今週末の対戦相手は21位のアーカンソー大、そして最終戦は「アイロンボウル」での宿敵アーバン大戦。どちらも簡単に倒せる相手とは言えませんが、普通に考えればアラバマ大が負けるとも思えません。アーカンソー大に勝った時点で西地区優勝が決まりますが、仮に負けたとしてもアーバン大戦に勝てばSEC優勝決定戦に出場できます。が、そうなった時点で2敗目となるため彼らのプレーオフ出場への道は閉ざされることになるでしょう。ただ2敗のアラバマ大がジョージア大に勝ってSECチャンプになった場合に彼らにプレーオフ出場の可能性があるかどうかという議論はありますが。
オレゴン大
オレゴン大の今週末の相手は23位のユタ大。来週の相手はライバル・オレゴン州立大。そしてそれらに勝ってPac-12カンファレンスタイトルゲームに出場することになればおそらく南地区の代表のユタ大との再戦が待つことになります。タフなユタ大と2度も戦わなければならないとなるとオレゴン大にとってはなかなか厄介です。ただこのスケジュールを勝ち抜いてPac-12カンファレンスになれば文句なくプレーオフ出場が決まります。シーズン2戦目でオハイオ州立大に勝ったことでランキングリリース当初から上位4チームに食い込んだおかげと言えそうです。
オハイオ州立大
Big Tenカンファレンスのオハイオ州立大の今後のスケジュールはどのチームよりも厳しいと言えます。まず今週末は7位のミシガン州立大、次戦は永遠のライバルである6位のミシガン大、そしてそれを勝ち抜けばおそらくBig Ten優勝決定戦で西地区代表で現在15位のウィスコンシン大と戦います。これら3チームをなぎ倒してBig Tenチャンピオンになれば2年連続の3年連続のタイトルゲーム出場が決まります。
シンシナティ大
現在未だ無敗のシンシナティ大はAPランキング(記者投票)では全米3位ながらCFPランキングではトップ4から弾かれてしまいました。それは彼らのレジメ(戦線履歴)が弱いからと言われており、こればかりは彼らがどうこうできるものではありません。
今後の彼らの対戦相手はサザンメソディスト大とイーストカロライナ大。そして所属するAAC(アメリカンアスレティックカンファレンス)の優勝決定戦ではおそらくヒューストン大と対戦することになります。ヒューストン大は現在9勝1敗で24位。ヒューストン大がこのまま勝ち進み11勝1敗でシンシナティ大と対戦する時点でランキングが更に上がっていれば、そのランクチームを倒したという事実はシンシナティ大のレジメに箔を付けることになります。
ミシガン大
ミシガン大の残りのスケジュールはメリーランド大とオハイオ州立大。彼らはミシガン州立大との直接対決に敗れているため、タイブレーカーの末に東地区優勝を決めるには今週末に行われるオハイオ州立大とミシガン州立大の試合にてミシガン州立大が敗れ、なおかつそのオハイオ州立大をミシガン大が倒す必要があります。そのうえでカンファレンスタイトルゲームで勝利を収めてBig Tenチャンプになれば十中八九彼らのプレーオフ進出は決定するでしょう。
ミシガン州立大
ミシガン州立大は今週オハイオ州立大、そしてレギュラーシーズン最終戦はペンシルバニア州立大との対戦が控えています。彼らにしてみればオハイオ州立大にさえ勝ちさえすればペンシルバニア州立大との試合の勝敗に関わらずタイブレーカーの結果で東地区優勝が決まります。もちろんプレーオフに進出するためにはペンシルバニア州立大戦も落とせませんし当然その先のカンファレンスタイトルゲームにも勝たなければなりません。
ノートルダム大
ノートルダム大は現在9勝1敗。唯一の敗戦は現在5位のシンシナティ大に食らったもの。彼らの前に立ちはだかるのは独立校であるゆえにカンファレンスタイトルゲームが存在しないこと。これによりほかのチームがそれぞれのカンファレンスタイトルゲームで最後のアピールをすることが出来る中、ノートルダム大はただ指を加えて待つしかほかなくなります。
そして残りの対戦相手。今週末はジョージア工科大で来週はスタンフォード大。どちらも今季ここまで3勝7敗と散々なシーズンとなっており、そのようなチームに勝ったとしてもノートルダム大としては大したアピール材料にならないのです。
オクラホマ州立大
Big 12カンファレンス所属チームとしてはCFPランキングで最高位に位置するオクラホマ州立大。彼らの今週末の相手はテキサス工科大、そして最終戦はライバル・オクラホマ大。これらに勝てばカンファレンス優勝決定戦にてオクラホマ大との再戦か、場合によってはベイラー大との再戦になります。1敗を守りBig 12カンファレンスチャンピオンになることが彼らにとってCFP出場の最低条件。その上で上位チームに波乱が起きる必要があります。
ウェイクフォレスト大
ACC(アトランティックコーストカンファレンス)でトップをひた走るウェイクフォレスト大ですが、ACC自体のレベルが落ちてしまったため、仮にACCチャンピオンになったとしてもこの位置からトップ4を目指すのは正直至難の業。それこそ今週と来週に上位チームが皆負けるような奇跡でも起きない限り残念ながら彼らにプレーオフ進出の可能性は残されていないと言わざるを得ません。
ちなみに彼らの残りの試合は今週末がクレムソン大、そして来週末がボストンカレッジ。そしてタイトルゲームに進んだとしたらおそらくその相手はピッツバーグ大となるでしょう。
オクラホマ大
先週ベイラー大に敗れ8位から13位にまで転落してしまったオクラホマ大。現在9勝1敗と戦績的には決して見栄えは悪くありませんが、流石にあと3週間で13位からトップ4を目指すのは容易ではなく、ベイラー大戦での敗戦が大痛手だったことがよく分かります。
ただ、このまま1敗を守り今週末のアイオワ州立大、その次のオクラホマ州立大、そしてBig 12優勝決定戦に勝ってカンファレンスタイトルを獲ればそのレジメを引っさげてトップ4に殴り込むシナリオも見えてきます。当然上位チームが転げ落ちて4つの椅子のうちの1つでも開かなければなりませんが。
結論・・・
と言いながら結論などまだ述べるには不確定要素がありすぎますが、大まかにいうとこんな感じでしょうか・・・
- ジョージア大(当確)
- 1敗のBig Tenチャンピオン(オハイオ州立大、ミシガン州立大、ミシガン大のいずれか)
- 1敗でPac-12チャンピオンのオレゴン大
- ジョージア大に勝ってSECチャンピオンになった1敗のアラバマ大
- 1敗のBig 12チャンピオン(オクラホマ大かオクラホマ州立大)
- 無敗のシンシナティ大
- 1敗のノートルダム大
- 1敗のウェイクフォレスト大
さて今週末を終えた時点でどのようなシナリオに書き換えられるでしょうか・・・。
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