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ミズーリ大フットボール部ボイコット→大学長が辞任へ

ミズーリ大フットボール部ボイコット→大学長が辞任へ

ミズーリ大フットボール部の選手たちが同大学の学長が辞任するまでフットボール関連のすべての行事をボイコットすると表明してから2日。彼らのボイコットが功を奏し学長が辞任することを月曜日に表明しました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

体育局長(AD)とヘッドコーチ、ゲリー・ピンケル(Gary Pinkel)はチームは通常のスケジュールへ復帰すると発表。今週末に行われるブリガムヤング大との試合に備えます。

30人以上のフットボール選手達がフットボールに関する全ての行事をボイコットすると表明したのは先週末土曜日の夜。事の発端は大学内で広がっていた、人種差別問題をおざなりにしてきた学長ティム・ウォルフ氏に抗議する運動にフットボール選手が同調した事でした。特に黒人学生であるジョナサン・バトラーという生徒が抗議のために断食を決行しており、バトラーを知る多くのプレーヤーたちも彼と共に立ち上がったのです。

フットボール部のボイコットに先立ち金曜日には日に増す抗議の声に押されウォルフ学長がバトラーと話し合いの場を持ちました。キャンパスではこれまで人種差別の問題が上がるたび大学側が適切な調査や処置を怠って来たと主張する声が多く、そしてその声に耳を傾けようとしない学長に批判の矛先が集まっていました。また大学から120マイル離れた所には、今年同じく人種差別問題で全米の注目を浴びたファーガソン市もあり、このトピックに関しては特にこの州ではセンシティブなものなのです。ともあれ金曜日の話し合いは決裂し、バトラーは再び断食を続行。そしてフットボール選手がボイコットを表明したのです。

彼らの絶大なバックアップとしてピンケル監督は「ミズーリ大ファミリーはここにみな結束し、私は選手達(がボイコットを決行する事)を支持する」と表明しました。またADのマック・ローズ(Mack Rhoades)氏も「今一番重要な事はジョナサン・バトラーの健康・体調、そして彼をサポートしようとする選手やコミュニティだ。今朝(日曜日)のミーティングでそれを確認し、私たちはジョナサンが断食を終えるまでフットボールの練習をしない事を決断した」としました。

それを受け日曜日の夜にはウォルフ学長は学生達の抗議を受け止めるとしましたが、辞任する事は拒否。しかしこれがさらに批判の声を増長させ、大学の教授やスタッフも辞任しなければ大学を去ると発表しだし、もはやキャンパスは学長辞任しか解決の道は残されていないような雰囲気になりました。

そして月曜日、ついにウォルフ学長はその座から辞任することを発表。キャンパスは歓喜の輪に包まれました。

特筆すべきはこの一連の事件でフットボールチームが及ぼした影響力です。彼らがボイコットを表明するまではバトラーの断食も小さな小火一つでしかありませんでしたが、彼らが立ち上がったおかげでキャンパスでの抗議の声が倍増し、それに大学側が動かされ結果として学生たちの勝利となったのでした。

フットボーゲームの1試合の経済効果はおよそ100万ドル(約1億3000万円)といわれ、仮にボイコットが続行されて今週末の試合が行われなかったとすれば、それだけの大金を損失することになります。大学でのフットボールの位置づけは大学のスピリッツというだけでなく貴重な収入源でもあるため、それが大学側を動かした大きな理由である事は明らかです。さらにはヘッドコーチであるピンケル監督が後押しした事も非常に大きいです。彼は以前マイケル・サム(Michael Sam)が同性愛者であることを公表したときも彼をチーム全体でサポートしチーム内での全幅の信頼を得ました。

いずれにしてもこれで全てが解決すると言う事にはならなそうですが、少なくともキャンパスが正常に戻るためのきっかけにはなりました。

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