威風堂々【2020年度第13週目レビュー】

威風堂々【2020年度第13週目レビュー】

サンクスギビング(感謝祭)ウィークエンドだった第13週目のカレッジフットボールですが、普段ならこの週末は「ライバリーウィークエンド」と銘打たれ各地で多数のライバル同士の試合が行われるものです。しかしながらパンデミックの影響で今シーズンのスケジュールは大きく変則下されてしまい、そういった試合がこの週に行われなかったり、さらにはキャンセルや延期になってしまったりしてライバリーウィークエンドの独特の雰囲気は薄れてしまいました。

それでも全米随一とされるライバリーゲーム「アイロンボウル」が開催されたり、それ以外でもドラマやアップセットが多数見られました。そんな11月最後となった週末を振り返ります。

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The Game of the Week

アラバマ大42、アーバン大13

全米で最も知られているライバリー(もっともこれは場所によって意見は変わるでしょうが)と言われているアラバマ大とアーバン大の「アイロンボウル」。最近ではアラバマ大が常にトップ5にランクされた状態でこの試合を迎え、時にアーバン大に番狂わせを起こされてきました。昨年も勝てばSECタイトルゲーム進出という状況でこのマッチアップを迎えるもアラバマ大はアーバン大に逆転負けし、タイトルゲーム進出だけでなく5年連続出場していたCFP(カレッジフットボールプレーオフ)への道も絶たれてしまいました。

そのリベンジに燃えるアラバマ大でしたが、この日はQBマック・ジョーンズ(Mac Jones)が302パスヤードに5TD、WRデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith)がそのうち171ヤードを捕球し2TDを獲得するなど獲得するとディフェンス陣は相手に13点しか許さない鉄壁さを見せて42対13と圧勝。

この日6度の全米制覇を成し遂げた実績を持つニック・セイバン(Nick Saban)監督は新型コロナウイルスに感染してしまったためこの日は欠席。おそらく長いコーチングキャリアの中でも自身が指揮するチームをライブでTV観戦したのは初めてのことだったでしょうが、チームはセイバン監督不在でも勢いを緩めることなくライバルを圧倒。強豪ぞろいのSEC(サウスイースタン・カンファレンス)内でも抜群の強さを披露し続けています。

42対13という大差のスコアとなったのはアーバン大のガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督体制となってから2番目に大差となってしまった敗戦(2018年度の52対21が最も点差を付けられて負けた試合)となりました。

試合の方は開始からアラバマ大がジョーンズからスミスへの66ヤードTDパスを皮切りにアラバマ大が3連続TDパスを記録して一気に21対0と試合の主導権を握ると、その後もRBナジー・ハリス(Najee Harris)、WRジョン・メッチー(John Metchie III)らが次々とTDを奪い続け一度も振り返ることなく試合終了を迎え難なく8勝目をゲット。着実にCFP進出の道を歩んでいます。


トップ25

クレムソン大52、ピッツバーグ大17

新型コロナウイルスに感染してしまい10月24日以来実戦から離れていたQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)の復帰戦となったこの試合、一ヶ月以上ぶりというのにも関わらず403パスヤードに2TDとまったく錆びついた様子を見せなかったローレンスが今季最後となるホームゲームを大勝で飾りました。

テキサスA&M大20、ルイジアナ州立大7

全米5位のテキサスA&M大はディフェンディングチャンピオンのルイジアナ州立大と対決。この試合ではオフェンスが中々実力を発揮できずに攻めあぐみましたが、それを埋め合わせるようにディフェンスからの手助けを得て苦しみながらも6勝目を挙げてCFPへの望みを繋ぎました。

RBアイゼア・スピラー(Isaiah Spiller)がこの日141ヤードに1TDとオフェンスを引っ張るも前半を終えて13対0とリードしたテキサスA&M大オフェンスは後半無得点に沈みますが、LBバディ・ジョンソン(Buddy Johnson)がルイジアナ州立大QB T.J.フィンリー(T.J. Finley)のパスをインターセプトしてリターンTDするいわゆる「ピックシックス」で追加点。厳しい時でも勝利を物にできるところが今季のテキサスA&M大の強みでしょうか。

フロリダ大34、ケンタッキー大10

開幕当初からフロリダ大オフェンスを支えてきたQBカイル・トラスク(Kyle Trask)とTEカイル・ピッツ(Kyle Pitts)の「カイル&カイル」コンビが2週間ぶりに復活。この二人で3TDを量産し前半のスロースタートを払拭。34対10で5連勝目を飾りました

この日3つのTDを奪ったトラスクはこれで今シーズンのトータルTD数が34となり、同校のシーズン最多TD獲得数で2007年度のハイズマントロフィーである先輩のティム・ティーボ(Tim Tebow)氏を抜き、2001年に同じく34個獲得したレックス・グロスマン(Rex Grossman)氏と並んで3位タイに。狙うはティーボ氏と同じくハイズマントロフィー受賞者(1996年)であるダニー・ワーフェル(Danny Wuerffel)氏の35個(1995年)と39個(1996年)の記録のみ。レギュラーシーズンだけでも残り2試合で6TDで歴代最多記録を塗り替えることになりますから十分射程範囲にあると言えます。

ミシガン州立大29、ノースウエスタン大20

最新のCFPランキングで8位に食い込んできたBig Tenカンファレンスのノースウエスタン大。先週は強豪ウィスコンシン大から金星を獲得し波に乗る彼らはここまで1勝3敗と調子の出ないミシガン州立大に楽勝するかと思われていましたが・・・。

試合開始から17対0と一気にリードを広げたミシガン州立大を追撃するもノースウエスタン大は遂に追いつくことは叶わずまさかの敗北。今季初黒星を喫してしまいました。

この日まるで別人のようなミシガン州立大はノースウエスタン大オフェンスを制御。トータルオフェンスをたったの285ヤードに抑え込み、2つのファンブルと2つのパスINTと合計4つのターンオーバーを引き出し相手オフェンスに仕事をさせませんでした。

ノースウエスタン大は西地区で未だ首位を走っており彼らのカンファレンス優勝決定戦への道はまだ閉ざされてはいませんが、痛い敗戦であることに変わりはありません。

ジョージア大45、サウスカロライナ大16

CFPランキング9位のジョージア大はここまでたった2勝と苦しいシーズンを送るサウスカロライナ大と対戦しこれを45対16で一蹴。この日が2試合目となったQB J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)は先週の400ヤードゲームとは打って変わって139ヤードに2TD、1INTとさえませんでしたが、RBジェームス・クック(James Cook)とザミアー・ホワイト(Zamir White)の二人がそれぞれ2つずつTDを奪ってダニエルズの不調を埋め合わせ大量得点に貢献。

サウスカロライナ大はこの日新型コロナウイルスの影響で約20人が出場不可能となり、さらに2週間前にウィル・ムスチャンプ(Will Muschamp)監督が解雇されると直後に複数の選手がオプトアウトしてチームを離脱するという厳しい現実に直面。その手負いの相手だったとは言え、45点を奪ったジョージア大はその力の差を見せつけてくれました。

インディアナ大27、メリーランド大11

先週オハイオ州立大との激戦に敗れて遂に今シーズン初の黒星を喫したインディアナ大。しかし彼らはその敗戦の影響を微塵も感じないパフォーマンスでメリーランド大をしっかりと料理して27対11で勝利。1敗を守りました。

この日も今季のインディアナ大快進撃の影の立役者であるディフェンス陣が相手から3つのターンオーバーを奪う活躍を見せてタウリア・タガヴァイロア(Taulia Tagovailoa)率いるメリーランド大オフェンスに仕事をさせずにゲームの流れを常に自分たちに引き込みました。

心配されるのはオフェンスの顔であるQBマイケル・ペニックス(Michael Penix Jr.)が第3Qに脚に怪我を負って負傷退場したこと。トム・アレン(Tom Allen)監督は試合後の会見で来週のウィスコンシン大との大一番にペニックスが出場できるかどうかまだわからないと話すに留めました。

オハイオ州立大が現在新型コロナウイルスのクラスター感染に苦しんでいる中、仮に彼らが今週末の試合を開催できないような事態が起きれば彼らはカンファレンスタイトル出場の最低条件である6試合開催が不可能になります。そうなれば東地区2位のインディアナ大にも奇跡的なチャンスが巡ってくる可能性もあります。そのためにはインディアナ大はもう2度と負けられないわけで、そのためにもペニックスが出場できるかどうかは死活問題となるのです。

オクラホマ州立大50、テキサス工科大44

オクラホマ州立大はスターRBチュバ・ハバード(Chubba Hubbard)に加え2番手のL.D.ブラウン(L.D. Brown)を怪我で欠く中このテキサス工科大戦を迎えましたが、3番手のRBであるデズモン・ジャクソン(Dezmon Jackson)が自身キャリアハイとなる235ヤードに2TDを獲得してこのハイスコアゲームを制するのに貢献しました。

テキサス工科大は試合時間残り2分を切ったところで6点差にまで迫りましたが、オンサイドキックが無情にもアウト・オブ・バウンドとなり万事休す。この勝利でオクラホマ州立大はBig 12カンファレンス優勝決定戦出場への夢を繋ぎました。もっとも2位を走るオクラホマ大に直接対決で敗れているため、オクラホマ大があと2試合(ベイラー大&ウエストバージニア大)で1敗しなければなりませんが・・・。


その他

ペンシルバニア州立大27、ミシガン大17

ここまで5連敗で創部以来最悪のチームという汚点を背負うことになってしまったペンシルバニア州立大ですが、同じく今季苦しむミシガン大相手にとうとう今季初白星。ジェームス・フランクリン(James Franklin)監督や選手らはまずは安堵の表情が浮かびました。

先週ラトガース大戦にOTの末勝利したミシガン大はその勢いのまま絶不調のペンシルバニア州立大を倒して勝率を五分に戻したいところでしたが、そのラトガース大戦で光るプレーを見せたQBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)は肩の怪我もあり冴えずたったの99パスヤードに沈みました。ジョー・ミルトン(Joe Milton)も登場しはしましたが、どちらのQBもミシガン大オフェンスに息を吹き込むまでには至りませんでした。

相手がラトガース大だったとはいえエモーショナルな勝利を得たミシガン大はそのモメンタムをこの試合に活かすことが出来ず、今季開幕時から厳しい避難を浴びてきたジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督には再び激しい向かい風が吹き荒れそうです。

ワシントン大24、ユタ大21

前半21対0と最悪な立ち上がりとなったワシントン大でしたが、後半オフェンスが息を吹き替えし破竹の24連続得点で試合残り時間30秒というところでQBディラン・モリス(Dylan Morris)からケイド・オットン(Cade Otton)へのパスTDが決まって大逆転。開幕後無傷の3連勝目を飾りました。

これで金曜日にオレゴン大が敗れたためにワシントン大が北地区首位に躍り出ました。最終戦の直接対決が見ものです。

UCLA27、アリゾナ大10

UCLA就任3季目となるチップ・ケリー(Chip Kelly)監督はここまで周囲の期待に沿う結果を残せてこれませんでしたが、先々週カリフォルニア大戦に勝ち、先週オレゴン大に惜敗するなど今季はいつもと違うという雰囲気を醸し出していました。そして先週も対戦したアリゾナ大戦を27対10で退け今季2勝2敗と勝率を5割に戻すことに成功。

このアリゾナ大戦ではRBデメトリック・フェルトン(Demetric Felton)が自身最高となる206ヤード(1TD)という活躍を見せてオフェンスを牽引。またディフェンス陣はこの日2つのQBサックを奪いこれで今季12つ目を記録。これはPac-12カンファレンスでトップとなる数字。そのディフェンスの善戦もありアリゾナ大にオフェンスに仕事をさせず3連敗目をお見舞いしました。

残る試合はあと2試合。今年勝ち越しレコードを収めることができれば2014年以来の快挙となります。

ミシシッピ大31、ミシシッピ州立大24

エッグボウル」という愛称で知られるこのライバリーゲーム。今年はミシシッピ大にレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督、ミシシッピ州立大にマイク・リーチ(Mike Leach)監督という全米を代表するオフェンスに秀でたコーチらを新たに迎えた対戦となり個人的には注目していた試合でした。

試合の方はミシシッピ大QBマット・コラル(Matt Corral)が第1Qに奪った2TDを元に得た14点差を覆されることなくミシシッピ大がそのまま逃げ切り31対24でミシシッピ大が勝利。キフィン監督とリーチ監督の初顔合わせはキフィン監督に軍配が上がりました。

これでミシシッピ大は同一カード連敗記録を2でストップ。特に昨年のマッチアップでは悪名高い「Ole Piss」事件によりまさかの敗戦を喫したこともあり今年の勝利はそのリベンジということにもなります。その事件の張本人だったWRイライジャ・モアー(Elijah Moore)は今年139パスヤードと活躍し昨年の汚名を挽回しました。

ベイラー大32、カンザス州立大31

ここまで5連敗で苦しいシーズンを送ってきたベイラー大ですが、カンザス州立大戦では試合終了と同時に決勝のFGが決まって土壇場での逆転勝利。今季2勝目を挙げることに成功しました。

昨年オクラホマ大と熾烈なタイトルレースを演じたベイラー大はその立役者となったマット・ルール(Matt Rhule)監督がカロライナパンサーズの新HCに就任するためにチームを去り、新監督には昨年までルイジアナ州立大でディフェンシブコーディネーターを務めていたデイヴ・アランダ(Dave Aranda)監督が指揮を執ってきましたが、パンデミックの影響もあり開幕以来出遅れていました。

そのオクラホマ大との死闘を演じたQBチャーリー・ブリュワー(Charlie Brewer)も今年で4年生ですが、この試合では39投中31投のパスを成功させ2TDを含む349パスヤードを記録する活躍。特に逆転を狙う最後のドライブでは4連続パスを成功させて決勝となるFGをお膳立てしました。

コロラド大20、サンディエゴ州立大10

今週の注目の一戦として筆者が選んだのがコロラド大とサザンカリフォルニア大の試合でしたがサザンカリフォルニア大部内でコロナ感染者が続出してこの試合がキャンセルに。そこでコロラド大は同じく試合がキャンセルになってしまって対戦相手を失っていたサンディエゴ州立大と急遽試合をすることを決定しました。

スカウティングなど下準備もままならないまま迎えたこの試合、コロラド大は今季快調の原動力でもあるディフェンスがこの日も冴え、ピックシックスで点を取られた以外は相手オフェンスをたった1つのFGに抑え勝利。これでコロラド大は3戦全勝。今年1年目のカール・ドレル(Karl Dorrell)監督の予想外の快進撃は続きます。

コースタルカロライナ大49、テキサス州立大14

全米20位のコースタルカロライナ大はテキサス州立大と対戦してこれを49対14と一蹴。未だ9 勝0敗と無敗を守りサンベルトカンファレンス東地区優勝を決めました。

FBS(フットボールボウルサブディビジョン)に昇格してまだ3年目の彼らはこの日572ヤードを奪う猛攻を見せて相手を圧倒。昨シーズンから数えると10連勝目を飾りました。

これで6連敗目となったテキサス州立大ですが、この日は先週銃弾に倒れた2年生DBカンブレイル・ウィンターズ(Khambrail Winters)を追悼するために試合前に黙祷。彼のためにも勝利を捧げたいところでしたがそれも叶いませんでした。

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