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クレムソン大QBローレンスが新型コロナに感染

クレムソン大QBローレンスが新型コロナに感染

今年のカレッジフットボールは新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で開幕が危ぶまれましたが、何とか無事にスタートを切り各地で感染者を出して試合が延期になったり中止になったりして入るものの9割のスケジュールは滞りなく行われています。

元々開幕する前からコロナウイルスに感染するケースが発生することは避けられないとされていましたし、開幕第1週目からコロナの影響で試合を行うことが出来ないチームが出るなど感染する速度と頻度は想像を上回るものでした。しかも先に開幕していたカンファレンスらの動向に注視しながら後発組として最大限の予防線を張っていたと思われるSEC(サウスイースタンカンファレンス)でもフロリダ大でクラスター感染が起きてチームが一度活動休止に追い込まれたり、アラバマ大ニック・セイバン(Nick Saban)監督に一時感染騒ぎが起きたり(結局彼の場合は偽陽性でしたが)とチームの知名度や財力とは無関係にこのウイルスは世を徘徊していることが如実となりました。

そしてSECよりもさらに遅れて先週ようやく開幕したBig Tenカンファレンスでも現在9位のウィスコンシン大内で先発QBグラハム・マーツ(Graham Mertz)やポール・クリスト(Paul Chryst)監督ら複数の選手や関係者(現時点で18人の感染を確認)が検査で陽性反応を示したため部活動を休止し今週のネブラスカ大との試合がキャンセルになりました。Big Tenカンファレンスは計8試合を8週間でこなすスケジュールなため、ウィスコンシン大とネブラスカ大の試合は振替開催されることなくノーコンテスト扱いに。ギリギリの状況で始まったBig Tenにもコロナの影響は及んでしまったのです。

そして今晩。ついに新型コロナウイルスの魔の手はカレッジフットボール界の「至宝」にも伸びてしまいました。

というのもクレムソン大のスターQBで来季のNFLドラフトで総合ドライチ選手となることが目されているトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)がコロナ検査で陽性を示して隔離処置に置かれたのです。

シーズンが開幕されるかどうかわからない状態だった今年の夏、Big Tenカンファレンスが8月11日に秋季開幕を回避することを発表したことにより他のカンファレンスも彼らの決定に追随して今季のカレッジフットボールは開催不可能となるかもしれないという嫌な雰囲気が流れていた時期上がりました。

そんな中選手代表として「俺達はフットボールがしたい」をスローガンにローレンスは今季開幕を懇願。そんな声を聞いてかクレムソン大が所属するACC(アトランティックコーストカンファレンス)を始め10カンファレンス中6つのFBS(フットボールボウルサブディビジョン)カンファレンスが今季開催を強行。また同じ頃「Black Lives Matter(黒人の命も大事だ)」という人種差別反対運動が起きた際にも学生アスリートとして先頭に立ちローレンスは地元クレムソン市で声を上げていました。

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そんなローレンスは開幕前からカレッジフットボール界最高の個人賞と言えるハイズマントロフィー受賞レースで最有力候補に挙げられていました。そしてその前評判は確かなもので開幕から6試合を終えた次点で以下のようなスタッツを残しています。

パスヤード:1833ヤード(全米5位)
パス成功率:70%(出場3試合以上で全米6位)
QBレーティング:178.6(出場3試合以上で全米7位)
パスTD数:17(全米2位タイ)
総合得点数:126(全米3位)

開幕から1位のクレムソン大の原動力ともなるローレンスの活躍の様が見て取れますが、そのローレンもコロナの魔の手に落ちてしまったのです。

クレムソン大ともなれば新型コロナに対する予防策として準備できることはおそらく余すところなく施してきたことでしょう。資金的にも人的リソース的にもそれを敢行できるほど規模の大きな大学ですから。しかしそんな状況ですらコロナからローレンスを守ることは出来ませんでした。

クレムソン大のキャンパスはサウスカロライナ州の片田舎にあるのですが、実際に昔クレムソン大キャンパスを訪れたことがある人間として感じたことは、そのような辺鄙なところにある街にもウイルスは容赦なく広まっていくのだという驚きです。

以下が今夜ダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督が発表した声明です。

「この度トレヴァー(ローレンス)が新型コロナウイルスのテストで陽性反応を示したことを彼自身の許可を得てここに発表します。彼は多少の症状が出ているものの概ね良好ですが、今週末のボストンカレッジ戦に出場することは出来ません」

またローレンス自身もツイッターで自身がコロナウイルスに感染したことを報告。その中で「一番つらいのはチームメイトと一緒に居れないこと、そして私の大好きなフットボールをプレーできないことです。」と今週末の試合に出場できない悔しさをにじませました。

ACCのガイダンスによると検査で陽性を示した選手は最低でも10日間の隔離が義務付けられその間練習はもちろん誰とも接触することは出来ないことになっています。そして当然ながら10日過ぎても症状がある場合には活動再開することは許されません。となると今週末のボストンカレッジ戦だけでなく再来週の大一番であるノートルダム大との試合出場も場合によっては欠場せざるを得なくなる可能性が残されています。

ローレンスがチームを離れている間彼の穴を埋めるのはバックアップQBのD.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalalei)。彼は今年入部したばかりの新人ですが、2020年度のリクルーティングランキングではQB界隈で総合3番目の評価を得る逸材。ローレンスがチームを去った後の次世代を担うと期待される選手。彼がカレッジキャリアにおいて初先発を任される模様です。

総合力から見てローレンスを欠いたとしてもクレムソン大はボストンカレッジ戦を難なく乗り越えることが出来るでしょう。注目は仮にローレンスが来週のノートルダム大との一騎打ちにも出場できなかった場合のことを考えてウイアンガラレイがボストンカレッジ戦でどこまでの能力を発揮できるかということです。そういった意味ではローレンスがコロナ陽性と判明するのが来週ではなく今週でまだ良かったのかもしれません。ただ先にも述べたように彼がノートルダム大先にも出場できない可能性も残されてはいますが。

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