ヘッドコーチに900万ドルという破格のサラリーを支払い、先日もアシスタントコーチ3人にそれぞれ100万ドルの年収を約束したというニュースをお届けしたばかりですが、羽振りがいいと思われていたミシガン大の財政事情は実はそこまで潤っていなかったらしいのです。
というのもなんとミシガン大体育局は総額2億4000万ドル(約268億円)の負債を抱えているというのです。
全米最大のスタジアムであるミシガンスタジアムを満員にするほどのチケットの売り上げ、卒業生やサポーターからの多大なる寄付金を誇るミシガン大ですらこれほどの巨額の赤字を記録してしまうのです。
この負債の主な原因は新施設の建設やミシガンスタジアムの改修工事にかかった費用が主なものです。これまでの流れで行けば2045年までにはこの負債は3億7100万ドルにまで膨れ上がる計算すら試算されています。とんでもない額ですが、現在カリフォルニア大が抱えている4億4500万ドルより少ないとされています。カレッジフットボール界の収入の額も凄まじいですが、赤字の数字もまた現実離れしています。
大学側は体育局が捻出する収入(チケット、メディア、グッズなど)でこの負債をなんとか帳消しにしようと躍起です。そして返済に関してはなんとか低い金利でやりくりできないか模索しているようです。
最近Big Tenカンファレンスは米スポーツ専門局ESPNと新たに6年間のメディア利権の契約を結びました。これにより既存するフォックススポーツとCBSスポーツとの契約も合わせて今後6年間カンファレンス所属チームに毎年1億8800万ドル(約210億円)が分配されることになりました。ミシガン大にとっては負債額返済に際しこの分配金は天からの恵みとも言えるものとなるでしょう。
しかしそれでも安心はできません。アメリカでは徐々にケーブルテレビを解約する家庭も増え、ストリーミングに依存するケースも増えつつあります。そうすればこのビジネス形態も崩れる可能性も無きにしも非ずです。もしそうなればミシガン大はフットボールの試合のチケットを値上げするプランも用意されているということです。
どちらにしても大学全体で21億ドル(2200億円!!)という頭が吹っ飛ぶほどの負債額を抱えているミシガン大としてはこれ以上負債額を増やすわけには行きません。先にイタリアに遠征するというどでかいプランをぶち上げたジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督ですが、果たしてこの遠征は実現するでしょうか?