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「伝統の一戦」【2021年度15週目レビュー】

「伝統の一戦」【2021年度15週目レビュー】

海軍士官学校17、陸軍士官学校13

カレッジフットボール界を代表するライバリーであるこの「陸軍士官学校(アーミー)vs海軍士官学校(ネイビー)」。レギュラーシーズンにおける本当の意味での最終戦となったこの試合は中立地であるメットライフスタジアム(NYジャイアンツ&NYジェッツの本拠地)で行われました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

直接対決の総合戦績は61勝53敗分けで海軍士官学校がリードしていますが、ここ最近では4年間で3回陸軍士官学校が勝利を挙げており、また今季は陸軍士官学校が8勝3敗のところ海軍士官学校は3勝8敗と負けが先行しているため今年の試合も陸軍士官学校が有利だと言われていました。

試合会場には陸海両士官学校生が制服に身を包んでスタンドを埋めるという壮大な光景。キックオフ前には戦闘機や軍用ヘリコプターがスタジアム直上を飛び交うなどこの伝統の一戦に華を添えました。

(実は住んでいる所がメットライフからそう遠くないため、この戦闘機が通過するのを実家から観ることが出来ました!)

いよいよ始まったこの試合、先制したのは陸軍士官学校。QBクリスチャン・アンダーソン(Christian Anderson)のQBキープで56ヤードのロングランTDが炸裂。アーミーが幸先のいい展開を見せます。

しかし海軍士官学校も黙ってはいません。相手に得点を許した直後のドライブ、ランと珍しいパスプレーで進撃したネイビーは敵陣8ヤードラインからQBタイ・ラヴァタイ(Tai Lavatai)がQBドロー。ゴールラインの直前で一瞬止められるも、味方選手の強力な後押しもあり見事ラヴァタイがエンドゾーンになだれ込み同点に。しかしこのプレーでラヴァタイは肩を負傷してしまいます。

リードを奪い返したい陸軍士官学校はうまいこと1stダウンを獲得しながら敵陣を目指します。QBアンダーソンのビッグプレーもありレッドゾーンに侵入しながらもエンドゾーンまではあと一歩及ばずFGを余儀なくされます。これでスコアは10対7。

第2Qに入るとお互いのディフェンスが奮闘してなかなか追加点が入りません。そんな折海軍士官学校は第2Q残り時間5分を切ったところで同点のチャンスとなるFGを試みますが、この53ヤードのロングトライは距離が足らずに失敗。しかし陸軍士官学校もこのミスFGによっていい位置からの攻撃となりましたが結局またもFGに落ち着き13対7というロースコアの僅差で前半を終えます。

ただ昨年の対戦では前半を終えた時点で0対0でしたし、過去3回の対戦でも第1Qの総合ポイントが14点だったことを考えれば今年の対戦では13対7でも点が入った方だと言えます。

先制点を奪った陸士QBアンダーソンは前半で148トータルヤードに1TDとチームのオフェンスの原動力に。一方不利だと言われていた海士もラヴァタイの活躍で相手に離されること無く食いついていくなどして中々均衡した試合展開になりました。

後半に入って先手を打ったのは海軍士官学校。第3Q10分を揃ったところで迎えた敵陣28ヤードライン。4th&4ヤードというシーンでトライを試みたネイビーはダブルリバースからWRチャンス・ワレン(Chance Warren)が右サイドをするするっと抜け出し2ヤードラインへ急襲。

このチャンスからQBラヴァタイが今季2個目のランTDを奪って遂に海軍士官学校がこの日初めてリードを奪います。

さらに次の海軍士官学校のドライブでは14回連続のランを9分かけて54ヤード進撃。TDはならなかったものの43ヤードのFGを決めてスコアを17対13とします。これはまさに士官学校ならではといえるドライブ。4thダウンでのフェイクパントも成功させるなどし、徐々にこの試合が海軍士官学校ペースであることが如実になっていきました。

結局これがファイナルスコアとなり3勝8敗で不利だと言われていた海軍士官学校が最後の最後にライバルの鼻を明かす大金星。試合終了間際には逆転を狙う陸軍士官学校の4thダウンを止めるなどしたディフェンスの大活躍で2年ぶりにライバルから白星を手に入れました。

4勝8敗となった海軍士官学校はボウルゲーム出場資格である6勝に届かないため今シーズンはこれで終幕。しかし負け越しシーズンが決定したとしてもやはり宿敵相手を倒して終わるのとそうでないのでは雲泥の差。それがライバリーというものなのです。

トリプルオプション好きの筆者としてはこの試合では思った以上それが使われることはなく、一方で想像以上に両校ともパスプレーを選んでいました(陸士16回、海士6回)。ラッシュヤードも両校とも200ヤードに届くこと無く、まさに同じスタイル同士のぶつかり合いの様相を呈していたわけですが、お互いの尊厳とプライドを掛けての激突を観ているとカレッジフットボールは全米制覇を狙うだけが全てではないと思い知らされ、その世界観の素晴らしさを再確認させられたのでした。

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