ナショナルサイニングデー
そして2020年のNSDは2月5日に行われました。ただ前述の通り多くの目玉選手たちはすでにESPで進学先を公表してしまったため、NSDはかつて程の注目を浴びなくなってしまいました。
が、だからといって署名時のドラマや駆け引きがなかったわけではありません。ESPで進学先を決めなかった有能リクルートたちがどの大学に進学したのかというのはメディアやファンにとっては気になる情報だったことでしょう。
そんな感じで過去と比べるとあっさり塩味的に過ぎ去っていったNSD後のリクルーティングランキングは以下のとおりです。
(カッコ内の数字はリクルートの人数)
1. ジョージア大
★★★★★ (4)、★★★★☆ (15)、★★★☆☆ (6)
2. アラバマ大
★★★★★ (4)、★★★★☆ (17)、★★★☆☆ (4)
3. クレムソン大
★★★★★ (5)、★★★★☆ (12)、★★★☆☆ (6)
4. ルイジアナ州立大
★★★★★ (3)、★★★★☆ (14)、★★★☆☆ (7)
5. オハイオ州立大
★★★★★ (4)、★★★★☆ (17)、★★★☆☆ (4)
6. テキサスA&M大
★★★★★ (2)、★★★★☆ (13)、★★★☆☆ (11)
7. アーバン大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (16)、★★★☆☆ (10)
8. フロリダ大
★★★★★ (1)、★★★★☆ (17)、★★★☆☆ (6)
9. テキサス大
★★★★★ (1)、★★★★☆ (15)、★★★☆☆ (4)
10. テネシー大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (13)、★★★☆☆ (9)
11. オクラホマ大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (14)、★★★☆☆ (9)
12. オレゴン大
★★★★★ (3)、★★★★☆ (7)、★★★☆☆ (12)
13. マイアミ大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (10)、★★★☆☆ (12)
14. ミシガン大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (14)、★★★☆☆ (9)
15. ペンシルバニア州立大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (11)、★★★☆☆ (16)
16. ワシントン大
★★★★★ (1)、★★★★☆ (9)、★★★☆☆ (11)
17. ノートルダム大
★★★★★ (1)、★★★★☆ (8)、★★★☆☆ (8)
18. サウスカロライナ大
★★★★★ (1)、★★★★☆ (8)、★★★☆☆ (15)
19. ノースカロライナ大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (9)、★★★☆☆ (16)
20. ネブラスカ大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (9)、★★★☆☆ (15)
21. スタンフォード大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (6)、★★★☆☆ (16)
22. フロリダ州立大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (8)、★★★☆☆ (16)
23. ケンタッキー大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (7)、★★★☆☆ (16)
24. アリゾナ州立大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (8)、★★★☆☆ (12)
25. ウィスコンシン大
★★★★★ (0)、★★★★☆ (5)、★★★☆☆ (15)
リクルートの評価は5つ星が最高で星が減ることに当然評価も下がるわけですが、おそらく注目すべきは4つ星まででしょう。(といっても先日カンザスシティチーフスにスーパーボウル優勝をもたらした元テキサス工科大QBパトリック・マホームズは3つ星リクルートでしたが)。
ブルーチップという呼ばれ方もする5つ星アスリートはこの時点で30選手。その約6分の1をクレムソン大が持っていったという事実も凄いですが、サウスイースタンカンファレンス(SEC;アラバマ大、ジョージア大、ルイジアナ州立大、テキサスA&M大、サウスカロライナ大)出身チームだけで全体の半分となる15人を囲ったという事実も侮れません。SECがトップを牛耳り続けている背景を垣間見ることができます。
筆者的にはこのランキングが即戦力としての力関係に大きく影響するとは考えていません。それよりもこれらの選手たちが育っていく2年目以降のチーム状況を予想する上では多少の目安になるかもしれません。
しかしもっと重要なのは戦力というよりも今現在のカレッジフットボールの勢力図というかトレンドが垣間見れるということです。
今年はジョージア大が2年ぶりにリクルートランキングで首位に立ちました。現在の監督であるカービー・スマート(Kirby Smart)監督が就任して4年が経ちましたが、彼が来て以来ジョージア大のリクルーティングはうなぎ登りに良くなっています。2018年、2019年と彼らはカレッジフットボールプレーオフ(CFP)進出を逃しましたが、それでもリクルーティングでこれほどまでに成功しているということはそれだけ現在ジョージア大というブランディングが上々であるということです。
それは他のトップチーム(クレムソン大、アラバマ大、オハイオ州立大など)にも言えることですが、昨年ついにCFP出場を逃してダイナスティの終焉かなどとささやかれていたアラバマ大も今年のランキングでは2位につけていることを考えると、リクルートたちの間では依然としてアラバマ大は将来有望なチームであるという認識がされているということになります。
もっと下を見てみるとノースカロライナ大、ケンタッキー大、アリゾナ州立大という今まではこのランキングに食い込んでくることがなかったようなチームがランクインしているところを見ると、彼らがリクルーティング戦争で成果を挙げていることがよくわかります。この3チームはここ1〜2年で戦績を挙げてきているチームたちですから、今後の彼らの動向が非常に期待できそうです。
一方でオクラホマ大、ペンシルバニア州立大、ミシガン大といったチームは5つ星リクルートを1人も獲得することができずにランキングを下げています。これが今後のチームづくりにどう影響を及ぼすかも気になるところ。
そういう風な目線でこのランキングを見てみるとまた違った面や今のトレンドが見えてくると思います。
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