NCAA(全米大学体育協会)のルール設定委員会は2022年度シーズンに向けた新たなルールの改正としてターゲッティングと怪我のフェイク(怪我のふり)などに関する新ルールを設定しました。
ターゲッティング
主に頭部への不必要なタックルの反則をターゲッティングと呼びますが、これまでのターゲッティングの反則では後半に反則を犯した場合には次の試合の前半に出場できないことになっていました。
しかし新ルールによると後半に起きたターゲッティングの反則は試合後にNCAAに提訴することができるようになり、これによってターゲッティングが故意でな買ったと判断されれば次戦において最初からプレーすることが可能になるというものです。
怪我のフェイク
高速オフェンス(ノーハドルを多用するオフェンス)を使うカレッジチームが増える中、そのスピードに追いつくことができずに後手に回るディフェンスが相手のスピードを一旦食い止める策として、選手が怪我のふりをしてフィールド上に倒れ込むというシーンが見られるようになりました。
実際に怪我だったのかどうかは見ている側としては分かりづらいのですが、タイミング的にどうしても怪しいと思う場面であっても、その真偽を確かめるのはなかなか難しいです。
またファンたちもそういったシーンにフラストレーションを溜めることもしばしばありますが、だからと言って怪我をした(と思われる)選手らにブーイングをかませるというのは、気持ちは理解できたとしてもなかなか受け入れられるものではありません。
今のところ試合中にこういった怪我が時間稼ぎのためのフェイクなのかどうかを見定める規定はありません。ただ今回のルール改正では、試合中にそれを判断することはできなくても、試合後に相手チームが怪我のフェイクがあったのではないかと訴えれば、NCAAが調査するシステムが構築されたとのこと。
その調査の結果を実際に処罰の対象にするかは大学チームおよびカンファレンスに一任するとも。
腰より下のブロッキング
タックルボックス(両オフェンシブタックルより内側のエリア/Cの両側5ヤード内エリア)。ポケットとも言いますね)内だったらラインマン並びにブロッキングバックス(FB/RB)は腰よりも下にブロッキングを食らわせても良いというルール。タックルボックス外ではこのプレーは禁止。
ディフェンシブホールディング
これまで通りディフェンス選手が犯すホールディングの反則は10ヤードの罰退ですが、オートマティック1stダウンにするというもの。
ボールキャリアのスライディング
ボールを持っている選手(特にQB)がダウンフィールドで不必要にタックルされないように故意にスライドしてダウンとなるプレーはよく見られますが、先シーズンに元ピッツバーグ大QBケニー・ピケット(Kenny Pickett、現ピッツバーグスティーラーズ)がこれを逆手にとり、相手ディフェンダーにタックル寸前にスライドするモーションに入り、そのディフェンダーがパシュートを躊躇った瞬間にスライドしないでそのまま走り続けてTDを奪ったプレーがありました。
THAT FAKE SLIDE 👀@KennyPickett10‘s career-long 58-yard TD run gives Pitt an early lead 🔥
— Pitt Football (@Pitt_FB) December 5, 2021
Watch 📺 ABC#H2P » #BeatWake pic.twitter.com/Otsj2pomNy
考えたなぁと思わせるプレーでしたが、一方でこれが濫用されるとディフェンスとしては守りづらくなりますし、何よりさらなる怪我を誘発する可能性が出てきます。そこでNCAAは今後はキャリアーがスライドするモーションに入った地点でプレーヤーはダウンと見なされると新ルールで明記されました。
NCAAが矢継ぎ早にとった策だと言えます。
ソックス
ソックスはスパイクからパンツの下端までカバーされなければならないというもの。つまり皮膚が出ていてはいけないというものです。これはNFLで採用されているルールですが、今回この新ルールがNCAAのルール設定委員会でも議題に上がったものの、NCAA2部や3部といった経済的に潤沢な資金を持っていないチームにとってこのルールは新たに長いソックスを購入しなければならなくなり、そういった下部ディビジョンチームの懐事情を考慮して今回はカレッジレベルではこの新ルールは見送られました。
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【記事更新しました】
— Any Given Saturday (@ags_football1) June 20, 2022
NCAA(全米大学体育協会)のルール設定委員会は2022年度シーズンに向けた新たなルールの改正としてターゲッティングと怪我のフェイク(怪我のふり)などに関する新ルールを設定しました。
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