今年の秋学期から大学に進学する高校生たちがどの大学チームに入部するかを決断する日、「ナショナルサイニングデー(National Signing Day)」が間近に迫っています。高校生は契約書にサインすることでそのチームに正式にスカラシップ選手として加入する事になります。
ナショナルサイニングデーは年々その注目度が増してきていますが、それを発表する高校生たちの様子も年々その派手さを増しています。その多くは家族、学校関係者、コーチ陣を背後に従え、目の前に並べられた数々の大学のキャップの中から自分が進学すると決めたキャップを手にして大喜びするのです。
個人的にはナショナルサイニングデーの報道などはオーバーレーテッド(過大評価)されすぎだと思いますし、いくら5つ星リクルートだとしても喜ぶのは大学に入ってプレーできるようになってからだろ!と思ってしまうのでリクルーティングの話は全く興味ないのです。高校生のくせにハリウッドスターのようにちやほやされているのを見るのもなんだか違うような気がするんですよね。
実際現在もカレッジフットボールのニュースといえばリクルーティングの事ばかり。気づかれた方もいるかもしれませんが、このサイトでは「OOがどこの大学に決めた」とか「△△が行き先をXXに変えた」とか言ったリクルーティング関連のニュースはほぼ紹介していません。それはただ単に私にとって興味のないニュースだからに他ならないのですが、今回のニュースは「意気込みがすごいなー」と思ったので紹介させていただきます。
ミシシッピ州立大の本気度
ミシシッピ州出身の4つ星リクルートのWR、D.D.ボウィ(D.D. Bowie)は2015年10月の時点で既にミシシッピ大に進学する事を口頭ではありますが公表してきました。しかしそのミシシッピ大の州内ライバル・ミシシッピ州立大のダン・マレン(Dan Mullen)監督はライバルチームから彼らのナンバーワンリクルートを奪う気満々のようです。
ボウィは現在WRの中では全米20位にランクされ、トータルでも130位の選手に位置付けられています。
そんな彼は先週ミシシッピ州立大を訪問。そして今週末にはミシシッピ大を訪問し最終的な決断をする模様です。
そんな中、マレン監督は昨日(1月26日)なんとコーチ陣の大半となる合計8名のコーチを引き連れてボウィの通う高校へ表敬訪問したのです。たかだか17、18歳の高校生のために大の大人が8人も彼を訪れたというわけです。
リクルーティングはチーム強化には確かに非常に重要なポイントであります。ミシシッピ州立大コーチ陣はなんとしてもこのWRを心変わりさせて自らのチームに来てくれるように仕向けているわけですが、彼らの必死さが伝わって来るとともに、過激化するリクルーティングに対してただ苦笑いしかできない自分がいる事にも気づかされるのでした(笑)。