トレントくんはパデュー大ファンとともに
昨年のカレッジフットボール界で大きな話題となったのはパデュー大の大ファンで難病を抱えて余命幾ばくもないなか、大好きなパデュー大を応援し続けたことで多くの人々に感動を与えてくれたタイラー・トレント(Tyler Trent)くんの話です。
関連記事 タイラー・ストロングシーズン中にはオハイオ州立大をホームで倒すという大金星を上げたパデュー大の原動力となったと言ってもいいくらいのパワーを持っていたトレントくん。明らかに弱っていくトレントくんでしたが、それにも負けず自分の好きなことを命ある限り突き詰めていく彼の姿に涙した人々は多かったはずです。
残念ながらトレントくんは今年の1月2日に20年という短い人生に幕を閉じました。しかしパデュー大は彼のスピリッツを永遠に受け継ぐため、ホームスタジアムであるロスエイドスタジアムの学生専用シートに続くゲートを「タイラー・トレント・スチューデント・ゲート」と命名したのです。
Forever our captain.
Proud to announce today that the student gate at Ross-Ade Stadium will be renamed the Tyler Trent Student Gate. #TylerStrong 💪 #BoilerUp pic.twitter.com/A8cu2TFthn
— Purdue Football (@BoilerFootball) March 27, 2019
トレントくん自身が亡くなる前に立ち上げた、小児がん研究費を募るプロジェクトでは、当初のゴールだった100万ドル(約1億円)を今年1月中に達成。彼のレガシーは今後も長く受け継がれていきそうです。
ユナイテッドエアラインがLAコロシアムとのパートナーシップを解消へ
昨年4月にアメリカの大手航空会社であるユナイテッドエアラインがサザンカリフォルニア大のホームスタジアムでもある「LAコロシアム」の命名権を6900万ドル(約69億円)で買い取ったというニュースをこのサイトでもご紹介しましたが、この度ユナイテッドエアラインがこの命名権を辞退することになったそうです。
関連記事LAコロシアムが改名へ正式名称は「ロサンゼルスメモリアルコロシアム」といいますが、「メモリアル」というフレーズからも察しがつくように、実はこのスタジアムは第一次世界大戦のヨーロッパ戦線で亡くなった兵士たちを弔うためにこう名付けられたスタジアムなのです。その為ユナイテッドエアラインが命名権を獲得したときから、英霊宿るスタジアムの名前が民間会社の名前にとって変えられるのは不謹慎だと批判の声が上がっていたのです。
そんな声を無視できなかったユナイテッドエアラインがこの度コミュニティーの心情を察して自らその命名権を返還することにしたのだそうです。
破綻したAAFのとばっちりを受けるUCF
今年2月に華々しくデビューした新たなプロフットボールリーグ、「アライアンスオブアメリカンフットボール(AAF)」。出だしこそ良かったのですが、アメリカのスポーツファンの興味が離れていくのにそう時間いりませんでした。なんと初年度にも関わらずシーズンを終了することなくリーグは経営難に追い込まれ、シーズンを全うできずに倒産してしまったのです。
その最たる理由は開幕前から予算が足りなかったこと。おそらく来年に開幕する別のプロリーグ「XFL」に先を越されまいと時期早々に発足してしまったことが自らの首を絞めたのでしょう。メディアの露出も少なく、観客もまばらでチケットが売れなければ経営が行き詰まるのは目に見えています。
金欠状態だったため選手にろくにサラリーも支払われていなかったような状態だったことが後に明らかになりましたが、AAFの凋落のとばっちりを受けた大学チームがあります。それはAAFのオーランドアポロズにホームスタジアムを貸し出していたセントラルフロリダ大です。
シーズンが始まる前、セントラルフロリダ大はアポロズに100万ドル(約1億円)でスタジアムを貸す契約を結んでいたのですが、この金額が前払いされておらずリーグが破綻してしまったためセントラルフロリダ大には1銭も入ってこないという状況に陥ってしまいました。
AAFはフランチャイズ制を敷いて履いたもののそれぞれのチームはリーグ自体に一元管理されていたため、リーグが倒産すれば当然全てが一文無しになってしまうのです。アポロズはAAFが中止に追い込まれるまで7勝1敗と絶好調でした。が、結果的にセントラルフロリダ大スタッフはこの間タダ働きをさせられていたに等しいのです。
来年始まるXFL、大丈夫かな・・・?
アーバン大元監督、タバーヴィル氏が政界入りへ
かつてアーバン大で10年間指揮を執り2004年度には13勝無敗という素晴らしい成績でサウスイースタンカンファレンス(SEC)を制しシュガーボウルに出場したこともあるトミー・タバーヴィル(Tommy Tuberville)氏。アーバン大の他にミシシッピ大やテキサス工科大、シンシナティ大でも監督を務めたことがあるタバーヴィル氏は2017年度以来現場を離れていましたが、この度フットボール界から完全に足を洗い、政治の世界へ飛び込む決意をしたようです。
というのも氏は2020年の選挙でアラバマ州の上院議員に共和党員として立候補することを表明したのです。
アーバン大時代のタバーヴィル氏
実はタバーヴィル氏は2018年の春にもアラバマ州知事に立候補することに興味を示していました。その時は結局立候補することはありませんでしたが、彼が政治の世界に興味があったことは昨日今日の話ではなかったようです。元々アーカンソー州出身のタバーヴィル氏ですが、アーバン大での活躍のお陰でアラバマ州での知名度はなかなかのもの。
監督としてのタバーウィル氏といえばやはり先にも挙げた2004年のアーバン大が思い浮かばれます。このときはQBジェイソン・キャンベル(Jason Campbell)、RBロニー・ブラウン(Ronnie Brown)、RBカーネル”キャデラック”ウィリアムス(Carnell ”Cadillac” Williams)、CBカルロス・ロジャース(Carlos Rogers)など錚々たるメンバーを擁してSECを席巻。当時3チームいた無敗チーム(アーバン大、オクラホマ大、サザンカリフォルニア大)の一角を担いましたが、BCSナショナルタイトルゲームに選ばれなかったという不運も味わいました。
参考記事 ボウルチャンピオンシップシリーズ果たしてタバーヴィル氏が政界でも活躍する日が来るのでしょうか?