選手末の「レッドリバーの戦い(Red River Showdonw)」にてテキサス大に3点差で敗れたオクラホマ大。テキサス大が善戦したとはいえ、45点も失点してしまったのは明らかにオクラホマ大のディフェンスに問題があったのは確か。彼らの守備陣に対する不安はこの試合前から上げられていましたが、まさにその点をテキサス大に攻略されてしまったわけです。
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アイオワ州立大戦では27点、陸軍士官学校戦では21点、ベイラー大戦では33点と勝った試合でもトップ10チームの割に比較的点を取られ続けてきたオクラホマ大ディフェンス陣ですが、今回ついに今季初黒星を喫しプレーオフ進出に黄色信号が灯ってしまったわけですが、今後上を目指す上でこのダメージを最小限に食い止めるため、リンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督は守備陣の長であるディフェンシブコーディネーター、マイク・ストゥープス(Mike Stoops)氏を試合後の日曜日に解雇したということです。
オクラホマ大と袂を分かつことになったDCストゥープス氏
テキサス大戦ではQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)にトータルで386ヤードに5TDも奪われ、劇的な敗戦を許してしまったストゥープス氏指揮下のディフェンス陣。しかし先にも述べたように彼らの苦戦はこの試合だけにとどまらず、今季は失点数で全米79位、パスディフェンスでは107位、レッドゾーンディフェンスは125位とプレーオフ進出を狙うトップチームとしてはどう考えてもディフェンスが遅かれ早かれ足を引っ張ることは目に見えていました。
ライリー監督としてはまだ残されているプレーオフ進出への可能性を無駄にしないためにもディフェンス陣へのテコ入れは必須事項だったことでしょうから、この苦渋の決断も仕方なかったことでしょう。しかし何がこの決断を難しくしたかと言えば、このストゥープス氏はライリー監督の前任監督であり、オクラホマ大でレジェンド化しているボブ・ストゥープス(Bob Stoops)氏がマイク・ストゥープス氏の兄弟であることです。ボブ氏から直々に後継者に指名されたライリー監督としてはその恩師の兄弟のクビを切るというのはそう簡単なことではなかったでしょう。
ストゥープス氏がオクラホマ大でDCを任されたのは2度目。最初は兄のボブ氏の元で1999年から2003年までその任を務め、2000年のナショナルタイトル獲得や3度の全米トップ5入りを影で支えてきました。その手腕は全米で瞬く間に知れ渡り、2004年からアリゾナ大の監督に就任。ただアリゾナ大ではチームをオクラホマ大ほどのチームに育てることは叶わず、8シーズン後にチームを解雇されるとオクラホマ大に復帰。兄のボブ氏が昨年開幕前に引退した後もチームに残留して、昨年のプレーオフ進出に貢献しました。
このライリー監督の苦渋の選択が吉と出るか、凶と出るか・・・。彼らのオフェンスはQBカイラー・マレー(Kyler Murray)の活躍にも見られるように全米で3本の指に入るほどの力を保持していますから、ディフェンス陣が立ち直ることができればカンファレンスタイトルもまだ十分視野にいれることは出来ますし、上位チームの動向によってはプレーオフにも滑り込むことも可能でしょう。今後の彼らの守備力に注目です。