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2020年ナショナルサイニングデー終わって・・・

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アーリー(早期)サイニングピリオド

NSDのことに触れる前に紹介して置かなければならないイベント(期間)があります。それがアーリーサイニングピリオド(Early Signing Period=ESP)です。

先にもお話したとおり高校生が署名にサインする日をNSDとしてそれは1年に一回だけ2月の第1水曜日に行われることが通例でした。しかしながら選手がサインできる日が1日しか無いことに関しては様々な議論が起き続けていました。

いい例で言えばもうすでに100%進学先を決めている高校生がいたとして、この選手が初秋の時点で絶対に目当ての大学でプレーすると決心していても2月までは正式にサインすることはできず、それまでの間他のチームからの勧誘に耳を貸したり、噂話に心身を労しなければならないわけです。

高校生にとってはリクルーティングのプロセスは大きな負担になります。そのような選手は早いところNLIに署名してこのプロセスに終止符を打ちたいと思うはずです。

またもしすでに自分の行きたい大学からオファーが来ていたとしても、時間が経てばNSDの前に大学側からオファーを取り消すという最悪の決断を下される場合も稀にあります。そういったケースを回避するためにも早めにサインしてしまおうという選手もいます。

そこで登場したのがESPです。

ESPが導入されたのは2017年のことですから至極最近のシステムです。このESPにより12月の中旬に3日間高校生がNLIにサインをすることができるようになりました。

12月中旬と言えばちょうどレギュラーシーズンが終わりポストシーズンのボウルゲームが始まりだす頃。レギュラーシーズンが終わってもボウルゲームに出場することが決まっているチームとしては仕事が増えてしまったわけです。

選手にとって見ればいち早くこのプロセスを終わらすことができるということで非常に重宝なシステムとなりましたが、コーチ陣にしてみればトップリクルートたちを自分たちの元へ引き寄せるために最後の勧誘をボウルゲームの準備と同時進行で行わなければならなくなったからです。しかもカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に進出するチームにとって見れば負担の規模は桁違いです。

そんな新たな試みとして行われたESPですが、初年度の2017年から予想以上のリクルートたちがこの期間中にNLIにサインをしてこのESPの重要さが露呈されました。あまりにも多くの選手たちがこの時期に進学先を決めてしまったことでこれまでの2月のNSDの脚光の浴び方が下火になってしまうほどでした。NSDを迎えるまでに多くの目玉選手たちがESPで進学先を表明してしまったからです。

ESPでサインしたリクルートの割合

2017年:75%
2018年:80%

と言った感じでこれまで注目を浴び続けてきたNSDとESPの位置関係は初年度の2017年から逆転してしまったわけです。

これは各大学チームにとって従来のリクルーティングの手法を調整しなければならないほどのインパクトを持っているといえます。

これまでは2月まで選手を選別する時間があったわけです。しかしESPで選手が進学先の決定を前倒しにできるようになったためにコーチたちはよりアグレッシブに選手たちにアプローチしていかなければならなくなったのです。

とはいってもコーチが選手に訪問できる回数、選手をキャンパスに呼び寄せることができる回数(オフィシャルビジット)、電話や電子メールを使うことができる時期などは従来と変わらないわけですから、誰にスカラシップをオファーするという決定は在校生からなるチーム構成を考慮して慎重かつ迅速になさなければ他のチームに選手を奪われてしまいます。

そんなこんなでESPはリクルートたちの進学先決定を大きく変え、コーチたちのリクルーティングへの取り組みを変えてしまったわけですが、2019年もそのようにしてすでにESPが12月18日から20日までの3日間行われ、この年もすでに多くの目玉選手たちがNLIに署名しました。

そのESP終了時点でのリクルーティングランキングは以下のとおりです。

1. クレムソン大
(ターゲット23人/サイン23人)
2. アラバマ大
(ターゲット26人/サイン22人)
3. オハイオ州立大
(ターゲット26人/サイン24人)
4. ルイジアナ州立大
(ターゲット21人/サイン19人)
5. ジョージア大
(ターゲット19人/サイン17人)
6. アーバン大
(ターゲット24人/サイン22人)
7. テキサスA&M大
(ターゲット22人/サイン21人)
8. フロリダ大
(ターゲット24人/サイン20人)
9. ノートルダム大
(ターゲット18人/サイン18人)
10. ミシガン大
(ターゲット26人/サイン22人)
11. オクラホマ大
(ターゲット22人/サイン21人)
12. テネシー大
(ターゲット23人/サイン21人)
13. ペンシルバニア州立大
(ターゲット27人/サイン27人)
14. テキサス大
(ターゲット17人/サイン17人)
15. ワシントン大
(ターゲット22人/サイン22人)
16. オレゴン大
(ターゲット22人/サイン19人)
17. サウスカロライナ大
(ターゲット21人/サイン17人)
18. マイアミ大
(ターゲット19人/サイン18人)
19. ノースカロライナ大
(ターゲット26人/サイン24人)
20. ネブラスカ大
(ターゲット25人/サイン22人)
21. フロリダ州立大
(ターゲット18人/サイン16人)
22. スタンフォード大
(ターゲット20人/サイン17人)
23. ケンタッキー大
(ターゲット20人/サイン19人)
24. ジョージア工科大
(ターゲット24人/サイン21人))
25. ミシシッピ州立大
(ターゲット21人/サイン21人)

見てお分かりいただけるともいますが、どの大学でもターゲットにしている人数(もしくはスカラシップを与えることができる最大数)に限りなく近い高校生たちがサインしていることがわかります。8割から9割のリクルーティングがこのESPで終了してしまっているということになります。

トップチームはどれも強豪・名門校ばかりですが、目を引くのは11位のテネシー大です。かつて1990年台から2000年代までランクの常連チームだった彼らはここ最近低迷。しかしジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)監督を迎えて2年が経ちリクルーティングで上手く行っているというのは良い兆しです。

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