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最新ランキングを分析【2020年度第9週目】

最新ランキングを分析【2020年度第9週目】

Big Tenカンファレンスマウンテンウエストカンファレンスがようやく開幕した第8週目を終え、10つあるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)のうち8カンファレンスがシーズンインしたことになります。

開幕までの8週間の間試合がなかったのにも関わらずBig Tenカンファレンスからは5つのチームがランキングトップ25入りしていましたが、シーズン初戦を経て彼らの実力が少しずつ分かってきたような気がします。もちろん彼らにとって見てはまだ1試合であり多いチームでは既に7試合を消化していますから、今後試合数を重ねていくにつれて先陣を切っていたチームとの力の差がどの程度なのかはっきりとしてくるでしょう。

そんな8週目を経て発表された最新のAPランキングトップ25の顔ぶれを見ていきたいと思います。

参考ページ2020年度シーズンランキング【第9週目】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

トップ10

1位はまたしてもクレムソン大。彼らはシラキュース大という格下チームと対戦しましたがここで思わぬ苦戦。ファイナルスコアは47対21とダブルスコアの差をつけましたが、いつもならば前半で勝負をつけるところシラキュース大には予想外に粘られました。しかしそんな状況でもしっかりと結果を残すところは流石です。

2位のアラバマ大はテネシー大に快勝しましたが、スターWRジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)が足首の骨折のため今季絶望的に。チームには未だ強力な武器が揃ってはいますが、唯一無二の存在だったワドルを失ったことは大打撃。今後CFPを目指しナショナルタイトルを奪い返す上で彼の欠場がどう響くか注目されます。

3位には先週5位から2つ順位を上げたオハイオ州立大。開幕戦となったネブラスカ大ではQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)が評判通りの素晴らしいプレーでオフェンスの軸となりました。まだ1試合しか消化していないためなんとも言えませんが、ここまでクレムソン大とアラバマ大の2大勢力という構図が出来上がっていましたが、ここにオハイオ州立大が第三のチームとして食い込んでくるだけの力は十分持ち合わせていそうです。

4位のノートルダム大はオハイオ州立大に順位で追い抜かれたものの、先週のピッツバーグ大戦で45対3と圧倒的な力を見せつけてファンの不安をある程度拭い去ってくれました。引き続き彼らと上位チームとの差は離れているように感じますが、とにかくノートルダム大としては勝ち続け11月7日のクレムソン大戦にすべてを掛けることがCFP出場への唯一の道だと見て間違いないでしょう。

5位には先週4位のジョージア大。先週試合がなかった彼らの今週の相手はケンタッキー大。そしてこの試合の後にフロリダ大とのライバリー対決が待ち受けます。アラバマ大に既に負けてしまってはいますが、彼らの目標はまず所属するSEC東地区を制してカンファレンス優勝決定戦でアラバマ大とのリマッチを実現させることです。

6位のオクラホマ州立大は先週アイオワ州立大に24対21で辛勝しこれで開幕後4連勝。同じBig 12カンファレンス所属のオクラホマ大とテキサス大は既に2敗を喫し、アイオワ州立大にも勝ったことで現在のところ彼らがカンファレンス優勝決定戦出場に最も近いチームと言えます。が、毎年必ずと行っていいほどコケなくてもいいところでコケてしまうのがオクラホマ州立大の悪い癖。そういった意味では今週末のテキサス大戦は見ものです。

7位には「グループオブ5」カンファレンス群からの刺客、シンシナティ大が先週9位から更に順位を上げてきました。先週のサザンメソディスト大戦では手負いとは言え相手を42対13と圧倒。今後メンフィス大、ヒューストン大、セントラルフロリダ大とリーグ内の強豪が待ち受けており一筋縄ではいかないスケジュールではありますが、「グループオブ5」勢がここまでランキングを上げてくることは相ありませんから、ここは是非シンシナティ大に勝ち進んでもらってシーズン終盤のCFP出場チームの選考プロセスに絡んでいってほしいですね。

8位は先週試合がなかったテキサスA&M大が7位から1つ順位を下げました。今週末はSEC内でちょっとした旋風を巻き起こしているアーカンソー大との対決。これまでと違い戦える集団に見事生まれ変わったアーカンソー大を侮ることは出来ません。テキサスA&M大は同じ西地区のアラバマ大に既に敗れているため、万が一にもSECタイトルゲームに駒をすすめるためにはもう二度と敗れることは許されないのです。

9位には先週14位から一気にトップ10入を果たしたウィスコンシン大。先シーズンまでの先発QBジャック・コーン(Jack Coan)が10月に足の手術を受け今季欠場となったことで出番が回ってきたグラハム・マーツ(Graham Mertz)が先週のイリノイ大戦で21投中20投のパスを成功させ5つのTDを奪うという大活躍でセンセーショナルなデビュー戦を飾りました。が、週末に彼がコロナウイルスに感染したことが判明。この結果が覆らないとなると彼はルールで21日間の出場禁止処分となり、彼の検査結果に全ウィスコンシン大ファンの視線が注がれることになりそうです。

そして10位には3週連続となるフロリダ大。彼らは先々週にチーム内でコロナのクラスター感染が判明してチーム活動を休止し先々週のルイジアナ州立大の試合も延期となっていました。今週月曜日からようやく練習が再開されるということでこの約2週間の自主隔離の処置が今後どんな影響を及ぼすか気になるところです。


11位〜15位

今週11位には先週12位だったブリガムヤング大がさらに1つ順位を上げて上昇。ここまで格下相手ばかりとの対戦とは言え破竹の6連勝中。残り試合4つの中で唯一手強そうなのは再来週のボイジー州立大ですが、このスケジュールでも10勝0敗となればCFP進出は現実的に見て無理だとしてもトップ10入りを果たすことは十分可能ですし、そうなればここ数十年の間で見ても彼らにとっては最高のシーズンとなります。シンシナティ大と合わせてぜひとも行けるところまで行ってほしいものです。

12位にはACCのマイアミ大です。最高7位まで上昇したもののクレムソン大に惨敗して順位を落として以来彼らの話題は出なくなりましたが、その1敗を守ってここまで5勝を挙げて12位まで復活してきました。目指すはACC2位の座を取り付けてクレムソン大との再戦を成し遂げることです。

先週18位から13位に大きく飛躍してきたのはミシガン大。先週多くのアンノウンを抱えたまま開幕戦となったミネソタ大戦を迎えましたが、新QBジョー・ミルトン(Joe Milton)が将来性の高いパフォーマンスでミシガン大オフェンスに新たな息吹を吹き込み、また常々強力だったディフェンスも健在で開幕前の評価を大きく上回る実力を備えたチームであることが明らかに。やはりミシガン大のような名門チームが強いほうがカレッジフットボールは盛り上がりますから、彼らにはこのまま突き進んで宿敵オハイオ州立大との最終戦に備えてもらいたいものです。

14位にはPac-12カンファレンスのオレゴン大。Pac-12並びにミッドアメリカンカンファレンスは再来週開幕となり、この終盤での彼らの参戦がカレッジフットボール全体にどんな影響を及ぼすのか正直見えてきませんが、まずは彼らの開幕を待って実際の試合を見るまでは14位辺りという評価のままで十分なのでしょう。

そして15位にはノースカロライナ大。フロリダ州立大にまさかの敗戦を喰らいましたが、先週のノースカロライナ州立大戦では再び得意のランオフェンスが爆発。相手がたったの34ランヤードだったところノースカロライナ大は326ヤードと大暴れ。またディフェンスも相手から合計4つのターンオーバーを引き出し、彼らの存在感を再び見せつけてくれました。今後ノートルダム大、マイアミ大との対戦を控えており、彼らがACCタイトル戦に出場する可能性は十分残されています。

16位以下

16位以下で注目したいのはまず17位のインディアナ大。先週彼らは当時8位のペンシルバニア州立大と対決。オーバータイムの末おそらく今季を振り返った時に最も記憶に残った試合と思い返されることになる劇的なエンディングで大金星を挙げました。この結果インディアナ大が圏外からのランクイン。彼らがトップ10チームから白星を奪ったのは1987年以来ということですから、以下にこのペンステート戦での勝利が偉業であったかが分かると思います。実際彼らが17番目に強いチームなのかどうかは定かではありませんが(苦笑)、彼らはそれに見合うだけの偉業を成し遂げたのです。

そのペンステートは順位を18位まで大きく下げましたがその後ろの19位には未だ無敗のマーシャル大、さらにその後続には同じく無敗のコースタルカロライナ大(20位)がつけています。Big Tenカンファレンスが参戦したことで中堅カンファレンス出身の彼らがディスられてランクを落とすかと心配されましたが、見事にランキングをしっかりと上げてきました。もちろん今後1敗しただけで彼らはランク外に蹴落とされてしまうでしょうが、その日が来るまで(もちろん来ないほうがいいのですが)現在の勢いを十二分に楽しんでほしいですね。

ここ2週間ランキングから遠ざかっていたオクラホマ大が24位にランクされてトップ25に復活。おそらく実力的にはもう少し上でも良さそうですが、さすがに既に2敗してしまっているのでひとまずランキングに戻ってこれたことを良しとしておくべきでしょう

そして25位にはマウンテンウエストカンファレンスのボイジー州立大。彼らは長く「グループオブ5」の強豪チームとして知られてはいますが、ユタ州立大を倒して1勝しただけでランク入りを果たせたのは、投票者たちが「マウンテンウエストカンファレンスも開幕したのだから1チームぐらいトップ25入りさせてあげよう」と彼らに票を入れたからなのではないかなんて勘ぐってしまいます(笑)。

圏外脱落チーム

一方先週敗北してランキングから転落したチームが3チームあります。

1つ目のチームは先週19位だったバージニア工科大。楽勝と思われたウェイクフォレスト大戦ではQBヘンドン・フッカー(Hendon Hooker)が3つもINTパスを放って撃沈。せっかくの上昇気流も水の泡となってしまいました。

2つ目のチームはミネソタ大。彼らは上記のミシガン大と対戦して49対24で大敗。彼らの敗戦の一因としては先発RTとRG、キッカー、パンター、リターナーが欠場するという手薄な布陣だったことが挙げられますが、昨シーズン11勝を挙げた原動力となったQBターナー・モーガン(Tanner Morgan)の不調が大きく響きました。

3つ目のチームはノースカロライナ州立大。先週今季初ランクインを果たしましたが、その矢先に州内ライバルのノースカロライナ大に返り討ちにされてあっけなく圏外へ消えてしまいました。

総評

Big Tenカンファレンスの参戦により多少停滞気味だったランキングの動向に新たな動きが見られました。特にオハイオ州立大、ウィスコンシン大、ミシガン大の3チームは今後CFP選考プロセスの上で議論に絡んでくるのに十分な力を持っていることが今の所証明され、今後の展開に大きな期待を持たせてくれました。

現状ではクレムソン大とアラバマ大の二巨塔という構図は崩れませんが、今週末に行われるペンシルバニア州立大との試合でオハイオ州立大が確かな勝利を手に入れることができればこの3チームとその他1つの椅子を奪い合うという勢力図が出来上がりそうです。そうなると第4の椅子争いは熾烈です。ノートルダム大、ジョージア大、オクラホマ州立大が次点チームとなるわけですが、それ以外にもウィスコンシン大、ミシガン大、そしてフロリダ大といった面々がしのぎを削る事になり、11月直前でようやく群雄割拠な状態が出来上がってきました。

コロナウイルスの脅威と隣合わせとならなければならない状態は変わりませんが、Big Tenおよびマウンテンウエストカンファレンスの参戦が今シーズンの楽しみを増加させてくれたことは間違いありません。

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