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【第13週目レビュー】アラバマ大24、アーバン大22

【第13週目レビュー】アラバマ大24、アーバン大22

全米3位のアラバマ大はレギュラーシーズン最終戦の恒例ゲームである「アイロンボウル」にて宿敵・アーバン大と対戦。アラバマ大はカレッジフットボールプレーオフ(CFP)出場を目指すチーム、一方でアーバン大はこの試合まで6勝5敗と勝率5割を少し超える程度のチーム。ということでこの一戦はライバリーとはいえアラバマ大が快勝するかと思われましたが・・・。

観戦しながらツイートしていたのでそれをもとに試合を振り返ります。

試合会場はアーバン大のホームであるジョーダン・ヘアースタジアム。戦績的には満足いくイーズンとは言えませんが、ライバルであるアーバン大に一泡吹かせたいとスタジアムはファンに酔って埋め尽くされました。

試合はアーバン大の先攻で始まりましたが、双方ともディフェンスが相手オフェンスを凌駕する非常にスローなスタート。特に数字の上では全米トップクラスのアラバマ大オフェンスをアーバン大ディフェンスがガッツリと抑え、特にアラバマ大OL陣がアーバン大フロントセブンに押し込まえること多々。

アーバン大はベテランQBボ・ニックス(Bo Nix)が怪我で欠場する中、元ルイジアナ州立大QBのT.J.フィンリー(T.J. Finley)が先発出場しますが、アラバマ大ディフェンスもまたフィンリーに容赦ないプレッシャーをかけ続け、どちらも得点できない時間が続きます。

それでもホームのアーバン大のほうが割とボールを動かせている感じで全米3位のチームとは思えないような苦戦するアラバマ大の姿が印象的でした。

そんな中、第2Q中盤にはアーバン大が陣取り合戦でジリジリとアラバマ大を追い詰め、アラバマ大は自陣20ヤードからのパントを敷いられます。そしてこのパントをリターンしたアーバン大のジャヴァリウス・ジョンソン(Ja’Varrius Johnson)を追尾したカベレージチームの一員でアラバマ大のナンバーワンWRジェミソン・ウィリアムス(Jameson Williams) がジョンソンへタックルを食らわせた際に頭部への故意のターゲッティングの反則を取られて即退場処分になってしまいます。

またこのペナルティーのおかげでアーバン大は敵陣からの攻撃開始となりこのチャンスを逃すまいと相手エンドゾーンを襲い、最後はフィンリーからコビー・ハドソン(Kobe Hudson)への15ヤードパスが決まってついにアーバン大が先制。均衡が破れました。

結局前半はこのTDのみでアーバン大7対アラバマ大0でハーフタイムに突入。アラバマ大が前半無得点で終わったのは最近では記憶にありません。

ハーフタイムのスタッツを見るとどちらもオフェンスが機能しないディフェンシブゲームだったことが伺えます。驚きなのは先程も述べたようにアラバマ大OL陣がほぼ崩壊しQBブライス・ヤング(Bryce Young)を守れないばかりかランゲームも構築できず前半のトータルランヤードがなんとマイナス2ヤード(アーバン大はマイナス3ヤード)。

後半に入ってもこの流れは続きますが、アーバン大はFGをゲットしてスコアを10対0とします。アラバマ大のここまでのオフェンスをみるとこのFGですら致命傷な気すらしました。

さらに悪いことにアラバマ大のドライブではヤングのパスがインターセプトされてしまいます。

ヤングはこの試合までシーズン通して3つしかパスINTを記録していなかったわけですからアラバマ大にとってはまさに何もうまく行かないと言った流れが時間が続いていきます。

ただ第3Q終了間際にはようやくアラバマ大は敵陣内へ攻め込むドライブでこの日初めてとも言える得点のチャンスを得ます。ただ結局4thダウンでFGを狙うのですが、この際ロングスナッパーからのボールをホルダーでQBのポール・タイソン(Paul Tyson)がファンブルし3点のチャンスも水の泡に・・・。まさに踏んだり蹴ったりな展開だったのです。

そして第3Qが終了しいまだ無得点のアラバマ大。ホームのアーバン大の熱気は最高潮に達しいよいよ全米3位が崩れるのが現実味を帯びてきました。

刻一刻と試合終了の時が近づいていく中、何としてもこの現状を打破したいアラバマ大ですが、ここで今日奮起しているディフェンス陣が打開のチャンスを生み出すパスインターセプションを奪います。

これを起点にアラバマ大はようやくこの日初得点となるFGを成功させてスコアは10対3となります。しかし残り時間は9分を切り同点ないし逆転のチャンスは多く残されてはいません。

そして迎えた終盤、残り時間5分を切ったところでアラバマ大はこの日最後のチャンスと思われた攻撃権を得ます。自陣2ヤードからという厳しい状況ながらヤングとWRジョン・メッチー・III(John Metchie III)のホットラインで前進を試みますが、フィールド中央付近で迎えた4thダウン&1ヤードというシーンを迎え、コンバートできなければアラバマ大は絶体絶命という場面。怪我で退場した先発RBブライアン・ロビンソン(Brian Robinson)のバックアップであるトレイ・サンダース(Trey Sanders)のランはアーバン大の激しいブロックに合いコンバート失敗。この時点で残り時間は2分となりアーバン大コーチ、選手、ならびにファンは皆勝利を確信したのです。

しかし諦めなかったのがアラバマ大ディフェンス。オフェンスが得点できない中試合が未だ7点差のままなのは守備陣が奮起したからにほかありません。そしてアーバン大QBフィンリーが足首を怪我して機動力が極端に落ちてしまったこともこの後アラバマ大にチャンスを与えることになります。

タイムアウトを2つ残していたアラバマ大はディフェンスがRBタンク・ビグスビー(Tank Bigsby)を止めるたびにタイムアウトを使ってなんとか希望をつなぎます。さらにビグスビーはアウトバウンドに走り抜けてゲームクロックを止めてしまうという凡ミスも犯してしまい、結局アラバマ大は試合時間残り1分半で正真正銘最後の攻撃のチャンスを得ます。

ここから見せたのがQBヤングのパフォーマンス。ハイズマントロフィー候補にも挙げられている彼はここまであまりいいところがありませんでしたが、同点に追いつかなければ負けてしまうだけでなくプレーオフへの道も閉ざされてしまうという状況の中見せてくれました。

自陣3ヤードラインからの攻撃、4thダウントライを成功させながら敵陣を目指すアラバマ大オフェンスはヤングから退場処分になったウィリアムスの代役を務めるジャコリー・ブルックス(Ja’Corey Brooks)へのまさにここしか無いというパスがエンドゾーン左側ギリギリに決まって起死回生の同点TDを残り時間24秒で成功させたのです。

この奇跡の同点劇によって試合はオーバータイムに突入。長い「アイロンボウル」の歴史の中でもこの試合がオーバータイムにもつれ込んだのは実はこれが初めてのことでした。

最初のOTで先攻のアラバマ大はヤングからWRスレイド・ボールデン(Slade Bolden)へのパスTDで先生するとアーバン大もフィンリーからTEランデン・キング(Landen King)へのこのパスTDで同点として2度目のOTへ。

2度目のOTはお互いがFGを成功させてスコアを20対20とし3度目のOTへ。今季から3度目以降のOTは3ヤードラインからの2ポイントコンバージョンの一発勝負。どちらかが勝つまでOTが続けられることになっています。

3度目のOTではヤングがメッチーへ、フィンリーがジョン・サミュエル・シェンカー(John Samuel Shenker)へそれぞれTDパスを成功させて2点ずつを計上。22対22となりいよいよ運命の4度目のOTを迎えます。

先攻のアーバン大はフィンリーのパスが不成功。よって後攻のアラバマ大がポイントを奪えばこの長き戦いにピリオドを打てるというシーンでヤングがメッチーへのパスを決めて見事に逆転勝利を完遂。試合の9割を牛耳っていたアーバン大の選手、コーチ、ファンたちは愕然とするばかり。

この試合ではここまで書いてきたようにアラバマ大はアーバン大ディフェンスに常に押し込まれる展開。それこそ60分のレギュレーション中最後の2分を除く58分は何もさせてもらえなかったと言ってもいいほど。特にOL陣の脆さはこれまでのアラバマ大と見比べてもかなり見劣りするものでした。

しかしそんな時試合の流れをギリギリ相手に奪われないように食い止めていたのが彼らのディフェンス陣。アーバン大オフェンスはスターQBニックスを欠き元々パワフルという印象はありませんでしたが、ランヤードをたったの22ヤードに抑えるなど相手にも得点を許さずに最後のヤングの同点ドライブをお膳立てしました。

そのヤングは確かにアーバン大ディフェンスに苦しめられましたが、同点に追いつかなければすべてが無駄になるというドライブで見事に結果を残し、チームの勝利に大貢献。またこの最後のドライブ並びにOTでの活躍によって彼がハイズマントロフィーでの最有力候補に復活したと言ってもいいでしょう。

ただ来週のSEC優勝決定戦で対戦するジョージア大はこうはいきません。あと1週間弱でなにか調整できるものでもないのでしょうが、まあそれはまた後日プレビュー記事でお話しましょう。

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