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Oh What a Fun!!【2024年度第1週目レビュー】

Oh What a Fun!!【2024年度第1週目レビュー】

いよいよ開幕した2024年度シーズンのカレッジフットボール。ここから約4ヶ月半(長いなー)に渡る激戦が続いていくわけで、カレッジフットボールファンとしては非常にエキサイティングな季節がやってきたと言えます。

かく言う筆者も8ヶ月ぶりのカレッジフットボールにどっぷりつからせてもらいましたが、今回はそんな開幕ウィークとも言える第1週の主な試合を早足で振り返ってみたいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#1 ジョージア大 34、#14 クレムソン大 3

2016年と2018年の全米制覇を成し遂げたクレムソン大と、2021年と2022年の全米制覇を成し遂げたジョージア大とのビッグゲーム。ただ近年のトラジェクトリーを考えるとある意味「新旧対決」とも言えるマッチアップでもありました。

前半はほぼ互角でしたが、後半踏ん張っていたクレムソン大ディフェンスに綻びが生じ、それを見逃さなかったジョージア大が圧倒。34対3と全米1位のジョージア大がクレムソン大を完全に封じ込めました。

ジョージア大のハイズマントロフィー候補QBカーソン・ベック(Carson Beck)は278ヤードに2TD。数字的にはめちゃくちゃいいというわけではありませんが、ディフェンスを読む力と正確なパスはさすがといったところ。クレムソン大のQBケイド・クルブニック(Cade Klubnik)の不調がさらにベックを際立たせていました。

クレムソン大はディフェンス力は十分でしたが、オフェンスが無力だったために徐々に消耗。一度決壊してしまった流れを止めることはできませでした。

残念ながらこの試合で如実となったのはクレムソン大はかつてのようなトップティアのチームでは無くなってしまったという事実。転校生でチーム力を補充するのが華の現在、生え抜きだけでチーム育成を行なっているダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督の頑固さがチームを殺してしまってはいないかと心配になってしまいます。


#2 オハイオ州立大 52、アクロン大 6

全米2位のオハイオ州立大の開幕戦は格下アクロン大。今季全米優勝の期待度が高い彼らはこの試合を52対6と卒なく手中に収めました。

この試合で光っていたのは1年生WRジェレマイア・スミス(Jeremiah Smith)。あのフリオ・ジョーンズ(Julio Jones、元アラバマ大)以来のリクルートと言われたスミスはその期待に応える活躍を見せ、6回のキャッチで92ヤードに2TDとセンセーショナルなカレッジデビューを飾りました。今後が非常に楽しみな逸材です。

#3 オレゴン大 24、アイダホ大 14

今年からBig Tenカンファレンス所属で全米3位と好位置でシーズンを迎えたオレゴン大でしたが、開幕戦での超格下アイダホ大(FCS/フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)に苦戦。第4Q二は17対14と3点差にまで詰め寄られましたが、なんとか振り切り2007年にミシガン大(当時5位)がアパラチアン州立大(当時FCS)にまさかの敗戦を喫した以来の悪夢を逃れました。

ハイズマントロフィー候補QBディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)はこの日49回中41回のパス成功に380ヤード(2TD)と素晴らしい数字を残しはしましたが、ファンブル、2度の4thダウンギャンブル失敗などピリッとせず不甲斐ない試合展開に。

開幕戦は浮き足立つこともよくありますので、今後は手綱をぎゅっと引き締めて仕切り直してくることでしょうが、全米3位チームとしてはお粗末な試合展開だったと言わざるを得ません。

#4 テキサス大 52、コロラド州立大 0

昨年初めてCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出を果たし、今年からSEC(サウスイースタンカンファレンス)に移籍してきた全米4位のテキサス大はホームでコロラド州立大に52対0と完封勝利。格の違いを見せつけました。

試合は前半を終えた時点で31対0と大差が付き、後半にはQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)のバックアップであり、かのペイトン・マニング(Payton Manning、元テネシー大)とイーライ・マニング(Eli Manning、元ミシシッピ大)の甥っ子であるアーチ・マニング(Arch Manning)が登場。カレッジ初のTDパスを決めればQBスニークでも1TDを決めて会場を沸かせていました。

ちなみにコロラド州立大に所属しているDL花田秀虎選手は残念ながら出場チャンスはなかったようです。

#5 アラバマ大 63、ウエスタンケンタッキー大 0

過去過去17シーズンチームを率い、その間6度のナショナルタイトルを獲得した「GOAT」ニック・セイバン(Nick Saban)氏が引退し、新たなチームとして登場したアラバマ大。元ワシントン大HCのケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)新監督体制でどのようなチームが世に放たれるかに注目が集まりましたが、蓋を開けてみればアラバマ大はやっぱりアラバマ大でした。

QBジェイレン・ミルロー(Jalen Miloe)は9回中7回のパスを成功させて200ヤードに3TDと非常に生産性の良いパフォーマンス。さらに得意のランでも3TDを記録して合計6TDに絡む大活躍。トータルオフェンス600ヤードと爆発力の高さが際立ちました。

またディフェンスでもミシガン大からの転校生キーオン・サブ(Keon Sabb)が第1Qだけで2つのパスINTと鮮烈デビュー。トータルディフェンスも相手をたったの145ヤードに抑える鉄壁ぶり。セイバン監督が去り心配するアラバマ大ファンの心配は今の所取り越し苦労と言えそうです。

#6 ミシシッピ大 76、ファーマン大 0

全米6位発進はここ50年間で最もハイランクであるミシシッピ大。開幕戦は格下ファーマン大相手にやりたい放題で獲りも獲ったり76点。赤子の手をひねるとはまさにこのことを言うのでしょう。

先発QBジャクソン・ダート(Jackson Dart)は418ヤードに5TD。彼のメインターゲットであるトレイ・ハリス(Tre Harris)は179ヤードに2TDと爆発。正直相手が貧弱すぎて冷静に彼らの真の力を計り知ることはこの試合ではできませんが、76対0というスコアはミシシッピ大の名を轟かせるにはまたとない数字となりました。

#7 ノートルダム大 23、#20 テキサスA&M大 13

ビッグネーム同士の対戦となったこのカード。試合展開は僅差で終盤にも連れ込む形になりましたが、最後はノートルダム大RBジェレマイア・ラブ(Jeremiyah Love)のランTDが決まってテキサスA&M大を突き放し、アウェーの激戦をノートルダム大が制しました。

ノートルダム大の新QBライリー・レナード(Riley Leonard)は出だしこそ動きが硬そうでしたが、試合が進むにつれて落ち着きを取り戻すと下馬評通りのプレーを連発。また得意の機動力も見せてテキサスA&M大ディフェンスを掻き回しました。

そしてノートルダム大の骨格とも言えるディフェンスは今年も健在。オールアメリカン候補のDB是ヴィアー・ワッツ(Xavier Watts)の1INTを含めて相手のパスオフェンスを100ヤードに抑えました。

今年からマイク・エルコ(Mike Elko)監督に率いられるテキサスA&M大は、ディフェンス畑を歩んできたエルコ監督の存在があるだけあっていいディフェンスを見せてはいましたが、QBコナー・ウェグマン(Connor Weigman)が不安材料。エルコ監督としては早急にオフェンスを見直す必要がありそうです。

#8 ペンシルバニア州立大 34、ウエストバージニア大 12

開幕戦をウエストバージニア大とのアウェー戦で迎えたペンシルバニア州立大(ペンステート)。この試合では期待度の高いQBドリュー・アラー(Drew Allar)に注目が集まりましたが、そのアラーは17回中11回のパス成功、216ヤードに3TDとまずまずの数字を残しました。

パサーとしての能力、サイズ、ポケット内でのプレゼンスと、次期NFLドラフトでも注目の集まるアラー。その片鱗をこの試合でも要所要所で見せてくれていました。またRBニック・シングルトン(Nick Singleton)は114ヤードのランに1TD、同じくRBのケイトロン・アレン(Kaytron Allen)はレシーブで1TDとアラーをサポート。さらにはWRハリソン・ワレス・III(Harrison Wallace III)が1試合で自身最多となる117ヤードに2TDを活躍。まずまずの滑り出しを決めました。

#9 ミシガン大 30、フレズノ州立大 10

昨年度全米覇者のミシガン大はホームでフレズノ州立大を迎えましたが、ファイナルスコア以上に内容は僅差。多くの主力選手がいなくなっただけでなく、昨年までHCだったジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督がLAチャージャーズに移籍したこともあり、戦力低下は否めないかと思われていましたがその不安が的中したことに。

新先発QBに任命されたのは元ウォークオンのデーヴィス・ワレン(Davis Warren)。元々ミシガン大はオフにトランスファーポータル経由でQB獲得に手を出さず、凄腕のWRも獲得していなかったことから、ラン重視のオフェンスに傾倒するものと思われていたため、ワレンでも良かったのかもしれませんが、25回中15回のパス成功に118ヤード(1TD、1INT)は心許なかったです。

何よりも目立ったのはOL陣。フレズノ州立大のパスラッシュに押し込まれるシーンも見られ、そのせいでランもトータルで148ヤードしか出ませんでした。ディフェンスは相変わらず強力なのでランヘビーオフェンスでもフレズノ州立大には勝てるのかもしれませんが、次週の相手であるテキサス大相手ともなればそうも行かなそう。

この試合だけ見たら今年のミシガン大には不安しか感じられません・・・。

#19 マイアミ大 41、フロリダ大 17

フロリダ州内にキャンパスを持つ著名校同士の戦いは、全米19位のマイアミ大がホームのフロリダ大を41対17という大差で下す結果となりました。

ワシントン州立大から鳴り物入りで転校してきたQBキャム・ワード(Cam Ward)はこの日385ヤードに3TDと期待を裏切らない働き。今年で3年目を迎えるHCマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督の今季初勝利に華を添えました。

マイアミ大は攻守ともにフロリダ大を圧倒。特に双方のラインプレーでは力の差を見せつけてホームのファンのため息を誘いました。あまりのフロリダ大の不甲斐なさに、かつては火花をちらしたライバリーであったことを知るファンとしては寂しさすら感じてしまいます。

手も足も出ず敗れたフロリダ大は今季全米中でも最も厳しいスケジュールが待ち受けていると言われているチーム。初戦をこのような形で落としてしまったフロリダ大のビリー・ネイピアー(Billy Napier)監督の去就問題が早くも話題になりそうです。

#23 サザンカリフォルニア大 27、#13 ルイジアナ州立大 20

日曜日にラスベガスレイダースの本拠地・アレジアントスタジアムで行われたランクチーム同士の激突は見応え充分なヘビーウェイトマッチになりました。

サザンカリフォルニア大(USC)は2022年度のハイズマントロフィー受賞QBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams、現シカゴベアーズ)、ルイジアナ州立大(LSU)からは2023年度のトロフィー受賞QBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels、現ワシントンコマンダーズ)をそれぞれ失い、新たなQBを立てて臨む今季。USCはミラー・モス(Miller Moss)、LSUはギャレット・ナスマイアー(Garrett Nussmeier)がその大役を任されましたが、どちらも素晴らしいプレーを見せてくれました。

ミラーは378ヤードに1TD、ナスマイアーは304ヤードに2TD(1INT)という数字をそれぞれ叩き出しましたが、競り勝ったのはUSC。20対20の同点で迎えた試合時間残り18秒というところでLSU陣内13ヤードまで攻め込んだUSCはモスのハンドオフを受けたRBウディ・マークス(Woody Marks)が抜け出して残り8秒で勝ち越しのTD。USCがこの激戦を制しました。

USCのオフェンスはリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督の存在もありもともと定評はありましあが、この日はモスのパスさばきの素晴らしさが目立っていました。そして昨年までチームの足を引っ張っていたディフェンスに大きな進歩が見られ、今後新たに加入するBig Tenカンファレンスで何かやってくれそうな雰囲気を醸し出していました。

LSUも攻守ともに奮闘。USCのタレントぞろいのオフェンス相手に最後まで踏ん張っていましたがあと一歩及ばず。ただ負けはしたものの、USCのチーム力を考えればこの敗戦はのちのち足を引っ張るような要因にはならないかもしれません。

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