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第54回スーパーボウル!

第54回スーパーボウル!

NFL創設100年目となる記念すべき2020年、今年も恒例のスーパーボウルが今週末行われます。54回目を迎える今回のスーパーボウルはNFCの覇者・サンフランシスコ49ersとAFCの覇者・カンザスシティチーフスの間で争われます。サンフランシスコは1994年以来5度目、カンザスシティは1969年以来2度目の栄冠を狙います。

当サイトはカレッジフットボールサイトですのでNFLを中心とした情報を提供されているサイトには到底情報の質が劣りますが、今回はこのスーパーボウルをカレッジフットボールの目線から見ていきたいと思います。

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予想先発ロースター(出身校付き)

ここ2、3年くらいスーパーボウルに出場するチームのロースターをリスト化してきましたが、その度にスターターの出身校を見て興味深くなっています。これはスーパーボウルに出場するチームだけというわけではありませんが、大学での評価やドラフト時の選択順位が必ずしもプロでの活躍に直結するわけではないということです。

例えばサンフランシスコでいえばQBジミー・ガロポロ(Jimmy Garoppolo)。彼は大学時代NCAA1部の上位リーグであるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)ではなくFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属であるイースタンイリノイ大でプレー。おそらく全米の殆どの人がガロポロの大学時代の活躍を知らないことでしょう。カレッジばかりを追いかけている筆者ですらまったく知りませんでした。しかし今ではスーパーボウル出場先発QBです。

ちなみに彼の出身校であるイースタンイリノイ大ですが卒業生にはガロポロの他にダラスカウボーイズで活躍し今はCBSのコメンテーターを務めているトニー・ロモ(Tony Romo)氏や現ニューオーリンズセインツの監督、ショーン・ペイトン(Sean Payton)氏がいます。

その他にもサンフランシスコにはFBカイル・ユーズチェック(Kyle Juszczyk、ハーバード大)、RBマイク・パーソン(Mike Person、モンタナ州立大)、FSジャックイースキ・タート(Jaquiski Tartt、サムフォード大)、そしてカンザスシティにはWRタイリーク・ヒル(Tyreek Hill、ウエストアラバマ大)、DLタノウ・パスニョ(Tanoh Kpassagnon、ヴィラノヴァ大)とFCS出身選手が先発選手として活躍しています。カンザスシティのRGローレント・デュヴァニー・ターディフ(Laurent Duvernay-Tardif)に至ってはカナダマギル大出身。NFLで活躍できるタレントなんぞどこに落ちているかわからないというわけです。

また元FBS選手でも特にレベルが上とされる「パワー5」カンファレンス出身とそれ以外の「グループオブ5」カンファレンス出身選手を見ても面白いです。

カレッジ時代はとかく「パワー5」カンファレンス(ACC、Big Ten、Big 12、Pac-12、SEC)が注目を浴びがちです。しかしこの両チームの先発ロースターをみると「グループオブ5」出身の選手がかなりいることに驚かされます。特にOL陣ですが、サンフランシスコとカンザスシティでそれぞれ「パワー5」出身選手は5人中2人しかいません。

ただディフェンス陣に目を向けると「パワー5」出身が顕著になり、両チーム合わせて22人中16人ものプレーヤーが「パワー5」でかつて名を馳せた選手たちでした。ディフェンスのほうがより個人の潜在能力に頼るところが大きいということなのでしょうか。


出身チーム&カンファレンス

スーパーボウルに出場する両チーム合わせてどの出身大学が一番多くの選手をスーパーボウルに送り出しているかというと・・・

ペンシルバニア州立大が5人、アイオワ大が4人、クレムソン大カンザス州立大ルイジアナ州立大オクラホマ大スタンフォード大がそれぞれ3人ずつという内訳になっています。

またカンファレンス別に見ると・・・。

Big Tenカンファレンスサウスイースタンカンファレンス(SEC)が17人で首位タイ。それ以降はPac-12カンファレンス(13人)、アトランティックコーストカンファレンス(12人)、Big 12カンファレンス(7人)と「パワー5」カンファレンスが続いています。

ドラフト順位は・・・

ドラフトされた順番を見てみるのも一興です。

とかくドライチ選手が注目されるのが世の定めですが、そうでないアンダードッグたちがスターダムにのし上がるのを観るのはいつの時代も爽快なものです。

たとえばサンフランシスコには4人、カンザスシティには3人のドラフト外FA選手、つまりドラフトでどのチームからも声をかけてもらえなかった選手がいます。そんな選手でもスーパーボウル出場チームで先発を張れるわけです。

とは言うものの、やはり第1巡目で引っ張ってきた選手が重要なのも事実。というよりは、第1巡目で選んだ選手がその期待どおりの活躍をしたかどうか、そしてそのような選手を選ぶだけの眼力がスカウト陣やコーチ陣にあったのかどうかということが反映されていることが見て取れます。

サンフランシスコには7人のファーストラウンダー、カンザスシティには3人のファーストラウンダーが今もチームに残っています。特にサンフランシスコの7人は皆過去5年以内にドラフトされた選手。2012年に彼らはジム・ハーボー(Jim Harbaugh、現ミシガン大)監督の下でスーパーボウルに出場しましたが、そのハーボー監督と袂を分かった2014年以来5年連続勝ち越しを逃してきましたが、一方でそれ以降の選手補強、特に2017年にジョン・リンチ(John Lynch、元スタンフォード大)氏がGMに就任して以来のチーム再建が起動に乗ってきた結果が今回のスーパーボウル出場に繋がったといえるのかもしれません。

DLニック・ボーサ(Nick Bosa、元オハイオ州立大)、デフォレスト・バックナー(DeForest Buckner、元オレゴン大)、アリク・アームステッド(Arik Armstead、元オレゴン大)、DBジミー・ワード(Jimmie Ward、元ノーザンイリノイ大)という1巡目選手たちは今後チームを背負って立つ選手たち。さらに今旬なカイル・シャナハン(Kyle Shanahan)という若き指揮官とあいまってサンフランシスコは大変エネルギッシュな印象を与えています。

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今年のカンザスシティはQBパトリック・マホームズ(Patrick Hahomes)の神がかったパフォーマンスに率いられてきたという印象が強いですが(というかそれは事実)、選手たちのルーツをみると結構「シブい」顔ぶればかりなのがわかります。

先にも述べたように1巡目選手はマホームズ、OLエリック・フィッシャー(Eric Fisher、元セントラルミシガン大)、WRサミー・ワトキンス(Sammy Watkins、元クレムソン大)という3人しかいません。その他には4巡目以降の選手が半分を占める(24人中12人)という感じで彼らは大学時代から花があった選手、という訳ではなかったのです。

当然ドラフトされるからにはどの選手もトップクラスの能力を持っているわけですが、やはり1〜3巡目に選ばれる選手には当然ながら相当の期待が寄せられるわけです。それが本物でありプロで開花するかどうかはまた別の話ですが、一方でそうでない選手たちでもコーチが持ち込むシステムに合うか合わないかで潜在能力が引き出される可能性も変わるわけです。

もちろん選手本人の弛まぬ努力もありますが、カンザスシティがここまで実力を挙げてきたのはやはり名将アンディ・リード(Andy Reid)監督の手腕によるところが大きいでしょうね。

特に2017年度のドラフトでマホームスを選択したこと、そして彼をフランチャイズQBとするために元総合ドライチQBで2017年に自身最高のシーズンを終えたばかりのアレックス・スミス(Alex Smith、元ユタ大)をトレードに出したこと。この決断が現在功を奏していることを考えればこれを敢行したリード監督ら上層部にとっては大英断だったといえます。

正直筆者は大学時代のマホームズの活躍を見てもまさか1巡目の選手だとは思いませんでしたし、スミスを手放してまでチームを託すほどの能力がマホームズにあるとは考えもつかなかったのですが、やはりプロは目のつけどころが違うんですね(笑)。

ガロポロ vs マホームズ

ガロポロは2014年のドラフトで大学時代に無名ながら第2巡目という高順位でニューイングランドペイトリオッツに指名されましたが、ここでは絶対的QBであるトム・ブレディ(Tom Brady、元ミシガン大)のバックアップを務め、才能がありながらもそれを披露するチャンスはほぼありませんでした。しかしその才能を見込んだサンフランシスコが2017年にトレードでガロポロを確保。2018年には膝の前十字靭帯断裂という大怪我を負いシーズン早々に戦線離脱しましたが、復帰してきた2019年度シーズンは自身最高となる記録を連発しチームで欠かせない主要選手になったのです。

一方のマホームズはテキサス工科大出身で現アリゾナカーディナルズのHCであるクリフ・キングスバリー(Kliff Kingsbury)監督に3年間従事。キングスバリー監督の超パス重視オフェンス「エアレイドオフェンス」のおかげもあってたったの3年間で11252パスヤードに93TDというとんでもない数字を残しました。また2016年度のオクラホマ大戦で彼が残した1試合のパスヤード(734ヤード)およびトータルヤード(819ヤード)は未だ破られていないNCAA記録です。

そしてプロ2年目となった2018年度は前述の通りアレックス・スミスの代わりとしてフルタイムの先発QBに就任。その期待に十二分に応え、かのペイトン・マニング(Payton Manning、元テネシー大)氏に次ぐ2人目となる5000ヤードパスに50TDを獲得。プロボウルに出場し、最終的に年間MVPにも選ばれるという華々しいシーズンを送りました。その勢いは今シーズンも止まらず、今では押しも押されぬ次世代のスター選手となったのです。

そんな今をときめく二人のQBですが、高校から大学へ進学する際のリクルーティングでの評価はイマイチでした。

リクルーティングにおいて3つ星以上がある程度の評価を得ている選手と考えられていますから、マホームズは中堅、ガロポロに至っては誰も見向きもしないQBだったといっても過言ではないでしょう。そんな選手が経験を積みながらこのNFLの高みへ上り詰めたのです。

高校時代に評価が低くてもその後の努力(と多少の運)があれば何が起きるかわからないというわけです。それこそかつてNBAボストンセルティックスケヴィン・ガーネット(Kevin Garnett)が叫んだ「Anything is possible!!!!」(不可能はない!)という精神なわけです。

ちなみに・・・

選手たちに出身校があれば当然ながらコーチたちにも出身校あり・・・。

そこでこんなツイートを紹介します。

サンフランシスコのシャナハン監督(87番のユニフォーム)はその名前からも察することができるようにかつてデンバーブロンコスで2度スーパーボウルを獲得したことのある名将マイク・シャナハン氏のご子息。彼はデューク大に入学した後に名門テキサス大へ転校したという経緯の持ち主。

テキサス大ではメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite、現アラバマ大アナリスト)氏、クリス・シムス(Chris Simms)氏、ロイ・ウィリアムス(Roy Williams)氏、セドリック・ベンソン(Cedric Benson)氏という錚々たるメンバーと共にプレー。WRとして脇役ながら活躍した後にコーチ道へ足を踏み入れました。

一方のカンザスシティのリード監督はブリガムヤング大出身。OL選手として同大学のレジェンドであるQBジム・マクマホン(Jim McMahon)氏とともに1978年から1980年までプレー。卒業後は9年間カレッジでコーチとしての腕を磨いた後に1992年からNFL入り。1999年にフィラデルフィアイーグルスの監督に就任すると14年間在任し130勝93敗1分けという数字を残し2004年度にはスーパーボウルに出場(ニューイングランドに敗退)。カンザスシティでの7年を合わせた21年の監督任期でプレーオフに進出したのが実に15回というレジェンド級の結果を残しています。

勝てばどちらも監督として初の優勝リング並びにロンバルディ・トロフィー獲得となります。はたして栄冠はどちらの手に?!

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