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Real Deal【2025年度第7週目レビュー】

Real Deal【2025年度第7週目レビュー】

第7週目のカレッジフットボールではトップランクチーム同士の試合が多数あった影響で、どのチームが勝ったとしても順位に変動が出てくるという、緊張感に満ちた週末になりました。そしてそのどれもが見応えたっぷりの良ゲームばかりで、見る者を大いに楽しませてくれたのです。

そんなドラマいっぱいの第7週目の主な試合を簡単に振り返ります。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#7 インディアナ大 30、#3 オレゴン大 20

第7週目の注目の一戦、全米3位のオレゴン大が同7位のインディアナ大をホームに迎えましたが、結果は予想を覆し、インディアナ大がオレゴン大を破るアップセットを成し遂げました。

試合の方はモメンタムが入れ替わる白熱した展開に。オレゴン大の攻撃で始まった前半、彼らは自陣46ヤードであるにもかかわらず4thダウントライを行いますがこれがインディアナ大の好守により失敗。そしてこのチャンスをしっかりとインディアナ大が活かしFGを決めて先制します。

しかしオレゴン大も負けじと反撃。QBダンテ・モアー(Dante Moore)からWRマリク・ベンソン(Malik Benson)への44ヤードのロングパスプレーが炸裂しリードを奪います。

ただインディアナ大もすぐさまこれに対応。自陣25ヤード地点から5分を費やしたドライブを展開すると、最後はRBローマン・ヘンビー(Roman Hemby)のランTDが決まって再びリードを奪い返します。

第2Qはお互いのディフェンスが踏ん張りあり、それぞれFGを1本ずつ決めるだけの拮抗したクォーターとなり、スコアを13対10と僅かのインディアナ大のリードでハーフタイムを迎えます。第3Qに入っても点が入らない時間が続きますが、オレゴン大がなんとかFGを1本決めて同点に。しかしその直後にインディアナ大も動きます。再び自陣25ヤードからの進撃となりましたが、これを9プレー約5分という、パスとランをうまく織り交ぜたバランスの良い攻撃とオレゴン大のパスインターフェアレンスの反則にも助けられ、相手陣内に切り込むと最後はヘンビーのこの日2つ目のランTDでインディアナ大が再びリードを奪います。

7点差のリードを守ったままいよいよ第4に突入したインディアナ大ですが、この日ここまで的確な判断力と正確なパスでオンフェンスを引っ張ってきたQBフェルナンド・メンドーザ(Fernando Mendoza)のパスがオレゴン大DBブランドン・フィンニー・Jr(Brandon Finney Jr)にインターセプトされ、これをフィンニー・Jrが35ヤードのリターンを決めて「ピックシックス」。終盤にオレゴン大が再び試合を振り出しに戻し、黄色に染まったオーツェンスタジアムのオレゴン大ファンの大歓声が響き渡りました。

このプレーでモメンタムがホームのオレゴン大へ一気に流れていくかと思われましたが、ここで折れなかったのがインディアナ大。その返しの攻撃でも自陣奥深くからの攻撃となりましたが、オレゴン大ディフェンスに臆することなく相手陣内へと急襲。そして12プレー約6分半のドライブの後、メンドーザからWRイライジャ・サラット(Elijah Sarratt)への8ヤードの絶妙なバックショルダーのTDパスが決まってインディアナ大が残り時間6分半でリードを奪い返します。

残り時間のことを考えるとここでスコアを決めておきたいオレゴン大でしたが、ここでモアーが痛恨のパスインターセプション。さらにインディアナ大がFGを決めてリードを10点差にして後がなくなったオレゴン大でしたが、モアーのパスをアイゼア・ジョーンズ(Isaiah Jones)がピック。事実上このプレーがオレゴン大の逆転のチャンスを潰し、見事インディアナ大がアウェーという厳しい環境の中で貴重な白星をゲットしたのでした。

昨年驚きの快進撃を見せ、CFP(カレッジフットボールプレーオフ)にまで出場したインディアナ大でしたが、昨年は「一発屋」としての一時的な成功でしかないと感じていた多くの声を掻き消すように今年もここまで無敗でやってきましたが、全米3位のオレゴン大を敵地で破るということをやってのけ、カート・シグネッティ(Curt Cignetti)監督の手腕が確かなものであることを証明しました。

オフェンス面ではカリフォルニア大からの転校生QBメンドーザが水を得た魚の如く、アウェーでのやりづらさを感じさせない軽快なプレーで相手ディフェンスを翻弄し215ヤードに1TDを記録。またWRサラットが8キャッチに121ヤードのレシーブと活躍。特に8回中6回がファーストダウン獲得となるキャッチとなり、クリティカルな場面でのプレーメーカーぶりを存分に見せつけてくれました。

またディフェンスもこの日得点力の高いオレゴン大を大いに苦しめ、相手QBモアーに計6つのサックをお見舞いし、試合終盤には試合を決定づけたといってもいいパスインターセプションを2つも決めるなど活躍。また後半はオレゴン大のトータルオフェンスヤードをたったの60ヤードに抑え込むなど、ダイナミックなオレゴン大オフェンスを完全に黙らせました。

そんなインディアナ大に抑え込まれたオレゴン大攻撃陣はオフェンスTDがたったの1つにトータルが267ヤードと沈黙。インディアナ大の強力なラッシュにOL陣は押し込まれ、モアーは試合全般でプレッシャーを受け続けるという、少し前だったら考えつかないような光景が映し出されていました。

この敗戦でオレゴン大はここまで続いていた、全米最長だったホームゲーム連勝記録が18でストップ。またレギュラーシーズン限定で続いていた連勝記録も23でストップしてしまいました。一方のインディアナ大ですが、ここまで創部史上APランキングトップ5チームとの通算戦績が1勝72敗と散々で、しかも最後にトップ5チームに勝って以来46連敗という状況で迎えたオレゴン大戦。ここで見事大勝利を手中に収め、この悪しきサイクルに終止符を打ったのでした。

その他の主な試合結果

#8 アラバマ大 27、#14 ミズーリ大 24

全米8位アラバマ大と14位のミズーリ大のSECチーム同士の激突は、27対24という僅差でアラバマ大が勝利を収めるという激戦となりました。試合は終始シーソーゲームで、ミズーリ大がキックオフ後のドライブでTDを決め先行するも、アラバマはすぐさま対応。17対10で前半を折り返しました。しかし、ミズーリ大は第3Q開始早々、アラバマ大QBタイ・シンプソン(Ty Simpson)へのストリップサックからのファンブルリカバーをTDにつなげ、17対17の同点に追いつく粘りを見せました。

この緊迫した展開を破ったのは、第4Qのシンプソンのクラッチパフォーマンスです。ミズーリ大は賭けに出てフェイクパントをするも失敗。その直後にアラバマ大はすかさず攻勢に出るドライブを開始。この中でシンプソンは、4th&8ヤードという土壇場の場面でロズィアー・ブルック(Lotzeir Brooks)への29ヤードパスを成功させ、さらに4th&ゴールというシーンからはRBのダニエル・ヒル(Daniel Hill)に1ヤードのTDパスを通し、27対17とリードを広げました。ミズーリ大も残り時間わずかでTDを奪い追い上げましたが、フレッシュマンDBのディジョン・リー・Jr(Dijon Lee Jr.)が試合を締めくくるインターセプトを決め、アラバマ大がミズーリ大のホーム連勝記録を15でストップさせました。

この接戦の最大の勝因は、アラバマ大が披露したクリティカルな状況での圧倒的な決定力にあります。アラバマ大は18回中9回の3rdダウントライを成功させ、そして終盤の重要な4thダウンでは全て成功させる完璧なパフォーマンスを見せました。対照的に、ミズーリ大は3rdダウン成功率が低く(11回中1回)、ドライブを最後まで維持するのに苦慮しました。また、アラバマ大はポゼッションタイムを38分33秒と大幅にコントロールし、ミズーリ大の攻撃のチャンスを効果的に潰したのも効果があったように思えます。守備面では、ミズーリ大の全米屈指のランナーであるアーマド・ハーディ(Ahmad Hardy)をわずか52ヤードに抑え込んだことも大きな勝因。

一方ミズーリ大は、QBボウ・プリヴュラ(Beau Pribula)による終盤のインターセプトや、失敗に終わったフェイクパントのギャンブルなど、わずかなミスの積み重ねが僅差な試合での敗北につながったと言えるでしょう。

なお、アラバマ大にとっては、RBジャム・ミラー(Jam Miller)が脳震とう(Concussion)で途中退場したことが、今後の懸念材料として残りました。

テキサス大 23、#6 オクラホマ大 6

カレッジ界を代表するライバリー、「レッドリバー・ライバリー」は、テキサス大が全米6位のオクラホマ大に対し、23対6で勝利を収めるというアップセット。試合は前半ロースコアの守備戦となり、6-3とオクラホマ大がリードしてハーフタイムを迎えますが、前半終了間際にオクラホマ大がエンドゾーン内で痛恨のインターセプトを喫し、これがテキサスに流れを変えるきっかけを与えます。

テキサス大は後半開始直後のドライブで、アーチ・マニング(Arch Manning)からデアンドレ・モアー・Jr(DeAndre Moore Jr.)への12ヤードTDパスで逆転に成功します。ここからテキサス大が完全に試合の主導権を握り、ディフェンスはオクラホマ大を後半無得点に抑え込む奮闘を見せました。そして試合を決定づけたのは第4Q、ライアン・ニブレット(Ryan Niblett)による75ヤードのパントリターン・タッチダウンであり、これによりリードは20-6に拡大し、勝利を確実なものとしたのでした。

この勝利の立役者は、何といってもテキサス大のディフェンス。彼らは全米6位のオクラホマ大をわずか6得点、さらにラン獲得ヤードは48ヤードに抑え込み、試合全体で3回のターンオーバー(全てインターセプト)を引き出すことに成功。オフェンスでは、QBマニングがインターセプトなしで27回中21回のパスを成功させ、166ヤードを獲得する無駄の少ないパフォーマンスを見せました。

一方オクラホマ大は、トータルヤードが258ヤードに留まり、TDを奪うことができず撃沈。親指の手術から復帰したQBジョン・マテアー(John Mateer)も3つのインターセプトを喫し、テキサス大の強力なパスラッシュ(5サック、11回のTFL)に苦しめられリズムを掴めず痛い黒星。ライバルに負けてしまっただけでなく、SEC戦さらにはCFPレースにおいてこの敗戦は大きく響きそうです。

#1 オハイオ州立大 34、#17 イリノイ大 16

Big Tenカンファレンス戦おいて非常に重要となった、全米1位のオハイオ大が17位のイリノイ大を34対16で破り、伝統の「イリバック・トロフィー」の防衛に成功しました。

この試合を決定づけたのは、他ならぬオハイオ州立大の守備陣でした。彼らはイリノイ大から3つのターンオーバー(インターセプト1回、ファンブル2回)を奪い、さらにスペシャルチームでのミスも誘発し、これらによってオハイオ州立大の合計34得点のうち、24点(ターンオーバーから21点)がディフェンスから献上されたわけです。またオハイオ州立大の守備は、今シーズンここまで未だTDを奪われておらず、開幕以来の連続記録も維持。

またオフェンスは、ジュリアン・セイイン(Julian Sayin)の卒のないプレー(19/27、166ヤード、2TD)と CJ・ドナルドソン・Jr(C.J. Donaldson Jr)の2つのTDランで、守備が作った好機を着実に得点に結びつけ、勝利を確実なものとしました。

一方、イリノイ大はトータルヤード(295ヤード)でオハイオ州立大(272ヤード)を上回ったにもかかわらず、ルーク・アルトマイヤー(Luke Altmyer)の今季初インターセプトやストリップサックによるファンブルなど、らしからぬミスが致命的となり、前半20対3という大きなリードを許してしまったのが響きました。

この結果、オハイオ州立大は無敗を維持し盤石な流れを継続。そしてイリノイ大にとってはこれで2敗目となりのプレーオフ争いへの道は厳しくなりました。

#4 ミシシッピ大 24、ワシントン州立大 21

全米4位のミシシッピ大がホームにワシントン州立大を迎えた試合は、予想と打って変わって24対21というわずか3点差での辛勝となり、ミシシッピ大は危うく番狂わせを逃れました。

圧倒的有利とされていたミシシッピ大でしたが、試合序盤はワシントン州立大のトリックプレーでのTDを許すなどスロースタートに苦しみ、フィールドゴール失敗やペナルティといったミスが目立ちなかなかスコアリングドライブを演出できせんでした。しかし後半に入ると、QBトリニダード・チャンブリス(Trinidad Chambliss)が3つのTD(パス2、ラン1)を挙げる活躍に加え、キャリアハイの142ヤードを記録したRBキーワン・レイシー(Kewan Lacy)の安定したランニングゲームによって体勢を立て直し、辛うじて勝利を引き寄せました。

敗れたワシントン州立大は、QBゼヴィ・エクハウス(Zevi Eckhaus)が218ヤード、2TDと冷静なプレーを見せ、DLアイザック・テレル(Isaac Terrell)が2サックに4TFLを記録するなどディフェンス陣の奮闘もあり、大穴の予想を覆して全米トップチームであるミシシッピ大と互角に渡り合えることを証明しました。

ミシシッピ大のレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督は「国内で84位のチームのようなプレーだった」と試合後の記者会見で憤慨していましたが、勝ったとはいえ圧倒できなかったのは次戦のジョージア大戦を前にして気の緩みが出たのかもしれません。

#5 テキサスA&M大 34、フロリダ大 17

全米5位のテキサスA&M大フロリダ大の一戦は、テキサスA&M大QBマーセル・リード(Marcel Reed)がパスで1TD、ランでも1TDを見せる活躍を見せ、そして第2Q以降は相手にたったの3点しか許さなかった強力なディフェンスのおかげもあり、テキサスA&M大が34-17で勝利を手に入れ無傷の6連勝としました。

テキサスA&M大ディフェンスはフロリダ大を3rdダウンコンバージョン率を10回中わずか1回の成功という驚異的な数字に抑え込み、これはSEC戦にて相手チームの直近33回のトライのうちわずか2回のコンバージョンしか許していないという鉄壁の防御力をこの試合でも発揮したことになります。オフェンスでは先発RBのレヴェオン・モス(Le’Veon Moss)が負傷退場したものの、トータル183ヤードを記録したグラウンドアタックによって試合の流れをコントロールし、特に第4Qには8分近くの時間を消費するロングドライブを完遂させ、ルーベン・オーウェンズ・II(Rueben Owens II)のTDランで勝利を確定させました。

この勝利により、テキサスA&M大は2016年以来となる6勝0敗のスタートを飾り、いよいよ自身初となるCFP出場が現実味を帯びてきました。一方のフロリダ大はオフェンスのスコア力が乏しく、特にOL陣が相手ラッシュに押し込まれまくったことでQB DJ・ラグウェイ(D.J. Lagway)が3度のサックを喰らい第2Q以降無得点という結果に陥ってしまいました。今回の敗戦でまたもフロリダ大はランクチームとの敵地対戦で敗戦となり、ビリー・ネイピアー(Billy Naiper)監督の茨の道はまだまだ続きます。

#9 テキサス工科大 42、カンザス大 17

全米9位のテキサス工科大カンザス大の試合は、テキサス工科大の強力なDL陣、そして効果的なランアタックがカンザス大を苦しめ、結果的に42対17とダブルスコア以上の点差をつけてテキサス工科大が勝利。彼らは未だ6勝無敗と快進撃を続けています。

試合では先発QBのベーレン・モートン(Behren Morton)が第2Qで負傷しオフェンスの戦略をランゲーム寄りに大きく舵を切りますが、トータルオフェンス505ヤード中372ヤードをランで記録しモートン不在をものともしませんでした。特にRBキャメロン・ディッキー(Cameron Dickey)は何と1人で263ランヤードと2TDを叩き出すなど大活躍。また守備面では、フロントセブンがカンザス大のOL陣を圧倒し、カンザス大QBジェイロン・ダニエルズ(Jalon Daniels)にくらわせた8個のサックを含む合計9つのサックを記録するなど破壊力抜群。相手オフェンスには17点しか与えず、特に後半は完封に成功しました。

ちなみに、テキサス工科大のホームゲームのトラディションとして、ファンがスタジアムからトルティーヤを投げ入れるというものがあるのですが、Big 12カンファレンスが今年から物をフィールドに投げ込むと15ヤードの罰退が科されるという新ルールを施行。にもかかわらずこの日トルティーヤが投げ込まれる場面が見られ、結果的にテキサス工科大は合計30ヤードの罰退を喰らうことに。

さらにトルティーヤはカンザス大のサイドラインにも放り込まれ、さらに話によるとポケットナイフも飛び込んできたということで、これを不服としたカンザス大のランス・レイポールド(Lance Leipold)監督が試合後の挨拶の際、テキサス工科大のジョーイ・マクガイア(Joey McGuire)監督に一言物申し、ちょとした口論になるという事態も発生していました。

長く続くトラディションは大事にしたい、でもフィールド上の安全面も確保したい・・・。どこかで折り合いをつけなければいけないですね。

#10 ジョージア大 20、アーバン大 10

全米10位のジョージア大アーバン大の宿敵対決には「深南部最古のライバリー(Deep South’s Oldest Rivalry)」という別名がついていますが、130回目となった今回の顔合わせではジョージア大が20対10で勝利し、対アーバン大戦の連勝記録を9に伸ばしました。

この試合は立ち上がりからアーバン大の流れで、前半に苦戦し10-3とリードしていましたが、試合の最も決定的な転換点となったのは第2クォーター終盤。アーバン大はジョージア大陣内1ヤードラインまで進撃し、QBジャクソン・アーノルド(Jackson Arnold)がQBダイブでゴールラインを割り17点目がアーバン大に入ったかに見えました。しかしボールがゴールラインを割るか割らないかというところでジャクソンがファンブル。これをジョージア大のケイロン・ジョーンズ(Kyron Jones)がピックして何とジョージア大が土壇場でボールを奪い返すという、疑惑のプレーが発生したのです。

非常に微妙な判定でしたが、ビデオ判定にてボールはジョージア大のものに。これでアーバン大は14点差をつけるチャンスをみすみす逃したことになり、逆にモメンタムがジョージア大へと流れていくことになります。

後半に入るとジョージア大のディフェンスが目を覚まし、アーバン大をわずか40ヤードに抑え込むという力技。またオフェンスも粘り強さを見せ、RBチャウンシー・ボウエンズ(Chauncey Bowens)のショートヤードランTDが炸裂すると、Kペイトン・ウッドリング(Peyton Woodring)がキャリア最長となる53ヤードのFGを決め、遂に13対10とジョージア大に初めてリードをもたらします。

そしてQBガナー・ストックストン(Gunner Stockton)が試合を決めるTDを挙げた最終ドライブは、約9分間を費やした16プレイ、78ヤードという、見事なクロックコントロール。決して綺麗な勝ち方ではありませんでしたが、ジョージア大がこのライバル対決において9連勝目を飾ったのでした。

#11 ルイジアナ州立大 20、サウスカロライナ大 10

全米11位のルイジアナ州立大サウスカロライナ大の間で行われたSEC戦は、ルイジアナ州立大の強固なディフェンス、そしてTEトレイデズ・グリーン(Treydéz Green2)のブレークアウト的パフォーマンスにより、サウスカロライナ大を20対10で下しました。

ルイジアナ州立大ディフェンスは相手を試合を通してわずか10点に抑える奮闘。QBラノリス・セラーズ(LaNorris Sellers)に5回のサックをくらわせるなど要所で光るプレーを見せ続け、セラーズ自身は124ヤードのパスに1INTと撃沈。またTEグリーンはこの日8回のキャッチで119ヤードのレセプションに1TDとQBギャレット・ナスマイアー(Garrett Nussmeier)の頼れるターゲットとして活躍。勝利に貢献しました。

さらにランゲームでもシーズン最多となる166ヤードを記録。しかし、ナスマイアーが2つのインターセプトを含む合計3つのターンオーバーを犯し、そのうち2つがサウスカロライナの10ヤードライン以内で発生したため、自滅的なミスにより試合展開が予想以上に接戦となるという、安定感のなさも露呈。試合には勝ったものの、ターンオーバーを減らすなどさらなる改善の余地を残しました。

#12 テネシー大 34、アーカンソー大 31

全米12位のテネシー大アーカンソー大の試合は、予想外に僅差の試合となりましたがテネシーが34対31で辛勝するドラマティックな結末を迎えました。テネシー大勝利の最大の要因はディフェンス陣とパワフルなランゲームが試合の流れを完全に変えたことです。

特に第3Qに2回、第4Qに1回と、決定的な局面で3度のファンブルをアーカンソー大から誘発し、そのうちの一つはペイトン・ルイス(Peyton Lewis)のラッシングTDに直結。またオフェンス面ではOL陣がサックを一つも許さない堅実なパフォーマンスを見せ、RBデショーン・ビショップ(DeSean Bishop)が自身キャリアハイとなる146ヤード(1TD)、さらに既出のルイスが合計2TDを挙げるなど、チーム全体で264ラッシングヤードを稼ぎ、グラウンドゲームが猛威を振るいました。

テネシー大は第2Q終盤から第4Q序盤にかけて一気に24点を重ね34対17とリードを広げましたが、アーカンソー大も最後まで粘りを見せ、総獲得ヤード(496ヤード対485ヤード)で最終的にテネシー大を上回り、QBテイレン・グリーン(Taylen Green)が256ヤード投げると終盤に2つのTDを奪って1ポゼッション差に詰め寄りました。ただテネシー大はQBジョーイ・アギュラー(Joey Aguilar)の28ヤードのスクランブルや、ルイスによる重要な3rd-and-1での7ヤードランによるコンバージョンといったクラッチプレーで時間を使い切り、なんとか勝利を掴みました。

#13 ジョージア工科大 35、バージニア工科大 20

今週13位のジョージア工科大は、第1Qで15点のリードを奪うロケットスタートを切り、そのまま一度もリードを譲ることなく終始優位に立ち、バージニア工科大に35対20と快勝。この勝利により、ジョージア工科大は2011年以来初となるシーズン6勝0敗を達成し、ボウルゲーム出場資格を手に入れました。

ジョージア工科大の攻撃は相変わらずバランスが取れており、特に地上戦は非常に強力で、マラカイ・ホズリー(Malachi Hosley)が11回のキャリーで129ヤードと1TDを記録したのを筆頭に、複数のラッシャーが50ヤード以上を獲得。またQBヘインズ・キング(Haynes King)も冴え、213ヤードのパスに加え、2つのランTDを記録。ディフェンス面では、相手の3rdダウンコンバージョンを8回すべて阻止するという驚異的な奮闘。これは1988年以来初めての快挙となりました。

一方バージニア工科大は増え続ける選手の負傷などで約20名の選手を欠く台所事情に加え、上記のように3rdダウンを全くコンバートできないなどドライブを継続することができず、序盤の劣勢を覆すことができませんでした。この敗戦によりバージニア工科大は通算2勝5敗となりブレント・プライ(Brent Pry)監督を解雇した今もなお苦戦が続いています。

サザンカリフォルニア大 31、#15 ミシガン大 13

サザンカリフォルニア大ミシガン大(全米15位)という、カレッジフットボール界を代表する名門校同士の戦いは、フィジカルかつほぼパーフェクトなパフォーマンスを見せたサザンカリフォルニア大が31対13で勝利を収めました。

サザンカリフォルニア大は怪我によりRB2人を欠いたにもかかわらず、全米7位のディフェンス力を誇るミシガン大に対して計224ヤードを走り込むパワフルなラングゲームを展開し、ウォークオンの新人キング・ミラー(King Miller)が158ヤードに1TDというセンセーショナルな活躍を見せると、QBジェイデン・マイアバ(Jayden Maiava)は265ヤード、2TDを記録しパスプレーを牽引。守備面ではDBのビショップ・フィッツジェラルド(Bishop Fitzgerald)が2つのINTを奪い、ミシガン大の攻撃陣を大いに苦しめました。

一方ミシガン大ディフェンスはタックルのミスが目立ったり相手にビッグプレーを何度も許すなど不発。特にスクリーメージ中央を突破されるシーンが多く見られ、そのラン守備が不安点が露呈されてしまいました。攻撃でも不安定さが残り、新人QBブライス・アンダーウッド(Bryce Underwood)は207ヤード、1TDながら、レッドゾーンでのインターセプトを含む2つの重要なインターセプトを犯し得点のチャンスを自ら潰してしまいました。

新人WRアンドリュー・マーシュ(Andrew Marsh)が8キャッチ138ヤード、ロングTDを決めるという明るい兆しを見せましたが、ミシガン大にとってこれが今シーズン初のBig Tenでの敗戦となってしまいました。

ピッツバーグ大 34、#25 フロリダ州立大 31

全米25位のフロリダ州立大がホームのドークキャンベルスタジアムにアンランクのピッツバーグ大迎えて行われたこの試合、何と熱戦の末にピッツバーグ大がアウェーの洗礼を受けながらもフロリダ州立大を34対31で破る大金星を挙げました。

試合は一進一退の攻防となり、フロリダ州立大がハーフタイムに21対14とリードする展開から、後半にピッツバーグ大が巻き返しを見せます。1年生(トゥルーフレッシュマン)QBメイソン・ハインシェル(Mason Heintschel)が序盤に犯した2INTを克服し、321ヤード、2TDを記録して意地を見せ、さらに怪我から復帰したデズモンド・リード(Desmond Reid)がキャッチで155ヤード、2TDと活躍しただけでなく、ランでも45ヤードを記録してとしてトータル200ヤードを1人で稼ぎ出す圧倒的な活躍で勝利に貢献。さらは4thダウンコンバージョンを3回全てを成功させるなど、パット・ナドゥージ(Pat Narduzzi)監督の アグレッシブな采配も光りました。

一方フロリダ州立大はQBトミー・カステラノス(Tommy Castellanos)が3TD、WRミカヒ・ダンジー(Micahi Danzy)が2TDを含む133ヤードを獲得したものの、第4Qでの痛恨のファンブルが相手の同点フィールドゴールにつながりモメンタムを失うなど、終盤の決定力の無さターンオーバーに苦しみました。

これでフロリダ州立大は今季3連敗目。さらに昨年から数えるとACC(アトランティックコースとカンファレンス)戦で8連敗目という目を覆いたくなるような結果に。一時は最高7位までランキングを上げていましたが、この転落ぶりにファンの落胆度の大きさは計り知れません。

(更新終わり)

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