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Judgement Saturday【2021年度第12週目レビュー】

Judgement Saturday【2021年度第12週目レビュー】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

オハイオ州立大56、ミシガン州立大7

全米4位のオハイオ州立大が全米7位のミシガン州立大をホームに迎えたこの大一番。勝ったほうがBig Tenカンファレンス東地区の優勝レースのみならずカレッジフットボールプレーオフ(CFP)進出レースで生き残ることになり、どちらのチームにとっても負けられない試合となったのですが・・・。

全米トップクラスのパスオフェンスを持つオハイオ州立大に対するミシガン州立大のパスディフェンスはなんとFBS(フットボールボウルサブディビジョン)内でビリの130位ということで完全ミスマッチなのは目に見えていたのですが、それがそのまま試合開始から如実に表れてしまいました。

オハイオ州立大は試合開始から7ドライブ連続で7連続TDを獲得。その原動力となったのは1年生QB C.J.ストラウド(C.J. Stroud)。彼のこの日のパフォーマンスは神懸かっており、第1Qだけで17投中16投のパスを成功させ稼いだパスヤードはなんと241ヤードに3TD。前半を終わった時点でスコアは49対0で結果的には56対7とトップ10チーム同士の試合とは思えない一方的な試合となりました。

ストラウドは35投中ミスしたパスがたったの3投。合計432ヤードに6TD(0INT)とし、オハイオ州立大の1試合最多TD数タイ記録を獲得。末恐ろしい1年生です。これで混沌とするハイズマントロフィーレースでストラウドが一歩抜きん出た感じです(後述のアラバマ大の試合も参照)。

ミシガン州立大はハイズマントロフィー候補RBケネス・ウォーカー・III(Kenneth Walker III)が不発。というか彼はこの試合でたったの6回しか走らせてもらえず、稼いだヤードは25ヤードで今季最小ヤード。得点力で劣るミシガン州立大はウォーカーを中心としたランゲームでポゼッションゲームに持ち込むかと思われましたが、それを試みすらしない展開に少々驚かされました。

これでオハイオ州立大は10勝1敗で東地区優勝へまた一歩近づきました。そしていよいよその行方は今週末行われる永遠のライバル・ミシガン大(10勝1敗)との直接対決に持ち込まれることになり、このビッグゲームは近年稀に見る注目される試合となること請け合いです。


ユタ大38、オレゴン大7

全米3位のオレゴン大はタフな敵地のユタ大に乗り込んで10勝目を狙いに行きましたが、逆に返り討ちに合い痛い2敗目を喫してしまいました。

この日のオレゴン大は立ち上がりからユタ大のフィジカルフットボールに押されまくり前半を終えた時点で28対0と大幅に出遅れてしまいました。攻撃陣はファーストダウンを中々奪えず、ディフェンス陣はユタ大の攻撃を止められず、スペシャルチームはフィールドゴールを2つもミスするなど、すべての面でユタ大に劣り全米3位チームの面目丸つぶれ。オハイオ州立大戦での勝利を盾に全米3位まで上り詰めましたが遂にここに来てボロが出てしまいました。

オレゴン大は最終戦でライバル・オレゴン州立大との対戦を残しており、これに勝てばPac-12カンファレンス北地区優勝チームとして南地区覇者のユタ大との再戦が待っています。そこでリベンジを決めることができれば昨年に続き今年も彼らがカンファレンスチャンピオンとなります。が、CFP進出はほぼなくなり3位まで上り詰めていたことを考えるとこのユタ大戦での敗戦は悔やんでも悔やみきれません。

アラバマ大42、アーカンソー大35

全米3位のアラバマ大は同21位のアーカンソー大と対決。アラバマ大は予想外にアーカンソー大に追いすがられますがなんとか振り切って10勝目を獲得。またこの勝利で彼らがSEC(サウスイースタンカンファレンス)西地区制覇を成し遂げ既に東地区を制しているジョージア大との優勝決定戦が正式に決定しました。

この日のアラバマ大を支えたのはQBブライス・ヤング(Bryce Young)。ハイズマントロフィー最有力候補の一人でもあるヤングはこの試合でトータル559ヤードに5TDを獲得。この559ヤードというのはアラバマ大史上1試合最多パスヤードの新記録。既述のオハイオ州立大のQBストラウドも同日にビッグナンバーを記録しており、ハイズマントロフィーはこの二人の争いとなってきました。

ただアラバマ大ディフェンスは相変わらずパスディフェンスの弱さを見せており、この試合でもアーカンソー大QB K.J.ジェファーソン(K.J Jefferson)に326ヤードに3TDも奪われるなど苦戦。またオフェンシブラインも相手ディフェンスにQBサックを4つも食らうなどし、ジョージア大と対戦するに当たって多くの課題を露呈しました。

シンシナティ大48、サザンメソディスト大14

未だ全勝中のシンシナティ大(全米5位)は同じAAC(アメリカンアスレティックカンファレンス)所属のサザンメソディスト大(SMU)と対戦。SMUはここまで8勝2敗ということで激戦が期待されていましたが蓋を開けてみればシンシナティ大の完勝。11勝無敗でレギュラーシーズン1試合を残してAAC優勝決定戦進出を決めました。

シンシナティ大QBデスモンド・リダー(Desmond Ridder)は投げては274ヤードに3TD、走っても46ヤードに1TDさらにはトリックプレーからのレシーブでも1TDと大車輪の活躍。大外からながらハイズマントロフィーの最終候補の座を掴むには十分なパフォーマンス。

またチームとしてもここまで無敗ながら中堅カンファレンス群「グループオブ5」出身のチームとして彼らのここまでのシーズンの評価が割れていました。しかしこのSMU戦でそのネガティブな声を払拭するかのような圧倒的なスタイルでの勝利でシンシナティ大の真の力を疑う輩の数を減らすことができたのではないでしょうか。

ミシガン大59、メリーランド大17

全米6位のミシガン大メリーランド大と対戦。前半から格の違いを見せ続けたミシガン大は第3Q中盤までに31対3と大差をつけてリードを奪うとその後もTD並びにピックシックス等で点差を広げ終わってみれば59対17と大勝。

今シーズンのミシガン大はランヘビーなオフェンスでここまで勝ち上がってきましたが、このメリーランド大戦ではQBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)とWRドノヴァン・エドワーズ(Donovan Edwards)の活躍が目立ちマクナマラは259ヤードに2TD、エドワーズは170レシーブヤードに1TDと効率的なエアーアタックを披露。ミシガン大オフェンスがランだけではないことを見せてくれました。

これで来週のレギュラーシーズン最終戦となるオハイオ州立大戦は10勝1敗同士のライバル対決となり、早くもワクワクが止まりません。ミシガン大のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督はここまで一度もオハイオ州立大から白星を奪えていませが、今年のチームは今までの中で一番オハイオ州立大を倒せるポテンシャルを秘めているという評価の高いグループ。果たしてこれまでの雪辱をミシガン大が晴らし、1997年以来のBig Tenタイトル獲得、更には史上初のCFP出場まで突っ走ることが出来るでしょうか?

ノートルダム大55、ジョージア工科大0

ここまで9勝1敗で全米8位につけているノートルダム大ジョージア工科大と対戦し、スコアをご覧いただければおわかりいただける通り完全完封勝利。文句ない形で最終戦を迎えることになりそうです。

開幕当初はQBを3人のローテーションで起用するなど自分たちのアイデンティティを模索しているようにも見えたノートルダム大。しかし最近はウィスコンシン大からの転校生であるジャック・コーン(Jack Coan)が落ち着きを取り戻してしっかりと仕事をこなすことが出来るようになりました。それに比例するようにオフェンスは安定。このジョージア工科大戦ではランでトータル212ヤード、パスで合計302ヤードと非常にバランスの取れた堅実なフットボールでチーム力の向上が大いに確認できるようになりました。

ノートルダム大は独立校(無所属)なため、残されたレギュラーシーズンの試合は今週末のスタンフォード大のみ。この試合で勝つのは当然なため、CFP出場に少しでも近づくにはスタンフォード大を完膚無きまでに倒して現在の強いノートルダム大を世間にアピールしなおかつ上位チームが転がり落ちてくるのを待つ他ありません。

オクラホマ州立大23、テキサス工科大0

現在Big 12カンファレンス内において1敗で首位を走るオクラホマ州立大(全米9位)は先週テキサス工科大と対戦。持ち前の強固なディフェンス力で相手を完封するとオフェンス陣は3つのFGと2つのTDで大量得点とはいかなかったものの相手を下すには十分なスコアで10勝目を上げました。この勝利でオクラホマ州立大は史上初となるBig 12カンファレンス優勝決定戦進出が決定しました。

オクラホマ州立大が完封勝利するのは1997年以来24年ぶりのこと。ここ最近は4試合で奪われたオフェンシブTDがたったの1つということでいかに彼らの躍進ぶりがディフェンスの活躍によるものであるかが分かると思います。

このチームに唯一心配の種があるとすればQBスペンサー・サンダース(Spencer Sanders)。テキサス工科大戦でこそ239ヤードに1TDといい数字を残せましたがパス成功率は5割そこそこ。特に安定したQBという印象も無いため、強力なディフェンスを持つ相手と対戦した時にどれだけの働きをしてくれるかがキーポイント。ディフェンスがいくら強くても点を獲れなければ勝つことはできませんから。

オクラホマ大28、アイオワ州立大20

全米13位のオクラホマ大アイオワ州立大と激突。オクラホマ大QBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)はこの日パサーとしてはパッとしなかったものの(87ヤード、1TD、1INT)、74ヤードのランTDやマリオ・ウィリアムス(Mario Williams)への11ヤードパスなどで2TDに絡むパフォーマンス。迫りくるアイオワ州立大をなんとか1TD差で退けることに成功しました。

この勝利でオクラホマ大は10勝1敗。そして前述の通り今週末のレギュラーシーズン最終戦は同州内ライバルであるオクラホマ州立大とのライバリー、いわゆる「ベッドラムシリーズ」が控えており、この試合に勝てばBig 12カンファレンス優勝決定戦出場が決定、負けてベイラー大がテキサス工科大に勝つとカンファレンス優勝決定戦欠場となるだけでなく、CFP出場権もおそらく剥奪されてしまうでしょう。そういった意味では今週末の「ベッドラムシリーズ」が今までに例を見ないほどの注目を浴びることになるでしょうね。

Elsewhere…

クレムソン大48、ウェイクフォレスト大27

全米10位のウェイクフォレスト大クレムソン大と対決。いつもならプレーオフレースで常に上位争いを行っているクレムソン大ですが今年は既に3敗を喫しておりランクすらされていませんでした。しかしこのウェイクフォレスト大戦では眠れる獅子ならず猛虎が目を覚まし怒涛の48得点でウェイクフォレスト大を圧倒。またクレムソン大はこのカードの連勝記録を13に伸ばしました。

ウェイクフォレスト大はこれでACC(アトランティックコーストカンファレンス)大西洋地区において6勝1敗ですが未だに2位のクレムソン大に1ゲーム差をつけており、今週末のボストンカレッジ戦に勝てば大西洋地区代表として海岸地区代表のピッツバーグ大とACCタイトルを賭けて劇とすることになります。CFP出場は夢と消えましたがACCタイトルを取れればウェイクフォレスト代にとっては大変意味のあるシーズンだったと胸を張ることが出来るでしょう。

ウィスコンシン大35、ネブラスカ大28

15位のウィスコンシン大ネブラスカ大(3勝7敗)の挑戦を受けましたが、ネブラスカ大に最後まで追撃を受ける展開となりましたがなんとかこれを振り切り7連勝目を挙げました。これでウィスコンシン大は最終戦のミネソタ大に勝てばBig Ten西地区優勝。負けてもアイオワ大がネブラスカ大に敗れればウィスコンシン大のタイトルゲーム出場が決まります。

ネブラスカ大はまたも僅差での敗退。今季の8敗すべて10点差以内ということであとひと押しあれば全く違ったシーズンレコードになっていたかもしれないということで個人的にはぜひ応援してあげたくなるチームの1つです。

テキサス大サンアントニオ校34、アラバマ大バーミンガム校31

今季ここまで残っている3チームの無敗チームの1つであるテキサス大サンアントニオ校(UTSA)は所属するカンファレンスUSAで西地区で首位争いをしていたアラバマ大バーミンガム校(UAB)と対戦。試合はシーソーゲームな展開になりますが、最後はUTSAが試合残り2秒で逆転となるTDを決めて土壇場で勝利を収めて無敗を守りました。

31対27でリードされたUTSAは試合残り時間2分を切ったところでディフェンスが踏ん張りUABにパントを余儀なくされます。自陣23ヤードからの攻撃となったUTSAはそこから電光石火の進撃でUAB陣内へ急襲。最後はQBフランク・ハリス(Frank Harris)がバッドスナップをなんとか持ち直してオスカー・カーデナス(Oscar Cardenas)へパスを放ちこれが見事に成功。奇跡的な逆転劇で無敗を維持したのです。

フロリダ州立大26、ボストンカレッジ大23

フロリダ州立大は一時26対3と大量リードを奪うも後半ボストンカレッジの猛攻を許して3点差まで攻め寄られますがなんとか逃げ切って5勝目を挙げました。これで最終戦のライバル・フロリダ大戦で勝てば6勝目となりボウルゲーム出場権利を獲得。フロリダ大はダン・マレン(Dan Mullen)監督を解雇したばかりでこれはフロリダ州立大にはチャンスかも。

マイアミ大38、バージニア工科大26

ジャスティン・フエンテ(Justin Fuente)監督を解雇されたばかりのバージニア工科大マニー・ディアス(Manny Diaz)監督が解雇されるかも知れないと噂されるマイアミ大との試合はQBタイラー・ヴァン・ダイク(Tyler Van Dyke)の357ヤードに3TDという活躍でマイアミ大に軍配が上がりました。これでディアス監督のクビは繋がったか?

ウエストバージニア大31、テキサス大23

名門テキサス大はこのウエストバージニア大にも負けてこれで今季6連敗目。これは1956年に8連敗した時以来の記録です。そしてこの敗戦で7敗目となりテキサス大が持っていた僅かなボウルゲーム出場の夢も砕け散りました。

UCLA62、サザンカリフォルニア大33

どちらもロサンゼルスにキャンパスを構える、ご近所同士のライバリー対決はUCLAが63点という大量得点でサザンカリフォルニア大に大勝。長く続くこのライバリーの歴史上この63得点はどちらのチームにしても最高得点。勝者に贈られる「ビクトリーベル」をUCLAはホームに持ち帰ることができました。

またこの試合ではQBドリアン・トンプソン・ロビンソン(Dorian Thompson-Robinson)がTD直後にファンの帽子にサインをするシーンが見られイエローフラッグを食らう場面も🤣

ミズーリ大24、フロリダ大23

ミズーリ大フロリダ大の試合はオーバタームへ突入。先攻のフロリダ大はQBエモリー・ジョーンズ(Emory Jones)のTDパスで先制。後攻のミズーリ大もRBタイラー・バディ(Tyler Badie)のランTDを決めますがここでイーライ・ドリンクウィッツ(Eli Drinkwitz)監督は2ポイントコンバージョンのギャンブルに打って出ますがこれが見事に成功。ミズーリ大がホームで名門フロリダ大を倒しました。

試合後にはドリンクウィッツ監督がスターウォーズに出てくるライトセイバーを手にして会見に登場。これは以前フロリダ大のダン・マレン監督がミズーリ大戦勝利後の記者会見にダースベーダーの仮装で出席したことへのオマージュだったのです。

一方この敗戦で5勝6敗となってしまったフロリダ大。2週間前にはディフェンシブコーディネーターおよびオフェンシブラインコーチを解雇して流れを変えたかったマレン監督ですがチーム内情は好転の兆しを見ることができず、試合後の日曜日にとうとうマレン監督は解雇されてしまいました。

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