ブリガムヤング大QBテイサム・ヒル(Taysom Hill)は高いポテンシャルを持ちつつも怪我に泣かされてきた苦労人です。NCAAから特別に6年目のプレー資格を与えられたヒルは、最後となる来季こそ怪我でシーズンを棒に振らない為なら何でもする覚悟でしょうが、その彼にナイキと言う最大最強のバックアップが就く事になりました。
ブリガムヤング大QBテイサム・ヒル
2014年度シーズン、ヒルは開幕からの4試合で975パスヤード(7TD)に463ランヤード(8TD)という数字を残し期待が高まるところでしたが、第5戦目のユタ州立大戦ですねの骨を骨折しシーズン絶望となりました。
怪我から復帰した2015年でしたが、今度は彼の体は1試合と持ちませんでした。初戦のネブラスカ大戦で今度は足首の骨を骨折し再びシーズンを棒に振ることになってしまったのです。
(もっと掘り下げれば1年生時にも膝の靭帯を断裂する大けがを負っています)
そんな怪我に次ぐ怪我で災難続きのヒルでしたが、その彼に目をつけたのがスポーツブランドの最大手、ナイキでした。ナイキはヒルの為にカスタム仕様の靴を作製し、彼の怪我防止をバックアップすることになったのです。
もっとも聞こえはいいですが、ナイキにしてみればヒルを実験台にして怪我を予防することが出来る靴を作れるかどうか研究したいわけです。しかしヒルにとってはまさに願ったり叶ったりな話な訳です。なによりあのナイキが自分だけの為にシューズを作ってくれるのですから。
ただ、ヒルは怪我が起きないよう最善を尽くしているばかりでもいられません。昨年彼が抜けた穴を完璧に埋めたターナー・マンガム(Tanner Mangum)と先発の座を巡るバトルを繰り広げなければならないからです。
とはいえ当の本人は四面楚歌という心情なわけではなさそうです。
「私はとにかく自分のもつ全てを出し切り、怪我への恐怖に打ち勝つ気持ちでいます。その上で仮にまた怪我が起きてしまったとしたら、それは仕方ありません。私はただプレーしたいだけなのです。プレーさえ出来れば今は「あれがしたい」とか「これがしたい」とか言う欲はありません。怪我の度に長いリハビリを余儀なくされプレーから遠ざかっていました。だから今はただ単純にプレーがしたいのです。試合時にスタジアムのフィールドでチームメイトとともにありたい。あの感じは何物にも代え難いものだからです。」とヒルは語っています。
正真正銘これが最後のシーズンとなるヒルですが、3度目の正直となるか、それとも2度ある事は3度あるとなるか・・・。願わくば前者のケースとなる事を祈るばかりです。