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栄光の証、ハイズマントロフィー
カレッジフットボール界において最も偉大なる個人賞と言われるのがハイズマントロフィーです。このトロフィーを手にした選手は未来永劫カレッジフットボールの歴史にその名を刻むことになり、選ばれし人物しか触れることができないという超貴重なアワードです。
ハイズマントロフィーを獲得する選手が必ずしもNFLドラフトで総合ドライチになる選手とも限りませんし、ましてやプロの世界で活躍するという確証もありません。しかしたとえプロの世界で失敗したとしてもその選手は永久にハイズマントロフィー受賞者として世に知れ渡るわけで、そういった意味ではプロ選手になるよりもこの賞を獲得するほうが価値は高いのです。
大学で活躍することがプロで活躍することに直結するわけではありませんが、一方でカレッジだからこそ花開くという選手も大勢います。過去の受賞者を見ても下馬評通りNFLでも名を挙げた受賞選手もいればそうでない選手も少なくありません。
ちなみに過去5年間の受賞者を見てみると・・・
2019年:ジョー・バロウ(ルイジアナ州立大QB)
2018年:カイラー・マレー(オクラホマ大QB)
2017年:ベーカー・メイフィールド(オクラホマ大QB)
2016年:ラマー・ジャクソン(ルイビル大QB)
2015年:デリック・ヘンリー(アラバマ大RB)
ご覧の通り皆現在も最前線で活躍する選手ばかりとなっています。
今年のファイナリストたち
今年ファイナリストとして授賞式に招待されたのは4人。その4人の顔ぶれを紹介したいと思います。
ブライス・ヤング(アラバマ大QB)
【2021年度記録】
パスヤード:4322ヤード(全米4位)
TD数:43(全米2位)
INT数:4(全米9位)
パス成功率:68%(全米16位)
昨年の全米王者であるアラバマ大からは多くの選手がNFLへと旅立っていきましたが、その中でも昨年多くの人々を驚かせたのがQBマック・ジョーンズ(Mac Jones)の存在。2019年までアラバマ大フットボール史上最高のQBともいわれたトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、現マイアミドルフィンズ)の後を継ぐには器が小さすぎると言われましたが、蓋を開けてみればタガヴァイロアを凌ぐ数字を残し全米制覇に大きく貢献。現在ルーキーながらニューイングランドペイトリオッツでの活躍は目覚ましいものがあります。
ハイズマントロフィーの最終候補にも選ばれた程のジョーンズの跡を継いだのがこのブライス・ヤング(Bryce Young)。元々リクルート時には最高評価である5つ星選手であったヤング、実は昨年ジョーンズから先発の座を奪うと噂されていた存在。そしてその実力は今シーズン開幕してからすぐに本物であることが世間に知れ渡ります。
決して大柄とは言えないフレームながら程よい機動力を擁しますが、彼の持ち味はポケット内で冷静さを保てる度胸とディフェンスを読む力、そして決断力と球離れの速さ。多くの選手がNFL入りして戦力ダウンが否めない中、今季のアラバマ大オフェンスはヤングなくしては成立しないほどの影響力を持っています。
今季の見せ所はアーバン大との「アイロンボウル」、リードされ続けて敗戦濃厚となった第4Q残り約2分から同点に追いつくドライブを演出したこと、そして今期最強と呼ばれたジョージア大とのSEC優勝決定戦でその相手から421ヤードに3TDを奪ってここまで突出したハイズマン候補がいないと言われていた混沌としたレースを抜け出しました。
もしヤングがこの栄光のトロフィーを受賞すれば昨年のWRデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith、現フィラデルフィアイーグルス)に続き2年連続のアラバマ大出身選手の受賞となります。
ちなみにいかにここ最近3人のアラバマ大QBの比較を紹介します。それにしてもいつからアラバマ大はこんなに優秀なQBを輩出するようになったのでしょう?!
タガヴァイロア (2019) | ジョーンズ (2020) | ヤング (2021) | |
YD数 | 3353YD | 3739YD | 4322YD |
TD数 | 37 | 32 | 43 |
成功率 | 67% | 76% | 68.0% |
QBR | 199.4 | 202.3 | 175.5 |
【今季のハイライト動画】
エイダン・ハッチンソン(ミシガン大DE)
【2021年度記録】
タックル数(単独):33
QBサック数:14(全米2位)
ファンブルフォース:2(全米43位)
今季全米2位まで上り詰めたミシガン大のディフェンスを支えた中心人物がこのエイダン・ハッチンソン(Aidan Hutchinson)。ハイズマントロフィーレースは開幕から誰が候補者なのかと議論され続けてきましたが、ハッチンソンの名前は実にレギュラーシーズン大詰めのオハイオ州立大戦まで話題に登ることはありませんでした。
そのオハイオ州立大戦では3つのQBサックを奪い因縁のライバルに仕事をさせませんでした。シーズン合計で獲得したQBサックは合計14個となりましたが、これはミシガン大フットボール部史上最多記録。この活躍が認められてディフェンス選手としては稀であるハイズマントロフィーファイナリストに選ばれました。
その巨漢からは想像もつかないパワー、スピード、パシュート力を備え、次期NFLドラフトではオレゴン大のケイヴォン・ティボデウ(Keyvon Thibodeaux)と並び総合ドライチ候補と言われている逸材です。
【今季のハイライト動画】
C.J. ストラウド(オハイオ州立大QB)
【2021年度記録】
パスヤード:3862ヤード(全米8位)
TD数:38(全米5位)
INT数:5(全米25位タイ)
パス成功率:70.9%(全米6位)
昨年プレーオフ決勝戦に進出したオハイオ州立大は上記のジョーンズやスミスを擁するアラバマ大と対戦し残念ながら惨敗してしまいました。そのチームを率いたスターQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)はシーズン後にNFLドラフト入りし見事シカゴベアーズに指名されていきました。
そのフィールズの後継者に指名されたのがC.J. ストラウド(C.J. Stroud)。開幕から1年生ながら非凡な才能を披露し、全米随一と言われるWR陣の助けもありスタッツはぐんぐんんと伸びていきます。ルーキーとは思えない度胸と正確なパスが持ち味。それはパス成功率が70%以上、QBレーティングも全米2位という数字が証明しています。
300ヤード超えが4試合、400ヤード超えも4試合と全米1位の得点力を持つオハイオ州立大オフェンスの中核をなすストラウド。まだ1年生ということもあり将来が非常に楽しみな選手です。
【今季のハイライト動画】
ケニー・ピケット(ピッツバーグ大QB)
【2021年度記録】
パスヤード:4319ヤード(全米5位)
TD数:42(全米3位)
INT数:7(全米57位)
パス成功率:67.2%(全米21位)
今季のピッツバーグ大は周囲の予想を覆す快進撃を続け、アトランティックコーストカンファレンス(ACC)決勝戦でウェイクフォレスト大を下してチーム史上初のACCタイトルを手に入れました。その原動力となったのがQBケニー・ピケット(Kenny Pickett)です。
4年間先発を務めたピケットは今季ACCの最優秀選手に選ばれるほどに成長。パスヤード(4319ヤード)、パス成功数(334回)、TD数(42)はそれぞれピッツバーグ大フットボール部の新記録。また投げるだけでなく足でも威力を発揮し、4年間で20個のランTDを獲得しています。
ピッツバーグ大での生涯パスヤードは12303ヤードでこれもスクールレコード。そして今季は同校のレジェンドであるダン・マリーノ(Dan Marino)が保持していた生涯TD数も更新(81)するなどまさに記録ずくめのシーズンとなり、ハイズマントロフィーの最終候補者に選ばれました。
来年のNFLドラフトではQBとして最初に選択されると噂される逸材。ハイズマントロフィーファイナリストという名誉を引っさげてプロの世界へ飛び込みます。
【今季のハイライト動画】
授賞式
本来ならばこの栄えあるハイズマントロフィーの授賞式はニューヨーク市で盛大に行われます。そこには過去の歴代受賞者も駆けつけ新たな「ハイズマンクラブ」の仲間入りを果たす若き至宝を迎え入れるのです。
昨年は新型コロナウイルスの影響で大勢が一同に集まってイベントを行えず受賞式はリモート形式で行われました。今年はどうやら対面式での従来の授賞式に戻るようです。12月11日土曜日東部時間午後8時(日本時間日曜日午前10時)開催予定です。
果たして第86代目のハイズマントロフィー受賞者は・・・?
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今週土曜日に行われるハイズマントロフィー授賞式。栄えある第86代目のウィナーとなるのは誰?皆さんの予想をお聞かせください!
— Any Given Saturday (@ags_football1) December 9, 2021
カレッジフットボール界において最も偉大なる個人賞がハイズマントロフィー。このトロフィーを手にした選手は未来永劫カレッジフットボールの歴史にその名を刻むことになります。そのトロフィー授賞式に招待された4人のファイナリストをご紹介します。
— Any Given Saturday (@ags_football1) December 9, 2021
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