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カレッジフットボールプレーオフへの道【Vol.3】

カレッジフットボールプレーオフへの道【Vol.3】

今シーズンもレギュラーシーズンにおいて残すところ今週末のみ(来週末に陸軍士官学校と海軍士官学校の伝統の一戦がありますが)となりました。開幕した9月が遠い昔のようです。

今週末は各カンファレンスの優勝決定戦が行われます。そしてこの週末が終わればその結果を受けて発表されるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)ランキングにて上位4チームに食い込んだチームが夢のプレーオフの舞台に立てるわけです。

先月から毎週火曜日にリリースされ続けてきたCFPランキングですが、第5回目のランキングが今週火曜日夜に発表されました。ここではこの最新のランキングをもとにどのチームがプレーオフに進出できる可能性を秘め、そしてどんなシナリオが待ち構えているのかを検証します。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

最新(第3回目)のCFPランキング

CFPに出場する事ができる4チームを決めるのがCFPランキング。13人の選考委員会によりリリースされるこのランキングで最終的に上位4チームに位置付けされた大学がCFPに駒を進めることができます。

そのファイナルランキングは12月5日(日曜日)に発表されることになっていますが、その1つ手前となる第5回目のランキングを見てみましょう。

順位

チーム

戦績

先週

1

ジョージア大

12-0

1

2

ミシガン大

11-1

5

3

アラバマ大

11-1

3

4

シンシナティ大

12-0

4

5

オクラホマ州立大

11-1

7

6

ノートルダム大

11-1

6

7

オハイオ州立大

10-2

2

8

ミシシッピ大

10-2

9

9

ベイラー大

10-2

8

10

オレゴン大

10-2

11

11

ミシガン州立大

10-2

12

12

ブリガムヤング大

10-2

13

13

アイオワ大

10-2

16

14

オクラホマ大

10-2

10

15

ピッツバーグ

10-2

17

16

ウェイクフォレスト大

10-2

18

17

ユタ大

9-3

19

18

ノースカロライナ州立大

9-3

20

19

サンディエゴ州立大

11-1

21

20

クレムソン大

9-3

23

21

ヒューストン大

11-1

24

22

アーカンソー大

8-4

25

23

ケンタッキー大

9-3

NR

24

ルイジアナ大ラフィエット校

11-1

14

25

テキサスA&M大

8-4

15

トップ25の顔ぶれはこんな感じですが、この中でも最終ランキングで上位4位に食い込めるチャンスがあるチームは限られています。この最終局面を迎えるに当たりその可能性を持っているのは以下の6チームに絞られていると考えてまず間違いありません。

1位:ジョージア大(SEC、12勝0敗)
2位:ミシガン大(Big Ten、11勝1敗)
3位:アラバマ大(SEC、11勝1敗)
4位:シンシナティ大(AAC、12勝0敗)
5位:オクラホマ州立大(Big 12、11勝1敗)
6位:ノートルダム大(独立校、11勝1敗)

先週5位だったミシガン大は宿敵オハイオ州立大をなぎ倒して2位まで一気に上昇。そのオハイオ州立大は7位まで降下しましたが、これで2敗目となりこれまで2敗チームがプレーオフ出場を果たしたことがないことからも彼らのプレーオフ出場の可能性はほぼ無くなったと見ていいでしょう。

またオクラホマ州立大が彼らのライバルであるオクラホマ大を倒したことで先週7位からノートルダム大を追い越して5位に。そのノートルダム大はスタンフォード大相手にしっかりと白星を収めましたが、独立校(無所属)である彼らは先週末のそのスタンフォード大戦にて今季のレギュラーシーズンのすべての日程を終えました。


残された各チームのスケジュール

ジョージア大

シーズン中盤からずっと首位を守り続けてきたジョージア大は今週末SEC(サウスイースタン化ファンレンス)チャンピオンシップにてアラバマ大と対戦することになっています。ここまで彼らは他を寄せ付けない圧倒的なディフェンスと堅実なオフェンスで2位以下のチームを大きく突き放しています。その強さから仮にアラバマ大との試合に負けたとしてもプレーオフ進出は確実とされています。

ミシガン大

開幕時トップ25にランクされてすら居なかったミシガン大はじわりじわりと白星を重ねてランキングを上げ、途中ミシガン州立大に敗戦して1敗を喫するも既述の通り先週全米2位のオハイオ州立大を倒して見事にBig Tenカンファレンス東地区を制覇。2011年にカンファレンス優勝決定戦が導入されて以来初のカンファレンス優勝決定戦に駒を進めます。

ここで対戦するのが西地区代表のアイオワ大。今季アイオワ大とはまだ対戦がありませんが、これを制することができれば悲願のBig Tenタイトルを獲得することになり、そうなればプレーオフ進出も確実なものになります。

ただ既に1敗を喫しておりもしアイオワ大に負けてしまえば彼らのプレーオフへの道は閉ざされてしまうことになります。

アラバマ大

先週のアーバン大戦では4OTにまでもつれ込む接戦の末に何とか勝利を収め、虎の子の1敗を守って今週末ジョージア大戦を迎えます。

既に1敗している彼らは上に紹介したミシガン大と同じようにこのカンファレンス優勝決定戦でジョージア大に勝てばプレーオフ進出当確、負ければ脱落という非常にわかりやすい運命が待っています。

シンシナティ大

グループオブ5」出身の期待の星であるシンシナティ大は先週イーストカロライナ大にしっかり勝利して4位を守りました。

残すはAAC(アメリカンアスレティックカンファレンス)優勝決定戦におけるヒューストン大(21位)戦のみ。この試合に勝てば「グループオブ5」出身チームとして史上初のプレーオフ進出が高い確率で現実のものになりそうです。

オクラホマ州立大

上位4チームが脱落してくるのをハイエナのように待ち構えるのが5位のオクラホマ州立大。彼らは今週末Big 12カンファレンスタイトルゲームでベイラー大との一戦を控えます。

このカードは既にシーズン中に一度行われておりこの時はオクラホマ州立大が24対14で勝利しています。彼らがもう一度ベイラー大を倒せばBig 12カンファレンスの王者としてトップ4に食い込む可能性は十分出てきます。

ノートルダム大

ノートルダム大は先週スタンフォード大を45対14と圧倒して11勝目を挙げてシーズンを終えました。どのカンファレンスにも属さない独立校(無所属)である彼らはこれでレギュラーシーズンのすべての日程を終えたことになります。

これは彼らにとっては初めてのことではありませんが、他チームがそれぞれのカンファレンスタイトルゲームでもう1試合アピールできるチャンスがある中、ノートルダム大は独立校であるがためにライバルたちの試合を指をくわえて見守ることしか出来ないのは辛いです。ファイナルランキング直前に素晴らしい試合をしたチームの印象は強烈に選考委員会の目に焼きつくでしょうし、そうなれば試合を行わないノートルダム大には不利と言えます。

残されたシナリオ

今週末それぞれのチームが勝つと以下のような状況になります。

  • ジョージア大(当確)
  • アイオワ大に勝ってBig Tenチャンピオンとなったミシガン大
  • ジョージア大に勝ってSECチャンピオンになったアラバマ大
  • 無敗のシンシナティ大
  • ベイラー大に勝ってBig 12チャンピオンになったオクラホマ州立大
  • 1敗のノートルダム大

ただ実際にはトップ4チームが順当に勝つとなると、ジョージア大がアラバマ大を下すことになり十中八九アラバマ大はこのレースから脱落します。そうなるとプレーオフへの椅子が1つ開くことになります。もしオクラホマ州立大がBig 12を制覇すれば彼らが夢のプレーオフへの切符を掴むことになるでしょう。

一方現在4位のシンシナティ大ですが、彼らはヒューストン大に勝って無敗を守ったとしても100%プレーオフに行けるとは限りません。例えばアラバマ大がジョージア大に勝ってしまったとして、オクラホマ州立大もBig 12チャンピオンになったとしたら、「パワー5」カンファレンスの一つであるBig 12優勝チームが「グループオブ5」カンファレンスの一つであるAACの優勝チームであるシンシナティ大を追い抜くなんてシナリオも無いことはないでしょう。シンシナティ大としてはヒューストン大にただ勝つのではなく、全米中の目を奪うほどの完全な勝ち方で優勝する必要があるのかも知れません。

ノートルダム大としては前述の通り今週末に試合がないため、自力での上位入賞はありません。となれば上位チームが転げ落ちてくるのを待つ他無いわけですが、アラバマ大が脱落しさらにシンシナティ大かオクラホマ州立大もコケてくれなければ彼らにチャンスは無いと見ていいでしょう。ありえないシナリオではありませんが、可能性は高くないと見ます。

つまりシンシナティ大、オクラホマ州立大、ノートルダム大としては少なくともアラバマ大がジョージア大に負けてほしいと願うわけです。アラバマ大がヒール的な存在なのは今年も変わらなそうです(笑)。

では最後に可能性は高くありませんが最悪のカオスなシナリオが起きた場合はどうなるか検証してみましょう。そのシナリオとは、アラバマ大がジョージア大に負け、シンシナティ大に黒星がつき、ミシガン大ならびにオクラホマ州立大もそれぞれのカンファレンスタイトルゲームで負けてしまうというもの。

  • ジョージア大(当確)
  • ミシガン大(11勝2敗)
  • アラバマ大(11勝2敗)
  • シンシナティ大(12勝1敗)
  • オクラホマ州立大(11勝2敗)
  • ノートルダム大(11勝1敗)

これまでもお伝えしてきましたが、過去CFPが導入されて以来2敗チームがプレーオフに進出したことは一度もありません。しかしこのシナリオだと無敗ないし1敗チームが3チームしか残らないことになり、自ずと2敗チームが最後の椅子に座る可能性が出てくるわけです。

その際どの2敗チームを選考委員会が選択するのかというのは非常に興味が湧いてきます。単純に言えば一番ランクの高いミシガン大が生き残る可能性が高いと思いますが、それぞれのカンファレンスタイトルゲームでの「負け方」によってはアラバマ大だったりオクラホマ州立大だったりが4つ目の椅子に座る可能性もでてきます。

ただアラバマ大はジョージア大に負けることになり、そのうえでプレーオフに進出することになると3位を守らない限りは4位チームとして準決勝戦で再びジョージア大との対戦となります。興行的に見てこれは得なのか損なのか?そこらへんの皮算用によってアラバマ大が弾かれることも考えられます。

またシンシナティ大が1敗を喫することになるとノートルダム大との関係性も興味深いものになります。彼らはシーズン中盤に直接対決を行っておりこの時はシンシナティ大がノートルダム大に勝利。この「直接対決の結果」は選考委員会の選考基準過程に盛り込まれており、この場合は普通ならシンシナティ大がノートルダム大に追い抜かれることはないはずです。

しかし数週間前にミシガン州立大がミシガン大を倒したにもかかわらず選考委員会はミシガン大をミシガン州立大よりも上にランクした過去もあります。この時は「検証した結果ミシガン大のほうが全体的にミシガン州立大よりも勝っているから」というのが選考委員会の見解でした。

ノートルダム大はシンシナティ大に敗れた時と比べてチーム力は格段に良くなっています。となれば直接対決で勝っているシンシナティ大がノートルダム大に抜かれる可能性も否定できません。とはいえ皆負けてしまうというこのシナリオではそれでもシンシナティ大がトップ4に残る可能性は十分あると思いますが。

===

プレーオフレースを争うチーム数が減ったためこれまでよりもわかりやすい構図になってきましたが、果たして今週末すべての試合が終わった時生き残っているのはどのチームか?そして選考委員会は日曜日にどの4チームを選ぶのか?

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