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カンザス大のチケット売上が大幅に減少

カンザス大のチケット売上が大幅に減少

カレッジフットボール界ではアマチュア大学スポーツであるにも関わらずとんでもない額のお金が動いていることは今まで何度も紹介してきました。

例えば監督に払う巨額のサラリーとか、スタジアムや施設のアップグレードのための費用とか、専属契約を結ぶスポーツ用品ブランドとの契約金とか・・・。

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多くのチームが非常に羽振りが良い様に聞こえますが、一方でこれは強豪チームでリソースが揃っている様なチームでのみ起こっている出来事であるのも事実です。チームが強くもなく、需要がないのならばそんなチームにお金は流れてこないのもまた実情なのです。

それは何も中堅とされる「グループオブ5カンファレンス」チームだけに限ったことではありません。彼らの格上とされる「パワー5カンファレンス」所属のチームでも苦労しているチームはあるのです。

その一つにBig 12カンファレンス所属のカンザス大が挙げられます。男子バスケットボール部は常に優勝を狙えるチームですが、フットボール部は長きにわたりBig 12カンファレンスでも下位をうろちょろする様なチームです。

それは数字にも表れています。彼らは2009年以来未だ勝ち越しシーズンを経験していませんし、ボウルゲームにも同年以来出場を果たしていません。この9年間での戦績は30勝88敗ということで長いこと明るいニュースがないチームなのです。

もっとも2007年にはマーク・マンジーノ(Mark Mangino)元監督指揮下で12勝1敗という成績を残し、少しだけ彼らが強くなりかけた時期がありましたが(残念ながらマンジーノ監督は選手やスタッフへのハラスメントのせいで2009年シーズン後に解雇されてしまうのですが)、この時を除けばまさに全米のお荷物チームとして認知されていたチームであり、今の不調も珍しいものではないのですが・・・。

とにかくカンファレンス内の覇権争いが熾烈になり、その影には激しいリクルーティングバトルが繰り広げられており、そのバトルで勝つためにそれぞれのチームは巨額の資金を施設のアップグレードに費やしています。要するにきらびやかな施設をリクルートたちに見せつけ、彼らを自分のチームに勧誘するための手段なのです。

そしてそれが出来るチームと出来ないチームで差はどんどん開き、安く雇用できる、若くて将来ある監督を幸運に射留めることでも出来なければ下部のチームはどんどん他のチームから置いてきぼりを食らうことになるのです。そしてもし仮にそういう若い監督が出てきたとしても今度はそういった人材が上を目指してチームを去っていってしまうため、下部のチームが強豪の仲間入りをコンスタントに果たすのは想像以上に難しいのが実際のところです。

カンザス大はマンジーノ氏体制後、元ネブラスカ大のスターでバッファロー大で監督として成功を収めたターナー・ギル(Turner Gill)氏を起用しますが2年間で5勝19敗と撃沈し解雇。その後には元ノートルダム大監督のチャーリー・ワイズ(Charlie Weis)氏に再建を託します。しかしそのワイズ氏も3年間(3年目はシーズン途中に解雇)で7勝29敗と上昇の気配は一向に見えてこず・・・。

そして2015年には2011年にカンザス大でオフェンシブコーディネーターをつとめ、その後はテキサスA&M大でWRコーチをしていたデヴィッド・ビーティ(David Beaty)氏を監督としてチームに連れ戻しました。しかし昨年3年目を終えたビーティ体制下のチームは3勝33敗とワイズ氏よりも劣る数字しか残せませんでした。が、ビーティ監督は未だ監督の座をどうにか守っています・・・。

そんな感じでカンザス大は未だ昔からのカンザス大の殻を破れないでいるわけですが、そんな彼らのファンも年々スタジアムに足を運ぶことをやめてしまっているようです。勝てる見込みがないチームの試合にお金を払ってまで行こうと思わないのはわかる話です。

その証拠に2017年度シーズンに売り上げたチケットセールスの総額がチーム市場最低の340万ドル(約3億7000万円)だったそうで、この額はチームが上昇気流に乗っていた2009年と比べると600万ドルの減額で減少率は約65%にもなるのです。

ビーティ監督が3勝33敗という成績を残しつつも解雇されなかったことはカンザス大ファンに怒りを大いに買いました。あまりに腹が立ったファンの一部はハイウェイのビルボードを自腹で借りて抗議のポスターを貼ったという出来事もありました。

2018年度シーズンに大幅な好成績を残せなければおそらくシーズン途中にでも解雇されかねないビーティ監督。背水の陣で次季シーズンに臨む事になります。

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