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CFPが12チーム制度に拡張、2024年から前倒しへ

CFPが12チーム制度に拡張、2024年から前倒しへ

現在カレッジフットボール界は2014年に導入されたカレッジフットボールプレーオフ(CFP)のトーナメント制度によってナショナルチャンピオンを決める方式を採用しています。現在も今シーズンのトーナメントに出場するために最後の戦いが繰り広げられようとしてます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

参加チーム拡張への道

今年で9回目を迎えるこのCFPは導入以来4チーム制度を敷いており、この仕組みは12年間の契約に基づいて内容を変えることはできないのですが、このCFPに関わるすべての人間が同意した際に限り契約内容を変えることができるようになっています。

昨シーズンからこの4チーム制度を拡張しようという話は出ていました。それは6チームだったり、10チームだったり、12チームだったり、16チームだったりしたのですが、さまざまな障害によってこの話は頓挫していました。

しかし今シーズン開幕前に再び参加チーム数の拡張の議論が盛んに行われ、12チーム制のプレーオフの青写真が作られるまでに至りましたが、細かな内容(スケジュール、ボウルゲームとの契約、テレビ放映権など)で合意に至ることはなく、この話はシーズンが始まる前ぐらいに保留となっていました。

ただどうやら拡張案は死んではいなかったようで、ここ最近その報道が再熱。特に今年は終盤にアップセットが多く起きたせいで4チームに絞るのが難しくなっており、12チーム制への拡張を渇望する声が高まっていたのです。


ローズボウルの壁

そこで障壁となっていたのがローズボウルでした。

ローズボウルは現在まで行われているボウルゲームで最も古い由緒正しい試合。元々はカリフォルニア州パサデナ市のお正月(ニューイヤーズデー)に行われていたローズパレードの目玉の催しとして行われていたのです。

そのローズボウルはCFPの前身であるボウルチャピオンシップシリーズ(BCS)から正式にナショナルタイトルを決めるための枠組みに参戦。以来基本的にはBig TenカンファレンスとPac-12カンファレンスの優勝チーム同士の対戦でしたが、それに縛られることなくBCSナショナルタイトルゲームやCFP準決勝戦などをホストしてきました。

2020年に新型コロナウィルスのパンデミックで揺れたシーズンにはカリフォルニア州が観客を入れたスポーツイベントを禁止する法令を出していたため、CFP準決勝戦に組み込まれていたローズボウルがテキサス州アーリントン市(AT&Tスタジアム)で行われたこともあったくらいです。

しかしそのローズボウルがこの12チームの拡張案に首を縦に振らなかったのです。全会一致でないとCFPの開催内容の変更は無効になってしまうため、12年契約が切れる前に前倒しで12チーム制度を導入するには唯一この案に賛成しなかったローズボウルをなんとか説得する必要がありました。

ローズボウルの主張は、1)試合を1月1日に開催可能にすること、そしてそれが叶わない場合はローズボウルが優先的にテレビ放映時間を決定できること、2)セミファイナル戦を3年間で2度のローテーションでホスト可能にすること、と言われていました。これが受け入れられれば12チームの拡張案に同意するとしていたようです。

またローズボウルは先にも述べた通り、長いことBig TenカンファレンスとPac-12カンファレンスの優勝チーム同士が戦うことが基本的にトラディションとなっていました。しかしこのプレーオフ案だとローズボウルがこのマッチアップを実現させることはかなり難しくなり、このトラディションを崩すことをローズボウル側が受け入れる必要があったのも事実。

CFP組織側はローズボウルに水曜日までに回答を出すように要求。結果的にどのような条件が飲まれたのか、もしくはどちらが折れたのかわかりませんが、ローズボウルは12チーム案にゴーサインを出したという風に落ち着いたわけです。

12チーム制度が誕生へ

12チーム制のトーナメントはランキング上位4チームはシード権を与えられ、残りの8チームが対戦相手のうちランキングが高いチーム(5位から8位まで)のホームスタジアムで1回戦が行われると言う仕組み。そして2回戦(準々決勝)と準決勝の6試合は俗にいう「New Year’s 6」ボウルゲーム(ローズ、オレンジ、フィエスタ、シュガー、ピーチ、コットン)が担当し、セミファイナルゲームの勝者がCFPナショナルタイトルゲームであい見える、という寸法です。

ちなみにもし今現在のランキングを用いて今年12チーム制度のトーナメントが組まれるとなると以下のようなシミュレーションができます。

進出できるのはトップ6カンファレンスの優勝チーム、そしてランキングから彼ら6チームを除いた残りの上位6チーム(アットラージ/At Large)。実質的にトップ6カンファレンスとはいわゆる「パワー5」カンファレンス群(ACC、Big 12、Big Ten、Pac-12、SEC)と「グループオブ5」カンファレンス勢のチャンピオンで最もランクが高かった1チーム、と言う勘定ができるかと思います。

良き面

参加できるチームの数が増えれば当然ナショナルタイトル獲得への門戸が開けるわけで、プレーする側とすれば当然これは歓迎される点ですし、また見る側としてみれば同じチームばかりが出場してつまらないと感じることも少なくなるかと思います。

所属するカンファレンスで優勝することの意義も今まで以上に大きくなります。例えば優勝決定戦でクレムソン大とノースカロライナ大の対戦となっているACCですが、この2校はACCで優勝してもプレーオフに出場できる可能性はほぼありません。しかし新しい方式ならばこの試合に勝ちさえすれば勝敗数には関係せずプレーオフに出場できる訳です。

またBig Tenカンファレンスにしても、今年はミシガン大とパデュー大が対戦となっていますが、仮にパデュー大がミシガン大に大番狂せを起こして勝ったとしてもプレーオフに出場することはできませんが、新方式ならばパデュー大にもプレーオフ進出の可能性が残されている訳です。

また実質的に最低1つの「グループオブ5」チームがプレーオフに進むことが確実となるため、彼らにも戦うモチベーションがさらに生まれることになります。現在でいう「パワー5」勢以外で最後にナショナルタイトルを獲ったのは1984年のブリガムヤング大ですから、少なくとも彼らが同じ土俵に立てると言うのは大変意味のあることです。

無所属であるノートルダム大も「アットラージ」枠に入りさえすれば出場できますので、彼らにとってもこれはポジティブな変化だと言えそうです。

さらにこの試合を放映するテレビネットワーク(ESPN)も試合が増えることで収益が増えるわけですから、参加チームの拡張は当然彼らとしては大いに歓迎すべきところ。そもそも近年のボウルゲームにおいてはESPNの発言力が大きく、彼らがかなり幅を利かしていると言う点も見逃せません。

心配な点

一番に心配されるのは選手たちへの負担です。試合が増えれば当然体へのダメージは増えます。現在レギュラーシーズンは12試合、カンファレンスタイトルゲームに出場すれば13試合、プレーオフに進出すれば14試合、そして全米王座決定戦に出場すれば最大15試合を行うことになっています。

12チーム制度になれば、ノーシードのカンファレンス優勝チームは最大17試合をこなさなければならなくなります。これは選手の体に大変な負担となるのは確か。そういったことを運営側が考慮しているのかが気になります。

例えばレギュラーシーズンの試合を1試合少なくするとかしなければ無理な話ですし、もしくは各カンファレンスの優勝決定戦を無くしてレギュラーシーズン中の勝敗だけでカンファレンス優勝チームを決めると言う、昔のスタイルに戻すと言うのもアイデアとしては悪くないでしょう。

しかしそうなればカンファレンス優勝決定戦を行ってもう一儲けしようと思っている大人たちにしてみれば都合の悪い話となります。

あとは各大学での期末試験期間と重ならないかと言うこと。この後に及んでカレッジスポーツにおいて学業が大優先だ、なんて言うのは偽善者っぽいですが(苦笑)、だからと言ってそれを蔑ろにする訳にもいきません。

それに当然起こり得るのはアットラージ枠で6番目と7番目を決める際の駆け引きです。現行の4チーム制度においても、4位と5位、ないし6位をどのチームにするかという議論ではいつも賛否両論おきますから、12チーム制度を敷いてもアットラージ枠でどのチームが入るかという議論で批判が起きることは容易に考えられますね。

今後・・・

この12チーム制度は前述の通り2024年からの導入となり、今年と来年は4チームのまま。元々12年契約だったことから今回の12チーム制度もとりあえず2025年までで一旦区切りを迎え、その時点でまた何か変更点などがあれば新たなCFP(もしくは名前自体も変わっているかもしれません)が長期年契約で続いていくものと思われます。

2024年度はナショナルタイトルゲームはジョージア州アトランタ市(メルセデス・ベンツ・スタジアム)、そして2025年はフロリダ州マイアミ市(ハードロックスタジアム)で行われ、2024年は1月20日、2025年は1月19日。ほとんどの大学は1月初頭から冬・春学期が始まることもあり、選手としてはまさに休みなく次の学期まで戦い続けなければならなくなります。

確かにスポーツの健全性やフェアネスを考えると現行の4チーム制では軋轢を生むこともありました。より多くのチームにチャンスを与えると言う面は大いに評価されるべきものでしょうし、それはFBSの下部リーグでもあるFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)では既に何年も前から実現済みのシステムです。

FCSチームは11試合のレギュラーシーズンでカンファレンスタイトルゲームは非開催。プレーオフに進めるのは24チームではすでに行われており、1月8日にはナショナルタイトルゲームが行われる予定。ノーシードチームは最大16試合を行うことになっています。

FBSもこのモデルに近づければいいのに・・・と思いますが、すでにテレビ放映権などの利権でズブズブなこの構造を変えようなどという善人はおそらくいないでしょう(笑)。

我々のようなファンにとってもエンターテイメントが増えるということで参加チームの拡張は喜ばしい変化だと言えますが、最大で17試合も行わなければならなくなる選手たちのことを少しでも考えていたのか気になります。特にローズボウルが足並みをそろえたことで12チーム制度が現実のものとなるとわかりホッと安堵の顔を見せていた大人たちの顔見るとなおさらそんなことを思わされました。

試合数が増えればケガのリスクも増えます。ボウルゲームに参加することでケガのリスクが増え、万が一怪我をしてNFLドラフトでの株を落とさないためにボウルゲーム出場を辞退する選手が増え続ける昨今、ただ単に試合数を増やすだけの新システムには疑問を感じてしまいます。一度始まってしまえば元に戻ることは難しいことを考えれば、CFP運営に関わる大人たちの善意を少しでも信じたいです。

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