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ノースウエスタン大のスキャンダル

ノースウエスタン大のスキャンダル

Big Tenカンファレンス所属のノースウエスタン大はどちらかというとスポーツよりも高い学力で知られている大学ですが、これまで割とクリーンなイメージが持たれていた同校フットボール部で非常にショッキングなスキャンダルが明らかになりました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

いじめで監督が解雇に

昨年度シーズン後半、ノースウエスタン大フットボール部内部からいじめ(Hazing)が横行しているという告発がなされ、大学は調査機関を発足させてこれまで多くの聞き取りをしてきました。

当初監督であるパット・フィッツジェラルド(Pat Fitzgerald)監督はこのいじめが起きていることは知らなかったとしましたが、監督不行届きということで2週間の謹慎及び謹慎中の間の分のサラリーカットという処分が下されました。

しかし、この処分が下された翌日(7月8日)、大学校内新聞であるデイリー・ノースウエスタンは告発選手の経験談を紹介。ここに書かれていた内容が相当ひどかったようで、学内で大学側の処分の軽さに猛反発。この声を受けてAD(体育局長)であるデリック・グラッグ(Derrick Gragg)氏はフィッツジェラルド監督に科した制裁を見直すと発言。

そして最初の処分が下ってからたった3日で大学側はフィッツジェラルド監督を解雇することに方向転換したのでした。


フィッツジェラルド監督とは

フィッツジェラルド監督はもともと1990年代に同チームでプレーしたスターLB。すでにカレッジフットボールの殿堂入りも果たしている人物で、2001年から母校にコーチとして帰ってきました。

そして2006年、当時の監督だったランディー・ウォーカー(Randy Walker)監督がシーズン開幕直前に急逝。そこでウォーカー監督の後を継いだのがフィッツジェラルド監督でした。

以来ノースウエスタン大を17年間率い、トータルの戦績は110勝101敗。カンファレンス戦だけでいえば65勝76敗と負け越してはいますが、二桁勝利シーズン3度、西地区制覇2度と、学力を優先する大学でリクルーティングが苦戦している中で、フィッツジェラルド監督はよくやっているという評価が多かったのが実情です。

また彼自身も浮いた話もなく、母校のスター選手として母校を率い、カレッジ界でいえば長期政権とも言える17年間チームを率いてきたということで、チームの勝ち負けだけをみてフィッツジェラルド監督が解雇されるとは誰も想像していませんでした。

だからこそ今回のこの解雇劇は大変ショックだったのですが・・・。

何が起きたのか?

さて、監督が解雇になってしまうほどのいじめが起きていたということですが、一体何がノースウエスタン大フットボール部で起きていたのでしょうか?

いじめといってもピンからキリありますが、ここで分かったいじめというのは性的ないじめを指しています。しかもよくよく話を聞いてみると最近ではなくノースウエスタン大ではほぼ伝統化していたのだとか。

どの大学やどのチームでも「ルーキーの洗礼」などはあることでしょう。例えばチームの前で一発芸を披露するタレントショーや、冷水プールに突き落とされたり、ゴールポストにぐるぐる巻きにされたり・・・。

昔はスポーツ選手は「Thick Skin」であることが求められていたように思います。「Thick Skin」とは分厚い皮という意味で、多少のいたずら行為があっても受け流せるタフなマインドのことを言います。

しかし、時代は変わり昔はいいと思われていたことが今の世の中ではタブーになったことはたくさんあります。体罰が最たる例だと思いますが、個人の人権が尊重される中、自分が良かれと思っても受け手がそれを拒絶すればだめなものはだめなのです。

ただ、ノースウエスタン大で起きていたことはその範疇を大きく超えていました。あまりにもグロいので詳しくは載せません。興味のある方は下記のリンクから飛んで読んでいただければ良いかと思います(英語)。

参考記事Northwestern football hazing rituals included ‘Shrek claps’ and naked human ‘carwashes,’ ex-player alleges in lawsuit

当初フィッツジェラルド監督はこういった行為が行われていたことを知らなかったと話、事実この解雇は不当解雇だと大学側を訴える用意があるようですし、解雇前には現役選手たちからもフィッツジェラルド監督を擁護する声が上がっていました。「監督は何も知らなかった」と。

しかしこれは逆に「何かが起きていたが、それを監督は何も知らなかった」という風にも理解でき、いじめが起きていたことは確実だったようです。

それに訴えた選手は「監督がそれを知らないはずがない」と断言しています。また同じような経験をしたという声を上げる選手の数は増えており、まさに煙のないところに火は立たずとはこのことです。

原告選手側はすでに大学、体育局、フィッツジェラルド監督、更には過去に同校のADを務め現在はACC(アトランティックコーストカンファレンス)のコミッショナーであるジム・フィリップス(Jim Phillips)氏らを訴える動きを見せています。これに賛同する同じような被害者たちが今後も増えていくことでしょう。

それにしてもこのようなとんでもない「トラディション」が今日の今日まで明るみに出てこなかったのが不思議ですが、被害者の1人はこういった行為はどのチームでも行われている行為だと思い込んでいたと話しています。

「Boys will be boys」なんて言葉もありますが、そういった言葉では片付けられない闇をノースウエスタン大は秘めていたということになります。その内容、そしてノースウエスタン大という比較的クリーンなイメージの強いチームで起きたという事実が輪をかけてカレッジフットボール界に衝撃を与えました。

しかもノースウエスタン大は部内調査を何ヶ月も行った挙句の処分がゴテゴテに回ったことに対する批判だけでなく、調査の内容などを秘匿していることにも批判が上がっています。プライベートの大学であるため、情報開示の義務はありませんが、当初から情報をシェアしていればこんなことにはならなかったのではないかとも思ってしまいます。

チームといえばディフェンシブコーディネーターだったデヴィッド・ブラウン(David Braun)氏が臨時監督として今季を乗り切ることになりました。当然知っていても知っていなくてもフィッツジェラルド監督には責任を取る義務があるとは思いますが、ノースウエスタン大出身としてチームを率いる上でこれ以上ない腕の持ち主だったため、彼がいなくなった後のノースウエスタン大がこのままカレッジフットボール界のお荷物チームに回帰してしまうのではないかと危惧してしまうところでもあります。

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