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カレッジフットボールニュースまとめ【2020年12月22日】

カレッジフットボールニュースまとめ【2020年12月22日】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

Thank You, Sarah

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今季新型コロナウイルスに振り回され続けたカレッジフットボールですが、そんな中でも暗い話ばかりに覆われていたわけではなく明るい話題とか勇気づけられる話題もありました。その中の1つがヴァンダービルト大の女性キッカー、サラ・フラー(Sarah Fuller)さんが「パワー5」の試合に女性として初出場並びに初得点を記録したことです。

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新型コロナのせいで正キッカーらが出場できなかったため女子サッカー部員だったフラーさんに白羽の矢が立った訳で、このパンデミックがなかったらこの歴史的出来事は起きなかったのです。

そのフラーさんは前述の通り女子サッカー選手であり、全敗で終わったヴァンダービルト大はボウルゲームにも出場しないため今季のフットボール選手としての彼女のキャリアは終わったわけですが、彼女はすでに女子サッカー選手として来年からはノーステキサス大に転校してプレーを続けるということです。

彼女が出場できたのはヴァンダービルト大のスタントだとか偽善だとかいう心無いコメントも聞かれますが、大学アメフトがただ単に勝ち負けだけを追求するスポーツだけではなく、スポーツを通して経験したり学んだりできる課外活動だと考えればフラーさんが女性として試合に出場できたことは何事にも代え難い出来事だったはず。それは彼女だけでなく彼女の姿を見た若い女子選手たちの目標にもなったわけです。それがフットボール選手になるということだけでなく、未知の世界へ飛び込んでいくという勇気を示してくれたという点で高く評価される行動だったと思います。


UCFのミルトンがフロリダ州立大へ転校

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2018年にセントラルフロリダ大(UCF)のQBとしてハイズマントロフィー候補にも挙げられたマッケンジー・ミルトン(McKenzie Milton)はシーズン終盤のサウスフロリダ大戦で足の骨を折る重症を負い、その怪我の度合いから彼の選手生命は絶たれたと誰しもが思いました。しかし必死のリハビリの末今季スカウトチームのQBとしてフィールドに立てるほどまで回復。実戦復帰も目前と迫っていました。

しかしミルトンが戦線を離れている間にチームではディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)が確固たる先発QBとしてチームに君臨しており、チームが完全にガブリエル体制に移ったことを悟ったミルトンは出場機会を求めて転校を決意。そしてこの度その転校先がフロリダ州立大であることが分かりました。

今季NFLのワシントンフットボールチームのアレックス・スミス(Alex Smith、元ユタ大)がミルトンと同じく選手生命が危ぶまれる怪我を負いましたが、今年見事に復帰ししかもそれだけでなくチームに不可欠な選手としてすでに活躍しています。来年フロリダ州立大でミルトンが同じようにフィールド上を駆け回る姿を見たいですね。

片腕のQB、スカラシップのオファーを貰う

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アイオワ州の高校生QB/LBトラショーン・ウィリス(Trashaun Willis)君がこの度NCAA1部(FCS/フットボールチャンピオンシップサブディジビジョン)のラマー大からスポーツ奨学金(スカラシップ)のオファーが届きました。

それだけでは普通のストーリーなのですが、このウィリス君はなんと片腕のQB。母体の中で胎児に奇形をもたらす稀な症候群でウィリスくんの場合はこれが左腕に発症したのです。

障害にもめげず健常者と同じようにフィールドに立ち続けたウィリス君。大学での活躍に期待したいですね。

コースタルカロライナ大とチャドウェル監督が契約更新

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今季開幕以来完全無欠の全勝街道をひた走り11勝0敗でレギュラーシーズンを終えたコースタルカロライナ大。彼らはFBS(フットボールボウルサブディビジョン)に昇格してきて間もないチームながらここまでの結果残し、CFPランキングでは12位、APランキングでは9位にまで順位を上げてきました。

これが今年だけの一発屋なのかどうかは来年以降にならないと分かりませんが、少なくとも大学自体はこの結果を導いたジェイミー・チャドウェル(Jamey Chadwell)監督の手腕が本物であると信じているようで、この逸材がチームから流出するのを防ぐために今回彼との契約を更新。契約更新後のサラリーは明らかになっていませんが、この更新でチャドウェル監督は2027年まで同校の監督を務めることに同意しています。

現在の年収が37万5000ドル(1ドル100円計算で約3750万円)と100万ドルの大台にも程遠い程度ですがおそらく年収も格段にアップしたことでしょう。このままコースタルカロライナ大でコンスタントに成功を収めればチャドウェル監督が「パワー5」カンファレンス群のチームに引き抜かれることは目に見えていますが、大学側としては可能な限り長いことチャドウェル監督体制でサンベルトカンファレンスを席巻したいと考えていることでしょう。

ちなみにコースタルカロライナ大は12月26日にキュアボウルリバティー大と対戦します。リバティー大(9勝1敗)もコースタルカロライナ大と同様に今シーズン話題を振りまいてくれたチーム。「パワー5」勢同士の対戦ではありませんが、他のどんなマッチアップよりも見てみたい試合です。

マルザーン元監督のフェアウェルメッセージ

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シーズン後にアーバン大ガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督を解雇。8年間で68勝34敗だったマルザーン監督は契約途中で解雇されたため、違約金(バイアウト費)として驚愕の2170万ドル(約22億円)をアーバン大から受け取ることになります。パンデミック下で収入が激減しているにも関わらずこの額のバイアウト費を払ってでもマルザーン監督と手を切りたかったアーバン大は現在も新監督探しに疾走しています。

8年間でのアーバン大での戦績は2170万ドルを払ってでも受け入れがたい数字なのかどうかというのは聞き手によって判断は変わってくると思いますが、全米チャンプを狙う大学としては十分ではなかったということです。特に所属するSEC西地区のアラバマ大ルイジアナ州立大との戦績は合わせて6勝10敗、ライバルで東地区所属のジョージア大も加えると8勝17敗とSECで常勝チームというイメージはあまりありません。

そんなマルザーン元監督にはその期待度の高さから毎年クビか残留かという話題が降って出ていましたが、そんな綱渡りのアーバン大でのキャリアにも遂に終止符が打たれたわけです。熱心なファンからは散々叩かれ続けたマルザーン元監督。そのプレッシャーは本人にしかわからないのでしょうが、その大学から解雇されてしまったマルザーン元監督は本人からの最後のメッセージをツイッターに残しました。

要約すると、アーバン大で合計11年間コーチ業を営めたことは大変光栄なことだった、アーバン大はこれからも自分たち家族にとって特別な存在だ、これまで自分指揮下でプレーした選手や指導したコーチたちに感謝したい、そしてすべてのアーバン大ファンにありがとうと言いたい、といった感じで解雇されたのにも関わらず非常に紳士的で引き際の良いコメントに終始しました。

おそらくマルザーン監督はまたどこかのFBSチームで監督として現場に戻ってくることでしょう。でも急ぐことはありません。なんと言っても22億円というバイアウト費があるのですから😉

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