気まずい場面・・・?!

気まずい場面・・・?!

辛口の評論家やジャーナリストが個人をこき下ろすことは少なくないと思いますが、もしその人が実際にこき下ろした本人と出会ったとしたら一体どんな修羅場が待っているかと想像するだけで背筋が凍る思いがします・・・。

今回はそんな話です。

カレッジフットボール界には名物解説者とかスポーツライターとかが何人もいるものですが、スポーツ専門局であるESPNを見たことがある方ならばポール・ファインバウム(Paul Finebaum)氏をご存知かと思います。

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SECネットワークのポール・ファインバウム氏

一見スポーツライター・ジャーナリストとは思えない出で立ちですが(笑)、主にSEC(サウスイースタンカンファレンス)を中心とする南部のカレッジスポーツに精通するベテランスポーツライターなのです。

テネシー大出身で1978年からこの業界に携わっており、アラバマ大のレジェンドであるポール・ブライアント(Paul Bryant)監督時代もカバーしたことのある歴戦の記者ですが、2013年にESPN(の傘下のSECネットワーク)に登場して以来テレビでもよく登場するようになりました。

ベテランならではの知識量もさることながら、歯に衣着せぬ物言いでも知られているファインバウム氏。その外見からは想像がつかないためある意味痛快です。

最近だとあのアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督に真っ向から噛み付くシーンも有りました。

それは2016年度シーズン開幕前のSECメディアデーにて。当時不法武器所持と薬物所持の疑いで逮捕されたOLキャム・ロビンソン(Cam Robinson、現ジャクソンビルジャガーズ)らに対しセイバン監督は当初から事実関係が分かるまでは謹慎処分にはしないし、何らかの処罰があるにしてもそれは内部で執り行うとコメントしました。

しかしファインバウム氏はこの姿勢を真っ向から批判し今すぐにでも出場停止などの謹慎処分にするべきだとセイバン監督に詰め寄ったのです。みるみるうちに機嫌が悪くなるセイバン監督はインタビュー後CM中にファインバウム氏に詰め寄る場面すら確認されたほどです。

もちろんファインバウム氏にしてみればスポーツジャーナリストとして聞くべきこと、言うべきことを述べたまでのことですが、相手が相手だけにライター界隈では高い評価を受けたようです(もっとも質問の内容と受け答えだけみるとセイバン監督に一理あるようにも思えましたが)。

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そんなファインバウム氏ですが、彼は平日毎日「ポール・ファインバウム・ショー(The Paul Finebaum Show)というラジオ番組にホストとして登場しています。ここでは主にシーズン中ならばその週にあった試合の話とかリスナーとの電話での会話(ここでも議論がヒートアップすること多々)、オフシーズンはフットボールだけに限らず大学バスケなどのスポーツ一般の話で4時間も放送されます。またゲストも度々登場。そしてこの模様は映像として一部SECネットワークでも放映されており、オフシーズンでカレッジフットボール関連の番組が皆無な中SECネットワークを視聴できるファンにとってはまたとない機会なわけです。

そして3月22日の放送ではゲストに現ミシシッピ大レーン・キフィン(Lane Kiffin)監督が登場。昨年同校で初年度を送ったキフィン監督は5勝5敗だったももの、アラバマ大を追い詰めるなど将来を期待させてくれるシーズンを送りました。

そんなキフィン監督にもうすぐ始まる春季トレーニングに向けての豊富などを質問していたファインバウム氏。会話は和やかに進められていたようですが、実はこの二人にはちょっとした因縁があったのです。

それはファインバウム氏がESPNに初登場した2013年のこと。シーズン第5週目を迎えESPNの有名なプリゲームショーである「College Gameday」にてファインバウム氏が当時サザンカリフォルニア大で4季目を迎えるも苦戦するキフィン監督に関してコメントを求められこう答えたのです。

「キフィン氏がなぜ(オークランド、現ラスベガス)レイダースの監督になれたかも、テネシー大の監督になれたかも、そして今のUSCの監督になれたかも全く理解できない。キフィン氏はカレッジフットボール界のマイリー・サイラス(歌手)的な存在です。才能はないけれど何故か気になるという意味で。おそらく彼はシーズン後に解雇となるでしょう。」

マイリー・サイラス(Miley Cyrus)といえばディズニー・チャンネルの「ハンナ・モンタナ(Hannah Montana)」というテレビドラマシリーズで主役を務めてティーンエイジャーの憧れの的となりますが、その後歌手の道に進むと路線をガラッと変えてお騒がせセレブ的存在になった人物です。

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ディズニー時代のマイリー・サイラス

このようにファインバウム氏はキフィン監督をこき下ろしたのですが、この日サザンカリフォルニア大はアリゾナ州立大に敗れ、その帰途となったロサンゼルスの空港にて何とキフィン監督は解雇を言い渡されてしまったのです。

さしずめファインバウム氏の予言が当たったとも言えますが、まさか解雇されると予想したその日にキフィン監督が解雇されてしまうとは・・・。

時を戻すと、先日の番組ではちょっとしたことでファインバウム氏がキフィン監督を褒めたのですが、それに関してキフィン監督は「あなたから褒められるなんて滅多に無いことですね」と笑うとファインバウム氏は「あなたのツイッター(キフィン監督は頻繁にツイートすることで知られています)を掘り起こしても褒められる材料がなかなか見つからないんですよ」とチクリ。

するとそれに感化されたのか、キフィン監督はいきなり「ポール、あなたは私に借りがあることを忘れないように。あなたがかつて私をカレッジフットボール界のマイリー・サイラスだと言ったことで私はUSCを解雇されてしまったんですから。」

しかもトーンがあまり冗談っぽくなかったためファインバウム氏も少々面食らってしまった感じに。

そしてファインバウム氏はこう返しました。

「当時私はESPNに入って間もなかったため、自分の名前を売り込むために必死だったんです。そのための犠牲になってしまったのが残念ながらキフィン監督、あなただったのです。本当に悪いことをしたと思います。」と過去回想したのでした。

するとキフィン監督は少し語気を緩めて「まあ気にしないでください。あの試合(アリゾナ州立大戦)で我々は62点も失点しまったんですから。だから(解雇されたのは)あなたのあの発言だけが原因ではないですよ。」とおどけてみせました。

実はキフィン監督が解雇された2週間後に二人は顔を合わせることになります。当時を振り返りファインバウム氏はキフィン監督にぶっ飛ばされると思ったそうですが(笑)、当然そんなことにはならず意外

にも二人はそれ以来連絡を取り合う関係になったそうです。キフィン監督は冗談でファインバウム氏にマイリー・サイラスの曲のプレイリストを送ったこともあるのだとか。

昨年末にファインバウム氏が「ダン・パトリック・ショー」にゲスト出演した際にその当時を回想して話している動画もあります。

また、ファインバウム氏はキフィン監督がミシシッピ大の監督に就任した際もインタビューをしていますが、その際にもファインバウム氏がキフィン監督解雇の引き金になった、という話を冗談半分でふっかけています。

ということで先日のファインバウム氏とキフィン監督のやり取りは初めてのことではなく、二人の間ではこれまで何度もチクリとし合っている会話の一つのようです。

ただ上にも挙げたように、マイリー・サイラス発言をした2週間後に解雇されてしまったキフィン監督と会った際にはさすがのファインバウム氏もビビったということですが、それはそうですよね。でも二人共そこは割り切って縁を深めたところにプロフェッショナルさを感じますよね。

とはいえ、わだかまりがなくなったとしても、自分をマイリー・サイラス呼ばわりしたファインバウム氏のことは決して忘れることはなさそうです(笑)。

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