またまたこの男の登場です・・・。
もしあなたがアラバマ大ファンであったなら、先にも紹介したニュースにもあるように未だにクレムソン大に敗れたナショナルチャンピオンシップゲームを引きずっているかもしれません。どうして負けてしまったのか・・・。そしてその疑問はおそらくこの「たられば」に繋がっていくのではないでしょうか？
「もしレーン・キフィン（Lane Kiffin）があの試合でもオフェンシブコーディネーターとしてチームを率いていたら結果はどうなっていただろうか？」
アラバマ大との決別
もう何度も紹介していますが、昨年末フロリダアトランティック大（FAU）の新監督に任命されたキフィン氏はアラバマ大のシーズンが終わるまでは同チームのOCとしての責務を全うするとして少しの間二足のわらじを履いていました。
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FAUでのリクルーティングやら一般業務をこなしながらアラバマ大をプレーオフに向けて準備させるのは確かに激務だったことでしょう。準決勝戦のワシントン大戦はしっかりと勝利を飾りましたが、オフェンスは非常にちぐはぐでした。後日キフィン氏はこの時を振り返り、アラバマ大では全身全霊を込めて仕事に集中できていなかったことを告白しています。
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そしてナショナルチャンピオンシップゲームを1週間後に控えた1月2日になんとキフィン氏は突如としてアラバマ大を退団。これはキフィン氏がアラバマ大で100％の力を出せなかったから（FAUの仕事を兼務していたため）から自ら身を引いたとか、そんなキフィン氏を不必要とニック・セイバン（Nick Saban）監督が突き放したとか、色々言われましたが、真相はわかりません。
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サーキジアン氏がキフィン氏の後継に
タイトルゲームでは当時オフェンシブアナリストとしてチームをサポートしていた、元サザンカリフォルニア大監督のスティーブ・サーキジアン（Steve Sarkisian）氏がOCをつとめ、つけ刃の割にはオフェンスをまとめあげたとは思いますが、所々で非常に守りに入ったようなプレーコーリングが見られ（もっとも私はコーチではないので素人目でしか語れませんが）、それは明らかにキフィン氏の率いるオフェンスとは異なるものでした。
アラバマ大がもっと得点を重ねていれば勝てていた・・・と安直にいうファンもいるかもしれませんが、アラバマ大は試合終了直前にリードを奪い返し、そのまま逃げ切れば2連覇を達成できていたかもしれなかったのです。しかしクレムソン大のQBデショーン・ワトソン（Deshaun Watson）の神がかったパフォーマンスとアラバマ大のメンタルミスで試合終了間際に再逆転を許してしまったということを考えれば、敗因を全てオフェンスに押し付けることはどうかと思います。
キフィン氏だったら勝てていたのか？
そんなこんなで時は経ちすでに5月を迎えているわけですが、先日アメリカ主要メディアのフォックス（Fox）のスポーツラジオショーでインタビューを受けたキフィン氏は、もしあの時アラバマ大に残っていたらアラバマ大のタイトル戦での結果は違うものになっていたと思うか？という質問をぶつけられ、こう答えていました。
「そんなことはわかりません。分かりっこありませんよ。サーク（サーキジアン氏のあだ名）は非常に難しい立場に立たされました。若干1週間でチームをナショナルタイトルゲームで戦えるようにしなければならなかったのですから。だから私とサークとで何が変わったかを知るなんてことは一番難しいことです。」
「私とサークでは一つ一つのプレーがそれぞれ違うものになるのは当然です。そしてプレーが異なるからといって、私が選ぶであろうプレーのおかげで試合に勝てていたかどうかなんてのも分かりません。私と違うプレーが使われたことはサークのせいではありません。もし（うまくいかなかったことに）理由があるとすれば、選手が使用されたプレーに馴染みがあったかどうかということでしょう。」
キフィン氏とサーキジアン氏はかつてサザンカリフォルニア大で共に仕事をしたことがあり、また私生活の問題でサザンカリフォルニア大を解雇されたサーキジアン氏に手を伸ばしたのもキフィン氏だったと囁かれる中、サーキジアン氏がキフィン氏を引き継ぐことになった時、誰もがこの移行はスムースに行くと思っていました。が、考えてみれば違う人間が全く同じように物事を考えることなんてなかなかありえませんし、似通っていたとしてもそれが100％同じになるはずありません。キフィン氏のオフェンスとサーキジアン氏のオフェンスが違うものになったのは当然のことなのです。
