2007年にルイジアナ州立大をナショナルチャンピオンに育て上げたレス・マイルズ(Les Miles)氏。同校で12シーズン監督を務めたマイルズ監督でしたが、2016年度途中に成績不振の責任を取る形で解雇。2017年度、2018年度はどのチームからも声がかからず現場復帰できずにいましたが、2018年度シーズン後にカンザス大がマイルズ監督に白羽の矢を立て、いよいよ「Mad Hatter」の異名を持つ名将がフィールドに戻ってくることになりました。
【関連記事】カンザス大が新監督にマイルズ氏起用を正式に発表
長らく低迷が続くカンザス大にとってはかなりの大物が監督に就任することになりましたが、それよりも半ば理不尽にルイジアナ州立大を去らざるを得なかったマイルズ監督の姿を再びサイドラインで拝めるようになることが筆者的には非常に楽しみなのです。
LSU時代のマイルズ監督
ところでマイルズ監督は監督として采配に長けているだけでなく、メディア映りが良いことでも有名でした。非常に熱い監督として知られていましたが、会見やインタビューではユーモアを効かせた気の利いたコメントを発することの出来るレアなコーチです。
また結果的に全米優勝を果たすことになった2007年、ミシガン大を率いていたロイド・カー(Lloyd Carr)監督が勇退することが決まり、その後釜に同校出身のマイルズ監督が就任するのではないかという噂が広まったのですが、当時マイルズ監督率いるルイジアナ州立大はテネシー大とのサウスイースタンカンファレンス(SEC)優勝決定戦を控えており、この噂話はチームにとって雑音以外の何物でもありませんでした。この噂を広げたマスコミに対して抱いた怒りにも似た感情を噛み締めながらこの噂を否定する会見を開いた当時のマイルズ監督の姿は今もはっきりと覚えています。
最後の「Have a great day」のセリフが印象的
そんなマイルズ監督はフットボールのコーチをしていなかったらおそらく俳優になっていたと公言していました。そしてそんな夢をかなえるべく2016年度シーズン前に実はインディーズの映画出演を果たしたこともありました。
【関連記事】LSUのマイルズ監督が映画に出演!
ルイジアナ州立大を解雇になり現場から離れていた2年間、マイルズ監督は「ドクターペッパー(清涼飲料)」のCMやメキシコ産のビール「Dos Equis」のCMに出演したりもしていました。
ここまでハイプロファイルな監督が演技を見せるのはなかなか珍しいですから、これもひとえにマイルズ監督の演技好きが高じたからでしょう。上に紹介したCMではかなりぶっ飛んだ役作りになっていますが、特にドクターペッパーのCMはまだカンザス大の監督に就任する前に撮影され、放映されたのが就任後のことだったので、カンザス大の選手としてはこんなにユーモアのわかる人物が自分たちのヘッドコーチになるのかと思っていたことでしょうね。
しかし実はマイルズ監督はこの他にも映画に出演していたのです。それが1月に公開された「The Challenger Disaster」です。
これは1986年に起きたスペースシャトル「チャレンジャー」の爆発・墜落事故に関する映画でマイルズ監督はNASA(米航空宇宙局)の地上クルーとしてしっかりと出演をはたしています。
映画のポスターにはマイルズ監督自身も描かれています!(一番右下の人物)
The new @TCD_movie_2019 honors efforts by engineers that tried to prevent the fatal #Challenger launch. Writer-director @nvonminden, who has a degree in aeronautical engineering from @EmbryRiddle, spent eight years researching the topic and writing the script. pic.twitter.com/xAPsF3FXoW
— Tom Kovach (@TKovachNashvil) February 5, 2019
おそらくカンザス大の監督として現場復帰したのでマイルズ監督の俳優キャリアはひとまず一休止となることでしょうが、また近い将来彼の演技が何処かで見れる日が来るでしょうか。個人的にはサイドラインでのマイルズ監督の勇姿を再び見れることを大変楽しみにしています。