真打登場【2020年度第8週目レビュー】

真打登場【2020年度第8週目レビュー】

今季第8週目の週末は待ちに待ったBig Tenカンファレンス並びにマウンテンウエストカンファレンスが開幕。大御所カンファレンスの参戦とあり期待がかかりましたが、その期待に十分答えてくれる試合が続出。そんな試合が増えたおかげでレビュー記事を書く筆者も嬉しい悲鳴をあげております(笑)。

ここではそんな8週目に行われた試合の中から気になった試合を厳選して振り返ってみたいと思います。

ネブラスカ大

17

オハイオ州立大

52

J.フィールズ(オハイオ州立大QB) 
276ヤード、2TD(1ランTD)

G.ウィルソン(オハイオ州立大WR) 
129ヤード、1TD

A.マルチネス(ネブラスカ大RB) 
105ヤード(85ランヤード、1TD)

全米5位のオハイオ州立大はホームにネブラスカ大を迎えて今季開幕戦を開催。10万人以上動員可能なオハイオスタジアムがほぼ無観客という非現実的な状況の中、全米5位らしく相手を粉砕。開幕前から試合がないのに5位ということに対して起きていた疑念を払拭させてくれました。

試合の方はネブラスカ大が前半予想外に奮闘。オハイオ州立大がランゲームを構築できずに攻めあぐむ中、QBエイドリアン・マルチネス(Adrian Martinez)のQBランが効果的に決まってハーフタイム時には24対10とまだまだ試合はわからないという点差でした。

しかし後半に入ると次第に両チームのタレントの差が出てきます。特にオハイオ州立大QBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)はさすが昨年のハイズマントロフィーファイナリストだけあるプレーを披露。21投中20投のパスを成功させ2つのTDを奪えば、スクランブルから並みいるディフェンダーを俊足で交わしてTDを奪うなど活躍。8週遅れの参戦ながら彼のうプレーには一寸のサビも見ることは出来ませんでした。

ただランゲームには一抹の不安を覚えました。この日のリーディングラッシャーはQBフィールズの54ヤードであり、オクラホマ大からの期待の転校生トレイ・サーモン(Trey Sermon)やマスター・ティーグ(Master Teague III)はそれぞれ50ヤードに満たない数字しか残せませんでした。

また彼らのランディフェンスも相手に210ヤードの許したようにまだまだ実戦経験の少なさが目立ちましたが、この辺は試合をこなしていくなかで調整されていくのかなと思います。

どちらにしてもまずはオハイオ州立大がトップ10チームであることが証明された試合であり、今後このようなスコアの試合が続いていくようならば当然CFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出候補としてその存在感を見せることが出来るでしょう。

シラキュース大

21

クレムソン大

47

T.ローレンス(クレムソン大QB) 
289ヤード、2TD、1INT

T.エティエン(クレムソン大RB) 
86ランヤード、3TD

全米1位のクレムソン大はランク外のシラキュース大とホームで対戦。しかしここで思わぬ苦戦を強いられ一時は27対21と1TDで逆転されるという点差までに縮められました。が、第4QにRBトラヴィス・エティエン(Travis Etienne)の2つのランTDが炸裂して点差を広げて「もしかしてアップセットもあるかも・・・」というファンの不安を取り除きました。 ハイズマントロフィー最有力候補のQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)はパス成功率62%と今季中では最低の数字を残し、ヤード数も289ヤード、TD数は2つ、INTパスも1つ犯すなど彼らしくない試合でしたが、そんな中チームをプッシュしたのはディフェンスと上記のRBエティエン。 転機は第3Q終了直前。27対21で全米1位チームからリードを奪う絶好のチャンスを得たシラキュース大でしたが、QBレックス・カルペッパー(Rex Culpepper)がファンブルしたボールをクレムソン大のアンドリュー・ブース(Andrew Booth Jr)がリカバーして21ヤードのリターンTD。このプレーが試合の流れを変える結果となり、第4Qのエティエンの2つのTDランにつながっていきます。 ここまで1勝しか挙げていないシラキュース大に手こずったことは驚きでしたが、長いシーズンの中そんな試合が起きることも不思議ではありません。そんな中でもしっかりの最終的にはダブルスコアで勝利を収めたところにクレムソン大の強さを見ることが出来ました。
アラバマ大

48

テネシー大

17

M.ジョーンズ(アラバマ大QB) 
387ヤード(1ランTD)

N.ハリス(アラバマ大RB) 
96ヤード、3TD

J.メッチー(アラバマ大WR) 
151ヤード

アラバマ大とテネシー大のライバリーは毎年10月の第3土曜日に行われることから「The 3rd Saturday in October」と呼ばれます。コロナの影響でスケジュールが変則となり今年はこのライバリーは10月第4週目に行われましたが、アラバマ大が宿敵を圧倒。対テネシー大連勝記録を14に伸ばしました。

QBマック・ジョーンズ(Mac Jones)は試合開始から17投連続パスを成功させアラバマ大の新記録を達成。4試合連続の400ヤード超えはなりませんでしたが、相変わらずの落ち着きと正確なディープボールを投げる能力でチームの勝利に貢献しました。

しかしこの試合でもっとも特筆すべきはアラバマ大のスターWRジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)が試合開始のキックオフリターンで足首を負傷して退場処分となったことです。

タックルされた際に右足首が相手選手の体に巻き込まれているのが見えますが、ワドルはそのままスタジアムから病院へ直行。そして残念ながら足首の骨折のせいで手術を余儀なくされ今シーズンの復活は絶望的となってしまったのです。

アラバマ大オフェンスは今季全米随一のパワーを誇っていますが、その一角を担っていたのがワドル。来季のNFLドラフトには早期エントリーすると予想されており、その際には第1巡目候補となる可能性が高いことを考えるとこの怪我は大打撃です。

チームにはデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith)やジョン・メッチー(Jone Metchie)といった非常に能力の高いWRが健在ではありますが、やはりワドルの戦線離脱は大打撃と言わざるを得ません。何よりも彼ほどのダイナミックなプレーヤーの姿を見れなくなることが残念です。

ノートルダム大

45

ピッツバーグ大

3

I.ブック(ノートルダム大QB) 
312ヤード、3TD、1INT(2ランTD)

B.スコロネック(ノートルダム大WR) 
107ヤード、2TD

ルイビル大との試合ではたったの12点しか奪えず、全米3位にランクされながらもその実力が不安視されていたノートルダム大でしたが、先週末のピッツバーグ大との試合ではオフェンスが爆発。45対3と圧勝で今季5勝目を挙げ面目を保ちました。

QBイアン・ブック(Ian Book)はガッツあるプレーと脚力でチームを引っ張ってきましたがパサーとしての能力に疑問が残っていました。しかしこの日はWRベン・スコロネック(Ben Skowroneck)に2本の長いパスTDを放るなどフィールドをいっぱいに使う器用さを見せ、彼らの能力を疑う目を払拭しました。

しかしながら今季限定とは言えACC所属チームである以上避けて通れないのがクレムソン大との対戦であり、現時点ではノートルダム大がクレムソン大に太刀打ちできるだけの材料をまだ見せてはいません。今後もオフェンスのチューンアップは欠かすことは出来ないでしょう。

17 
アイオワ州立大

21

オクラホマ州立大

24

S.サンダース(オクラホマ州立大QB) 
235ヤード、1TD、2INT

C.ハバード(オクラホマ州立大RB) 
139ヤード、1TD

10月3日以来3週間ぶりの実戦となったオクラホマ州立大。その間他のチームに黒星がついたことであれよというまに全米6位にまで上昇。その彼らが今季これまでで最もタフな相手であるアイオワ州立大をホームに迎え撃ちました。

オフェンス力ばかりが目立ってディフェンスの存在感が薄いのがBig 12カンファレンスチームの特徴とも言えますが、そのトレンドに逆らうようにオクラホマ州立大を今支えているのは彼らの守備陣。この試合でもアイオワ州立大を21失点に抑え、ここまで3TD以上の失点を犯していません。

オクラホマ大とテキサス大が既に2敗しアイオワ州立大との直接対決も制したことでオクラホマ州立大がBig 12カンファレンス優勝決定戦に出場する道がまた一歩近づきました。いよいよ今年こそ2011年度以来のカンファレンスタイトルを手にすることが出来るでしょうか?

ペンシルバニア州立大

35

インディアナ大

36

M.ペニックス(インディアナ大RB) 
170ヤード、1TD、1INT

S.クリフォード(ペンステート大QB) 
238ヤード、3TD、2INT

今季ここまで行われてきた試合で最もエキサイティングであり疑惑のエンディングとなったのがこのペンシルバニア州立大とインディアナ大の試合でした。

全米8位のペンシルバニア州立大は終始インディアナ大にリードを奪われる展開。数字的には彼らのほうがインディアナ大を上回っていましたが、TDに結びつかない時間が長く続きました。

しかし試合終了まで残り2分30秒でQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)の60ヤードパスTDが決まって土壇場で遂に21対20とリードを奪います。後のないインディアナ大は自陣レッドゾーン内で4thダウンコンバージョンを失敗。残り1分47秒でペンステートに攻撃権が移り万事休す・・・かと思われました。

ペンステートはこのまま時間を潰して試合終了を待てばいいだけでした。しかし何を思ったのかRBデヴィン・フォード(Devyn Ford)がファーストプレーでTDランを決めてしまいます。この時点でスコアは28対20、残り時間は1分42秒も残ってしまったのです。

このチャンスを見事モノにしたインディアナ大は自陣25ヤードラインから怒涛の進撃を見せ残り22秒でQBマイケル・ペニックス(Michael Penix)が1ヤードのTDランを決め、彼が2ポイントコンバージョンも成功させてギリギリ同点に追いつきます。ペンステートは試合終了時に57ヤードのロングFGを狙いますがこれが届かず試合はオーバータイムへ。

ペンステートの先行で始まったOTはクロフォードのパスで先制。スコアは35対38となります。後攻のインディアナ大の攻撃ではペニックスからワップ・フィルヨー(Whop Philyor)へのバックショルダーパスTDが決まってこの時点でスコアは35対34。PATでFGを蹴れば同点で2度目のOT突入となりますが、失うものはなにもないインディアナ大のトム・アレン(Tom Allen)監督はここで一か八かの2ポイントコンバージョンに打って出ます。

そしてその運命のプレー、スナップを受けたQBペニックスはレシーバーがカバーされていると見るやすかさずスクランブル。目指すは左サイドのゴールラインにあるゴールラインマーカー。ペニックスは右手に握ったボールをこれほどかというほどに突き出してダイブ。そのボールはマーカーをかすめて弾かれますが、ラインズマンの判定はTD。この際どいプレーは当然ビデオ判定に持ち込まれますが、長い判定の結果このTDが認められ36対35という劇的なエンディングを迎えたのです。

ご覧いただいても分かるように賛否両論分かれるプレーですが、フィールド上の判定がTDである以上ビデオ判定でこの判定が覆るにはそれ相応の材料が必要なわけで、今回は際どいプレーながらTDという判断を覆すほどの証拠が無いとビデオリプレーが決断したのです。

ペンシルバニア州立大としては悔やんでも悔やみきれない試合ですが、全米8位チームであればいかにインディアナ大でも無難に勝利を挙げられたはずですからそれが出来なくてOTに持ち込まれたという事実は受け止めなくてはなりません。

しかしやはりそれよりも獲得しなくても良いTDをとってしまい、そのことでインディアナ大に同点となる機会を与えてしまったというのが大きかったともいますが、これはジェームス・フランクリン(James Franklin)監督らコーチ陣の落ち度と言わざるを得ません。

この週末のプレビュー記事で「インディアナ大に対して油断したらやられる」というようなことを書きましたが、まさにそれが的中してしまった形になりました。この敗戦で来週のオハイオ州立大との試合の重要さが下がってしまうことになりますが、ペンステートは早くも開幕2週間でシーズンが終わってしまうという瀬戸際に立たされることになってしまいました。

シンシナティ大

42

16 
サザンメソディスト大

13

D.リダー(シンシナティ大QB) 
パス:126ヤード、1TD ラン:179ヤード、3TD

S.ビューシェル(サザンメソディスト大QB) 
216ヤード、1TD、1INT

グループオブ5」勢の二大勢力とも言えるシンシナティ大(9位)とサザンメソディスト大(16位)同士の戦いは予想を裏切ってシンシナティ大が42対13と圧勝。トップ10入りチームの意地を見せて4勝目を挙げました。

ここまで3試合しかプレー出来ずしかも対戦相手が格下ばかりだったシンシナティ大は、このSMU戦にて真価が問われるとあり注目が集まりましたが、攻守ともに相手を圧倒。特にQBデスモンド・リダー(Desmond Ridder)が足で179ヤードに3TDと荒稼ぎ。投げても1TDを獲得して大車輪の活躍を見せてSMUディフェンスを料理。

SMUはスターWRレジー・ロバーソン(Reggie Roberson Jr.)とRB T.J.マクダニエル(T.J. McDaniel)が怪我で今季戦線離脱してしまったことがやはり大きく響きましたが、FGをミスしたりコーチ陣のクロックマネージメントに疑問が残ったりとチーム全体的に見てシンシナティ大のほうが一枚も二枚も上でした。

これでシンシナティ大はグループオブ5勢代表としてニューイヤーズ6ボウルゲームの1つに出場する切符にまた一つ近づきました。

18 
ミシガン大

49

21 
ミネソタ大

24

J.ミルトン(ミシガン大QB) 
パス:225ヤード、1TD | ラン:52ヤード、1TD

H.ハスキンズ(ミシガン大RB) 
82ヤード、2TD

T.モーガン(ミネソタ大QB) 
197ヤード、1TD、1INT

R.ベイトマン(ミネソタ大WR) 
101ヤード

Big Tenカンファレンス開幕初日からランク同士のマッチアップとなったミシガン大(18位)とミネソタ大(21位)の戦い。下馬評ではランキングがミシガン大のほうが上にも関わらず多くのエキスパートはミネソタ大の勝利を予想していました。それはミシガン大QBジョー・ミルトン(Joe Milton)の能力が未知数だったからにほかありません。

2年生(レッドシャツ)のミルトンはこの試合がミシガン大でデビュー戦。実戦経験もなくアウェーでさらに摂氏0度以下という厳しい環境ともなれば誰でも彼が苦戦すると思うでしょうが、序盤からその疑念を振り払う活躍。投力もあり機動力も申し分なくミシガン大オフェンスを牽引。スタッツ以上の貢献度を披露してチームを勝利に導きました。

また元々強力で有名なディフェンス陣もこの日ミネソタ大オフェンスを326ヤードに抑える見事な守備っぷり。ミルトンはジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督が自らリクルートし育て上げた秘蔵っ子でしたが、遂にハーボー監督の目指すオフェンスを体現してくれるQBを手に入れた・・・かも。それと同時に今年2年目となるオフェンシブコーディネーターのジョシュ・ガティス(Josh Gattis)氏のシステムが板についてきたということも言えるかもしれません。

まだ1試合しか行われていませんが、ここまで名門復活を託されながら燻り続けてきたハーボー体制下のミシガン大が遂に大きなことをやらかしてくれるかも・・・と思わせてくれるには十分な試合展開でした。

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