毎年2月の第1水曜日は「ナショナルサイニングデー(National Signing Day)と決まっています。
カレッジフットボールに詳しくない方は「なにそれ?」ということになるでしょう。
ナショナルサイニングデー(NSD)とは高校生アスリートが進学先を決めて正式に書類に署名する日のことです。この書類(National Letter of Intent、NLI)にサインすることで大学は選手にスカラシップ(スポーツ奨学金)を約束する代わりに選手はその大学に進学することを公式のものにするのです。サインしてしまうと選手は心変わりすることはできません。実際心変わりすることはできますが、別の大学に進学することになったとしても特例がない限りは新天地でスカラシップを貰えなくなります。
リクルーティングとは?
選手たちを勧誘しNSDで署名させるまでのプロセスを「リクルーティング」と呼びます。カレッジフットボールのシーズンは長くても4ヶ月程ですが、リクルーティングは1年中絶え間なく続けられる作業であり、シーズンが終わってもコーチたちは常にリクルーティングの仕事に追われることになります。
そしてその集大成がNSDというわけです。昔から高校生やその家族にとってはスカラシップをもらってプレーをするかわりに授業料を免除されるということは無償で大学教育を受けられるという面から大変意義のあることでした。
もちろんその側面は現在も存在しますが、若い選手たちの近年のプロ志向からただスカラシップを貰えるだけでなく、先につながるチーム(つまり強豪や名門チーム)に進学できるかどうかは死活問題(と彼らは思っている)となっています。
リクルーティングはチーム育成の上で非常に重要なポイントであることはこのサイトでも触れてきていますが、それと同時に加熱するリクルーティングやNSDの報道に筆者自身としては嫌気が差していることも事実。なぜならまだ大学で何も結果を残していない17歳ほどの子供が全米のTVの前でまるでセレブのような振る舞いで進学先を発表するようなシーンに辟易としているからです。
とはいえカレッジフットボールのサイトを運営する上でリクルーティングやNSDの話題に触れないわけにはいかないので、今回は今年2月3日に行われたNSDなどの話題をお届けします。