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2022年度第2週目レビュー

2022年度第2週目レビュー

今季第2週目のカレッジフットボールは最初から最後まで全米各地でドラマ満載の非常に忙しいウィークエンドになりました。ちょっと個人的にもまだ消化しきれていないのですが、順に主な試合の簡単なレビューを紹介していきます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#1アラバマ大20、テキサス大19

カレッジフットボール界歴代最多勝利数でトップ10に入る強豪校同士の対決となったこの試合は、テキサス大スティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督がかつてアラバマ大ニック・セイバン(Nick Saban)監督の下でオフェンシブコーディネーターを務めていたこともあり、このマッチアップは師弟対決としても注目されていましたが・・・。蓋を開けてみたらツッコミどころ満載の試合となってしまいました。

全米1位のアラバマ大がテキサス大に乗り込むということで、彼らにとっては今季最初のアウェーゲーム。またテキサス大もサーキジアン監督2年目ということで昨年の5勝7敗チームからどの程度進歩しているのかに注目が集まりました。

試合の方は前半から接戦となりますが、第1Q終了間際にテキサス大のエースQBクイン・ユワーズ(Quinn Ewers)がアラバマ大LBダラス・ターナー(Dallas Turner)からQBサックを喰らい(レイトヒットの反則)フィールドに肩から激突。このプレーで肩を負傷して戦線離脱し結果的にこの後試合に戻ってくることはありませんでした。この時点で既にユワーズは134ヤードを投げる好プレーを見せており、彼の欠場はテキサス大にとって結果的に大いに不利に働くことになります。

アラバマ大が思いのほか点を取ることができない中10対10の同点で試合は後半へもつれ込みます。第3Qと第4にテキサス大がフィールドゴールを2つ決めて16対10とリードしたまま最終Qも中盤に差し掛かったところでアラバマ大はQBブライス・ヤング(Bryce Young)が崩れたポケットの中から突破口を見出してRBジャミアー・ギブス(Jahmyr Gibbs)へのパスTDを決め、残り8分半で17対16で1点のリードを奪います。

その返しの攻撃で攻めあぐみパントを余儀なくされたテキサス大でしたが、続くアラバマ大の攻撃ではテキサス大陣内25ヤードラインでの4thダウントライをテキサス大ディフェンスが見事に防いで攻撃権を取り返します。

このチャンスをモノにしたいテキサス大は負傷したユワーズに代わって出場したハドソン・カード(Hudson Card)の2つのパスでアラバマ大陣内へ急襲。試合時間残り2分を切ったところで敵陣レッドゾーンへ肉薄しますが、アラバマ大LBウィル・アンダーソン・Jr(Will Anderson Jr.)の起死回生のQBサックが決まりテキサス大はFGを強いられ、この土壇場で彼らが19対17と2点のリードを奪います。

後のないアラバマ大は自陣25ヤードラインから最後の攻撃を試みます。ここで本領発揮したのが昨年のハイズマントロフィー受賞QBヤング。彼は自陣25ヤードラインから4連続でパスを成功させてテキサス大陣内へ侵入。そして残り時間27秒で迎えた敵陣37ヤードからのプレーではテキサス大ディフェンスのブリッツを喰らいQBサックを喰らったかと思われましたが、これをミラクル的に回避しそのまま20ヤードを足で稼ぎFG圏内へボールを運びます。

そして残り時間10秒でKウィル・レイチャード(Will Reichard)の33ヤードFGが決まって土壇場で20対19と再逆転。結果的にこれが決勝点となり、アラバマ大が辛くも敵地で白星を奪ったのでした。

テキサス大はユワーズを欠き得点力を欠いたものの、昨年と比べてフィジカル面での向上が垣間見れたディフェンス陣が奮闘しアラバマ大に追加点を許しませんでした。前半終了時にFGを外してしまったのが大きな痛手ではありませんが、ただそれ以上に彼らにとって不利となったのはいくつかの疑惑の判定があったことです。

その中でも最も疑問が残ったのは第3Q残り時間10分あたりでのアラバマ大の攻撃シーン。自陣エンドゾーンギリギリでの攻撃となったアラバマ大、QBヤングはスナップを受けてそのエンドゾーン内でオープンレシーバーを探しますが、その間にテキサス大DL陣がヤングに襲いかかりエンドゾーンでのQBサックでセーフティー・・・かと思われましたが、ヤングがダウンする前にパスを投げたと判断され、逆にテキサス大ディフェンスのターゲッティングの反則がコールされてアラバマ大は九死に一生を得たのです。

しかし映像を見てみると明らかにヤングはボールを「パス」する前に脛部分ないし手をターフにつけており、これはダウンによるセーフティーが正しいコールだったような気がするのですが、あくまでもヤングのプレーは生きておりそれによってターゲッティングの反則だけが採用されたということでアラバマ大は事なきを得他のでした。そういった意味ではテキサス大は不運だったと言わざるを得ません。

他にもパスインターフェアレンスやフェイスマスク等アラバマ大に対してノーコールのプレーがあり、テキサス大選手ないしテキサス大ファンとしては中々納得のいかない試合となってしまいました。

一方のアラバマ大はQBユワーズが退くまでかなりバックフィールドで隙を与えDB陣に不安を残しました。期待のLBアンダーソン・Jrは第4Qに貴重なQBサックを奪いはしましたが、それまではムラのあるプレーに終始していたような感じもしました。ランディフェンスではエースRBビジャン・ロビンソン(Bijan Robinson)を57ヤードに抑える健闘を見せましたが、全体的に反則が多くアラバマ大らしくなかったといえます。

またオフェンス陣もランでこそトータル161ヤードを稼ぎはしましたが、これは第1Qにジェイス・マクリラン(Jase McClellan)が見せた81ヤードのロングTDランがあったからこそ。今年のアラバマ大にはパワーバックが不在という印象で、さらには過去数年と比べるとWR陣の質の低下は否めなく、QBヤングのお陰でなんとか窮地を脱したプレーもあったため、今後勝ち抜くには彼らのオフェンスには不安材料がありそうです。


#2ジョージア大33、サムフォード大0

全米2位のジョージア大FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン、旧NCAA1部AA)の格下サムフォード大と対戦してこれを33対0で一蹴。難なく今季2勝目を挙げました。

サムフォード大相手ならもっと得点が入ってもいいかとも思いましたが、ボール所有時間がサムフォード大が20分のところジョージア大が40分ということで内容的には当然圧倒。相手のファーストダウン数もたったの3つ、ラッシュヤードは19ヤードと格の違いを大いに見せつけました。

#3オハイオ州立大45、アーカンソー州立大12

全米3位のオハイオ州立大はホームに「グループオブ5」勢の一員であるアーカンソー州立大を迎えてこれを撃破。こちらも格の違いを見せつけてくれました。

この日爆発したのはWRマーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr.)。かつてインディアナポリスコルツで活躍したマーヴィン・ハリソンの実子である彼はこの日7キャッチで184ヤード、3TDというとんでもない数字を残して勝利に貢献。また同じくWRのエメカ・エブカ(Emeka Egbuka)も118ヤードに1TDとし、怪我で欠場したエースWRジャクソン・スミス・エンジグバ(Jaxon Smith-Njigba)の不在を微塵にも感じさせない火力を披露してくれました。

#4ミシガン大56、ハワイ大10

全米4位のミシガン大マウンテンウエストカンファレンスハワイ大と対決。この日先発出場したQB J.J.マッカーシー(J.J. McCarthy)にとっては同僚であるケイド・マクナマラ(Cade McNamara)との先発争いのオーディションも兼ねており、試合の展開と同時に彼のプレーにも注目が集まっていました。

結果的にはチームは大勝。そしてマッカーシーは12投中11投のパスを成功させ229ヤードに3TDと素晴らしい生産性を見せてマクナマラとの違いを見せつけて勝利に貢献。試合後ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督は正式に今後はマッカーシー一本で戦っていくことを決断。先発QB争いに終止符が打たれました。

またランでも268ヤードを荒稼ぎし今の所ミシガン大は盤石。今後はチームの動向と一緒にバックアップとなるマクナマラがチームに残るのかそれとも転校するのかという点も気になるところです。

アパラチアン州立大17、#6テキサスA&M大14

今季悲願のSEC(サウスイースタンカンファレンス)タイトル及びCFP(カレッジフットボールプレーオフ)出場の期待が大いにかかっていたテキサスA&M大でしたが、なんとホームで「グループオブ5」の雄・アパラチアン州立大にまさかの敗戦を喫するというアップセットを食らってしまいました。

試合内容としてはテキサスA&M大は全米6位チームとは思えない超不甲斐ないオフェンスで終始アパラチアン州立大に押され続けます。オフェンス畑を歩いてきたジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督ですが、パスもランも全く機能せず、トータルパスヤードは97ヤード、トータルランヤードが89ヤードと撃沈。その他のスタッツを見てもファーストダウン数がアパラチアン州立大22つのところテキサスA&M大はたったの9つ。ボール所有時間も18分少々とファンの歯ぎしりする音が聞こえてきそうな展開となってしまいました。

一方のアパラチアン州立大は第1週目にノースカロライナ大と対戦しあと一歩というところで白星を逃した苦い経験をしていましたが、そこで士気を落とさずにさらに格上とされるテキサスA&M大に、しかもアウェーで勝利したというのは、2007年に当時全米5位だったミシガン大をアウェーでなぎ倒した史上稀に見るアップセットに続く偉業となったのでした。

マーシャル大26、#8ノートルダム大21

開幕戦でオハイオ州立大に善戦し負けたものの順位を5位から8位に落とすにとどまっていた名門ノートルダム大。今回は格下マーシャル大をホームに迎えるということで、新HCマーカス・フリーマン(Marcus Freeman)監督にとって初勝利がほぼ確定と思われていましたが・・・。

今年からサンベルトカンファレンスに鞍替えしたマーシャル大にノートルダム大は大苦戦。第4Qに入ってもどちらに転ぶかわからない展開でしたが、19対15のマーシャルリードで迎えた試合終盤、逆転を狙って攻め込むノートルダム大のQBタイラー・バックナー(Tyler Buchner)のパスをマーシャル大のスティーヴン・ギルモア(Steven Gilmore)に奪われピックシックス。試合終了間際にランTDを奪うも時すでに遅し。なんとノートルダム大は上記のテキサスA&M大と同じようにまさかのアップセットを食らってしまったのでした。

ノートルダム大ディフェンスはさすがフリーマン監督がディフェンシブコーディネーター出身であることもあり威力を発揮してはいましたが、問題はオフェンス。昨年と比べるとOL陣は貧弱。WRおよびRBにはプレーメーカーは存在せず、ルーキーQBバックナーにとってはこのオフェンスを牽引するのは荷が重すぎます。

フリーマン監督は昨年のボウルゲームからノートルダム大を指揮しており、このときはオクラホマ州立大に負けてしまっているため、ここまで彼はノートルダム大の監督として就任以来3連敗となってしまいましたが、長いノートルダム大フットボール部史上就任後3連敗した監督は後にも先にもこのフリーマン監督のみ。監督初年度ということでまだまだ大目に見てくれるとは思いますが、痛い敗戦であることには変わりありません。

*追記

QBバックナーはこの試合で肩を負傷。話によるとすでに手術することが決まっており今季はほぼ絶望だそうです・・・。

#21ブリガムヤング大26、#9ベイラー大20

ランカー同士の戦いとなったこのマッチアップ、キックオフがアメリカ東部時間で夜10時過ぎだったこともあり、多くの人が寝静まった頃まで行われていた試合となりましたが、そんな深夜の試合は思いの外白熱する激戦となりました。

どちらもディフェンスが冴える展開となりベイラー大は相手に300ヤード近く投げられるもランを100ヤード以内に抑える健闘を見せ、またブリガムヤング大も152ヤード走られはしたものの、1キャリー平均は3ヤード以内に留めるなどして非常に拮抗した内容に。

試合の方は終始リードを許したベイラー大が第4QにQBブレイク・シェイペン(Blake Shapen)からベン・シムス(Ben Sims)への4ヤードTDパスで20対20の同点に追いつき試合はそのままオーバータイムへ突入。1回目のOTではどちらのチームもFGを外すというドキドキの展開となりますが、2回目のOTでは先制したブリガムヤング大に対してベイラー大は11回のプレーで粘るも最後はシェイペンのパスが無情にエンドゾーンのWRたちの頭上をかすめ試合終了。ブリガムヤング大のホームだったため、終了と同時に喜びを爆発させたファンたちがフィールドになだれ込むというカレッジフットボールのおなじみの光景がテレビ画面に映し出されたのでした。

#10サザンカリフォルニア大41、スタンフォード大28

全米10位のサザンカリフォルニア大は所属するPac-12カンファレンス戦の初戦としてスタンフォード大と対決。昨年はよもやの敗戦を喫しましたが今年はその雪辱を晴らす41対28というスコアでリベンジを果たしました。

今年からリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督新体制で臨むサザンカリフォルニア大は持ち前のハイスペックのスキルポジションプレーヤーたちが大活躍。その最たる選手であるQBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)は341ヤードに4TD、彼の相棒ともいえるWRジョーダン・アディソン(Jordan Addison)は172ヤードに2TD。そしてRBトラヴィス・ダイ(Travis Dye)も105ヤードに1TDとそれぞれが素晴らしい数字を残しました。

しかもこの三人とも転校生であることが驚き。ウィリアムスはオクラホマ大から、アディソンはピッツバーグ大から、そしてダイはオレゴン大からのトランスファー選手ということで、新監督に新戦力という新時代のチーム運営の形が実を結んでいます。

ただディフェンス陣には幾ばくかの不安も抱えており、特にスタンフォード大にトータル221ヤードも走られ28失点したのは問題か。またスタンフォード大RB E.J. スミス(E.J. Smitu、元フロリダ大でダラスカウボーイズのレジェンド、エミット・スミス氏の息子)が得点のチャンスで2つもファンブルを犯すなどし、場合によってはもっと接戦になっていた可能性もあり、今後サザンカリフォルニア大が上を目指す上で守備陣の調整は急務と言えるでしょう。

#11オクラホマ州立大34、アリゾナ州立大17

雨天の中で行われたこの試合、オクラホマ州立大QBスペンサー・サンダース(Spencer Sanders)が2TDを含む268ヤードのパスを投げ、また自身の足でもTDを1つ奪う活躍をして追いすがるアリゾナ州立大を振り切って今季2勝目を挙げました。

またRBドミニク・リチャードソン(Dominic Richardson)はランで131ヤード(1TD)を記録。レシーバーとしても44ヤードを稼いでサンダースとともにオフェンスを牽引。悪天候の中パスにランにバランスの取れた攻撃力を披露しました。

アリゾナ州立大はフロリダ大からの転校生QBエモリー・ジョーンズ(Emory Jones)はパスで223ヤード(1TD)としましたが、パス成功率は5割と苦戦。またディフェンス陣も先週のノーザンアリゾナ大戦では相手を120ヤードに抑えたものの、この試合ではオクラホマ州立大にトータル465ヤードも与えるなど力の差が出てしまいました。

#20ケンタッキー大26、#12フロリダ大16

開幕戦で当時7位だったユタ大を撃破してランク外から一気に全米12位に飛び込んできたフロリダ大はこの日全米20位のケンタッキー大と対決。にわかに注目を集める試合となりましたが、勢いに乗るかと思われたホームのフロリダ大をケンタッキー大がいなしてまさかの黒星をお見舞いしました。

ユタ大戦で大活躍し早くもハイズマントロフィー候補に名乗りを上げたかと思われたフロリダ大QBアンソニー・リチャードソン(Anthony Richardson)はこの日絶不調。パス成功率はたったの40%。稼いだヤードも143ヤードでTD数がゼロどころかパスINTが2つといいところが全くありませんでした。

対するケンタッキー大の期待のQBウィル・レヴィス(Will Levis)もパス成功率54%、1TD、1INTと決して褒められたスタッツではありませんが、それでもフィールドをストレッチ出来るだけのパスパフォーマンスを所々で見せ、ドライブを継続させることに貢献。ケンタッキー大のディフェンス力に助けられアウェーで勝利するに足りるだけのプレーを披露できました。

そのケンタッキー大のディフェンス陣はフロリダ大の3rdダウン成功率を25%に留めるなど威力を発揮。またとどめを刺すことになった、ケイドロン・スミス(Keidron Smith)のリチャードソンのパスINTならびにピックシックスの甲斐もあってケンタッキー大はタフなアウェーの地で貴重な白星を獲得。猛者ひしめくSECの中でも存在感を出すチームに仕上がりつつあります。

#16アーカンソー大44、サウスカロライナ大30

全米16位のアーカンソー大は同じSEC所属のサウスカロライナ大とホームで激突。この日光ったのはアーカンソー大RBラヒーム・サンダース(Raheim Sanders)。2年生ながら先発を任されたサンダースはこの試合で24キャリーで156ヤード2TDを獲得。かつて活躍した先輩であるダレン・マクファデン(Darren McFadden)を彷彿とさせる走りっぷりは圧巻でした。

QB K.J. ジェファーソン(K.J. Jefferson)は162ヤードのパス(1TD)にとどまりましたが、21投中18投を成功させる高いコンプリーション率で堅実さをアピール。また走っても67ヤード(1TD)と存在感を見せ、サム・ピットマン(Sam Pittman)監督の目指すタフネスフットボールを体現しました。

敗れたサウスカロライナ大はQBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)が376ヤード(1TD、1INT)と気を吐きますが、チームのトータルランヤードがたったの40ヤードということでオフェンスがパス一辺倒となってしまったのが痛手。ここを改善できればもっとラトラーのパスアタックの効果が上がるのではないでしょうか。

#24テネシー大34、#17ピッツバーグ大27

SECチームであるテネシー大ACC(アトランティックコーストカンファレンス)チームであるピッツバーグ大とのランカー同士の対決はオーバータイムまでもつれ込む激戦となり、これを制したのがテネシー大でした。

ピッツバーグ大は先発QBキードン・スロヴィス(Kedon Slovis)が前半に激しいサックを食らって戦線離脱。また彼の代わりに出場したニック・パティ(NIck Patti)も第4Qに足首を負傷。パティは足を引きずりながら出場し続けましたが、満身創痍のピッツバーグ大に襲いかかったのは昨年から目に見えてチーム力がアップしていたテネシー大でした。

アップテンポのオフェンスは徐々にピッツバーグ大ディフェンスを後手に回し、しかも相手のオフェンス陣が怪我でスコアリングに歯止めがかかるとそれに乗じて第4Qに3連続得点で逆転。ただ試合終了間際に満身創痍のパティが同点となるパスTDを決めて試合はオーバータイムへ。

オーバータイムでは先攻のテネシー大がQBヘンドン・フッカー(Hendon Hooker)からセドリック・ティルマン(Cedric Tillman)への28ヤードTDパスが決まって先制すると、後攻のピッツバーグ大は攻めあぐみ得点することができずについに力尽き、テネシー大がアウェーでの接戦を制しました。

怪我するまでのスロヴィスはしっかりとボールをさばいており、彼が怪我で退いたことはピッツバーグ大とすれば痛手でした。彼の怪我がどれほどのものなのかが今後のチームの動向に大きく影響するでしょう。一方のテネシー大はランクインしてからの敵地での貴重な勝利ということでこれは選手たちにとっては大きな自信となるアウェーでの一勝。いよいよ古豪復活の狼煙となるでしょうか?

ワシントン州立大17、#19ウィスコンシン大14

全米19位のウィスコンシン大はPac-12カンファレンスのワシントン州立大をホームに迎え今季2勝目を狙いに行きますが、逆にワシントン州立大にまさかの敗戦を喫してしまいました。

ウィスコンシン大は得意のランアタックでワシントン州立大ディフェンスにチャレンジしていき、トータルで174ヤードを足だけで稼ぎますが、結局ランでのTDはゼロ。得点となったTDはQBグラハム・マーツ(Graham Mertz)からWRクレイ・カンディフ(Clay Cundiff)への2つのみ。全体的に見ていて得点が入りそうな雰囲気のない、パンチ力のないオフェンスに終始していました。

一方ワシントン州立大も決して破壊力の高い攻撃力を持っていたわけではありませんでしたが、ウィスコンシン大が犯した3つのターンオーバーをもとに僅かなチャンスをものにし、キャンプランダルスタジアムというビジターには非常にやりづらい敵地で一攫千金を獲得。また先発RBナキア・ワトソン(Nakia Watson)はかつてウィスコンシン大に所属しプレー機会を求めてワシントン州立大へ転校したという背景があり、彼自信は33ヤードしか走れませんでしたが、それでも1つのTDを奪い、古巣に対してしてやったりな結果を生み出すことに貢献できたのでした。

テキサス工科大33、#25ヒューストン大30

第2週目唯一の「グループオブ5」チームとしてランクされたヒューストン大が「パワー5」の一員で同じテキサス州にキャンパスを置くテキサス工科大と対決。この試合はお互いが譲らない展開となりオーバータイムへ突入。2度のOTを経て競り勝ったのはホームのテキサス工科大でした。

テキサス工科大は先発QBで元オレゴン大のタイラー・シャック(Tyler Shough)が前試合のマリー州立大戦で肩を負傷して欠場。その代役として出場したドノヴァン・スミス(Donovan Smith)がパスで苦戦。全米25位チームを倒す絶好の機会を逃すところでしたが、2度目のオーバータイムでスミス自身がパスではなく足で9ヤードのTDランを決めてこれが決勝点となりました。

ヒューストン大は「グループオブ5」勢の一員であり、勢力図的には「パワー5」の一員であるテキサス工科大のほうが上とされていますが、ヒューストン大はランカーチームであったため、この試合に勝ったテキサス工科大のファンたちが喜びを分かち合うためにフィールドになだれ込んだのですが・・・。なだれ込むほどの勝利だったのかと疑問に感じてしまいました。コロナ禍以来、ファンがフィールドに入り込むシーンを見るの頻度が増えたように思えますね。

(終わり)

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