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オフシーズン便りVol.3【2021年】

オフシーズン便りVol.3【2021年】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

セイバン監督が契約延長

アラバマ大で14シーズン目を終え、その間SEC(サウスイースタンカンファレンス)タイトル7度、ナショナルタイトル6度を獲得した名将ニック・セイバン(Nick Saban)監督はつい先日アラバマ大と契約を延長。この契約でセイバン監督はアラバマ大で2028年まで指揮を執ることができるようになりました。

現在69歳のセイバン監督が2028年度シーズンを迎える頃には77歳になっている計算になります。これまでの契約が2025年までだったのでさらに3年間が上乗せになりました。年俸も増額となる見込みで情報だと今回の契約延長の結果年収の平均は1000万ドル(1ドル100円計算でおよそ10億円)となるということです。

かつて1度NFL(マイアミドルフィンズ)に挑戦したことのあるセイバン監督ですが、彼がこのままアラバマ大で監督生活を終えることは間違いないでしょう。はたして残りの8年間でさらにナショナルタイトルを何個増やすことができるでしょうか?


トランスファールールの撤廃

大学生選手がさまざまな理由で現在のチームを去り転校していくことをトランスファーといいます。そしてこれまでのルールだとトランスファーした選手は大学院生(グラデュエイト)トランスファーとNCAAの特例(元オハイオ州立大のジャスティン・フィールズのケースなど)を除いて全員転校先で1年間試合に出場できないというルールがありました。これはリクルートした選手たちをホイホイと流出させるのを防ぐのが目的です。

しかし近年カレッジフットボールでは出場機会を求めてトランスファーする選手が激増。またそれを手助けするツールでもあるトランスファーポータルの登場で転校したがる選手は増える一方となりました。その事で既存のトランスファールール(転校先で1年間の試合出場禁止)の見直しの声は上がっていました。

そして今年に入りNCAA(全米大学体育協会)は1度だけならば転校先ですぐに試合ができることにするポリシーを発表。すでにACC(アトランティックコーストカンファレンス)、Pac-12カンファレンスBig 12カンファレンスがこのNCAAのポリシーをカンファレンスルールにも適用。そしてつい先日SECもこのルールを取り入れることになり、たとえ同じカンファレンス内への転校であったとしてもその選手はすぐに試合に出れることになったのです。

転校する理由はさざまざですがその多くは同じポジション内での競争が熾烈になりプレー機会が減ってしまったために新天地でのプレーを希望するためです。自分がリクルートしていた選手を同じカンファレンス内の敵チームに奪われるのはコーチらにしてみればしゃくかもしれませんが、夢のNFLに行くためにはどうしても自分がプレーする姿を世間に知らしめなければならないわけで、そのために名門チームのロースターの下に埋もれるよりは別のチームで心機一転を図ったほうが選手のためになるという話です。

もともといたチームで先発出場できなければプロの世界なんて無理な話だろ、という声も聞かれますが、環境やコーチの戦術などで開花する選手もイますから、1度しかない人生を自分の思うように使える今回のルール改正は評価されるべきでしょう。

2022年クラスの殿堂入り候補が発表

これまでカレッジフットボールをプレーした選手たちは合計で約547万人もいると言われています。その中でもその年に活躍してオールアメリカンに選ばれる選手は一握りしかいませんが、そのオールアメリカン保持者にしか与えられない資格があります。それがカレッジフットボールの殿堂(College Football Hall of Fame)入りの資格です。

現在までこの殿堂入りを果たした選手の総数は1038人。殿堂入りできる確率は0.02%という超に超をつけてもたりないほどの狭き門。オールアメリカンに選ばれても殿堂入りで来ていない人物は山程おり、この栄誉がいかに想像を絶するものなのかがおわかりいただけるでしょう。

殿堂入りするための資格は以下の6つ。

  • オールアメリカンでファーストチームに選出されたこと。
  • 大学でのプレーを終えてから最低10年は経っていること。
  • 大学でのプレーを終えたのが過去50年以内であること。
  • フットボール選手として以外でも人格者として優れていること。
  • 候補者はプロ選手としてのプレーを終えていること。
  • コーチの候補者は最低10年間、100試合の指導経験が有り、なおかつ勝率6割以上の記録を残していること。

そして先日2022年クラスの殿堂入り候補たちが発表されました。NCAA1部でも更に上位クラスのFBS(フットボールボウルサブディビジョン、旧NCAA I-A)からは78人の元選手と7人の元コーチがノミネートされました。その中でも筆者が気になった人物を下に厳選してご紹介します。

選手

  • ショーン・アレキサンダー(Shaun Alexander、アラバマ大/97-99)
  • ラヴァー・アーリントン(LaVar Arrignton、ペンステート/97-99)
  • チャンプ・ベイリー(Champ Bailey、ジョージア大/96-98)
  • エリック・ベリー(Eric Berry、テネシー大/07-09)
  • マイケル・ビショップ(Michael Bishop、カンザス州立大/97-98)
  • ブランドン・バールスウォース(Brandon Burlsworth、アーカンソー大/95-98)
  • レジー・ブッシュ(Reggie Bush、USC/03-05)
  • ダラス・クラーク(Dallas Clark、アイオワ大/99-02)
  • ティム・カウチ(Tim Couch、ケンタッキー大/96-98)
  • マイケル・クラブトリー(Michael Crabtree、テキサス工科大/07-08)
  • シルベスター・クルーム(Sylvester Croom、アラバマ大/72-74)
  • ケン・ドーシー(Ken Dorsey、マイアミ大/99-02)
  • マイク・ドス(Mike Dose、オハイオ州立大/99-02)
  • ワリック・ダン(Warrick Dunn、フロリダ州立大/93-96)
  • ケヴィン・フォルク(Kevin Faulk、ルイジアナ州立大/95-98)
  • トビー・ガーハート(Toby Gerhart、スタンフォード大/06-09)
  • トニー・ゴンザレス(Tony Gonzalez、カリフォルニア大/94-96)
  • グラハム・ハレル(Graham Harrell、テキサス工科大/04-08)
  • マーヴィン・ハリソン(Marvin Harrison、シラキュース大/92-95)
  • ジョシュ・ハイペル(Josh Heupel、オクラホマ大/96-00)
  • ジェームス・ロウリネイティス(James Laurinaitis、オハイオ州立大/05-08)
  • アンドリュー・ラック(Andrew Luck、スタンフォード大/09-11)
  • マーショーン・リンチ(Marshawn Lynch、カリフォルニア大/04-06)
  • ジェレミー・マックリン(Jeremy Maclin、ミズーリ大/06-08)
  • ケレン・モアー(Kellen Moore、ボイジー州立大/07-11)
  • ジュリアス・ペッパー(Julius Peppers、ノースカロライナ大/98-01)
  • ポール・ポズリズニー(Paul Posluszny、ペンステート/03-06)
  • アントワン・ランダル・エル(Antwaan Randle El、インディアナ大/98-01)
  • ロン・リヴェラ(Ron Rivera、カリフォルニア大/81-83)
  • ラシャーン・サラーム(Rashaan Salaam、コロラド大/92-94)
  • ピーター・ワリック(Peter Warrick、フロリダ州立大/95-99)
  • ロイ・ウィリアムス(Roy Williams、オクラホマ大/99-01)

コーチ

  • ラリー・コーカー(Larry Coker、マイアミ大&テキサス大サンアントニオ校

たくさんの名選手が並んでいますが、この顔ぶれを見て思ったことが3つ。

1つはシルベスター・クルーム氏、トニー・ゴンザレス氏、マーヴィン・ハリソン氏、ラシャーン・サラーム氏などがここまでいまだ殿堂入りを果たしていなかったという事実。クルーム氏は後にミシシッピ州立大で初の黒人監督となり、ゴンザレス氏とハリソン氏はそれぞれNFLの殿堂入りをすでに果たしており、またサラーム氏は1994年のハイズマントロフィー受賞者であります。

2つ目は自分がカレッジフットボールを見出した2000年前後に活躍してよく覚えている選手たちがノミネートされているという事実。ショーン・アレキサンダー氏、ラヴァー・アーリントン氏、ケン・ドーシー氏、マイク・ドス氏、ティム・カウチ氏、アントワン・ランダル・エル氏らのプレーを見てカレッジフットボールという沼にズッポリと足を突っ込んでいったのです。

そして3つ目は卒業後10年経って初めてバロット入りを果たした選手たちの顔ぶれが新鮮であるという事実。例えばアンドリュー・ラック氏、ケレン・モアー氏、トビー・ガーハート氏などは彼らがプレーしていた姿を未だはっきり覚えているような選手らであり、そんな彼らがすでに殿堂入りにノミネートされるようになったのかと思うと、時間はあっという間に経ってしまうと実感するのです。

投票の締切は6月25日。発表は来年の頭になるそうです。

*ノミネートされた候補者の全リストはこちら

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