クレムソン大とスウィニー監督が超大型の契約更新

ちょっと古い話になりますが、お伝えしない訳にはいかないニュースを紹介します。

過去10年間で5度のナショナルタイトルを獲得しているアラバマ大ニック・セイバン(Nick Saban)監督は現役監督の中でもトップクラス、さらにはカレッジフットボール史を振り返ってみてもレコードだけ見れば史上最高のヘッドコーチと言っても過言ではないかもしれません。

しかしそのセイバン監督に急速に肩を並べつつある監督がいます。クレムソン大ダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督です。

2008年にクレムソン大の監督に就任してから11年。着実に力を付けてきたクレムソン大は2011年から8年連続二桁勝利を収め、2011年に1991年以来20年ぶりのアトランティックコーストカンファレンス(ACC)タイトルを持ち帰ると、2015年からは4年連続リーグタイトル獲得。そして2016年には1981年以来35年ぶりに全米制覇を成し遂げ、更に昨年も大学史上3度目の栄冠を勝ち取り、今やクレムソン大は押しも押される常勝チームにまで成長したのです。

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昨年自身2度目のナショナルタイトルを獲得したスウィニー監督

まだ49歳と若く、これからも活躍が大いに期待されるスウィニー監督。そんな彼に大学はこれまでにない大型の契約更新を提示しスウィニー監督は当然これにサインしました。

その契約内容は10年間で9300万ドル(1ドル100円計算で93億円)という凄い額。単純計算で年収930万ドル(9億3千万円)となり、これは前述のセイバン監督を抜き去り、カレッジフットボール史上最高サラリーという計算になります。

ただ実際には毎年受け取る額が変わり、最初の2年間は825万ドル、そして3年目と4年目には850万ドル、5年目に875万ドル、6年目に900万ドル、7年目に925万ドル、8年目に950万ドル、そして9年目と10年目に1000万ドルと増額していく契約内容となっています。2018年の時点では年収830万ドルのセイバン監督が現役最高額を稼いでいますので、スウィニー監督は2番手となりますが、2021年までにセイバン監督の契約更新がなければ、その時点でスウィニー監督がトップに躍り出ることになります。といってもおそらくアラバマ大はセイバン監督を史上最高所得コーチとさせるためにサラリーを増額させる契約更新をするんでしょうが。

10年の契約更新をしたということは、それだけ長期間スウィニー監督に指揮をとって欲しいというクレムソン大の願いが込められていますが、願うだけでなく彼の移籍を阻止するための契約内容も実は盛り込まれています。つまりバイアウト費です。

バイアウト費とは契約途中で解雇、または移籍となった場合に発生する違約金のことです。大学が解雇すればコーチに違約金が支払われ、コーチが途中で他のチームに移るようなことがあればコーチ(もしくは移籍先のチーム)が違約金を大学へ支払うのです。

もしスウィニー監督が契約途中でチームを去った場合のバイアウト費は以下のとおりです。

2019〜2020年:400万ドル
2021〜2022年:300万ドル
2023〜2025年:200万ドル
2026〜2027年:100万ドル
2028年:なし

上記の年以内に別のチームへ移籍すればそれなりの金額を大学へ支払わなければならないというわけです。

しかしさらにスウィニー監督のバイアウトには興味深い明記もされています。

スウィニー監督はアラバマ大出身選手でした。彼は1992年に当時のジーン・スターリングス(Gene Starlings)監督指揮下でナショナルタイトル獲得も経験。そしてカレッジレベルでのコーチングは母校のアラバマ大からスタートもしています。さらにセイバン監督とも公私において仲がよく、そういったことからセイバン監督が引退した際にはスウィニー監督が彼の後継者になるのではないかという憶測が当然流れています。

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タイトルゲーム後に労をねぎらい合うスウィニー監督とセイバン監督

アラバマ大とクレムソン大は過去4年間カレッジフットボールプレーオフ(CFP)で対戦し続けてきました。しかも2015年度、2016年度、2018年度はナショナルタイトルを掛けて対戦。対戦成績は2勝2敗とイーブンな関係。それだけにクレムソン大としてはスウィニー監督をアラバマ大へ奪われてしまうことは絶対に避けたい訳です。

そんな訳で、もしスウィニー監督が契約期間にアラバマ大の監督に就任するためにクレムソン大を離れる場合のバイアウト費も別に設定されているのです。

2019〜2020年:200万ドル
2021〜2022年:150万ドル
2023〜2025年:100万ドル
2026〜2027年:50万ドル
2028年:なし

つまり今後2年の間にスウィニー監督がアラバマ大監督に就任するようなことがあれば合計600万ドルものバイアウト費が発生することになります。それだけクレムソン大はスウィニー監督がアラバマ大へ言ってしまうことを恐れているということですね。

ちなみにもし何らかの理由でクレムソン大がスウィニー監督と袂を分かてば、彼らはバイアウト費をスウィニー監督に支払うことにもなっています。その額は最初の2年間なら5000万ドル(500万ドルじゃないですよ!)、以降は2年毎に4750万ドル、4500万ドルとなっていきます。こちらの額も凄いですが、これはよほどのことがない限りクレムソン大はスウィニー監督と運命をともに知るという意志の現れでもあります。

当然この契約内容に納得してサインをしたスウィニー監督。彼自身もアラバマ大の次期監督に指名されるのではないかという噂を知っておいますが、この契約更新の際に「アラバマ大は自分にとっては特別な場所であることに変わりはありませんが、クレムソン大は私にとってホームであり、家族もクレムソン大を愛しています。このチームの監督でいられることに感謝してもしきれません」とクレムソン大愛を貫くことを示唆しました。

もちろんカレッジフットボール界では何が起こるかわかりませんし、やはり母校で指揮をとるというのは特別な意味があるはずです。といっても当のセイバン監督は最近のインタビューでも引退する気はさらさらないと言っていたので、クレムソン大にとってはしばらくその心配をする必要はなさそうです。

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