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2020年度全米大学王座決定戦プレビュー③【注目の選手】

2020年度全米大学王座決定戦プレビュー③【注目の選手】

CFP(カレッジフットボールプレーオフ)ナショナルチャンピオンシップのプレビュー第3弾となる今回は両チームの注目の選手をご紹介します。

対戦するアラバマ大オハイオ州立大にはそれぞれ将来のプロ候補選手がゴロゴロしており、そんな彼らの見本市としても十分楽しめる試合となりそうですが、その中でも特に試合を行う上でその流れを変えてしまいかねない選手たちを厳選。1月11日の本番ではぜひこれらの選手に注目して観戦してみて下さい。

 

 

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ベースボール・マガジン社 (編集)

アラバマ大

デヴォンテ・スミス(WR)


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先日カレッジフットボール界の最高峰アワードであるハイズマントロフィーを獲得したばかりのWRデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith)。一般的に見ても細身で背が高いわけでも無いものの、ルートのとり方、アジリティー、キャッチ力、ジャンプ力と今季随一の能力をもつWR。

平均的に見てスラントなどショートパスを受け取ってからヤードを稼ぐプレーで威力を発揮する選手ですが、ミドルからロングレンジのパスでも相手ディフェンスの驚異となります。また彼にディフェンダーの注意が注がれることで他のレシーバーに隙が出来やすくなるという点も見逃せません。

彼は昨年NFLドラフト入りも考えられていましたがチームに残留。それもこれもナショナルタイトルを獲るために戻ってきたわけです。遂にたどり着いた目標の場所でスミスは有終の美を飾れるでしょうか。

マック・ジョーンズ(QB)


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ハイズマントロフィーのファイナリストにも選ばれたQBマック・ジョーンズ(Mac Jones)は今季のQBレーティングで史上最高となる203ポイントを記録。これは昨年新記録となる202ポイントを獲得した元ルイジアナ州立大ジョー・バロウ(Joe Burrow、現シンシナティベンガルズ)を抜くレコードです。

フルタイムの先発QBとしては今年1年目のジョーンズですが、そんなことを微塵にも感じさせないプレーで今季のアラバマ大オフェンスを引っ張ってきました。ポケット内での冷静さ、素早い球離れ、ディフェンスを読む能力、パスの高い精度に加えて今季のINTパスの数がたったの4つとミスの少ない頼れるQB。また機動系のQBではないものの判断力の良さで1試合平均のQBサック数が1.42回と低め

そして最も驚異となるのはロングレンジのパスの正確さ。上記のスミスとのコンビネーションも抜群でプレッシャー下に無いジョーンズはまさに無双状態です。ここまで前任のトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、現マイアミドルフィンズ)と比べられ続けたジョーンズですが、数字的には彼を凌ぐものを残しており、あとはナショナルタイトルさえ取れば今後永遠にアラバマ大ファンの記憶の中に残る名QBとなるでしょう。

ナジー・ハリス(RB)


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今季のハイズマントロフィーレースではファイナリストからは漏れたものの5位に着けたRBナジー・ハリス(Najee Harris)。今季ランTD数は24回で全米1位。またレシーバーとしての能力も非常に高くマルチなタレントを発揮する秀逸RBです。

巨漢というわけではないものの当たり強くスピードもある選手。またノートルダム大戦で出みせたアクロバティックなプレーも披露でき見るものを魅了する選手です。

ジョーンズとスミスのホットラインだけでなく、プロダクティブなハリスの存在がアラバマ大オフェンスにバランスをもたらし相手ディフェンダーがアグレッシブな布陣を敷けなくしています。この3人ともハイズマントロフィー上位5位の選手なのですからアラバマ大の強さもうなずけるというわけです。

クリスチャン・バーモア(DL)


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アラバマ大といえば強力なディフェンス陣が売りだった時期がありましたが、ここ1、2年はその影を潜めていた感じがあります。それは特にフロントセブンで顕著だったのですが、今季は試合をこなす中でパスラッシュのクオリティーがどんどん上がっていきました。その中核をなすのがクリスチャン・バーモア(Christian Barmore)です。

オールアメリカンで3rdチームに選出された2年生のバーモアは後半からその頭角を現し最近5試合で5つのQBサックを記録。それに触発されてかチーム全体でもこの5試合で合計24つものサックを相手QBにお見舞いしてきました。

オハイオ州立大オフェンスをスローダウンさせるにはバーモアらDL陣のパスラッシュ及びランディフェンスが必須となってくるでしょう。

パトリック・サーテイン・II(CB)


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NFLで11シーズンCBとして活躍したパトリック・サーテイン氏を父に持つパトリック・サーテイン・II(Patrick Surtain II)はアラバマ大バックフィールドのロックダウンDBとしてディフェンス陣の要の一人として活躍してきました。

NFLスカウトから今季プレーするCB界隈でもトップレベルのカバーコーナーと評価されるサーテインはなんとここまで彼がカバーするWRにたった1度しかTDを奪われていないという鉄壁さを披露してきました。NFLドラフトでも1巡目の呼び声が高いサーテインがオハイオ州立大WR陣に立ちはだかります。


オハイオ州立大

ジャスティン・フィールズ(QB)


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昨年のハイズマントロフィーファイナリストジャスティン・フィールズ(Justin Fields)は遅れてシーズン開幕を迎えながらも今季序盤に絶対無比のパフォーマンスでその存在感をアピール。インディアナ大戦とノースウエスタン大戦(Big Ten優勝決定戦)で苦戦したものの、先日のシュガーボウルではパス成功率78.6%の385ヤードに6TD(1INT)と自己最高のプレーを披露してくれました。

パスの精度、肩の強さ、機動力とどれをとっても超カレッジ級のフィールズは次期ドラフトでも注目株。途中その株を落としはしましたが、今紹介したシュガーボウルでのクレムソン大との戦いぶりで再びその評価が上がってきています。

クレムソン大戦で負った脇への怪我の具合が心配されますが、その試合では痛みに耐えながら先に紹介した数字を叩き出したわけで、この頂上決戦に出場することは間違いありませんし、シュガーボウルでのパフォーマンスを再び見せることができればアラバマ大から十分にスコアを奪うことができるでしょう。

トレイ・サーモン(RB)


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昨年までオクラホマ大に所属していたRBトレイ・サーモン(Trey Sermon)は昨シーズン中に膝に怪我を負って戦線離脱。今年はその回復の具合の影響なのか前半はそこまで数字を残すことが出来ませんでした。しかし後半3試合で尻上がりに調子を上げ、またチームメイトのRBマスター・ティーグ(Master Teague)が脳震とう(Concussion)を患って欠場したためランゲームを一気に引き受けるようになるとスタッツが爆発。

ミシガン州立大戦で112ヤードを奪うとカンファレンス優勝決定戦では驚異の331ヤード、そしてシュガーボウルでも193ヤードとこの3試合だけで636ヤードで1試合平均200ヤード超えというとんでもない数字を叩き出しました。

シュガーボウルでの走りを見ていると一体誰が彼を止めることが出来るのかと思わせてくれるほどのパワフルなランアタックを披露していたサーモン。シーズン終盤の大事な時期に彼のパフォーマンスがピークに達しているのはオハイオ州立大にとっては朗報といえます。

クリス・オラヴェ(WR)


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アラバマ大のスミスは当然今季最も輝いたWRではありますが、オハイオ州立大のクリス・オラヴェ(Chris Olave)も全米を代表する能力を持っているWRです。ここまで7試合中出場した6試合を見てみると実に5試合dえ100ヤード超えを記録し、キャッチ毎の平均ヤードが15.7ヤードとスミス(15.6ヤード)を僅かに上回っています。

Big Ten優勝決定戦には新型コロナウイルスの影響で出場できませんでしたが、この試合でQBフィールズは114パスヤードに2INTと沈みました。その不調の大きな要因はオラヴェの不在でしたが、彼が復活したシュガーボウルでは132ヤードに2TDと勝利に大きく貢献。アラバマ大との点取合戦についていくにはオラヴェの活躍が不可欠です。

ハスケル・ギャレット(DL)


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昨年9月に銃撃事件に遭って顔面を撃たれるというショッキングな被害者となったハスケル・ギャレット(Haskell Garrett)。幸い命に別状はなく開幕前までにチームに合流し、開幕後は周囲の誰もが驚く活躍を見せ続けています。

ポテンシャルはあるものの最初の3年間はサブ要員でしかありませんでしたが今年はその才能が開花。チーム最多となるタックル・フォー・ロス(4.0個)に17タックルを記録。ミシガン州立大戦では「ピックシックス」まで記録するなどフロントセブンの戦力的、精神的柱としてユニットを引っ張ってきました。

その結果Big Tenカンファレンスの年間最優秀DL賞を受賞しオールアメリカンでも2ndチームに選出されました。アラバマ大QBジョーンズにプレッシャーをかける急先鋒としてタイトルゲームに挑みます。

ショーン・ウェイド(CB)


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昨年度の活躍により2020年のNFLドラフト入りしていれば1巡目でピックされる可能性もあったと言われたCBショーン・ウェイド(Shaun Wade)。しかし2020年度シーズンを母校で戦うために大学に残留。そんな時襲ってきた新型コロナウイルスのパンデミックを理由に一度は今シーズンをオプトアウトしましが、Big Tenカンファレンスが開幕に踏み切るとそのオプトアウト状態を解消してチームに戻ってきました。

総合的にみて今季のオハイオ州立大バックフィールドは弱点だと言われてきました。特にインディアナ大戦では相手QBマイケル・ペニックス・Jr.(Michael Penix Jr)に500ヤード弱を投げられるという汚点を残し、先日のシュガーボウルでもQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)に400ヤードを投げられてしまいました。

ウェイド自身はオールアメリカンの1stチームに選ばれましたが、来たるCFPナショナルタイトルゲームではハイズマントロフィー受賞WRであるスミスと対峙することになります。昨年から比べるとドラフトでの株は少々落ちかかっていますからウェイドとしては自身の評価を上げるためにもスミスとの対決にて何か傷跡を残しておきたいところです。

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