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オフシーズン便り#10【2020年】

オフシーズン便り#10【2020年】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ノートルダム大の名物会場アナウンサーが引退

カレッジフットボールの老舗であるノートルダム大のホームであるノートルダムスタジアムで1982年から会場アナウンサーを務め、「ノートルダムの声」として親しまれてきたマイク・コリンズ氏が2020年度シーズン後に現職から退くことが明らかになりました。

ノートルダム大で学生として学んだコリンズ氏は大学時代から学内ラジオなどで働き、地元サウスベンド市(インディアナ州)のTV局でアナウンサーを務めた後に今の仕事に就きました。奇しくも彼が最初にスタジアムアナウンサーとして働いた試合である1982年の開幕戦、対ミシガン大戦はチーム史上初のナイトゲームでした。

以後コリンズ氏は昨年までノートルダムスタジアムで母校の166勝を見守り、1982年以降一度も休むことなく233試合のホームゲームでスタジアムの声となり続けたのでした。

会場アナウンサー然り、ラジオアナウンサー然り、カレッジフットボールではおなじみの「声」というのが存在します。ファンとしてはその声を聞き続けるとその声自体がチームのアイデンティティの一部となるものです。来年からノートルダム大で誰がコリンズ氏の後を受け続かまだ決まっていませんが、おそらくファンがその新しい声に慣れるまで時間がかかることでしょうね。


ノースカロライナ大=リクルートキング?

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ノースカロライナ大といえばマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏らが活躍したように男子バスケットボール部の強豪校として知られています。当然アメフト部も存在しますが、所属するアトランティックコーストカンファレンス(ACC)では中堅レベルをうろちょろする程度のチームでした。

そんなチームに昨年監督として就任したのがマック・ブラウン(Mack Brown)氏です。ブラウン氏といえば1998年から2013年まで名門テキサス大を率いたことで知られ、2005年度シーズンにはあのヴィンス・ヤング(Vince Young)氏らを擁してBCSナショナルタイトルを獲得もしました。

参考記事恩を仇で返したヤング氏

テキサス大監督に就任する前まで10年間ノースカロライナ大でも監督を務めていたため、ブラウン監督にとってはノースカロライナ大での第二次政権ということになりますが、テキサス大を去ってから五年間は主にTVでの解説業に勤しんでいたため、現場の感が鈍っているのではないかと囁かれていたものです。

しかし2017年と2018年に負け越していたチームを昨年の初年度に7勝敗と勝ち越しチームに変化させボウルゲームにも出場を果たし、にわかにチャペルヒル市では大きな期待が膨らんでいるのです。

ブラウン監督がテキサス大で結果を残せたのにはテキサス大というブランド力もありますが、彼のリクルーティング力も大いに影響していたとされます。その巧みな話術でヤング氏ら多くの有能選手を引き寄せることに成功し、それがフィールド上での結果に繋がったというわけです。

そしてそのリクルーティング力は未だ衰えていないというところをノースカロライナ大でも見せつけてくれています。

2月に行われた「ナショナルサイニングデー」ではネブラスカ大フロリダ州立大スタンフォード大などを抑えて19位にまで躍進。これだけでも今までのチーム状況を考えると大変な結果だったのですが、来年にターゲットを絞った2021年度のリクルーティングクラスをみてみるとすでに11人もの4つ星高校生たちが来年ノースカロライナ大への進学を口頭で表明しています。これは現時点でオハイオ州立大テネシー大クレムソン大に次ぐ全米4位の実力となっています。

ブラウン監督の息のかかった選手たちを見ると、2019年と2020年のリクルートクラスには4つ星以上のリクルートが合計17人在籍していますが、彼の前任者であるラリー・フェドラ(Larry Fedora)前監督の最後の4年間の合計数(17)にすでに追いついたことになります。

当然来年のサイニングデーまで相当な時間がありますし、すでに同校進学を口頭で表明している選手でも気変わりするものも出てくると思われるので、全米4位という数字は流動的ではありますが、ブラウン監督の指導のものでノースカロライナ大がACC内で台風の目となってくれる・・・かも。

オハイオ州立大がコネチカット大に払ったマッチ料

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近年「パワー5」とよばれる上位カンファレンス群(ACC、Big 12、Big Ten、Pac-12、SEC)のチームたちが敢えて格下のチームと対戦して確実に白星を獲得しようとするマッチアップが増えてきています。そういったゲームを手軽に食べてしまえることになぞって「カップケーキゲーム」と呼びますが、その特徴としては呼び寄せる側のホストチーム(大抵の場合強い方のチーム)がビジター(弱い方のチーム)に多額のマッチ料を払うことで知られています。

つまりホストチームがお金を払って安全牌な白星を獲得し、ビジターチームはカモられ代わりに多額のお金を手に入れることができるという奇妙な依存構造が出来上がっているわけです。

そんなマッチアップはそこらじゅうにはびこっていますが、今回オハイオ州立大もまたそんなカップケーキゲームを今後の予定に組み込むことが明らかになりました。

その相手はコネチカット大。彼らは昨年までアメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)に所属していましたが、昨季後脱退し独立校(無所属)になっていました。その彼らが2025年度にオハイオ州立大にお呼ばれすることになったのです。しかもそのマッチ料が総額195万ドル(1ドル100円計算で約1億9500万円)というから驚きです。

そしてこの195万ドルというマッチ料ですが、オハイオ州立大がこれまで同じようなカップケーキゲームに支払ってきた額の中では最高額となります。

ちなみに2025年度のオハイオ州立大のスケジュールには開幕戦にテキサス大、その2週後にワシントン大との対戦が予定されています。まだまだ先の話ですが楽しみなシーズンとなりそうです。

羽振りの良いオハイオ州立大

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上記のようにコネチカット大に大金を支払えるほど潤沢な資金を持っているオハイオ州立大ですが、それをさらに裏付ける話が。

というのも2020年度シーズンにチームに在籍するアシスタントコーチのうち実に4人ものコーチが年収100万ドル(約1億円)超えを達成したというのです。

その4人とは新共同ディフェンシブコーディネーターのケリー・クームス(Kerry Coombs)氏、同じく共同ディフェンシブコーディネーターのグレッグ・マティソン(Greg Mattison)氏、オフェンシブコーディネーターのケヴィン・ウィルソン(Kevin Wilson)氏、そしてDLコーチのラリー・ジョンソン(Larry Johnson)氏です。

クームス氏は昨年までテネシータイタンズでDBコーチをしていましたが、以前には2012年から2017年までオハイオ州立大でDBコーチだった縁もあり今回の凱旋となったのでしょう。マティソン氏は昨年からオハイオ州立大のコーチングスタッフ入りを果たしましたが、実はそれまで8年間宿敵ミシガン大のアシスタントコーチの一人でもありました。

今季で4期目となるウィルソン氏はオハイオ州立大に来る前までインディアナ大のHCを5年務めたこともあるベテラン。そしてジョンソン氏は2014年からDLコーチを務める人物ですが、それまではペンシルバニア州立大ジョー・パターノ(Joe Paterno)元監督の元でDLコーチを長年勤めた人物でもあります。

これでオハイオ州立大はカレッジフットボール史上初となる4人のアシスタントコーチに100万ドルの年収を約束した大学となりました。ちなみにこれ以前にはクレムソン大が3人のアシスタントに100万ドルを支払ったのが最高となっていました(2019年)。

今季2年目となる若き司令官ライアン・デイ(Ryan Day)監督の年収は450万ドル(約4億5000万円)ということで、毎年優勝候補に名を連ねるオハイオ州立大はチーム力もさることながらその財力も桁違いなところを見せつけたというわけです。

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