特別スケジュール
短縮スケジュール
通常ならば6月から自主トレーニングという名の必須トレーニングが8月初旬のキャンプインまでガッツリ行われ、8月からは3週間ほどのプレシーズンキャンプでみっちりと開幕までの準備を積むことが出来るのですが、このシーズンはコロナ禍の影響で選手たちは満足にトレーニングを積むことも出来ず準備不足は顕著でした。
またいざ開幕したとしてもコロナの影響でスケジュールに支障をきたすことは十分考えられており、いつものようにだらだらと長いこと選手たちをシーズンインさせておくことは好ましくないと考えられてきました。
特に大学のキャンパス内に一般学生たちが戻ってくれば人と人との密度は絶対的に高くなるわけで、そこから感染が広がることは想像に難くありません。この状況下での開幕は誰も経験したことがないわけで全ては手探り状態だったわけですから。
そんな中開幕を決めた各カンファレンスはそれに合わせてスケジュールを調整。もしクラスター感染が起きて試合を行うことが出来なかったときのために余裕をもたせる変則スケジュールが組まれました。通常ならば12試合のところをACCとBig 12は11試合、SECは10試合に減らしたのです。またACCとBig 12の開幕が第2週目だったのに対しSECは第4週目からの参戦。Big Ten/Pac-12の不参加からも分かるようにこの頃までには同じNCAA傘下のカンファレンスにも関わらず足並みが揃っていない感じがモロに出ていました。
カンファレンスオンリー
そして試合のマッチアップに関しても調整が見られました。中堅カンファレンス群である「グループオブ5」のアメリカンアスレティックカンファレンス、カンファレンスUSA、サンベルトカンファレンスは交流戦(ノンカンファレンス戦)を3〜4試合までのオプションとし、開催の是非は各チームに委ねました。
またACCとBig 12は交流戦を1試合に限定。さらにSECにおいては交流戦を廃止してカンファレンスオンリーの10試合スケジュールにすることを発表しました。
SECがカンファレンスオンリーの試合にしたことによりクロスカンファレンスのライバリー対決(宿敵対決)が開催不能となる事態が勃発。メジャーなところで言えばフロリダ大vsフロリダ州立大(ACC)、ジョージア大vsジョージア工科大(ACC)、ケンタッキー大vsルイビル大(ACC)、サウスカロライナ大vsクレムソン大(ACC)などの長年親しまれてきたマッチアップがキャンセルになってしまったのです。
またBig TenとPac-12カンファレンスが開幕を見送ったため、アイオワ大(Big Ten)vsアイオワ州立大(Big 12)、サザンカリフォルニア大(Pac-12)vsノートルダム大(独立校)などの著名なライバリーも連続開催記録に終止符が打たれることとなってしまいました。
ノートルダム大がACC所属に
この変則スケジュールによって多大なる影響を受けたのが独立校チームたち。彼らはどのカンファレンスにも属さず、他チームの交流戦の相手としてスケジュールを組んできたチームであり、多くのカンファレンスがカンファレンスオンリースケジュール、もしくは開幕を見送ったことにより彼らの対戦相手が軒並みスケジュールから消えてしまうという事態に陥りました。
その中でも特に大きな影響を受けたのが名門ノートルダム大。オリジナルのスケジュールにはSECのアーカンソー大、Big Tenのウィスコンシン大、Pac-12のスタンフォード大とサザンカリフォルニア大、ミッドアメリカンカンファレンスのウエスタンミシガン大が含まれており、少なくとも5試合に穴が空いてしまいました。
そこで彼らに手を差し伸べたのがACC(アトランティックコーストカンファレンス)。もともとノートルダム大はフットボール部以外のチームの多くはACCに所属しており、彼らとACCは親密状態にある上フットボールのスケジュールでも独立校ながら毎年ACC所属のチームとの対戦は多かったのです。オリジナルのスケジュールでもウェイクフォレスト大、ピッツバーグ大、デューク大、クレムソン大、ジョージア工科大と5つの対戦相手がACC所属チームでした。
そこで今年のみ特例としてノートルダム大がACCに所属となりカンファレンスタイトルゲームに出場することも許されることになりました。創部1887年以来一貫してどのカンファレンスにも属さない一匹狼を貫いてきたノートルダム大としては歴史的なニュースとなったのです。