6位:ダボ・スウィニー(Dabo Swinney)- クレムソン大
比較的若い(46歳)ヘッドコーチですが、地道なリクルーティングとそのパッションでクレムソン大を中の上レベルのチームから強豪チームにまで育て上げたのがダボ・スウィニー監督です。
昨シーズン悲願のナショナルタイトル獲得を目指してアラバマ大と熾烈な戦いをナショナルチャンピオンシップゲームで繰り広げたのはまだ記憶に新しいところですが、あまり知られていませんが、実はスウィニー監督はクレムソン大にアシスタントコーチとして就任するまでの2年間(2001年から2002年まで)、コーチ業を休業し不動産会社に転職していたのです。そんな一風変わった経歴の持ち主ですが、言わずと知れて彼のコーチとしての手腕は一級品です。
スウィニー監督をコーチングの世界へ引き戻したのが当時のクレムソン大ヘッドコーチ、トミー・バウデン(Tommy Bowden)氏でしたが、彼が辞任(事実上の解雇)した2008年に臨時ヘッドコーチとして指名されたのがスウィニー監督でした。翌年2009年には正式にヘッドコーチとして昇格する訳ですが、彼のクレムソン大での総合戦績は75勝27敗、カンファレンス(ACC)レコードは48勝14敗で2度カンファレンスチャンピオンに輝いています。ポストシーズンではボウルゲームでトータル5勝、そして前述の通り昨シーズンはナショナルチャンピオンシップゲームに進出しました。最近5シーズンでは全て二桁勝利でシーズンを終了。彼のベストイヤーとなった昨シーズンは14勝も挙げることが出来ました。クレムソン大は彼が就任するまではポテンシャルはあっても上位に位置する事は叶わない程度のチームでしたが、スウィニー監督の手腕でチームは今確実に強豪と呼ばれるチーム達の一員に数えられています。
スウィニー監督が育てた選手のうち34人はNFLへドラフトされ、うち5人は見事第一巡で選ばれています。そういった選手の育成の成功がリクルーティングにも還元され、近年では常にリクルーティングランキングでトップ5以内に食い込んで来ています。
また若い選手達の心をつかむのが非常に上手く、他のヘッドコーチ達が常に眉間にしわを寄せているのに対しスウィニー監督は常にポジティブでエネルギッシュな姿をメディアに余すところなく披露しています。この様に「この監督のためならプレーしたい」と思わせる事で選手のモチベーションは上がり、またリクルート達もクレムソン大進学を決意するのです。その割にクレムソン大選手が問題を起こしたと言うようなニュースはほぼ聞かないのでチーム内の統率はしっかりと取れていると予想出来ます。
昨年は惜しくも全米制覇を後一歩のところで逃したクレムソン大ですが、来シーズンも再びこの部隊に帰って来て雪辱を晴らしたとしても何ら驚きはしません。それぐらい彼らのポテンシャルは高いのです。それもこれもスウィニー監督の成せる技なのです。