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アラバマ大セイバン監督、不正な選手勧誘を否定

アラバマ大セイバン監督、不正な選手勧誘を否定

カレッジフットボール界でも常勝チームとして知られるアラバマ大。現監督であるニック・セイバン(Nick Saban)監督が2007年にHCに就任して以来実に6度ものナショナルタイトルを獲得しており、アラバマ大はセイバン監督指揮下で栄華を謳歌しています。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

セイバン監督の成功の秘密の1つにアグレッシブなリクルーティングが挙げられます。リクルーティングとは高校生選手を勧誘するプロセスのことを指しますが、これにおいてアラバマ大はここまで常に全米トップクラスクラスを維持してきました。それがダイナスティーを築く大きな要因とも言えます。

またカレッジフットボールのトレンドにいち早く反応する対応力も見逃せません。

2007年にアラバマ大にやってきた当初は彼らのオフェンスはラン重視のオフェンスとして有名でした。そんな中で2人のハイズマントロフィーRBであるマーク・イングラム(Mark Ingram)、デリック・ヘンリー(Derrick Henry)といったを輩出してきました。

しかし、2014年頃から有能なQBを軸としたパスにより比重をおいたオフェンスでないと渡り歩けないと感じたセイバン監督は、オフェンシブコーディネーターにレーン・キフィン(Lane Kiffin、現ミシシッピ大HC)氏を招聘しパスを主軸としたオフェンスにあっさりと方向転換。結果アラバマ大はさらに4つのナショナルタイトルを獲得するわけです。

しかもその過程ではトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、現マイアミドルフィンズ)、マック・ジョーンズ(Mac Jones、現ニューイングランドペイトリオッツ)、ブライス・ヤング(Bryce Young)といった名QBを生み出しており、またWRでもアマリ・クーパー(Amari Cooper、現クリーブランドブランズ)、ジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy、現デンバーブロンコス)、デヴォンテ・スミス(DeVonta Smith、現フィラデルフィアイーグルス)、ジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle、現マイアミドルフィンズ)といった秀逸WRも輩出しています。

この様に過去に囚われずに時代の流れに乗ることでカレッジフットボール界を闊歩し続けてきたセイバン監督指揮下のアラバマ大。それはトランスファーポータルに関しても同じです。

トランスファーポータルが出来たおかげでトランスファー(転校)選手を見つけやすくなり、また自分の活躍できる新天地を探す選手が増えたおかげで、現在各大学でロースターの補填の面で転校生に手を出すことは至極普通のことになりつつあります。

アラバマ大もこのトレンドを利用して昨年オハイオ州立大からWRジェミソン・ウィリアムス(Jamison Williams、元オハイオ州立大)やテネシー大からLBヘンリー・トト(Henry To’oto’o)らを受け入れ彼らは即戦力として活躍。ウィリアムスは先日のNFLドラフトで1巡目でデトロイトライオンズに指名されました。

そしてトランスファー選手を受け入れて開いた穴を埋めるというストラテジーは今オフも続いており、RBにはジョージア工科大からの転校生であるジャミアー・ギブス(Jahmyr Gibbs)が既に即戦力として期待されています。

そして前述のウィリアムスおよびジョン・メッチー(John Metchie III、現ヒューストンテキサンズ)の抜けた穴を埋めるべく今回トランスファー選手として受け入れたのが元ルイビル大WRタイラー・ハレル(Tyler Harrell)でした。

ハレルは40ヤードを4.24秒で走る俊足レシーバーでNFLでも期待のかかる逸材。ウィリアムスやメッチーといったトップレシーバーを失ったアラバマ大に取ってはまたとない補強選手と言えるわけです。

しかしこれに関してちょっとした疑惑が上がっています。

というのもアラバマ大はハレルがトランスファーポータルに自身の名を登録する前にコンタクトを取って勧誘していたのではないかというものです。

選手がトランスファーポータルに登録する前に他大学スタッフがその選手に接触することは固く禁じられており、このことを「タンパリング(Tampering、不正に交渉を行うこと)」と言います。

ルイビル大のスコット・サターフィールド(Scott Satterfield)監督はタンパリングが起きたことを確信しているようです。このことに関して質問されたサターフィールド監督は以下のように答えました。

「タンパリングは何もタイラー(ハレル)だけに対して行われたことではないと思います。昨年も何人かの選手がとランスファーポータル入りしましたが、その直後に転校先を決定しています。普通に考えれば誰かの根回しがなければこのような重大な決断を即決できるとは思えません。」

しかしセイバン監督はこの疑惑を当然否定。

「誰かが彼(ハレル)をタンパリングしたなんてことは私は知らない。これまで我々の選手が誰かにタンパリングされたことがあるかなんてことも分からない。(中略)だからこれまで他の誰かが我々の選手を不正に勧誘したかどうかを疑うこともしないし、個人的には世の中でタンパリングが起きているかどうかなんて知る由もない」

・・・と確かに否定はしていますが、セイバン監督のこれまでのリポーターとの受け答えを知っている人にしてみると、疑われている割にはあまりそれに対して感情を出していないようにも聞こえます・・・。

タンパリングはNCAAが厳しく監視してきた行為の一つですが、現在のトランスファーポータルの状況およびNIL(Name/Image/Likeness、肖像権を元手に選手がお金を稼ぐことが可能になったシステム)の横行により、このタンパリングが陰で行われているのではないかという疑惑は今回のケース以外でも目につくようになりました。

開いたロースターの穴を埋めるために経験値の高い転校生に目をつけ、他の大学よりも先回りして触手を伸ばすために不法にコンタクトを取り、転校生の決断を促すために巨額のNILディールを提示する、といった新たなカレッジフットボールのグレーエリアを見て取れます。

果たして今回のアラバマ大はシロかクロか?

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